帝京大の攻撃を抑え切れず 悔しい敗戦に

ラグビー男子

 春の大一番。早大は、関東大学春季大会第4節となる帝京大との一戦を迎えた。試合開始早々、敵陣でのチャンスをものにし、SO守屋大誠(政経2=東京・早実)が先制を挙げる。その後は帝京大に逆転を許すが、FWが我慢をしBKがボールを大きく展開することで反撃を図る。チャンスの場面も見られたが、得点に結びつけられずに防戦一方。なかなか点差を縮めることができずに、26-52で悔しい敗戦となった。

 試合開始直後から、先制のチャンスを得た早大。前半5分、敵陣深くのラインアウトモールを起点にCTB吉村紘(スポ4=東福岡)から守屋へパスが渡り、そのまま守屋が大きく弧を描くように相手を抜き去って先制トライを挙げた。その後は帝京大にペースを握られ、18分にはドライビングモール、21分には早大の連携パスの乱れからインゴールを明け渡してしまう。しかし直後の23分、早大はフランカ―小池航太郎(商3=東京・早実)のビッグゲインからFWとBKが一体となった速いテンポのアタックでボールを展開し、WTB西浦剛臣(法2= ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)が左隅を駆け抜け、トライ。続く25分にはロック前田知暉(スポ4=東海大大阪仰星)が大きく抜け出し、フランカー村田陣悟(スポ3=京都成章)にラストパス。早大のトライかと思われたが、帝京大の粘り強いディフェンスにより好機を逸してしまう。しかし27分には、早大の素早い攻撃を吉村がインゴール右隅にフィニッシュ。吉村のコンバージョンも決まり、7点追加で19-24に。追い上げムードの展開だったがその後も帝京大の攻撃は止まらない。終了間際には1トライを奪われ、前半ラストプレーでのキックパスは惜しくもノックオンの判定となり、19-31で試合を折り返した。

今季初スタメンとなったフランカー小池

 後半も帝京大の猛攻を受け、苦戦を強いられた。後半7分、相手にトライを許したが、すぐさま反撃に転じた早大。12分、中央付近で吉村からパスを受けたCTB野中健吾(スポ1=東海大大阪仰星)が相手の隙を突いて駆け抜け、プロップ川﨑太雅(スポ3=東福岡)へ。ゴール前でSH宮尾昌典(スポ2=京都成章)にオフロードがつながり、そのまま中央へグランディング。スコアを26-38とした。しかしその後は帝京大のタテへの力強いアタックを抑え切ることができず、失点を重ねてしまう。何とか追いつきたい早大は粘り強くディフェンスを固めたものの及ばず。両校譲らないゲーム運びで20分もの時間が経過した。試合終了間際にはディフェンスで精彩を欠き、失点。点差を詰めることができないまま、26-52でノーサイドを迎えた。

インゴールへ駆けるWTB西浦

 『チャレンジ』をテーマに臨んだ今試合。コンタクトの部分やアタック面で劣勢となるなど課題は明白となった。しかし、帝京大のモール攻撃を阻み、ピンチを耐えしのいだ場面では積み上げてきたトレーニングで底力を発揮した。「今回の敗戦を糧にできるかは自分たち次第。良いかたちで春を締めくくりたい」とNO・8相良昌彦主将(社4=東京・早実)が意気込みを見せるように、浮き彫りとなった課題を洗い出し、最終節の日大戦へ。チーム一丸となって春シーズンを勝利で締めくくりたい。

(記事 谷口花、写真 湯口賢人)

コメント

NO・8相良昌彦主将(社4=東京・早実)

――今日の試合のテーマは

 今日のテーマは『チャレンジ』というところで、格上というか、去年のチャンピオンチームに対して自分たちがどれだけ戦えるマインドを持って、相手に挑戦できるかを考えていました。前半に立て続けに何本も取られてしまい、マインドどうこうよりも技術、戦術を落とし込むことがまだまだ足りなかったですし、戦っているシーンは何回もありましたが、後半少し離された時に、自分たちのマインドが落ちてしまったところもあるので、まだまだだったかなと思います。

――セットプレーの手応えは

 ラインアウトでは相手は競ってこなかったのですが、モールディフェンスのところでモールを二、三本作られたのは反省しないといけないですし、やはりそこでもっと激しくいかないといけないと思うので、そこでのマインドの部分や技術はまだまだ足りないと思います。

――守る時間が後半続いていましたが、いかがでしたか

 ゴール前で守って脱出したシーンが何度かあって、その中では良かったのですが、そこから攻撃でなかなか攻撃の糸口をつかめなかったところがあったので、ディフェンスしていてもトライを取れなければ意味がないので、反省しかないです。

――収穫はありましたか

 チャンピオンチームとの距離が分かったのは収穫でしたが、この敗戦を糧にできるかは自分たち次第だと思うので、収穫になるかはこれから次第です。

――来週が最終戦になりますが、意気込みをお願いします。

 来週は春シーズン最終戦になるのですが、今週はAからCのカテゴリーで全て負けてしまったので、最後は全勝して良い形で春を終えられるように一丸となって頑張っていきたいです。

WTB西浦剛臣(法2=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)

――今日の試合全体を振り返っていかがでしたか。

 全体的に帝京ペースで、自分達のアタックができていなかったですし、ディフェンス面でもコンタクトの部分で負けていたので、しっかり修正して、二度と帝京に負けないようにしたいと思います。

――今日のトライを振り返っていかがでしたか。

 FWがゲインしてくれていたおかげで、スペースがもらえたのと内側の人たちがパスを繋げてくれて取れたので、今日のトライは仲間からつなげてもらったという感じでした。

――帝京大を相手にした印象・感想を教えてください。

 やっぱり、コンタクトが強い印象があって、その部分で勝たなければ、戦術云々の話にならないので、自分達はそこを成長させなければならないと思いました。

――今日の試合の課題と収穫をお願いします。

 個人としては、タックルの部分で、2つ外されてしまったのがあるので、そこが課題です。個人の収穫としては、自分のランでゲインできたところです。チームとしては、自分達のアタックできている時間帯は、トライが取れたので、アタックが通用するというのがわかったのが収穫でした。それ以外で、相手のペースになってしまったり、自分達のプレーができないと負けてしまうので、そこを修正する必要があると思いました。

――次戦の意気込みをお願いします。

 春シーズン最後の試合なので、もちろん勝ちにこだわりたいですし、自分達のラグビーというのをして、勝ちたいと思います。

 

関東大学春季大会
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
19 31 21
26 合計 52
【得点】▽トライ 守屋、西浦、吉村、宮尾 ▽ゴール 吉村(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井元 正大 文4 東京・早実
後半1分交代→17川﨑
佐藤 健次 スポ2 神奈川・桐蔭学園
亀山 昇太郎 スポ2 茨城・茗渓学園
後半36分交代→18平山
前田 知暉 社4 東海大大阪仰星
後半25分交代→19藤井
池本 大喜 文構3 東京・早実
後半33分交代→24粟飯原
村田 陣悟 スポ3 京都成章
小池 航太郎 商3 東京・早実
後半12分交代→20植野
◎相良 昌彦 社4 東京・早実
宮尾 昌典 スポ2 京都成章
後半27分交代→21細矢
10 守屋 大誠 政経2 東京・早実
後半36分交代→22岡﨑
11 西浦 剛臣 社2 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
後半25分交代→23平田
12 吉村 紘 スポ4 東福岡
13 野中 健吾 スポ3 東海大大阪仰星
14 槇 瑛人 スポ4 東京・国学院久我山
15 小泉 怜史 文構4 東京・早実
リザーブ
16 渡辺 駿斗 商3 東京・早実
17 川﨑 太雅 スポ3 東福岡
18 平山 貴喜 スポ4 北海道・函館ラサール
19 藤井 将吾 スポ3 大阪・早稲田摂陵
20 植野 智也 法4 東京・早実
21 細矢 聖樹 スポ2 国学院栃木
22 岡﨑 颯馬 スポ3 長崎北陽台
23 平田 楓太 スポ4 福岡・東筑
24 粟飯原 謙 スポ1 神奈川・桐蔭学園
25 磯崎 錬太郎 商3 徳島・城東
26 京山 秀勇 人3 福岡・東筑
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)
関東大学春季大会Aグループ星取表
  帝京大 明大 早大 東海大 日大 大東大
帝京大

●26-35

4T3G

〇52-26

8T6G

6/19 13:00

帝京大G

〇21-0

不戦勝

〇21-0

不戦勝

明大

〇35-26

5T5G

〇29-16

4T3G

●24-43

4T2G

6/19 13:00

日大G

〇48―17

8T4G

早大

●26-52

4T3G

●19-26
3T2G

●29-38
5T2G

6/12 13:00

早大G

〇14-62
10T6G

東海大

6/19 13:00

帝京大G

〇43-24

6T5G

〇38-29

5T5G1PG

〇50-17

8T5G

〇59-40

8T6G1PT

日大

●0-21

不戦敗

6/19 13:00

日大G

6/12 13:00

早大G

●17-50

3T1G

6/26 13:00

日大G

大東大

●0-21

不戦敗

●17-48

3T1G

●14-62

2T2G

●40-59

6T5G

6/26 13:00

日大G

※帝京大Gは帝京大百草園グラウンド、静岡・エコパは静岡県エコパスタジアム、北海道・札幌は北海道札幌ドーム、福島・いわきは福島県いわきグリーンフィールド、早大Gは早大上井草グラウンド、東海大Gは東海大湘南グラウンド、セナリオHは埼玉県セナリオハウスフィールド三郷、日大Gは日大稲城グラウンド