「100周年の年に一つ歴史が刻めてよかった」。相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)は、そう喜びを口にした。早大にとっては節目の年の関東大学対抗戦(対抗戦)もこの日が最終戦。5勝1敗で並ぶ早大と明大が、互いに優勝を懸けて文字通り激突した。驚異的なスクラムの強さを誇る明大に対して、規律面を徹底して相手ボールスクラムを組ませないよう立ち回った早大。ここ数試合の課題であった入りの悪さも克服し先制トライを挙げると、粘りのディフェンスで明大を寄せ付けず。終始先行したまま31-27でノーサイドを迎え、帝京大と同率で対抗戦優勝を決めた。
試合は開始直後から動いた。帝京大戦では入りに苦しみ、苦杯をなめた早大。しかしこの日はそれを全く感じさせなかった。前半2分に右ゴール前でのラインアウトを成功させ、そのまま左に展開するとFB河瀬諒介(スポ1=大阪・東海大仰星)がインゴールに飛び込む。理想形である敵陣深くでのラインアウトからのトライで先制点を挙げ、チームに勢いを付けた。その後早大は1本、明大は2本のPGをそれぞれ決めて10-6の場面。前半30分、SO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)がカウンターを仕掛けてステップで明大ディフェンスを突破すると、大外でサポートに付いていたNO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)が合わせそのままトライ。試合の主導権を握ったように見えた。しかし、早大はここから明大FW陣、別名『重戦車』の脅威を味わうことになる。34分、ラインアウトでペナルティーを取られると、明大ボールのファーストスクラムが組まれる。「(明大は)ボールを入れてからの第二波が強かった」(ロック下川甲嗣、スポ2=福岡・修猷館)と、練度の高いスクラムで押し込まれ、攻撃の起点をつくられてしまう。そのままトライを許すと、その直後にも自陣で明大ボールのスクラムを組まれピンチに。それでも何とかターンオーバーし、17-13で試合を折り返した。
カウンターからステップでかわし、トライを演出する岸岡
次こそ『重戦車』を止める――。そう意気込んで臨んだ後半戦。流れが変わったのは後半12分のことだった。前半の終盤同様にスクラムからじりじりと攻められた早大。自陣22メートルライン直前の早大のペナルティーに対しても、明大はスクラムを選んだ。インゴール手前でのスクラムという危機に追い込まれたその時だ。「スクラムを選択されて悔しい気持ちもあったので、そこでエネルギーがマックスになった」(プロップ鶴川達彦、文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)と、早大のFW陣が奮起。より低い位置でスクラムを組み、明大のコラプシングを誘発したのだ。帝京大戦までマイボールスクラムの成功率98%と、驚異的な強さを誇る『重戦車』を止めて見せた。FW陣の健闘にBK陣も勢い付く。直後に「外にスペースがあるのが見えていた」と、CTB中野将伍(スポ3=福岡・東筑)が相手のギャップを突いてディフェンスラインを豪快に突破しトライ。その後も自陣深くから一人で相手陣まで駆けるビッグゲインでチャンスを演出し、その数分後にはまたもカットインからインゴールを叩き割るなど、獅子奮迅の立ち回りを見せた。その後はBKのコミュニケーションミスなどによる2つの失トライであわや逆転という点差まで詰め寄られるが、粘りのディフェンスを発揮。意地を見せる明大の16フェーズ目で丸尾崇がボールに絡み、ペナルティーを奪うと31-27でノーサイド。6勝1敗で8年ぶりとなる対抗戦優勝を決め、選手たちは一斉に喜びを爆発させた。
試合の流れを引き寄せる2トライを挙げた中野将
「僕たちの本当の目標は『荒ぶる』なので、ここから一番のスタートを切らなくてはいけない」と、フランカー佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)は試合後も緊張を緩めなかった。確かに好機で規律を守り相手の強みを発揮させない立ち回りはできたものの、終盤にディフェンスラインを簡単に突破されてしまったことは早大にとっては懸念材料として残ることだろう。勝って兜の緒を締めよ。対抗戦の優勝を果たしてなお、全国大学選手権制覇へ向けて気を緩めない早大。100周年という節目の年に10年ぶりの『荒ぶる』を歌い、新時代を築けるか。早大の真の挑戦が、今始まる。
(記事 坂巻晃乃介、写真 元田蒼、萩原大勝)
☆PICK UP PLAYER
大一番でスタメン抜擢。峨家が見せたスクラムでの意地
この試合でのターニングポイントとなった、後半12分の自陣ゴール前明大ボールのセンタースクラム。そのスクラムで意地を見せたのがこの大一番でスタメンに抜擢されたフッカー峨家直也(商4=兵庫・報徳学園)だった。早慶戦では途中出場ながらセットプレーでのミスが目立った。さらに、この試合でも前半は相手ボールのスクラムを押し込まれ、4点差で迎えた敵陣ゴール前ラインアウトのスローでミスが出るなど、ここ2試合自身としてもセットプレーで不安が残っていた。そんな中で迎えたこのスクラム。ハーフタイムや直前の空いた時間で組み方や低さの部分を再確認。そして、峨家自身も「自分が対面に勝てれば押されることはないと思った」と語る通り、プライドを持ってこのスクラムへ臨んだ。結果、それまで押し込まれていたスクラムは動くことなく、落ちた。主審は長く笛を吹きながら早大側の手を挙げる。判定は明大のコラプシング。絶体絶命のピンチをプライドで押し込ませなかった。他にも、積極的にシェイプでボールもらう場面も目立ち、低いタックルも目立った峨家。スタメンに4年生が少ないといわれた今季の早大だったが、勝負どころで流れを引き寄せたのはやはり4年生の力だったのだ。
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関東大学対抗戦 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 明大 | |||||||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 | |||||
2 | 2 | T | 1 | 2 | |||||
2 | 2 | G | 1 | 2 | |||||
1 | 0 | P | 2 | 0 | |||||
0 | 0 | D | 0 | 0 | |||||
17 | 14 | 計 | 13 | 14 | |||||
31 | 合計 | 27 | |||||||
2/2 | 3/3 | スクラム成功率 | 3/3 | 3/4 | |||||
5/7 | 4/7 | ラインアウト成功率 | 7/7 | 3/4 | |||||
【得点】▽トライ 中野将2、丸尾崇、河瀬 ▽ゴール 齋藤(4G、1PG) | |||||||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||||||||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 | ||||||
1 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 | ||||||
後半37分交代→16千野 | |||||||||
2 | 峨家 直也 | 商4 | 兵庫・報徳学園 | ||||||
後半15分交代→17宮里 | |||||||||
3 | 小林 賢太 | スポ1 | 東福岡 | ||||||
後半37分交代→18土田 | |||||||||
4 | 中山 匠 | 教3 | 東京・成城学園 | ||||||
5 | 下川 甲嗣 | スポ2 | 福岡・修猷館 | ||||||
6 | 柴田 徹 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
後半37分交代→20佐藤真 | |||||||||
7 | 幸重 天 | 文構3 | 大分舞鶴 | ||||||
8 | 丸尾 崇真 | 文構2 | 東京・早実 | ||||||
9 | 齋藤 直人 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
10 | 岸岡 智樹 | 教3 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
11 | 古賀 由教 | スポ2 | 東福岡 | ||||||
後半24分交代→23佐々木尚 | |||||||||
12 | 中野 将伍 | スポ3 | 福岡・東筑 | ||||||
13 | 桑山 淳生 | スポ3 | 鹿児島実 | ||||||
14 | 長田 智希 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
15 | 河瀬 諒介 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
後半35分交代→22船越 | |||||||||
リザーブ | |||||||||
16 | 千野 健斗 | 人4 | 東京・成蹊 | ||||||
17 | 宮里 侑樹 | スポ4 | 沖縄・名護商工 | ||||||
18 | 土田 彬洋 | スポ2 | 茨城・茗渓学園 | ||||||
19 | 松井 丈典 | スポ4 | 愛知・旭野 | ||||||
20 | ◎佐藤 真吾 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
21 | 貝塚 陸 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
22 | 船越 明義 | 社4 | 東京・早大学院 | ||||||
23 | 佐々木 尚 | 社4 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
◎はゲームキャプテン、※監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
関東大学対抗戦Aグループ星取表 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
帝京大 | 明大 | 慶大 | 早大 | 筑波大 | 日体大 | 青学大 | 成蹊大 | |
帝京大 | * |
○66-10 |
○90-7 |
○141-7 |
○113-7 |
|||
明大 | * | |||||||
慶大 | * | ○84-17 |
○98-17 |
○68-14 | ||||
早大 | * | ○55-10 | ○68-10 | ○123-0 | ○99-5 | |||
筑波大 |
●10-66 |
●21-66 | ●24-35 | ●10-55 | * |
○55-24 |
○73-31 |
○101-0 |
日体大 |
●7-90 |
●17-31 |
●24-55 |
* |
●23-26 |
○59-12 |
||
青学大 |
●7-141 |
●17-98 |
●31-73 |
○26-23 |
* |
○21-12 |
||
成蹊大 |
●7-113 |
●5-99 |
●0-101 |
●12-59 |
●12-21 |
* | ||
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド、三郷はセナリオハウスフィールド三郷(三郷市陸上競技場)、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、味スタ西は味の素スタジアム西競技場、上柚木は上柚木公園陸上競技場。 |
関東大学対抗戦Aグループ順位表(最終順位) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | チーム | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失 | トライ |
1 | 帝京大 | 7 | 6 | 0 | 1 | 494 | 101 | 393 | 69 |
1 | 早大 | 7 | 6 | 0 | 1 | 425 | 111 | 314 | 63 |
3 | 慶大 | 7 | 5 | 0 | 2 | 346 | 141 | 205 | 50 |
3 | 明大 | 7 | 5 | 0 | 2 | 369 | 112 | 257 | 53 |
5 | 筑波大 | 7 | 3 | 0 | 4 | 294 | 277 | 17 | 45 |
6 | 青学大 | 7 | 2 | 0 | 5 | 102 | 556 | -454 | 16 |
7 | 日体大 | 7 | 1 | 0 | 6 | 157 | 366 | -209 | 22 |
8 | 成蹊大 | 7 | 0 | 0 | 7 | 50 | 571 | -521 | 8 |
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。 |
コメント
相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋
――今日の試合を振り返って
超満員の秩父宮で早明戦ができて本当によかったです。どちらが勝ってもおかしくない試合でしたが、最後に勝ち切れたのは本当によかったと思います。
――どのような試合をしたかったでしょうか。また、実際の試合展開を見て感じたことは
展開としては先手を取って試合をリードした状態で進めたかったです。あと、危険なゾーンで戦いたくなかった、つまり敵陣にいかに侵入できるか。また、ディフェンスで勝つことをテーマにしていたので、逆に中盤のディフェンスは楽しもうと。そういった意味では思った通りに、展開のあや
も色々ありましたけど、今日はそういう80分間になったと思います。
――PGを狙えるペナルティーをタッチに蹴りだす場面がありましたが、チームで話し合った部分などはありますか
そこは選手に任せていました。ゴール前のラインアウトで準備したプレーがあって、それを出せていなかったので選手はそういう選択をしたのだと思います。ただ、試合前の指示としては先手を取りたい、リードした状態で試合を進めたかったので、私としてはPGの選択でもよかったかなと思います。
――8年ぶりの対抗戦優勝について
100周年で8年ぶりの対抗戦優勝と、節目の年でタイトルをとれたというのは嬉しいことだと思いますし、真吾の代として100周年の年に歴史が刻めたと思います。
――起き上がりのスピードが速かったように見えます
ディフェンスでチームをつくっていく中で、春シーズンの途中から起き上がりの部分をもっと意識していこうと。ディフェンスで立つ人数を増やそうと。そういう部分はずっと継続して積み重ねてきた結果なので、こういうビッグゲームで選手一人一人が意識して動いた結果なのかなと思います。今日に限った話ではなく、ずっと意識してきたことをこの厳しいコンディションの中でやってくれた結果だと思います。
――今後修正していきたい課題は
正直あまり大学選手権のことは考えていなくて。試合前選手たちにも今日の試合に集中して、先のことは考えるなと言ってグラウンドへ送り出したので。これで組み合わせも決まりましたけど、一戦一戦かなと思っていますので。選手たちも早慶戦、早明戦と続いて張り付いていた部分があったと思うので、リフレッシュしてもう一度再チャレンジしていきたいと思います。
――ファーストトライを河瀬選手がとりましたが見ていてどのように感じましたか
持っているなと思いました(笑)。河瀬泰治の早明戦と言われないように、諒介の早明戦にしろという風に話しました(笑)。
フランカー佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)
――8年ぶりの対抗戦優勝となりました
100周年という歴史で、8年ぶりに対抗戦優勝することができて歴史に名を残せて嬉しいです。
――昨日ゲバがあってディフェンスで粘りを見せていましたが、きょうにつながった部分はありましたか
つながりますね。試合前練習の前にBチームが最後の最後まであきらめない姿勢、ディフェンスで前に出続けるという姿勢、今年1年やってきたことを体現してくれて胸が熱くなりました。Bチーム以下の選手は試合に出られないってわかっているんですけど、それでも本気で戦う姿勢というのが普段のラグビーとは違うものを感じて感動しました。
――早慶戦は出場がなかった中で、早明戦は途中出場ができましたが、個人としてはいかがでしょうか
出られたことは嬉しいですね。最後シーソーゲームになってギリギリの試合の中で最後全員で我慢できて、そのときにグラウンドにいられたことは本当に嬉しいです。
――31-13から2つトライを許してしまいました。それまでよかったディフェンスが崩れたように見えたのですが、終盤のデイフェンスについてはどのように感じていますか
崩されるときってFWサイドの部分で押し込まれてBKに展開されるということが多かったんですけど、今回はそういう風に取られたとは思っていなくて。ちょっとしたコミュニケーションミスが最後の最後にあったかなと思っていて。そこは最後まで明治さんがあきらめない姿勢を見せたから最後のところでちょっと負けてしまったかなと。早明戦は最後の30分や20分が大事な試合なので、もっともっと精進していかないといけないなと思いました。
――スクラムで前半かなり押し込まれていましたが、ハーフタイムでの修正ポイントなどはありますか
組むときにこだわるのは低さのところと、相手のFWが重いのでそこに対する組み方の確認をしました。今までやってきたことを再確認しました。
――そして後半自陣でのスクラムターンオーバーがありました
あそこは峨家がパッション見せてくれて。「いってやるぞと思ったらいけた」と言っていました。
――以前誇りを見せたいとおっしゃっていましたが、誇りを見せることはできたと思いますか
試合に出た時間が短かったので誇りを見せられたかはわからないですけど、僕はそういう思いで試合に臨んだので、それをどう見るかは僕じゃなくて周りの人次第だと思います。
――先程円陣の中で「この先が大事」とおっしゃっていましたが、いよいよ大学選手権が始まります
本当にその通りで。今回勝ちましたけど、一番の目標は『荒ぶる』なので。そこに向けて約3週間空いて、もう一回チーム力を上げる期間をいただいたので、そこに向けて明治さんに取られたところとか、マインドセットなど細かいところを含めて最後まで突き詰めていきたいなと思います。やはりディフェンス勝負になるので、ディフェンスにこだわっていきたいと思います。
プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)
――後半、明大スクラムからコラプシングを取りましたが、何が上手くいった結果ですか
フロントロー3人が相手より低い位置で組んでいたことだと思います。
――そのスクラムで良かった点は
時間が空いたので、その間にFWで意思統一して、しっかりと組むということを確認できたことです。あとスクラム選択されて悔しい気持ちもあったので、そこでエネルギーがマックスになったのもありました。
――鶴川選手のパスから中野将選手がトライを決めました。振り返っていかがですか
自分だけじゃなくてデコイのランナーだったり、ディフェンスでしっかりコミットしてくれた結果でもあると思うので。嬉しいと言えば、嬉しいですけどね(笑)。
――相良監督がディフェンスは意識したと仰っていましたが、実際に練習などはされましたか
帝京大戦でディフェンスが良くなかったので、そこから練習で修正をしました。練習時間は変わってないんですが、コミュニケーションの質だったり量。あと、ディフェンスのセットのときの姿勢だったり細かいとこまでこだわって練習してました。
――ここから大学選手権優勝するためのポイントは何でしょうか
FWとしてはスクラム強化っていうのは絶対に必要で。チームとしてはディフェンスで前に出るということを、今までやってきたことをさらにブラッシュアップしていこうと思います。
フッカー峨家直也(商4=兵庫・報徳学園)
――青学大戦以来のスタメンとなりました
大分緊張はしましたけど、4年目でこういう機会も最後なので思い切って楽しんでやろうと思いました。
――早慶戦では途中出場でスローイングの合わない場面などありましたが、修正した点などはありましたか
自分の中では届かないよりはオーバースローの方がいいと思うので、思いっ切り投げて早慶戦ではあのような形になりました。今回もそこでビビってたら余計悪いプレーになるので、思いっ切りやることを継続してやりました。
――また、後半の自陣ゴール前の相手ボールスクラムでかなり張り切っていたと聞きました
あそこでトライを取られたり、ペナルティーになってしまうとショットやタッチキックでどんどん不利になっていくので、そこはプライド持って押そうという話はしていました。
――前半組んだ際との違いなどはありましたか
よくわかってないですけど、自分が対面に勝てれば押されることはないと思ったので、そこは勝とうと思いました。
――ラインアウトのスローについては
相手に競られたりした時に引っかかったりしたので、そういうところは想定して練習していこうと思います。
――きょうはチームとしてディフェンスで勝つことがテーマと伺いましたが、ご自身のディフェンスを振り返っていかがですか
自分はタックルで(スタメンに)選ばれたので、そこがチームとしてテーマになってましたし、個人としてもテーマにやっていました。ディフェンスで前に出続けようという気持ちはありました。
――タックルについては満足のいく出来ですか
引いた場面もないわけではなかったので、大学選手権では引かずに前に出続けようと思います。
――大学選手権に向けての意気込みをお願いします
これまで以上にいい準備をして日本一へ向けて戦っていきたいと思います。
フッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)
――まず初めて早明戦の勝利をグラウンドで経験しました。率直な感想をお願いします
スタメンで出られなかったというのは自分の実力だと思いますし、色んな思いがありますね。後半出してくれて最後勝利という形で終われたのでよかったと思います。
――交代された時はどのような役割を与えられたと考えて交代しましたか
後半から出たのでしっかりハードワークして、セットプレーを安定させようというのが自分の中で目標でした。しかし、少しプレッシャーを受けてしまってラインアウトであまり自分らしいいいプレーはできなかったです。
――8年ぶりに対抗戦で優勝しましたが、スタメンで出られなかったことで悔しいという思いはありますか
スタメンでは出られませんでしたが、早慶戦の時に最後はグラウンドに立っていなかったので、勝利の瞬間にグラウンドに立てたことが結構嬉しかったですし、悔しいですけど嬉しい気持ちです。
――前半はかなりスクラムで押される場面が目立ちました。一方後半では耐えていた場面や相手の反則を誘う場面もありましたが、組み方を変えたりはされましたか
自分たちはとにかく低く低くというイメージが出来ていたので、(自分が出た後半に関して言えば)それは少しできたのではないかなと思います。
――ラインアウトについては今回どう評価されますか
プレッシャーを受けてしまって自分の思うスローができなかったというのがあって、ハイレベルな選手が多い中でもう少ししっかりとボール確保していくには、まだ自分の練習が必要だと思いました。
――今回の反省点を挙げるとすればどういった点ですか
やっぱりあの時間帯で出たのならもう少しボールでもゲインしてアタックでもゲインして、もっと前に出るというところが足りなかったのかなと思います。
――最後に大学選手権に向けて意気込みをお願いします
もう優勝しか目指していないので、まずしっかり一戦一戦、日頃の練習からケガをしないように、そして次はスタメンで出られるように頑張りたいと思います。
プロップ小林賢太(スポ1=東福岡)
――本日の試合の感想を教えてください
素直に嬉しいです。
――明大を相手にする上で対策したところはありますか
セットプレーが本当に強いチームなので、そこは本当に対策しようと考えていました。
――スクラムでは明大に押され気味でしたが、組んでみた印象はいかがでしたか
スクラムは本当明大の強みなので、試合中に押されたりもあったんですけど。修正できたのは良かったなと思います。
――後半のスクラムでは相手コラプシングとなる場面がありましたが、何か修正したことはありますか
自分たちのやろうとしていることを100%出すということが一回一回やろうというものだったので。あの場面であの点差であのエリアと考えたときに、あそこでスクラムを押されて相手にペナルティー取られると駄目な時間帯であったりエリアでもあったので。そこはFW全員で絶対抑えようという話はしていました。
――多数の観客が詰め寄せる一戦でしたが、グラウンドに立ってみて何か感じた点はありましたか
あんまりお客さんのことは考えなかったです。ただ、校歌を歌っているときに明大の応援の方が沢山いました。飲まれるとかはなかったんですけどこれが早明戦かという感じで圧倒される部分はあったんですけど、その中で試合できた経験はいい経験だなと思いました。
――次はいよいよ大学選手権ですが、そこへ向けて意気込みをお願いします
どちらが来てもやるべきことは自分たちの準備だけなので、そこはしっかりいい準備をして。自分たちのやるべきことをやるだけだと思います。
ロック中山匠(教3=東京・成城学園)
――8年ぶりの対抗戦優勝おめでとうございます
ありがとうございます。
――今のお気持ちを教えてください
純粋にうれしいです。
――早明戦でのスタメン出場は初めてでしたが、雰囲気はいかがでしたか
スタメンは初めてですけど、昨年もリザーブで入っていたので、スクラムの時の「メイジ」コールをはじめ明大のファンの方が多いということは想定していました。それを一週間ずっと意識して、頭に入れながら臨みました。
――ラインアウトをスティールされる場面が多かったですが、どのような準備をされていましたか
当然(明大も)対策はしてくるだろうなと思っていたので、自分たちのできることをやろうと考えていました。新しいことを1週間で用意することはできないですし、今までやってきたことを精度高くやっていこうと思っていました。実際に当たってみると、明治大学さんは体も大きいですし、そこでプレッシャーを受けてしまったかなという感じです。
――その中で、ピンチの芽を摘む後半のスティールもありましたね
あそこもお互い考えることは同じで、僕たちも対策は立ててきていて、それが上手くハマったかなという感じです。
――明大のスクラムへの対策はどのように準備されていましたか
1週間の間に体重を5キロ増やすとかは絶対できないことなので、今いるメンバーで低くヒットスピードを速く組むということを原点として練習してきました。
――実際にスクラムを組んでみていかがでしたか
やっぱり重いですね。第二波の勢いがあるというか、威力があるというか。
――ディフェンス面ではスクラムを組ませる数が少なかったですね
自分たちが変な反則をせずに、ずっとフィールドの中でディフェンスをしている分には、怖くないなと思っていました。むしろ、ディフェンスの回数が多くなることを楽しもうという感じで全員臨んでいたので、そこは良かったかなと思います。
――最後に、次の大学選手権の初戦は再度早慶戦になる可能性もありますが、意気込みを教えてください
僕はそんなに、早慶戦や早明戦ということでメンタリティが変わるプレーヤーではないと自分では思っています。一戦、一戦できるプレーをしっかり準備して臨もうと思います。
ロック下川甲嗣(スポ2=福岡・修猷館)
――8年振りとなる対抗戦優勝、おめでとうございます。今のお気持ちは
内容はあんまり覚えてないんですけど(笑)。とりあえず嬉しいです。
――メイジはスクラムが脅威的なチームでしたが、事前の対策としては何をしましたか
早慶戦から間が短かったので、これといった特別なことはせずに低さで勝負するっていう自分たちの強みというか、自分たちのスクラムで対抗するって感じで臨みました。
――実際に組んでみてその点はいかがでしたか
最初のヒットの部分では全然負けてないと思ったんですけど、その後の第二波が強くて。メイジさんうまいなって思いました。
――後半始まってすぐに明大ボールのスクラムで反則をとったシーンがありましたが、その時はどう思いましたか
そこもこれといって何かを変えるつもりはなくて。自分たちのスクラムで対抗した結果です。あとは絶対止めるぞ、負けないぞという気持ちでいった結果だなと思います。
――チームとしてディフェンスがよかったと思うのですが、その点については
そうですね。きょうもディフェンスで勝つっていうのがテーマだったので。相手のキーマンとしてSH福田さんだったり、SOやCTBにFWが内側からプレッシャーかけるというのを1週間やってきたので、それが出せた試合だったなと思います。抜かれる部分もあったんですけど、八割方うまくいったので、あとは修正しないといけない部分を選手権の一試合目までに改善していきたいと思います。
――ご自身のタックルも良かったように見えましたが
いや、自分ではそうは思わなかったですね。そこもあと3週間くらいあるので修正しないとだなと思います。
――反面これまでよかったラインアウトが振るわなかったように見えました
そうですね。メイジさんも自分たちのラインアウトを分析してたみたいで、すごいプレッシャー感じました。きょう結果として勝ってよかったんですけど、次の相手もきっと分析してくると思うので、その点もまだ時間があるので修正したいと思います。
――大学選手権に向けて意気込みをお願いします
最後までいっても4年生とできる試合って本当に少ないので。一戦一戦勝ちにこだわって行きたいと思います。
フランカー柴田徹(社3=神奈川・桐蔭学園)
――優勝おめでとうございます今の気持ちは
素直に嬉しいです。ただ自分たちの目標は大学日本一なのでもう一度気を引き締めたいと思います。
―― 試合前にゲームプランはありましたか
前回の試合でディフェンスをテーマにしていて、しっかりフォアードから前に出て行くというテーマで前半からある程度はチーム通りに試合運びはできたと感じています。
――前半を振り返って
我慢する時はできました。それでも中盤で反則をしてしまったりしたので、60点ぐらいかなと思います。
――前半の最後はトライを許しませんでした
だんだん走れなくなっているのが分かってきていたので、どこかで反則を奪いたい場面でチームメイトが奪ってくれたので本当に助かりました。
――ハーフタイムはどのようなことを話していましたか
体を当てつつも不用意な反則をして、相手ボールになってしまってはもったいないので、そこだけ反則をしないようにしようと基本に立ち返りました。
――後半はいかがでしたか
走れなくなっていると感じていたので、ぎりぎりで我慢しきれたという感じです。
――後半、自陣ゴール前で相手ボールスクラムから反則をとりました
あそこだけは絶対に押されてはいけない場面だったので、相手の強みであるスクラムに対してこちらがそれを封じてペナルティを取れたのは大きな流れを作れた時間帯だったと思います。
――交代の場面を振り返って
僕自身全く走れていないと感じていて、その前の失点も僕が少し内側をいかれたところからだったので本当に後は真吾さん(佐藤真吾主将、スポ4=東京・本郷)に全て託そうという思いで変わってもらいました。
――後半に相手の猛攻もありました
相手がどんどん外にふってくるのは分かっていたので、ふってきていても横につながってディフェンスをしてほしいと外から声をかけていました。
――対抗戦を振り返って
本当に1つ1つ成長していったなという感じはしていて、どれを取っても全ての試合が必要で成長していったなと感じています。また3週間後練習して、試合で成長して優勝を取るところまでとどまることなく、階段をのぼりつづけていきたいなと思います。
フランカー幸重天(文構3=大分舞鶴)
――チームとして、ディフェンスを振り返っていかがですか
明大の大きい選手だったり走力のあるBKに対して自分たちが前に仕掛けてディフェンスはできたところは良かったのですが、終盤、最後のところで内側のディフェンスが切れてしまって抜かれてしまったので、まだまだ成長しないといけないなと思います。
――タックルしたときの感触はいかがでしたか
やっぱり(相手は)でかいのですごい重いな、とは感じたのですが、しっかり前に出て下に入れば、ゲインラインは超えられなかったので、良かったと思います。
――個人として、リロードではどのような意識を持っていましたか
何回でもタックルしてリロードして起き上がって次に行くのが、終盤になってきつかったところで、できてないところがあったと思うのでこれはまた1ヵ月とか強化して大学選手権に向けて準備していきたいと思います。
――『Moving』は達成できたと思いますか
そうですね・・・。でも、それが体現できたから明大に勝てたと思うんですけど、『荒ぶる』を奪うには全然まだまだだと思います。約3週間空くのでしっかり準備していきたいと思います。
――対抗戦の総括をお願いします
帝京大に負けたところは自分たちにとって大きなターニングポイントで、そこでディフェンスを見直して、慶大、明大に勝てたのですごい良かったと思います。
NO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)
――帝京大を破った明大に勝利しましたいかがですか
うれしいです。早明戦は対抗戦の一試合ではあるのですが、ワセダにとってもメイジにとっても特別な試合であると思うのでそこで勝ったというのは本当に幸せです。
――初の早明戦でしたがどのような意気込みで臨まれましたか
絶対に勝たなくてはいけないので、絶対に勝つただそれだけです。
――自身のトライシーンを振り返ってみてはいかがでしょうか
岸岡さん(智樹、教3=大阪・東海大仰星)が良い判断をしてくれたました。岸岡さんならくるかなと思っていて、2対1で良い感じできてくれて良かったです。
――明大の強いフィジカルに対して個人としてはどのようなディフェンスをしていこうと考えていましたか
個人としては僕がターンオーバーをおこすというか、ディフェンスとアッタクで流れを変えるということを意識していました。あまり良くはなかったのですが、チーム全体としては粘り強くディフェンスができたので良かったです。
――チームとしては前に出るディフェンスが機能しているような印象を受けましたが、実際戦っているなかではいかがでしたか
ディフェンスし続ける分にはあまり怖いところはなかったです。
――スクラムからすぐにボールを出すというのは狙って行っていましたか
スクラムは劣勢という予想はしていたので、そこでハリーで出すというところは自分になかでありました。
――最後相手の反則を奪い取りましたが、その時のお気持ちを聞かせてください
絡むことができたので、これは取るしかないと思いました。離さないただそれだけです。
――関東大学対抗戦(対抗戦)が終わりましたが対抗戦を通しての収穫や課題はありましたか
最初に粘り強くディフェンスができたらそのまま続けることができました。ただ帝京大戦の前半のように受けてしまうと良くないということもわかりました。だからこそアグレッシブさを忘れずに前に出て何回も何回も粘り強くディフェンスをしていれば、ディフェンスの面では怖くないということです。
――大学選手権までに強化したいポイントなどはありますか
セットプレーの改善を優先的にやるということと、今までと変わらずディフェンスとアタックの質をあげていきたいです。
――大学選手権への意気込みをお願いします
負けたら終わりなので、もう一回気を引き締めて。きょうはしっかり喜んで、練習が始まったらそこからは日本一という目標に向けて頑張っていきたいと思います。
SH齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)
――明大に勝って同率優勝というかたちになりましたが、どのような心境ですか
優勝という実感もあまりないですし、帝京大に負けてますし、大学選手権は2位通過なので。優勝という結果に関してはそこまで嬉しいという気持ちよりも、この一戦で勝てたということを嬉しく思います。
――3年生が活躍して勝利を飾るというのはどういう風に感じていますか
同期がというのはないのですが、チーム全員がチームのためにと努力している中で、3年生が出れるというのは嬉しいことですが、4年生の努力に火をつけられてやっている部分があると感じます。チーム全体が意識上がっていると思います。
――今年はどんなことに取り組んでいますか
今年はあまり強みではなかったディフェンスコントロールの部分に重点的に取り組んでいます。
――コンバージョンキックの精度についてどのように考えていますか
早慶戦自分のキックで最後、ヒヤヒヤさせてしまった部分がありました。きょうは前半に結構点数が離れてそんなにキックの点数は関係ないかなと思っていましたが、最終的に接戦になり、2点や3点の重要さが改めてわかりました。決められたことは本当に嬉しいですし、これからも継続していきたいです。
――『荒ぶる』をつかむために必要なことは何だと思いますか
特別なことはないと思うので、今まで積み重ねてきたもの。特にディフェンス。これから新たにやることはないと思うので、自分たちがやってきたことに磨きをかけてやっていきたいです。
SO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)
――8年ぶりの優勝が決まった瞬間、笑顔が弾けていました。今の率直な気持ちは
もう、うれしいの一言ですね。それに尽きます。
――勝利の要因は
少しヒヤヒヤしたところはありましたし、早慶戦もそうでしたがディフェンスで勝つということを80分間体現できたことが勝利の要因かなと思います。
――最後にディフェンスで勝ち切れたのはなぜでしょうか
最後の最後は粘りのところもありましたが、ディフェンスでプレッシャーをかけるというところが最後の相手のノットリリース(ザ・ボール)につながったりとか、自分たちの強みはそこなんだと認識できていたのが勝ち切れた要因ですかね。
――3回目の早明戦でした
慣れとかもあるとは思うのですが、今までで一番観客が多くて。メイジの応援がすごくて、味方とのコミュニケーションすら聞こえないような状況でした。そんな中で勝てたのはやはりうれしいですね。
――以前、校歌を歌うときに観客席を見渡すと言っていましたが、きょうは見渡しましたか
見渡しました!最初が明大の校歌で、メイジの旗を振っている人が多かったのですが、ワセダになっても立って手を振りかざしてくれるひとがいたのでうれしかったですね。
――きょうのゲームプランは
個人としては早慶戦と同様キックのところにフォーカスしていました。キックの使い方はそんなにまずいところがなくプラン通りということはありました。もう少し詰めていけたらなという部分は少しありましたね。
――早慶戦に比べてキックが少なかった印象です
エリアの関係で言うと、10メートルくらいのいつも蹴っていたところを今回は攻めようというのが早慶戦から早明戦までのゲームプランというか。相手のアタック力やスクラムの強さを考えると、相手のアタックが強いというよりかはディフェンスが弱いというところに