早大は、東大駒場グラウンドへ乗り込み、東大との定期戦に臨んだ。翌日に朝日大戦を控える中、本戦の出場は遠征に帯同しないメンバーが中心。終始攻め続け、敵陣に入ってのプレーを続けた早大は、90ー10で勝利。アタックの強さと、鮮やかな展開力でつかんだ快勝だ。
爽やかな風が吹く東大駒場グラウンドで、早大が躍動した。開始直後の前半2分、ゴール前でラインアウトの機会を得ると、モールで押し込み、フッカー森島大智(教3=東京・早実)がゴール左隅に先制トライ。さらに10分、敵陣での早大ボールのラインアウトから、右に素早い展開を見せる。WTB宮内隆貢(人2=東京・国学院久我山)が抜け出すと、CTBフリン勝音(スポ4=福岡・筑紫丘)がトライ。12分には、フランカー佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)が、18分には宮内がトライを挙げ、着実にリードを広げていった。東大がボールを保持する時間でも、早大は出足の早いタックルで相手の展開を封じた。22分には、敵陣ゴール前のスクラムから、フランカーからSHに転向している増原龍之介(教3=広島・崇徳)が、インゴールにねじ込むスクラムトライ。24分にも、左への展開から再び佐藤真がトライを挙げ、36ー0とリードを広げる。その後、東大に自陣へ攻め込まれる時間があったが、しのぎ切ると再び敵陣でプレーする展開に持ち込む。37分、フェーズを重ねた末、岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)がトライを決めた。さらに、前半終了間際、自陣からフランカー幸重天(文構3=大分舞鶴)のビックゲインで攻め込むと、敵陣ゴール前でのラインアウトから森島のモールトライ。計8トライを挙げ、50ー0で前半を折り返した。
1カ月ぶりの実戦復帰となった佐藤真
後半開始早々、東大のバックス陣に大外を突かれ、この試合最初の失点。しかし、早大は攻め手を緩めなかった。7分、FB南徹哉(文2=福岡・修猷館)が相手ディフェンスの間を抜きトライを奪うと、その後も鮮やかな展開で得点を重ねた。しかし、26分には、自陣ゴール前の東大ボールのラインアウトからモールで押し込まれ、トライを奪われる。東大のモールに、早大が対応しきれなかった形だ。以降は、試合は再び早大のペースで進む。宮内は、後半に2トライを挙げ、この試合ハットトリックの活躍。試合後は「試合前は緊張したが、落ち着いてできた。フィニッシャーとしての仕事を果たせた」と語った。試合終了間際には、フランカー近田和(法4=東京・早実)が鋭いステップで切り込みゲインすると、途中出場のCTB松本悠汰(スポ3=大阪・天王寺)がトライを奪い、90ー10で、ノーサイドを迎えた。
途中出場しトライも挙げた近田
計14トライの大勝だが、ペナルティーで得点のチャンスを逸する場面もあった。佐藤真は、「ペナルティーの部分が後半も改善できなかったので、そこが心残り」と振り返った。2018年度、新たな体制はまだ始動したばかり。課題を修正し、一戦一戦、成長する。あすは、岐阜での朝日大戦が控える。歓喜の時へ、早大は進化を続けていく。
(記事 元田蒼、写真 萩原大勝、小田真史)
招待試合 | ||||
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早大 | スコア | 東大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
8 | 6 | T | 0 | 2 |
5 | 5 | G | 0 | 0 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
50 | 40 | 計 | 0 | 10 |
90 | 合計 | 10 | ||
3/3 | 0/0 | スクラム成功率 | 2/2 | 6/6 |
4/4 | 6/6 | ラインアウト成功率 | 5/8 | 4/4 |
【得点】▽トライ 森島2、佐藤真2、増原、岸岡、フリン、宮内3、南、近田、松本2 ▽ゴール 岸岡(7G)、島本(3G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大登録メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 大平 純造 | 文3 | 東京・早実 |
2 | 森島 大智 | 教3 | 東京・早実 |
後半18分交代→17鷲野 | |||
3 | 土田 彬洋 | スポ2 | 茨城・茗渓学園 |
後半18分交代→18武田雄 | |||
4 | 三浦 駿平 | スポ3 | 秋田中央 |
後半0分交代→19中尾 | |||
5 | 星谷 俊輔 | スポ2 | 東京・国学院久我山 |
6 | ◎佐藤 真吾 | スポ4 | 東京・本郷 |
後半13分交代→20近田 | |||
7 | 幸重 天 | 文構3 | 大分舞鶴 |
8 | 沖野 玄 | 商3 | 北海道・函館ラサール |
9 | 増原 龍之介 | 教3 | 広島・崇徳 |
後半0分交代→21辺津 | |||
10 | 岸岡 智樹 | 教3 | 大阪・東海大仰星 |
後半18分交代→22島本 | |||
11 | 宮内 隆貢 | 人2 | 東京・国学院久我山 |
12 | フリン 勝音 | スポ4 | 福岡・筑紫丘 |
後半0分交代→23松本 | |||
13 | 吉田 重治 | スポ4 | 富山・高岡第一 |
14 | 佐藤 健 | 商4 | 東京・早大学院 |
15 | 南 徹哉 | 文2 | 福岡・修猷館 |
リザーブ | |||
16 | 尾島 拓樹 | 商4 | 東京・早実 |
17 | 鷲野 孝成 | 基理4 | 神奈川・桐蔭学園 |
18 | 武田 雄多 | 文3 | 東京・早実 |
19 | 中尾 悟 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
20 | 近田 和 | 法4 | 東京・早実 |
21 | 辺津 勘太 | 法4 | 東京・早実 |
22 | 島本 雄太 | 創理2 | 神奈川・桐蔭学園 |
23 | 松本 悠汰 | スポ3 | 大阪・天王寺 |
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
コメント
フランカー佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)
――復帰戦となりましたが、今の気持ちをお聞かせください
きょうは最初のファーストコンタクトの部分と、先週の試合でAチームができなかった入りの部分を大事にしていこうという話をしていて、それがきちんとできました。また、一人一人がアタックでもディフェンスでも前に出ていたんですけど、ペナルティーの部分が非常に多くて前半も多かったにもかかわらず後半も改善できなかったので、そこが心残りです。
――チームの雰囲気はいかがでしたか
雰囲気はかなりいいと思います。Bチームはここ一週間きょうの試合に向けてかなり準備をして、モチベーションのところでも準備していたので、雰囲気よく戦えたと思います。アップのときに入り悪かったんですけど、試合の入りはよかったと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
アタックでもフルタイムでやったのは久しぶりだったので、感覚的にまだまだな部分はありました。ディフェンスでも疲れたときにフィットネスが足りないなと感じたのでまだまだこれからだと思います。
――チーム内で話をしている場面もありましたが、何を話していたのでしょうか
勝っている試合では一人一人が接点に寄らなかったりだとか、細かいところ緩みが見えたので、そこを厳しくしようというのは話しました。
――今後へ向けて意気込みをお願いします
この前のAチームの試合のように入りが悪かったように、気持ちの部分をいい状態に持っていけないことをなくすのはもちろんですけど、戦術の部分でペナルティーが多くそれを修正できないという課題が出たので、あすAチームがどんな試合をするか分からないですけど、そこで出た課題をメンバーも変わると思うので、合わせていきたいなと思います。
フランカー/SH増原龍之介(教3=広島・崇徳)
――きょうの試合を振り返って
僕自身がまだSHに転向してまだそんなに時間が経っていないので、パスミスをなるべく少なめにしようと思ったのですが、それがうまくコントロールできなかったというのが反省点です。
――SHに転向してから対外試合では2試合目となりますが新しいポジションには慣れましたか
まあ、練習を徐々に積み重ねているので動きには慣れてきましたが、まだ経験が足りないかなと感じます。
――具体的にどういった場面で『経験値が足りない』と感じましたか
アンストラクチャーの場面やターンオーバーした場面で僕がうまく整理できていないところで経験が足りないかなと感じましたね。
――良かった点はどのような点が挙げられますか
ディフェンスに入って、以前フランカーをやっていたこともあってしっかりとタックルに入れるというところが僕の強みだと思うので、そこの部分は何回かできたのでいい部分だったと思います。
――どのようなSHになりたいですか
僕がアピール出来るのはディフェンスの部分だと思うので、ディフェンスをしっかりしてFWにも負けないタックルなどそういう部分を出していけたらなと思います。また、最低限SOにボールを繋げれるようにしたいです。
――次戦に向けての目標をお願いします
パスの成功率100%ということでお願いします(笑)。
WTB宮内隆貢(人2=東京・国学院久我山)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
試合前はとても緊張しましたが、意外と落ち着いてできたかなと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
WTBとしてハットトリックっていうフィニッシャーとしての仕事を果たせたかなと思います。
――チームのアタックとディフェンスはいかがでしたか
アタックは最初の20分はタテに攻めると話し合っていました。もちろん外が空いたらWTBなどが指示を出して外に振らせるっていうイメージです。ディフェンスは1対1のところをこだわってやりました。あとはラインを切らないようにっていうところですね。
――チーム全体での良かった点と悪かった点は
良かった点はアタックでもディフェンスでも1対1でほとんど勝てたことです。悪かった点はボールセキュリティのところですね。やはりノックオンなどのハンドリングミスが多かったと思いますね。
――今後の試合に向けて一言お願いします
WTBとしてのフィニッシャーとして最初にいつもファーストトライを取るということと、最後大外勝負で取り切るということを意識して頑張りたいと思います。