昨日の快晴とは打って変わり涼しげな風が吹く中、早大菅平セミナーハウスで行われた帝京大戦。果敢に攻めた早大だったが、チャンスの際のミスが目立ち得点につなげることができなかった。帝京大に先制を許すと、試合は帝京大のペースに。後半は何度もスクラムでペナルティを取られ、相手にチャンスを与えてしまう。最後まで主導権を握ることができず、0-87の無得点で敗北した。
前半開始直後、両チームがキックを蹴りあう展開になり、一進一退の攻防が続いた。前半7分、相手の力強いモールがゴールライン前まで迫りピンチを迎える。あわや失点の場面であったが、SO安恒直人(スポ1=福岡)の鋭いタックルで切り抜ける。前半16分、早大のディフェンスラインが乱れた一瞬の隙を突かれ先制を許してしまう。その後、勢いにのった帝京大のスピード感のある攻撃に押され19失点。追う展開の早大は前半26分、相手の反則からのスクラムでこの試合初のチャンスをつくるものの、パスミスで得点できなかった。その後も帝京大の猛攻を止めることができず、前半を0-33と大きくリードされて折り返した。
相手のディフェンスを振り切るCTB中西亮太朗(商4=東京・早実)
後半はロック永瀬功太郎(文構4=東京・早実)が「戦うべき場面で引いてしまった」と話すように、自分たちから試合を仕掛けることができず、スクラムでペナルティを取られる場面が目立った。開始直後、早大のペナルティからのスクラムで帝京大が得点。パワーで勝る帝京大は得意のモールを多用しリードを広げる。後半14分には帝京大にモールで30メートルもボールを進められた。その後も早大のスクラムの反則が起因となり、連続失点。食らいつく早大だったがチャンスをつくることができず、そのまま0-87で試合を終えた。
果敢にアタックするSH細矢聖樹(スポ1=国学院栃木)
気合い十分で挑んだ早大だったが無得点で完敗。連携の甘さから、大事な場面でパスミスを何度もしてしまったほか、ディフェンスラインが乱れたことで相手の攻撃を防ぎきれない場面もあり、反省が多く残る結果となった。しかし、ゲームキャプテンを務めた永瀬は試合直後のインタビューで「『荒ぶる』のためにCチームができることは次戦の流経戦に向けて練習すること」と既に次を見据え気持ちを切り替えていた。今回の反省を振り返り、残りの夏合宿期間での質の高い練習と飛躍的な成長が求められる。早大ラグビー部の夏は始まったばかりだ。
(記事 鬼頭里歩、写真 山田彩愛、塩塚梨子)
コメント
ロック永瀬功太郎(文構4=東京・早実)
――今日の試合の感想をお願いします
点差を見てもわかる通り、完敗でした。戦うべき場面で引いてしまったことが点差の原因でした。
――ゲームキャプテンとして試合に臨んだと思いますが、その際に意識したことを教えて下さい
今日の試合のテーマであった『リアクション』と、帝京大との初戦であることを意識しました。 スクラムでペナルティを取られる場面が多かったので、もっとFWとしてやれることがあったと思います。
――試合のピッチに入る前に意識していたことはなんですか
今日のゲームテーマの『リアクション』を意識しました。相手に抜かれた時や、自分たちが抜いた時の反応や、味方がどんなプレーをしたいかどうかのコールに対してのリアクションをテーマにしていました。
――この夏合宿の目標を教えてください
このような点差で負けてしまったことは残念ですごく悔しいです。チームの目標である『荒ぶる』のためにCチームができることは次戦の流経戦に向けて練習することだと思います。戦うという点で、今日は帝京大の圧力に負けてしまっていたと思うので修正して次の試合に臨んでいきたいと思います。
WTB宮下龍樹(人4=茨城・茗渓学園)
――試合を振り返っていかがでしたか
悔しい結果になってしまったなと思います。
――試合中、チームメイトに積極的に声をかけていたのが印象的でしたが、ご自身で意識はされていたのでしょうか
そうですね。4年生というのもあるのですが、自分はWTBで周りが良く見えるポジションなので、どういう状況かというのを呼びかけるように意識していました。
――プレーでは積極的にディフェンスに絡んでいましたが
結果的に点数はかなり取られてしまったのですが、チームのピンチをチャンスに変えられるように、一矢を報えたらと思いプレーしていました。
――ご自身の今日の試合の課題と良かった点をそれぞれお願いします
課題はかなり山積みなんですが、一つはやはり得点を多く取られてしまった時に立て直すことができなかった、負けムードのまま試合が終わってしまったところがあります。良かった点を強いて言うなら、外から指示を出し続けて、チャンスメイクが少しできたところですかね。
――夏合宿を通したご自身の目標を教えてください
前回の試合であまり良い結果が出せなくてこのカテゴリーにいるので、この夏合宿を通して良いプレーを見せてまた上に上がれるようにというのが直近の目標です。
フランカー安恒直人(スポ1=福岡)
――試合を振り返っていかがでしたか
自分の長所であるタックルは、良い時もあったのですが成功率は低かったので、自分的には満足いっていないです。ポジション的に重要な声をあまり出せなかったというのもあります。
――ピンチのシーンでのタックルが光りましたが振り返っていかがでしたか
ピンチにもっていかれるまでに自分のミスがかなり目立っていて、絶対に自分が取り返すといった気持ちで、前に出て絶対に止めようと思いながらプレーしていました。
――この試合においてのチームと個人の収穫についてはいかがですか
チームとしては、Cは内容的にやられてしまい、コーチ陣からも気持ちが足りないと言われたので、やはりアップの時から気持ちによるプレーの良し悪しが決まるということが分かりました。個人としては、タックルは得意なのですが、アタックが苦手なので、自分の長所を伸ばしつつ、苦手なところを練習で伸ばしていくべきなのかなと思いました。
――次戦への意気込みをお願いします
次は絶対に流れを変えるタックルで、成功率100%を目指して、苦手なアタックでも絶対に毎アタックでゲインすることを目標に頑張りたいです。
ジュニア夏季オープン戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 帝京大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
0 | 0 | T | 5 | 8 |
0 | 0 | G | 4 | 7 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
0 | 0 | 計 | 33 | 54 |
0 | 合計 | 87 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 川村 駿太 | 法3 | 北海道・函館ラ・サール |
2 | 西野 直樹 | 法3 | 東京・早大学院 |
3 | 千葉 洋介 | スポ2 | 東京・国学院久我山 |
4 | ◎永瀬 功太郎 | 文構4 | 東京・早実 |
5 | 江島 航 | 法3 | 早稲田渋谷シンガポール |
6 | 鈴木 風詩 | 社1 | 国学院栃木 |
7 | 安恒 直人 | スポ1 | 福岡 |
8 | 細川 大斗 | 社2 | 東京・早実 |
9 | 細矢 聖樹 | スポ1 | 国学院栃木 |
10 | 守屋 大誠 | 政経1 | 東京・早実 |
11 | 杉野 駿太 | 政経1 | 東京・早大学院 |
12 | 金井 奨 | 人3 | 群馬・太田 |
13 | 中西 亮太朗 | 商4 | 東京・早実 |
14 | 清水 竜成 | 教4 | 東京・早実 |
15 | 池本 暖 | 人4 | 愛知・千種 |
リザーブ | |||
16 | 渡辺 駿斗 | 商2 | 東京・早実 |
17 | 米澤 結人 | スポ2 | 東京・国学院久我山 |
18 | 山野 裕都 | 教2 | 東京・早実 |
19 | 若松 泰佑 | 文構1 | 東京・早実 |
7’ | 松下 慶伍 | 教2 | 東京・早実 |
19’ | 佐土原 脩 | 基理2 | 埼玉・早大本庄 |
20 | 折戸 健介 | 法1 | 東京・早実 |
20’ | 深堀 雅聡 | スポ1 | 福岡・東筑 |
8’ | 永井 新之助 | スポ1 | 東京・早実 |
21 | 清水 一志 | 社3 | 東京・早実 |
22 | 鳥海 雄図 | 教2 | 東京・早実 |
22’ | 木村 晴 | スポ2 | 北海道・函館ラ・サール |
13’ | 下原 一輝 | 文構4 | 東京・早大学院 |
23 | 宮下 龍樹 | 人4 | 茨城・茗渓学園 |
23’ | 五十嵐 心之介 | 社2 | 埼玉・早大本庄 |
21’ | 清 透馬 | 商1 | 茨城・茗渓学園 |
15’ | 佐々木 奎介 | 社4 | 東京・早大学院 |
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒) |