今年で95回目を迎えた早慶戦。ここまで共に4勝1敗。関東大学対抗戦(対抗戦)優勝を目指す両校にとって絶対に負けられない一戦だ。早大はSO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)のロングキックを中心とした巧みなゲームメイクと帝京大戦から修正したディフェンスでプレッシャーをかけ続け、慶大に攻撃のリズムをつくらせない。しかし、早大も黒黄のカベがなかなか打ち崩せず、我慢の時間が続く。FB河瀬諒介(スポ1=大阪・東海大仰星)ら自慢のBK陣が躍動し、リードを奪うと、終盤の慶大の猛攻を振り切った。21-14。伝統の一戦は今年もロースコアの接戦となった。
慶大のキックオフで始まった前半。「想定以上にプレッシャーをかけられた」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)というように早大は自陣に攻め入られながらもラインアウトのディフェンスで慶大の攻撃の芽を摘んでいく。試合は一進一退の様相を呈したが、早大は思わぬ形で先制に成功する。前半24分、慶大のドロップアウトからハーフウェイライン手前でボールを受けた岸岡がDGを選択。「賭けでした」(岸岡)。勢いよく蹴り出された楕円球がポールの中央に吸い込まれると、秩父宮はどよめきに包まれた。これで勢いに乗った早大は29分に素早いカウンターアタックから相手のハンドを誘発、左ゴール前ラインアウトからモールで押し込みトライを決める。さらには前半終了間際、ゴール正面からのPGをSH齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が確実に決めて、スコアは11-0。ボールの支配率はほぼ互角ながら、慶大を無得点に抑えて試合を折り返した。
DGを成功させてチームメイトから祝福を受ける岸岡
後半5分に敵陣22メートルラインから左右に大きく展開され、そのまま失トライ。これで4点差に詰め寄られてしまう。しかし、粘り強いディフェンスを続けていれば、早大には頼もしいBK陣がいる。流れは渡さない。12分には河瀬が右ライン際に抜け出すと、オフロードパスを受けたWTB長田智希(スポ1=大阪・東海大仰星)が駆け上がり、最後はフォローに入った齋藤がインゴール右隅に飛び込んだ。28分にはCTB中野将伍(スポ3=福岡・東筑)がトライを決め、21-7とする。この時点で試合時間は残り12分。早大に勝利の予感が漂う。しかし、ここ4年間接戦が続いている早慶戦。慶大も意地をみせる。33分にモールトライを決められ7点差とされると、ロスタイムにはゴール前まで攻め入られてしまう。ここでトライを決められれば同点の窮地。これをディフェンスで何とか防ぎ切った早大。最後はマイボールスクラムからボールを外に蹴り出し、ノーサイド。その瞬間ベンチからは選手たちが飛び出し、選手全員で歓喜に沸いた。
追加点となるトライを挙げた中野将
『ディフェンスで勝つ』。この一年チームとして取り組んできたテーマを帝京大戦後に再確認。前へ出るディフェンスをチーム全員が徹底することで慶大に思うような攻撃をさせなかったことが勝利につながった。敗戦を確かな糧とし、宿敵・慶大を撃破した早大。12月2日には明大と優勝をかけて対決する。「全力で勝ちに行く」(中野将)。2010年以来、8年ぶりの対抗戦優勝まで、あと1勝だ。
(記事 萩原大勝、写真 石塚ひなの、千葉洋介)
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ペナルティーからの失点が目立ち、悔しさの残る敗戦/帝京大戦(10/21)
関東大学対抗戦 | |||||||||
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早大 | スコア | 慶大 | |||||||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 | |||||
1 | 2 | T | 0 | 2 | |||||
0 | 0 | G | 0 | 2 | |||||
1 | 0 | P | 0 | 0 | |||||
1 | 0 | D | 0 | 0 | |||||
11 | 10 | 計 | 0 | 14 | |||||
21 | 合計 | 14 | |||||||
3/3 | 2/3 | スクラム成功率 | 2/3 | 1/1 | |||||
9/9 | 4/9 | ラインアウト成功率 | 8/11 | 4/4 | |||||
【得点】▽トライ 宮里、齋藤、中野将 ▽ゴール 斎藤(1PG)、岸岡(1DG) | |||||||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||||||||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 | ||||||
1 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 | ||||||
後半35分交代→16千野 | |||||||||
2 | 宮里 侑樹 | スポ4 | 沖縄・名護商工 | ||||||
後半14分交代→17峨家 | |||||||||
3 | 小林 賢太 | スポ1 | 東福岡 | ||||||
4 | 中山 匠 | 教3 | 東京・成城学園 | ||||||
5 | 下川 甲嗣 | スポ2 | 福岡・修猷館 | ||||||
6 | 柴田 徹 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
7 | 幸重 天 | 文構3 | 大分舞鶴 | ||||||
8 | 丸尾 崇真 | 文構2 | 東京・早実 | ||||||
9 | 齋藤 直人 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
10 | 岸岡 智樹 | 教3 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
後半42分交代→22船越 | |||||||||
11 | 古賀 由教 | スポ2 | 東福岡 | ||||||
12 | 中野 将伍 | スポ3 | 福岡・東筑 | ||||||
13 | 桑山 淳生 | スポ3 | 鹿児島実 | ||||||
14 | 長田 智希 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
15 | 河瀬 諒介 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
後半33分交代→23佐々木尚 | |||||||||
リザーブ | |||||||||
16 | 千野 健斗 | 人4 | 東京・成蹊 | ||||||
17 | 峨家 直也 | 商4 | 兵庫・報徳学園 | ||||||
18 | 土田 彬洋 | スポ2 | 茨城・茗渓学園 | ||||||
19 | 松井 丈典 | スポ4 | 愛知・旭野 | ||||||
20 | ◎佐藤 真吾 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
21 | 貝塚 陸 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
22 | 船越 明義 | 社4 | 東京・早大学院 | ||||||
23 | 佐々木 尚 | 社4 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
◎はゲームキャプテン、※監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
関東大学対抗戦Aグループ星取表 | ||||||||
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帝京大 | 明大 | 慶大 | 早大 | 筑波大 | 日体大 | 青学大 | 成蹊大 | |
帝京大 | * |
12/1 14:00 熊谷 |
〇90-7 |
〇141-7 |
〇113-7 |
|||
明大 | * |
12/2 14:00 秩父宮 |
||||||
慶大 | * | 〇84-17 |
12/1 11:30 熊谷 |
〇68-14 | ||||
早大 |
12/2 14:00 秩父宮 |
* | 〇55-10 | 〇68-10 | 〇123-0 | 〇99-5 | ||
筑波大 |
12/1 14:00 熊谷 |
●21-66 | ●24-35 | ●10-55 | * |
○55-24 |
○73-31 |
○101-0 |
日体大 |
●7-90 |
●17-31 |
●24-55 |
* |
●23-26 |
12/2 14:00 熊谷B |
||
青学大 |
●7-141 |
12/1 11:30 熊谷 |
●31-73 |
○26-23 |
* |
○21-12 |
||
成蹊大 |
●7-113 |
●5-99 |
●0-101 |
12/2 14:00 熊谷B |
●12-21 |
* | ||
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド、三郷はセナリオハウスフィールド三郷(三郷市陸上競技場)、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、味スタ西は味の素スタジアム西競技場、上柚木は上柚木公園陸上競技場。 |
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月23日現在) | |||||||||
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順位 | チーム | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失 | トライ |
1 | 帝京大 | 6 | 5 | 0 | 1 | 428 | 91 | 337 | 59 |
1 | 早大 | 6 | 5 | 0 | 1 | 394 | 84 | 310 | 59 |
1 | 明大 | 6 | 5 | 0 | 1 | 342 | 81 | 261 | 50 |
4 | 慶大 | 6 | 4 | 0 | 2 | 248 | 124 | 124 | 36 |
5 | 筑波大 | 6 | 3 | 0 | 3 | 284 | 211 | 73 | 43 |
6 | 青学大 | 6 | 2 | 0 | 4 | 85 | 458 | -373 | 13 |
7 | 日体大 | 6 | 0 | 0 | 6 | 98 | 354 | -256 | 13 |
7 | 成蹊大 | 6 | 0 | 0 | 6 | 38 | 512 | -474 | 6 |
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。 |
コメント
相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋
――きょうの試合を振り返って
きょうはたくさんの観客の皆様に集まっていただいて、早慶戦ができたことを本当によかったと思います。そのなかで、どっちが勝ってもおかしくないようなゲームの中で結果的にワセダが勝つことができて本当によかったな、うれしいなと思います。きょうはディフェンスで粘り強くやっていこうと、きょうは我慢比べの試合だぞと選手を送り出して、我慢比べにわずかながら勝てたことがきょうの結果になったかなと思っています。
――前回の帝京大戦からディフェンスで修正したポイントは何でしょうか
前に出る部分、パスが浮いている間に前の空間を埋めるということと、帝京大戦でできていなかったのは横とのつながり、面でいけていなくてバラバラになっていたので、横との連携・連動というところを修正してゲームに臨んだと、慶大戦に向けて準備しました。
――慶大の金沢ヘッドコーチが「FWのシェイプの部分にプレッシャーをかけられた」とおっしゃっていました
あのゾーン、江嵜君が仕掛けてくるっていうのもありますし、川合君がうまく持ちだしたり、山本君などいいプレーヤーが多かったので、そこのラック周りのところは抑えて、BKが持ったら面で上げていくと。そういうところを徹底して練習していました。
――岸岡選手のゲームメイクに対しての評価はいかがですか
DGは想定外で見ているこちらもびっくりましたけど、ワールドクラスだなと思いました(笑)。岸岡を中心としてエリアマネージメントのところは、チームの中で意思統一したプランをしっかり遂行できたところが、その後の相手の我慢だったりにつながったかなと思います。なので、きょうのエリアマネージメントについては満点に近いかなと思います。
――具体的なプランは
我々がカウンターを仕掛けて敵陣に入れないようなエリアはキックで陣地を取っていこうというプランでやっていました。また、それに伴ってキックチェイスとかもしっかり確認していたので、そういうところチームで連動して動けたのはよかったかなと思います。
――ラインアウトディフェンスが効果的でしたが、ラインアウトのディフェンスについてはいかがですか
しっかりラインアウトについてはマイボール、相手ボール両方ともに練習を重ねてきたので、想定以上にプレッシャーをかけられて。そこが相手にリズムを渡さなかった要因かなと思います。選手たちもよくやってくれたと思います。
――早明戦に向けて
ここまでの対抗戦は2週間ごとだったので準備する期間がかなりあったんですけど、今回は間が短いので、この早慶戦に向けてもディフェンスにフォーカスしてやってきたので、まずはそこをしっかり積み上げていくこと。明大さんはスクラムが武器だということはよくわかっているので、そこに対してどのように対策をしていくか、限られた期間の中で、勝てば対抗戦優勝ということなので、1点でも上回れるようにいい試合できればいいなと思います。
――途中、コンバージョンキックを齋藤選手ではなく岸岡選手が蹴りましたが、何かあったのでしょうか
あれはベンチのミスです。キックティーを持っていかないといけないのに、持っていかなくて。90秒以内に蹴らないといけなかったので、岸岡が機転を利かせて蹴ったということで、2点に泣かなくてよかったなと。齋藤もあれでリズムが狂っちゃって全く入らなかったので(笑)。連携、連動を大事にしているんですけど、そこが全くできていなかったです。スタッフの反省です。選手に申し訳ないと思います。
佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)※記者会見より抜粋
――きょうの試合を振り返って
まず、勝てたことは本当にうれしいです。テーマとしてディフェンスで勝つと。それに加えて最初の20分間、ゲインラインの攻防で意地の張り合いだと試合前に声を掛けました。そこに関しては最初受ける場面もあったんですけど、結果的に前半の途中も常にディフェンスで守り切ることができて、後半も我慢することができて。結果的にディフェンスで通用すると、改めて自分たちのディフェンスが通用することを再確認できた試合でもありました。
――帝京大戦からどのように修正してきましたか
帝京大戦からきょうまででこだわる部分は変わっていません。ディフェンスで勝つと。そこにフォーカスしてきたんですけど、細かいところで言うならディフェンスの前に仕掛けるマインドセット。夏の帝京大戦は一人一人が前に出てプレッシャーをかけられた結果、相手に考える時間をなくすことができたんですけど、前回はそこができなかったので、きょうの早慶戦で一人一人が前に出る意識っていうのを一番にフォーカスしてきました。
――4年生での早慶戦を終えて
自分が今まで見た試合は4年生勝っていて、今年も勝つことができました。早慶戦は僕らにとっても、4年生にとっても大事な試合で、何でかと言われると、俺らがワセダで、相手がケイオーだからというだけですけど、だからこそ勝ててよかったなと思います。
――早明戦に向けて
今までディフェンスで勝つと、1年かけてやってきたので、早明戦もディフェンスで勝つことはもちろん、今回の試合もスクラムのところだったり、ちょっとしたペナルティーからピンチになった場面もあったので、ペナルティーとセットプレーをこれからフォーカスして、アタックの部分に関しては今までやってきたことに変わりはないので、精度を高めていきたいと思います。
――早慶戦に勝利しましたが、ご自身がグラウンドに立てなかったことについて
本当にその通りで、勝ってうれしいんですが、終わってみんなで喜んでいる姿などを見ても、うれしいんですけど出たいなと、悔しい気持ちが強いですね。次の早明戦までに1週間ほどしかありませんが、練習で激しくスタメン争いをしていきたいなと思います。
プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)
――帝京大敗戦後の慶大戦でしたが、意気込みはいかがですか
帝京大戦に負けて、一度自分たちのラグビーを振り返ってみて。チームの一番のテーマであるディフェンスで勝つ、ディフェンスで前出たりってことが帝京大戦ではできてなかったので。そこを慶大戦で勝つ、全員がディフェンスで勝つっていうマインドを持って挑みました。
――Bチームの入替戦でも選手がよくディフェンスで勝つと口にされていましたが、そういう部分で全体での共有がなされているということですか
そうですね。A、B関係なく全体で共有されてる感じです
――そのディフェンスで勝つという部分で、きょうの試合ハイレベルなディフェンスの攻防になりましたがいかがですか
前に出るってマインドなどは良かったと思いますが、その中でタックルの精度やヨコとのつながりっていうのが切れてしまう場面があったので、修正していきたいと思います。
――ペナルティーから攻め込まれる場面も何度かありましたが、何が食い違っていたのでしょうか
前に出ようという意識が強かったので、ラインでオフサイドしてしまったり、そういうところは練習でも気をつけようと話はしてたのですが、まだまだそういう意識が足りなかったのかなと思います。
――きょうはスクラムがかなり安定していたと思いますが振り返っていかがですか
帝京大戦でスクラムで負けてから、慶大のスクラムを見て、低く組むということと、ヒットスピードをしっかりやっていくという、ワセダが目標にしているスクラムを、もう一回原点に帰ってやろうと。そこを帝京大戦が終わってからずっとやってきて、それが完全にではないですが修正はできたのかなと思います。
――ラインアウトモールでトライをされてしまいましたが、あの場面はかなり相手にうまく回されてディフェンスが入れなかったように見えました
まず最初のインパクトのところでワンストップ取れなかったことが大きいかなと思います。最初安定したモールを組ませてしまったので、そこは問題だと思います。
――きょうは鶴川さん含めてFWがアタックの時に前に出るイメージを持って攻撃しているように見えましたが振り返って
そうですね、アタックでもディフェンスでもゲインラインの攻防をしっかりやっていこうという、もう一つの試合のテーマがあり、そこを意識して練習してきたので。
――次の早明戦への意気込みはいかがですか
まずFWとして、きょうの慶大相手にもスクラムで圧倒してる相手なので、今よりも高いスタンダードで練習していきたいと思います。あと勝てば優勝の可能性が残っているので、特別なことではなく、チームでやっているディフェンスで勝つというところを徹底してやっていきたいと思います。
フッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)
――慶大に勝ちました。率直な感想をお願いします
自分たちがやってきた、ディフェンスで勝つというところがしっかりできたのでそこはよかったと思います。そこが勝利につながったかなと思います。
――きょう意識したのはやはりディフェンスですか
そうですね、前に出るというところです。
――それはきょうできたと思いますか
個人的にはあまりいいディフェンスはできなかったですけど、チームとしては全員で前に出られてよかったです。
――宮里選手の素早いカバーディフェンスの場面が多く見られましたが
相手が前に出たら内切ってくるので、そこでしっかり前に出られたなと思います。前に出られてプレッシャーもかけられて、ケイオーさんもやりづらかったのではないかなと思います。
――スローイングのミスも後半の1度のみでしたが
そうですね、一応2回あったんですけど1回はマイボールになったので。100パーセントで行きたかったんですけど、後半のところで集中力切れたりとか、あれは自分のサインミスだったので、しっかり反省して改善していきたいですね。
――ボールタッチを増やしたいとずっと今季おっしゃっていますが、きょうはいかがでしたか
きょうだいぶもらえたんじゃないかなと思います。自分はアタックを強みにしているので、しっかり出そうというのは前インタビューでも言いましたし、自分で決めていたので、そこでしっかり前に出られてアタックでしかけることができてよかったです。
――来週明大戦です。メイジのスクラムの強さは帝京大戦でも証明されていましたが、どう戦っていきますか
ワセダは低く速いセットスピードが持ち味なので、そこを変えず、あと1週間もあるので改善できる部分はまだあると思うので、また少しずつ積み上げていきたいと思います。
――最終戦に向けて改めて意気込みをお願いします
メイジに勝たないと大学選手権も意味ないと思うので、慶明に勝ってこそだと思うので、そこのプライドを忘れずにいきたいです。自分は沖縄から応援してくれる人も来るので、その人たちが来たからには勝利を届けたいですね。
プロップ小林賢太(スポ1=東福岡)
――本日の試合の感想を教えてください
これだけの大観衆のなかで、伝統の一戦の試合のグラウンドに立てて。チームの代表として立てたということも光栄ですし、個人としても嬉しいというか、試合前もワクワクしてて。結果として勝利がついてきて嬉しかったです。
――初となる早慶戦ですが、その印象はいかがでしたか
観客の数で、一つ一つのビッグプレーが起こったたびに全体が本当に盛り上がるというか、圧倒されて。その環境の中でできた経験は大きいと思いますし、本当に良かったですね。
――花園の雰囲気と比べて、今回の会場の雰囲気はいかがでしたか
花園もすごい歓声なんですけど、それ以上に伝統の一戦ということで。また違う重圧というか、試合の重要さを感じた試合でした。
――ボールキャリーする場面が多く見られましたが、何か狙いはありましたか
試合を通して、帝京大戦でもボールキャリーする機会はあったんですけどそこまでありませんでした。そこから映像などを見たなかで、強い選手、キャラクターを見てキャリーする選手を選んでいくというなかで、色んなオプションを使ってアタックできたので良かったなと思います。
――ファーストスクラムでは押されてしまったように見えましたが、組んだときの感触はいかがでしたか
組む相手の分析は去年の早慶戦とかでしか出来ていないんですが、とりあえず最初は自分たちの形でやっていこうということで。少し慶大のスクラムを対策したところはあったんですけどそこがうまく噛み合わなくて、少しこちらがペナルティーしたり。フリーキックとられてしまったりがあったので。でも試合を通して前回の帝京大戦で修正できなかったところがあったので、スクラム8人で話してできたかなと思います。
――次戦となる早明戦へ向けて、意気込みをお願いします
明大の試合の映像とか見るとセットプレーで圧倒してくるチームだなと、特にスクラムなんですけど大学でトップといっても過言ではないチームだと思うので。残り準備日数は少ないですけど、そこに向けてしっかり自分たちのできる良い準備をしていこうと思います。
ロック中山匠(教3=東京・成城学園)
――早慶戦で勝利を収めました
帝京大戦終わって、チームとしてディフェンスで勝つことをテーマとして取り組んできて、先週のジュニア戦も、C戦もそうだったんですけど、チーム全員でテーマを遂行できたのがきょうにつながったと思います。きょうだけの勝利ではないかなと思います。
――フォーカスしたチームディフェンスについてはいかがですか
ディフェンスは一人でできるものではないので。後半の最後の方などきつくなった場面でも「走るぞ」ということはお互いに声をかけあって、個人としての個々のタックルで言うと受けてる場面が多かったので、そこは修正していきたいと思います。
――最後のゴール前FWとして勝負所がありましたが、戦っていて心境はいかがでしたか
そんなに考えてなかったです(笑)。とりあえず抑えるしかないと思っていたくらいです。
――慶大のラインアウトに対してはどのような対策をしていましたか
Bチームに手伝ってもらいました。サインをコピーしてもらって敵の分析をして、練習してきた成果で。これもAチームだけの成果ではないなと思います。その中でこういうビッグゲームになったらお互いスペシャルサインを用意してくるだろうなとは思っていたので、そういう練習はしつつも最後は自分たちでその場その場の状況を見て対応していこうという話をして、前半はそれができたかなと思います。
――マイボールについてはいかがですか
マイボールは、基本のところ、一年間やって積み重ねたものを出すしかないと思っていて。結局慶應さんも分析していて、後半目が慣れたらついてくることが多かったので、そこは意地の張り合いだったかなと思います。
――昨年は途中出場で、今年はスタメン出場となりました
どの試合だからって意気込みが変わるわけではないですけど、僕みたいにサイズがない選手でもロックができることを僕より年下でラグビーしているみんなに、サイズが不利でも戦えることをずっと示したくて。スタメンで出たことでそれが示せたかなと思います。
――次は対抗戦優勝の懸かった早明戦になります
そんなに時間がないので。この試合のレビューもあると思いますし、早明戦に向けて意識していこうというところもあるので、そこをAチームだけでなく、ワンチームで意識していくだけだと思います。
ロック下川甲嗣(スポ2=福岡・修猷館)
――今日の試合を振り返っていかがですか
ゲームテーマとしてディフェンスで勝つということが挙げられてて。それが体現できた試合だったなと思います。
――ラインアウトすごくよかったですよね
そうですね。前半はアタックもディフェンスもよくて。ディフェンスでプレッシャーかけられて、アタックでは相手を切ってボールを取れてたんですけど、後半ケイオーさんが修正してきて、そこがちょっとぶれてしまって。そこは課題として残ったかなと思います。
――帝京大戦の後からはご自身としてはどういう点を修正されましたか
帝京大戦の後からはボールに働きかける回数が少ないっていうのを自分の中では反省していました。きょうはそこを修正というか、自分の中で働きかけようと意識してボール回数も意識的に増やしていきました。
――早明戦への意気込みをお願いします
メイジもケイオーと同様FWが強みだと思うので。(自分たちは)きょういいところもあったので、そのいいところを継続したいです。FW勝負だと思うので、FWでガツガツいきたいと思います。
フランカー幸重天(文構3=大分舞鶴)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
ディフェンスで勝つことがこの試合のテーマだったので、プレッシャーをかけ続けられたと思います。
――前半を無失点で折り返しました
早慶戦という舞台でチームもすごく盛り上がっていましたし、試合の入りは良かったと思います。
――相手のFW陣を抑えるために意識したことは
自分たちが走り負けたらゲインを取られてしまうので、ちょっとでも前で止めようという話はしました。
――帝京大戦と比べて動きに変化はありましたか
帝京大戦ではディフェンスのところで受け受けに回っていて、自分たちが仕掛けていない部分があったので、そこからは自分たちが前に出て仕掛けるディフェンスをチーム全体で確認して、そこにフォーカスをして練習をしてきたことが良かったと思います。
――幸重選手はモールからトライを奪いました。そのシーンを振り返っていかがですか
チームであのサインを決めていて、その中で自分がうまくボールをもらってのトライなので、FWの練習の成果だと思います。
――早明戦へ向けて一言お願いします
メイジはFWが売りだと思うので、そこに対してどれだけ勝負できるかがテーマになると思うので、いい準備をして臨みたいと思います。
NO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)
――初出場の早慶戦で勝利となりましたが、今のお気持ちをお願いします
幼い頃から見ていて、ここに出たいと思っていた舞台だったので、本当にうれしいです。幸せです。
――実際のグラウンドに立ってみていかがでしたか
緊張はなかったです。お客さんもたくさん入っていたので、純粋にうれしかったです。
――前半、リードして試合を終えることができました
エリアを取れていたのと、ディフェンスで前に出るというところがどちらもできていたので、あまり怖くはなかったです。
――慶大のラインアウトに対してうまく対応できていた印象です
ラインアウトの分析はしてきて、Bチームがケイオーのコピーをしてくれました。あれを取れたのは僕だけの力ではないので、全員のお陰です。
――後半はいい流れで得点を重ねられました
要所要所でゴール前で止めることができたのが結構大きかったです。ディフェンスで粘り勝つというところで、粘り切れました。
――きょうは丸尾選手のタックルが鋭く決まっていました
アタックがそんなにできなかったので、ディフェンスを意識しようと思って激しくいきました。
――齋藤直人選手(SH、スポ3=神奈川・桐蔭学園)のトライにつながったタックルは振り返られていかがですか
一つ一つ全部狙っていけと言われていたので、いけました。
――きょうの試合でチームとして良かった点はどちらにありますか
帝京大戦が終わってからディフェンスで勝とうと言い続けてきたので、その根本に立ち返ってディフェンスで勝てた試合でした。やってきたことができて、一つ階段を上ったかなと思います。
――早明戦までに改善していきたい点はありますか
帝京大とケイオーでFWの重さが違って、帝京大くらいのアタックをメイジはしてくると思っていて、その重さに帝京大戦では耐えることができなかったので、その重さに勝ち切りたいです。
――最後に早明戦に向けて意気込みをお願いします
早明戦も僕からしたら最高の舞台なので、必ず勝って、その後の大学選手権につなげたいです。
SH齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)
――きょうの結果についてどう感じてますか
いや、やっぱり……。嬉しかったです。本当に……。
――慶大に対してどのようなゲームプランを考えていましたか
敵陣に入ることをもちろん考えていました。前回ハイパント使い方やエリアの取り方に課題があったので、今回は割り切って無理だと思ったら奥に蹴り込むなどの選択肢を考えていました。徹底してできたのはよかったです。
――前半リードした状態で試合を折り返しましたが、狙い通りに試合を運べたと考えていますか
いや、別に狙い通りというわけではないですが、リードして折り返すことができたのはよかったです。
――サポートプレーからトライを挙げましたが、その点を振り返っていかがですか
サポートはずっといこうと思っていましたが、後で聞いたら内側にもう一人いたらしくて。僕全然気づかなくて。振り返ると気合い入って上がっていた部分もあったのかなと思いました。早明戦はきょう以上に人が入るなど、状況が変わってくるのでそこの部分は変えなければいけない部分だと思います。
――チームとしてディフェンスで前に出ていましたが、それは対策していた部分ですか
そうですね。前に出ることはすごく意識していたので、実践できたのはよかったと思います。ラック周辺で抜かれるシーンがありました。そこのディフェンス整備は自分の仕事なので、もっと個人としてもチームとしても詰めていきたいですね。メイジがどんなアタックしてくるか分かりませんが、その部分を意識したいですね。
――早明戦のポイントはどこだと考えていますか
今年のワセダはディフェンスをテーマに掲げてるので。攻めのディフェンスというか積極的なディフェンスをしていきたいですね。
――最後に次戦への意気込みをお願いします
個人としてきょうダメだった部分。プレースキックとポイント周辺のディフェンス整備をしっかりとやっていきたいです。
SO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)※囲み取材から抜粋
――試合前、チームに火をつけたいとおっしゃっていましたね
そうですね。Bチームがカテゴリー上がったというのもあって。きょうの試合のテーマとしては、ディフェンスで勝つということがありました。それが帝京戦でできなかったことなので、この2週間Bチームも含めやってきた中で、前に出れたと思います。例えば前半の相手が全然攻められなかったときに、そこからのターンオーバーでトライが生まれたシーンとかがありました。そういうところはこの2週間積み上げてきたものがしっかり出たかなというように思います。
――DGは自分の中でイメージしていたのですか
ドロップアウトになった瞬間は一発になっていいかなと思っていました。
――その前のドロップアウトのキックもよかったですね
そうですね、たまたまだっただけなんですけど、相手の裏を取れたというところに関してはよかったかなと思いますね。
――風はどうでしたか
前半は追い風でしたね。ほとんど吹いていなかったですけど。
――それも含めてDGを狙ったのですか
ワンチャンな賭けでしたけど、結果的に決まって、チームの流れとしても点数を動かすことができました。
――55メートルというのは自分の中で最長ですか
そうですね(笑)。50メートル(越え)はさすがに初の試みで、練習したからと言うのがいいのかもしれませんが、まぐれと言うのが正しいかもしれないです(笑)。40メートルくらいは練習したことがあるのですが、それより10メートル以上後ろだったので、入るかなという感じでした。
――その前後のエリアマネジメントについては
相手のキッカーがまずしっかりレビューの時に特定しました。逆に後ろに下がっているバックスリーの選手はキックを蹴ってこられないし、キックを蹴ってくる選手を絞ってやりました。大体僕がキックを蹴っていたのですが、周りの選手から相手の位置を教えてもらいました。そういうコールのおかげで、キックの蹴り分けだったり、キックが苦手な選手にボールを落とすことができました。前半はエリアマネジメントとしてはほぼ完璧だだったと思います。
――ロングキックの後にハイパントを蹴ったりしていました
相手にも10、12番のロングキックが得意な選手がいて、その選手は逆にハイパントが苦手だという認識がありました。その選手がいるときは、ハイパントが得意な僕らのウイングが競ってそこでボールを再獲得しようというエリアマネジメントが元々のテーマでした。それは僕の判断だったのですが、周りからの声があったのでできたと思います。
――慶大のディフェンスについては
中野将選手(CTB、スポ3=福岡・東筑)がトライを取った時が、ディフェンスが崩れた時だと思います。キックは蹴るのですが、僕以外の選手がオプションとなって敵陣の中で攻める『全員オプション』という意識を持っていて、それが体現できたのかなと思います。アタックのマインドを持っていたからこそ相手がペナルティしてしまったりラックダウンオフサイドとかがあったので、そこはよかったかなと思います。
――ディフェンスで前に出るために意識してやっている練習はあるのですか
前に出るためのポジショニングを帝京大戦の後に意識してやっていました。出る姿勢を作らないと、出ようと頭で思っていても出られないので、セットしたときに出られるようにするということを意識しました。
――早明戦に向けて
ここで勝てば対抗戦1位も見えてきますし、対抗戦の他の試合とは違う伝統の一戦というか。観客の数や雰囲気に負けそうになるというか緊張もします。他の大学さんとはまた違った試合になってくると思うので、1位が掛かった試合でもありますが、結果というより自分たちがやるべきことをしっかり再確認した上で、その次にも繋がるいい試合にしたいと思います。きょうはそういう意味でいい試合だったと思うので、きょうを越えるような試合ができれば結果は付いてきて大学選手権にいいステップでいけると思います。あまり気負いすぎずに、自分たちがやりたいことやるべきことを確認していいゲームができたらと思います。
WTB古賀由教(スポ2=東福岡)
――昨年負傷退場となった早慶戦にフル出場しました
そうですね。80分間出れたことがまずは良かったかなと思います。
――課題としていたディフェンスについて
僕側でビックゲインされる場面もあったので反省しないといけないと思っていますし、タックルもまだまだ全然将伍さん(中野)たちのように向こう側に倒すこともできていないのでしっかりとドミネートできるように頑張りたいと思います。でもチームとしてはしっかりディフェンスで2トライに抑えられたので良かったです。
――慶大に狙われることを危惧していましたが
僕のところにキックが多く飛んでくるかと思っていたんですけど、そこまで多くは来ませんでした。ただ、メイジは確実に狙ってくると思うのでしっかり押さえていきたいです。
――アタック面を振り返っていかがですか
全然ボールを持つことがなかったんですが、こういうロースコアのゲームでももっと触れるようにタッチ回数を増やしていきたいです。
――帝京大戦から早慶戦へ向けて修正した点を教えてください
戦術的にはそこまで大きく変わっていなくて、マインドのところでみんなで前に出るということをやっていたのでそれがこの結果に繋がったのだと思います。
――今年も試合後には涙がみられました
去年の僕はここでシーズンを終えてしまったので、まだまだこれからチームために貢献できると思ったらホッとして涙が出ました(笑)。
――早明戦への意気込みをお願いします
やるべきことはみんながわかってるはずなので、そこを突き詰めれるように前に出てディフェンスをすること、明治の強いFW、BKをドミネートできるように一人一人が体を張ることが大切だと思ってます。
CTB中野将伍(スポ3=福岡・東筑)(※一部囲みより抜粋)
――早慶戦勝利おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか
伝統の試合で勝てたということは嬉しいですけど、きょうのパフォーマンスはあまり良いとは言えないので、明大戦までに反省していければなと思います。
――セットプレー後のファーストコンタクトでは中野将選手にボールが集まる場面が目立ちました
まずゲインラインを取っていこうということで、僕がファーストキャリアとして起点を作る場面が多かったんですけど、前半はボールのもらい方であったり、もらう位置、当たり方であったりが相手に合わせてしまっていてあまり良くなかったので、そこは明大戦へ向けての修正点です。
――後半、マークが厳しい中をくぐり抜けてのトライでした
いつもはファーストキャリアーであったり、相手の正面でボールをもらうことが多いので、ディフェンスが寄ってきているなというイメージはありました。その分FWの後ろのスペースが空いているなというイメージはあったので、うまく抜けられて良かったと思います。あのようなもらい方を試合を通して増やしていかないと、自分の強みであるボールを持った時のランは活かせないと思うので、あのような場面を多く作り出せるように、セットの位置であったり、FWをコントロールするというところを課題としていければなと思います。
――トライの場面、最後は内側に切り込んでのトライでした
抜けた後、外からのサポートが来ていたのはわかっていたので、2対1で真っ直ぐ走る中で、相手の一番後ろの選手の方を外に向けて、外の選手の方に意識がいっていたので、そこは自分が真っ直ぐいった方が抜けるなと思って走りました。
――ディフェンス面を振り返っていががですか
アグレッシブに上がってCTBのところでボールを取ろうということになっていたんですけど、前半は相手に合わせてしまってアグレッシブさが足りずに、抜かれないようにプレーしてしまいました。後半はラインを上げることで相手もボールを回さずに内側をランで攻めてきたところもあったのですけど、やはり前半からCTBのところでアグレッシブにいって、ボールに絡める回数を増やさなくてはいけないなと思いました。
――試合を通してペナルティーも多く目立ちました
やはりこういうギリギリの試合になるとペナルティーでピンチになったりもするので、規律という面をもう一度見直して、修正していかないとなと思います。
――次の試合に勝った