曇天の空の下、東京・上井草グラウンドで行われた、早慶戦前日練習。部員全員が見守る中、メンバーたちは約1時間の全体練習と押し込みタックル、ユニット練習で闘志を高め、最終調整を行った。
「慶應」の文字
伝統の早慶戦は今年で98回目。過去の戦績は70勝20敗7分と早大が優勢で、2015年からは6連勝を記録している。しかし、その6戦はどれも2トライ差以内で勝敗がついた接戦。昨年度の対抗戦こそ22―11とダブルスコアで勝利した早大だが、やはり油断は禁物だ。さらに、早大は帝京大戦、慶大は明大戦とどちらも敗戦から2週間たって迎えるこの試合。前節からどれだけ成長を遂げているかも試合の命運を握るだろう。今年も白熱した試合展開が予想される。
明日は東京・秩父宮ラグビー場で14時にキックオフ。早大の意地を見せるためにも、そしてこの一戦で『荒ぶる』に向けてさらに躍進するためにも、明日の試合は負けられない。
(記事 塩塚梨子、写真 大滝佐和、内海日和)
押し込みタックルで気合を入れるメンバーたち
大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)
――帝京大戦から2週間たちますが、どのようなことにフォーカスして練習してきましたか
フォーカスしたのは、自分たちのスタイルの再確認ですね。あとはオプションも少し増やしましたが、基本的には自分たちの強みをもう一度確認する、そういう2週間だったと思います。
――明日の試合のテーマは何ですか
ゲームテーマは『Challenger』です。早稲田が持つべきメンタルの原点ですよね。グラウンドでは非常に良い練習ができてますので、それを試合で発揮できるかというところでも挑戦だと思いますし、そのような意味を込めてこのテーマにしています。
――慶大に対してはどのような対策をしてきましたか
ディフェンスの確認などはしましたが、基本的には自分たちが今やっていることを相手が誰であれ出す、そのために何が必要かというイメージでやってきました。
――特別な対策というよりも、自分たちにフォーカスしてきたということですか
そうですね。自分たちがどうやったら強みを出せるかというところの方が割合としては大きいですね。
――早慶戦で勝負のポイントとなるのは
接点とセットプレーですね。
――明日の意気込みをお願いします
選手たちは厳しい練習をしてここまで来ていて、僕自身も上井草の練習に自信を持っていますし、選手たちも自信を持っていると思います。それを出し切れるかどうかだけだと思いますし、出し切れたらファンの方たちも見ていておもしろい、選手もやっていて楽しいラグビーができるかなと思います。
CTB長田智希主将(スポ4=大阪・東海大仰星)
――帝京大戦からの2週間、どのようなことにフォーカスしてきましたか
帝京戦では負けてしまって課題がたくさん出たので、その課題をしっかり修正していくという期間にしました。
――具体的に課題とはどのようなところですか
(帝京大戦では)コンタクトにこだわろうと言っていた中で、そこを食い込まれたところがありました。あとは、ピンチの時に全員がスピードを変えて守りに行っていたのかだったり、チャンスの時にスコアを取り切るところまでやったのかだったりというメンタル的なところ、さらには簡単なエラーなどの細かいところを徹底的になくしていこうと準備してきました。
――慶大に対してどのような対策をしましたか
これという対策は正直なくて、帝京戦を経て出た課題の克服と、自分たちがやりたいアタックの精度を高めていくというのを特に意識しました。あとは慶大は特にディフェンスが堅くて低いタックルが来ると思うので、そこに対する準備はしてきました。
――早慶戦に向けて意気込みをお願いします
慶大はこの試合にかけてくると思うので、僕たちも準備してきたことをしっかりやり切る、それを一番にして勝ちたいと思います。
プロップ小林賢太副将(スポ4=東福岡)
――今のお気持ちを教えてください
良い緊張感があります。どんな試合になるかなという感じです。
――明日に向けて、一番力を入れて練習してきたものは何でしょうか
FWは帝京戦のセットプレーのところでとてもプレッシャーを受けたので、そこの精度を高めました。また、自分たちのやるべきことを明確化して、ここまで準備してきたので、そこが一番のポイントだと思っています。
――そのセットプレーの部分で手応えは感じられていますか
帝京戦が終わって、そのレビューをしてから、練習中も何を変えるかということを明確化してやってきました。明日の試合になってみなければわかりませんが、確実に自分たちが変わろうとして取り組んできたということは間違いないと思っています。
――明日への意気込みを教えてください
帝京戦ではFWのプレッシャーを受けて、自分たちのやりたいラグビーができなかったので、しっかりFWがコンタクトの部分やセットプレーで自分たちの役割を果たして、しっかり勝利できるように頑張りたいと思います。
FB河瀬諒介(スポ4=大阪・東海大仰星)
――前日となりましたが、今のお気持ちは
いつもより緊張感がありますね。『緊張』という文字が(グラウンドの入口に)貼り出されていますし、試合前練習も全員観戦というかたちで、普段と違う雰囲気です。
――帝京戦からはどのような準備をしてきましたか
コンタクトのところで引いてしまった部分があったので、そこをだいぶ改善してきたかなと思います。個人としては、ハイボールキャッチをもう一度強化しないといけないと感じていたので、そこを普段より多く練習しました。
――明日はどのような試合にしたいですか
バックスリーで試合を決められるような展開にできたらと思います。