夏合宿最終試合 明大Bに逆転負けを喫する

ラグビー男子

 日々熱戦が繰り広げられてきた菅平合宿最後の試合。早大Aが明大Aとの対戦を勝利で終えた後、早大Bと明大Bとの試合が行われた。前半は相手のパワーに攻めあぐねたものの、好守備から一瞬の隙をつき、2トライを挙げる。リードして迎えた後半は、ペナルティを重ね、なかなか敵陣に入ることができない。試合時間残り10分になったところで2トライを奪われ、14ー24で逆転負けを喫した。

 試合開始早々スクラムで押し負け、明大のディフェンスを攻略できない早大。しかし、要所要所のタックルでピンチを防ぎ、相手にも得点を与えない。前半24分、SO久富連太郎(政経2=島根・石見智翠館)がハーフラインでインターセプトし、独走トライを決めて先制。しかし、その5分後には相手にトライを献上してしまう。すぐさま早大も、BK陣の連携からFB平田楓太(スポ3=福岡・東筑)がディフェンスを引きつけて、左サイドのWTB鈴木陽結(政経2=東京・早大学院)にパス。鈴木がトライを決めた。そのまま明大の猛攻に耐え、14ー5で試合を折り返した。

 鈴木によるトライの瞬間

 後半はアタックでのミスが目立ち、ペナルティが重なる。ディフェンスの時間が増える中、前半から効果的だったタックルで相手のボールを前に運ばせない。両校無得点のまま迎えた後半15分。ミスが多い中でどうにか明大の猛攻に耐えていた早大だが、ラインアウトのミスから22メートルライン付近でボールを奪われ、ステップをきる相手を止めることができずにトライを許す。さらに得点のチャンスをつかめないまま、残り10分でミスから2連続トライを取られ、一気に逆転を許し、24ー14。明大の流れのまま、反撃の機会を得られずに試合終了のホイッスルが鳴った。

 アタックするフランカー小池航太郎(商2=東京・早実)

 前回の帝京大B戦では内容、結果ともに好成績を残した早大Bチームだったが、今回の試合では後半に得点を挙げることができず、課題の残る結果となった。しかし、「フィールドのところでみんな体を張って、きついところをみんなで声をかけることができた」(小池)というように、試合を経て個人としてもチームとしても着実に成長していることには違いない。この夏合宿を終えると、秋の公式戦はもう目の前だ。「チーム全体として強くなることが日本一には欠かせない」(平田)の言葉通り、AチームやBチームに関わらず全員が切磋琢磨(せっさたくま)することが『荒ぶる』奪取に欠かせないだろう。

(記事 冷水睦実、写真 市原健、横澤輝)

コメント

FB平田楓太(スポ3=福岡・東筑)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半はかなり戦えていたので、もっと取り切るところを取り切って、勝って終わりたかったと思います。

――前試合はトライも取りましたが、前試合と今試合のアタックを比べてみていかがでしょうか

 前回の試合はCTBとして、今回の試合はFBとして出場しました。自分の強みはボールキャリーだと思っているので、そこを生かしてしっかりと仕掛けたのですが、最後取り切るところで取り切れなかったということがやはり反省です。僕だけではなく、フォローする選手や、僕がフォローに入るところでも、もっとコミュニケーションを取って、アタックメイキングをすれば取り切れたのかなと思います。

――ディフェンスについてはどのように分析していますか

 しっかりとコミュニケーションを取りながら横とつながって我慢して、インターセプトで取りきるシーンもありました。前半はアタックする場面も短く、ディフェンスする時間が長かったと思いますが、全員が責任感を持って自分の責任を全うしてできていたと思いますし、そこは良かったとです。しかし、後半のブレイクダウンなどは今後の課題だと思っています。

――FBとして意識されていたことはあるのでしょうか

 新ルールもあって、ポジショニングを意識しました。また、キックカウンターで自分が強いキャリーをして前に出ることを意識していましたね。

――この夏合宿で自分が一番成長していると思う部分はどこですか

 自信を持ってプレーをするということですかね。春シーズンからBチームでプレーをすることが増えて、最初は「周りについていこう」という考え方でしたが、今は「自分がどうにかしてやろう」という気持ちで、積極的にプレーをして、チームに影響を与えられているのではないかと思います。

――秋に向けての意気込みを教えてください

 早稲田は日本一を目指していて、この夏にAチームが3連戦を3連勝したということはとても良い結果だと思います。しかし、チーム全体として強くなることが日本一には欠かせないと思うので、個人としてもチームとしても日本一を目指して、それに見合った努力をしていきたいです。

フランカー小池航太郎(商2=東京・早実)

――今日の試合全体を振り返っていかがでしたか

 前半のFWのセットプレーのところで、ラインアウトもほとんど取られて、スクラムも結構ペナルティを取られてという苦しい場面があったのですが、その分フィールドのところでみんな体を張って、きついところをみんなで声をかけることができました。点差が最終的には開いてしまいましたが、内容としては今までの練習の成果が出ているのではないかと思います。

――今日はA戦にも出場されましたが、それぞれ振り返っていかがですか

 継続してトライを取るというのが上のカテゴリーはできていて、きつい時でも何個も何個もフェーズを重ねてトライを取るというのがAチームはチームとして出来上がっているのですが、Bチームはインターセプトや相手のミスなどの場面でしか(トライを)取れないのが夏合宿のここ3戦の課題で、Bチームはやはり継続するというところが今後の課題かなと思います。

――A戦ではディフェンスで良く動かれていたと思いますが、意識はされていましたか

 そうですね、キャプテンからコンタクトで引かないという話がありました。コンタクト、ディフェンスは攻撃にもなり得るところで引いたら負ける。逆に行ったら勝てるというところがあって。肩で行くというところをみんなで意識できたのではないかなと思います。

――明治と対戦したことで具体的に見えた課題などはありますか?

 ちょっとした隙を見せたところを強いチームは突いてくるので、今後練習していく中で80分気を抜かないということ。どんな相手でも80分気を抜かないというところを意識して秋シーズン挑んで行けたらなと思います。

――監督が変わって初の夏合宿だと思います。大きく変化を感じるところはありますか

 やはりスケジュール面ですね。昨年は平日でも午前と午後に練習という感じだったのですが、今年は朝からレスリングをやってすぐウエイト、午後は練習で、土日も2部練などが多くて、練習の面ではかなりきついです。その分、昨年80分持たなかった体力が今年は持つようになったり、肩を当てることができるようになったりした部分で自分個人としても昨年より結果に結びついていると思います。昨年よりも自分が進化している感じがあって、今年はこの調子で継続していきたいなと思います。

――秋シーズンへの意気込みをお願いします

 まだ自分はAチームで80分出れる選手ではないので、まずはB戦のジュニア選手権を目標にして、練習試合でもアピールして最終的にはAチームで出れるように頑張っていきたいと思います。

WTB鈴木陽結(政経2=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 全体として戦えていた部分はありましたが、取り切らなければいけない部分、守り切らなければいけない部分でチームの弱さが出てしまったので、対抗戦に向けて修正していきたいと思います。

――トライの感想をお聞かせください

 CTBの中西選手(中西亮太朗、商4=東京・早実)が抜けた後のフォローだったのですが、自分自身が器用ではないので一つ一つのプレーにこだわろうと思っていたので、それがかたちとなってうれしいです。

――今日のプレーを振り返って良かった点・悪かった点を教えてください

 良かった点は、トライを含むボールキャリーが上手く行った点やディフェンスの部分でターンオーバーを誘うプレーが出来たところです。悪かった点は、キックキャッチの部分がうまくいかなかったので次の試合までには改善していきたいです。

――今回ディフェンスで意識した部分はどこですか

 素早いパス回しが特徴のチームだったので、内側の選手をワークさせてなるべくラインを流して我慢するディフェンスを意識しました。

――秋以降に向けて一言お願いします

 夏合宿でBチームにあげてもらいチャンスをもらったので、残り少ない期間で更にアピールをして自分の強みを発揮していきたいです。

 

ジュニア夏季オープン戦
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
14 19
14 合計 24
【得点】▽トライ 久富、鈴木 ▽ゴール 久富(2G) 
※得点者は早大のみ記載
 
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井元 正大 文3 東京・早実
原 朋輝 スポ4 神奈川・桐蔭学園
木村 陽季 社4 東京・早実
前田 知暉 社3 大阪・東海大仰星
藤井 将吾 スポ2 大阪・早稲田摂陵
小池 航太郎 商2 東京・早実
永嶋 仁 社2 東福岡
小川 瑞樹 文4 東京・早実
◎河村 謙尚 社4 大阪・常翔学園
10 久富 連太郎 政経2 島根・石見智翠館
11 鈴木 陽結 政経2 東京・早大学院
12 三浦 称児 人2 大分舞鶴
13 中西 亮太朗 商4 東京・早実
14 今駒 有喜 文3 東京・早実
15 平田 楓太 スポ3 福岡・東筑
リザーブ
16 西野 直樹 法3 東京・早大学院
16’ 長谷川 太 スポ4 群馬・太田
17 横山 太一 スポ4 東京・国学院久我山
17’ 川村 駿太 法3 北海道・函館ラ・サール
18 平山 貴喜 スポ3 北海道・函館ラ・サール
18’ 千葉 洋介 スポ2 東京・国学院久我山
19 村田 陣悟 スポ2 京都成章
19’ 池本 大喜 文構2 東京・早実
20 永瀬 功太郎 文構4 東京・早実
20’ 細川 大斗 社2 東京・早実
7’ 鈴木 風詩 社1 国学院栃木
21 細矢 聖樹 スポ1 国学院栃木
22 鳥海 雄図 教2 東京・早実
22’ 京山 秀勇 人2 福岡・東筑
23 金井 奨 人3 群馬・太田
23’ 杉野 駿太 政経1 東京・早大学院
15 遠山 拓 教4 東京・国学院久我山
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒)