【連載】新体制特集『九折不撓』第1回 岸岡智樹×中野将伍×齋藤直人×幸重天

ラグビー男子

 第1回は、豊富な代表歴を持つ齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)、中野将伍(スポ3=福岡・東筑)、そして今回ジュニア・ジャパンに選ばれた幸重天(文構3=大分舞鶴)の4人だ。相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)の就任、創部100周年などさまざまな意味で注目される今季の早大を担う4人に、去年の結果を振り返りつつ今年度の抱負をうかがった。

※この取材は3月22日に行われたものです。

充実した海外遠征

ジュニアジャパンの遠征を経験した幸重

――今回の対談は3年生4人ということで他己紹介をそれぞれお願いします。まずは幸重選手からお願いします

岸岡 名前は幸重天さんです(笑)ポジションはフランカーで、先日ジュニア・ジャパンに選ばれて、フィジーに遠征で行っていました。個人としてはスキルも高く、日本代表に選ばれるようなすごい選手だと僕は思います。

中野将 タックルでチームを引っ張ってくれると思います。

齋藤 あ、同じです(笑)

岸岡 ちゃんと紹介しろよ(笑)

齋藤 いや、まあタックルもいいんですけど、アタックもすごいセンスがあって、ボールを持ったら少しでも絶対ゲインしてくれるので、頼りになります。

岸岡 頼もしいよね。

幸重 ありがとうございます(笑)

――では齋藤選手についてはいかがですか

幸重 試合中、やっぱりテンポをつくって、ワセダのラグビーの中心になって試合を作ってくれるので、頼りになるプレーヤーだと思います。

岸岡 えー、何でしょうね。ちょっとふざけたところもあるんですけど、やるときはバシッと決めてくれるセンスの塊ですね。

中野将 チームを引っ張っていくというか、ゲームを動かしていて、頼りになりますね。

――次に、中野将選手の紹介をお願いします

齋藤 公私ともに頼りにしているというか、迷ったときは将伍に任せておけばなんとかなるって感じです。おとなしくてあんまり喋らないんですけど、プレーになったらすごい激しく、頼りになります。

幸重 口数が多くはないですが、プレーの面でチームを引っ張ってくれる、本当に頼りになるプレーヤーだと思います。

岸岡 見ての通り体が大きいのですが、案外シャイで、寡黙な九州男児って感じですね。

――最後に岸岡選手についてはいかがですか

中野将 SOとしてうまいアタックをしてくれるので、自分もプレーしやすいですね。今はFBもやっていますが、自分にボールをくれたりと、プレーしやすいですね。

齋藤 センスがすごくあって。パス、キック、ラン全部揃っていて、教えて欲しいですね(笑)

岸岡 (笑)

幸重 SOとしてやっぱりFWとかに色々な指示を出してくれて、練習中も試合中も怖いときはあるけれど、その分岸岡にいいボール出さないとなってFWの責任感が生まれるようなプレーヤーです。

――先日、岸岡選手、齋藤選手、中野将選手は英国遠征に、幸重選手はジュニア・ジャパンの遠征に行かれましたが、外国人選手のフィジカルを体感してみていかがでしたか

岸岡 僕ら3人は去年ジュニア・ジャパンとかで海外遠征に行っていたりして、各国のU20であったり各世代の代表に入っている選手と対戦したんですけど、オックスフォード大学さんはそのような選手たちほどではありませんでした。ただ、やっぱり外国人選手のしなやかな動きやバネの動きっていうのはすごく感じました。

中野将 自分も、他の遠征などで海外の選手と試合をしたときと比べると、そのときより強いなとは感じなかったですね。でも、国内とは違うコンタクトレベルでできたので春シーズン前にいい経験ができたと思います。

齋藤 岸岡と一緒で、フィジカルの部分は、強かったのですが、今まで経験した中ではそこまで強くはありませんでした。でも、オフロードだったりとか、そういうスキルの部分は自分たちより上かなと思いました。

幸重 自分は初めて代表関係で海外の代表チームと試合させていただいきました。やっぱり思っていた以上に、体も大きいですし、そういう部分でプレッシャーを受けましたが、そこでやっぱり日本人の低さと速さっていうのを出せたら通用する部分もあったと思うので、それは収穫かなと思っています。

――これから外国人選手の同時出場枠が2人から3人になりますが、外国人選手への対処法はどう考えているのでしょうか

岸岡 まずは1対1という場面をいかに減らせるかだと思います。相手一人に対して一人では絶対に止められないので、どうやって1対2、1対3の状況を作るかっていうのと、相手にスペースを与えずに、相手の得意なランとかを出させてしまうと絶対に勝てないので、そういう場面をいかになくすことができるかが大事になると僕は思っています。

中野将 自分は外国人選手が来ても勝てるくらいの力とスキルをつけていきたいなと思っています。

齋藤 岸岡と一緒で、1対1の場面では数だったり、さっき天も言ったんですけど、低さとか速さで勝負していけたらなと思っています。

幸重 フィジカルを上げないといけないのはもちろんなのですが、それでもやっぱり外国人選手との違いっていうのはあると思うので、その部分ではやっぱり先ほどの低さと速さっていう部分と、数でしっかり対応していくというのが重要になってくると思います。

昨年の結果をバネに

丁寧な受け答えをする中野将

――昨年度は、全国大学選手権(大学選手権)で3回戦敗退という結果に終わりましたが、それについて個人としてどう受け止めていますか

岸岡 そうですね。対抗戦も4位で終わりましたし、僕らは2年しか経験していないですけど、(大学選手権の)初戦で負けるっていうのが多いので。このグラウンドで培っていることが少しずつ出てきているという実感はみんな持っているんですけど、それが試合では、プレッシャーがかかる場面では発揮されないというか。今までの経験を糧にじゃないですけど、そういうのをバネにして、勝負にこだわれるチームにことしはできたらいいなと思っています。

中野将 去年も初戦で負けて、一番は悔しいっていう思いがあります。外国人選手2人に勢いをつけられたので、ことしは外国人選手にも勝てるようにトレーニングをしています。それを試合までに完成させていきたいです。

幸重 初戦で負けてしまって、悔しいっていう思いと、もうちょっと自分たちもやれたのではないかという思いもありますね。それはやっぱり2年間やってきて力がついてきていると感じているので、それを3年目のことしこそ発揮できるようにチャレンジしていきたいと思います。

――昨年度に見つけた個人としての課題は何でしょうか

岸岡 (大学選手権の)東海大戦で、というのであれば、力量の差とか、去年とか一昨年はスクラムにしっかりこだわったり、セットプレーとかがありました。そういう場面で、僕はSOだったので、ゲームメイクっていう部分でどれだけFWや味方の選手とかのことを考えながらチームを前に運べるかっていうのを去年は試合で成功できなかったので、ことしはどのポジションをするのかはわからないですが、ゲームメイクを託されていると思っているので、その部分で考えてしっかりやっていけたらと思っています。

中野将 自分の役割は、アタックでは味方を生かすことや自分が前に持っていくこと、ディフェンスではターンオーバーからのプレーでした。最後の試合はそれが少なくて、チームを勢いづけられなかった部分もあると思います。それが反省点ですね。

齋藤 自分はフィットネスの部分とゲームメイクの部分です。SHはチームを前に出さなければいけないポジションなのですが、チームがきついときに、流れを変えるようなことができませんでした。ことしはきついときこそ走れて、流れを変えられるようなプレーができるようにやっていきたいです。

幸重 自分はフランカーとして試合に出させてもらいましたが、きつくなったときとか、試合の終盤のプレーの精度であったり、自分が一番ディフェンスやブレイクダウンで働かなければいけないのですが、そこで質や精度が落ちてしまったりしたのが、昨年の課題だと思っています。

――新たに就任した相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)の印象はいかがですか

岸岡 今のところまだラグビーについてたくさん触れているというわけではないですね。それぞれに、アドバイスとかは、実体験をもとに「ここをこうした方がいいよ」という風に言ってくれます。話しやすく、自分たちが言いたいことも言えるし、監督も僕らの思いを汲み取ってお話してくれるので、そこは接しやすいですね。

中野将 まだ監督が変わったばかりで、今は様々な場面でコミュニケーションを多く取っているという感じですね。

一同 (笑)。

中野将 印象は・・・。まだよくわからないです(笑)

齋藤 自分も同じで、まだわからないのですが、優しそうです。

幸重 ちょうど遠征に行っていたので2回くらいしかまだ話したことがなくて、僕もまだあまりよくわからないのですが、すごく話しやすくてコミュニケーションが取りやすいなと感じています。

――3年生で、部内では上級生という立場になります。委員ということで、今までと心持ちが違うところはあるのでしょうか

岸岡 去年から委員をやっていましたが、去年は委員として全然動きがありませんでした。心持ちじゃないですけど、発言にしっかり覚悟と自分の意思を持って、下からの押上げというわけではないですが、4年生をサポートできればいいなと思っています。

中野将 試合や練習で、積極的に声を出していったりコミュニケーションを取っていったりして、委員としてチームを引っ張っていけるように頑張っていこうとは思っています。

齋藤 自分も言葉でうまいことを言える方ではないので、プレーで見せられるようにしたいです。あとは、去年までは自分のプレーがいいか悪いかしか考えられなかったのですが、ことしはもう少し視野を広げてチーム全体を見られるようにしたいです。

幸重 去年は自分で精一杯で、ただがむしゃらにやるだけでした。ことしは少し心に余裕ができたら周りにも目を向けて、後輩を引っ張れるような、そういうプレーヤーになりたいと思います。

――3年生の委員は具体的な仕事は決まっているのでしょうか

岸岡 特にないですね。ただ、色々な面で、発言力のあるというか、チームに大きな影響を与えられるようなプレーヤーが選ばれていると思います。

――新チームの雰囲気はいかがですか

齋藤 練習ではよく声が出ています。4年生が練習前に集まって、きょうの練習ではこういうところを意識しようという話をして、4年生が中心に引っ張っていこうとしてくれているので、練習だけで考えると去年より声が出ていていい雰囲気だと思います。

幸重 去年に比べて、春シーズンということもあって、コーチも言っているのですが、チームの上下の入れ替えが増え、毎回緊張感のある練習ができているのではないかと思います。

中野将 4年生が中心になってチームを引っ張っているということもあって、学生自身でしっかり声を出してると思います。春なので、新しいことに挑戦して、色々な練習ができていていい雰囲気だと思います。

岸岡 声が出ていると言っていましたが、去年と違って型にはまらないラグビーということで、決まり事がほとんどないですね。自分たちで考えて動くということを今はやっているので、声を出すということが大事になっているのだと思います。全体的には声が出ていて、いい雰囲気だなと思います。BKとFWで分かれて行う練習があるのですが、BKの方ではいいプレーが出たら「ナイス」と言ったり、明るくいい雰囲気でやっているのではないかなと思います。

――佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)の印象はいかがでしょうか

幸重 私生活はフレンドリーで、ゆったりしている人です。ラグビーになると、ブレイクダウンやタックルなど、すごいビッグプレーができて、チームの流れを変えるようなプレーができる主将だと思います。

齋藤 そうですね、私生活は結構フレンドリーで、オンとオフがすごいはっきりしていますね。

中野将 どちらかというと、プレーで引っ張っていくタイプだと思うので、チームみんなで声出してついていって、キャプテンだけじゃなくみんなで引っ張っていけるようにしていけたらなと思います。キャプテンもそういう風に言っていたので、そういう風にしていきたいです。

岸岡 去年の加藤さん(加藤広人、平30スポ卒=現サントリーサンゴリアス)みたいに、一人でみんなを引っ張る感じではなく、副将や他の委員に発言力がある人が入っているので、組織としてキャプテンを支えていけるようになっていると思います。キャプテンは口数が少なく背中で引っ張っていくタイプなので、それについていって僕らで支えられたらなと思っています。

――現時点ではどんなチームになっていくと思いますか

齋藤 さっきも言いましたが、型にはまらないラグビーをやるということで、自分たちで主体的に考えてプレーすることが多くなると思います。

中野将 監督はどちらかというとあまり喋らない方だと思うので、その面では、いい意味で選手主体のチームになっていくのではないかなと思います。

岸岡 去年とおととしは、上級生に任せていた部分が大きかったですね。ことしは4年生が多いですが、その中でも下級生もしっかり発言できる環境があり、あまり学年の壁がないのではないかなと僕は思います。いろんな人が発言できて、4年生だけに頼っていない印象が今のところはあります。なので、選手主体と言っていたのですが、主将、副将だけではなくて、それぞれが考えた意見を言えるチームになりつつあるのではないかなと思います。

――結構お互いに言い合うことはあるのですか

岸岡 そうですね。色々なことを言い合える関係になってきているのは事実ですね。怒り、怒られるじゃないですけど、自分の思っている意見をしっかりと言い合えることは大事だと思うので、そういうのが増えてきたというのは去年までとの違いかなと思います。

――トレーニング内容については、去年と変わったところはありますか

岸岡 ストレングスの面では、先ほど述べた『外国人選手に勝つようなストレングス』を身につけようというのがことしのウエイトトレーニングのテーマです。大学選手権の東海大戦を見たら分かるように、外国人選手にペースを握られてしまったことが原因の負け方をしてしまいました。日本人で体は小さいですが、そこに勝つ力量の土台を作ろうという目標に向かって着々と進んでいるのではないかなと思いますね。

――メニューは結構変わったのでしょうか

幸重 スピード系の、クリーン重視になったかも。重りを上げるだけじゃなくて。

岸岡 テクニックなどの部分も増えたりしたので、がむしゃらに重りを上げればいいというわけではなくて、ストレングスで培った能力をラグビーで発揮するために、上げ方などもより一層意識するようになったのではないかなと思います。

中野将 個人的には、1回のウエイト時間が増えて、感覚的にはウエイトがヘビーできつくなったという感じですね。量と扱う重さも増えて、去年よりはウエイトのキツさを身体的に感じますね。

齋藤 練習は、ハンドリングやアンストラクチャーの状態から始めることが多くなっています。昨年までとチームがやるラグビーが変わってたこともあって、練習にも変化があります。

幸重 フィットネスの部分は、昨年はただ走ることとラグビーを兼ね合わせた練習が多かったんですけど、ことしは走るメニューではなく、バイクだったりローイングだったり、体を動かしてインテンシティを上げるという風に変わったかなと思います。

――個人としては、練習のどこに重点を置いてやっていますか

岸岡 アタック、ディフェンスともに型にはまらないという話がありましたけど、そういうことを達成するには、隣とのコミュニケーションが必要だと思うので、隣とかその隣にまで影響を及ぼす声が出せるように最近の練習では意識しています。

中野将 ボールゲームだったりアタックディフェンスだったり、実践的な練習の中でCTBとしての判断力をもっと上げていきたいなと思っているので、そこを意識して練習に取り組んでいます。

齋藤 パスとコミュニケーションの部分です。パスに関しては、ただ投げる時と、少し持ち出した後の判断です。去年はただ投げることが多かったのですが、ことしはチームがやるラグビーに合わせてそこを練習しています。コミュニケーションは、僕は声を出すのが結構得意な方なのですが、いかに伝わりやすく伝えるかという部分がまだ全然できていないので、そういうところを意識しています。

幸重 僕はやっぱりポジションがフランカーなので、自分がいい間合いでディフェンスに入ることはもちろんですが、それをするために周りに指示する声かけなどコミュニケーションの部分を意識することで、チームのディフェンスを引っ張れるようにしています。

今季も攻撃の核として期待のかかる齋藤

――オフの日はどのように過ごしているのですか

齋藤 部屋が変わったのですが、まだ落ち着かないので、結構家に帰りがちです(笑)今まで1階に住んでいたんですけど、初めて2階になって、部屋が2段ベッドなんですよ。

幸重 Netflixですね(笑)テラスハウスとあいのりを見て、ラグビーとは違う面を勉強しています(笑)

岸岡 寮に残ったメンバーで映画を借りて、みんなで映画鑑賞をしています。これが僕らの中での最近のあるあるですかね。

齋藤 ゲームしかしてないじゃん(笑)

岸岡 ゲーム買ったからな(笑)

――最近ではどんな映画を見たのでしょうか

岸岡 なんて言ったっけあれ・・・えっと、1ミリの・・・。

幸重 『あと1センチの恋』!

岸岡 ああそれだ(笑)あと1ミリだったらヤバいですね(笑)

中野将 僕は月曜日は目が覚めるまで寝がちなので、昼くらいに起きて、ウエイトをしていますね。

――オフをこの4人で過ごすことはありますか

一同 ないな(笑)

幸重 家に帰る、ウエイトしてる、ゲームしてる、なんで(笑)

中野将 3年生あんまりまとまらないよな(笑)

幸重 仲はいいですけど、いつも一緒に居すぎるので(笑)

――目標としている選手はいますか

岸岡 立川選手(SO/CTB立川理道、現クボタスピアーズ)ですね。天理大時代のSOをやっていた立川選手が僕は好きです。僕がSOをやり始めたときくらいに、ちょうどテレビで活躍していて、上手かったですね。あんな風になりたいなと思った記憶にあります。

中野将 ソニー・ビル・ウィリアムズというニュージーランドの選手ですね。自分もああいう風に、オフロードで味方にパスを出せたらなって意識しているので、練習中からオフロードやったりしています。バックフリップパスとかもたまにやります。

岸岡 しょっちゅうやってます(笑)

幸重 すぐやるからな(笑)

齋藤 自分はサントリーの流さん(流大、現サントリーサンゴリアス)です。代表とかサンウルブズにも入っていて、速いテンポのさばきと、速い中にもパスの緩急があったり、左右でキック蹴れたりとか。そういうところに憧れています。

幸重 僕はワセダの金正奎さん(平25教卒=現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)です。僕が大学ラグビーを見ていた頃のスター選手ですし、同じポジションということもありますね。運動量であったりタックルであったり、ブレイクダウンであったり、全てにおいて存在感のある選手と思うので、そんな選手になりたいなと思っています。

――ではOBを含め、早大の先輩の中で目標としている選手はいますか

岸岡 曽我部さん(曽我部佳憲、平19教卒)です。2年前のオール早慶明三大学ラグビーのときに10番で出ていたのですが、すごいなと思いました。

中野将 ポジションは違いますが、布巻峻介さん(平27スポ卒=現パナソニックワイルドナイツ)です。コミュニケーションをとったりしている中で、人間性がとてもいい人だなあと思いました。そういう人になりたいなあと思いました。

齋藤 さっき天が言っていた、金正奎さんです。一緒に遠征に行かせていただいたりして、リーダーシップだったり、色々と学ぶことが多いです。今NTTコミュニケーションズでキャプテンをされているのですが、そこでどのような気遣いをして振る舞っているかという話なども聞いて、すごいなと思いました。

幸重 僕は、金正奎さんの他には、大峯功三ジュニアコーチ(平27スポ卒=福岡・東筑)ですね。公私ともに日々お世話になっています。功三さんの大学時代と言ったら、やはりキャプテンでロックとして素晴らしいプレーをされていたので。グラウンドではいっぱい怒られるんですけど、功三さんの指導もあって成長できたと思うので、好きですね。

――他大学で意識している選手はいますか

齋藤 もう社会人になってしまうのですが、帝京大学の堀越さん(フッカー堀越康介=現サントリーサンゴリアス)ですね。高校が一緒なのですが、遠征に1回一緒に行かせてもらって、発言にすごい重さがあるというか。プレーでも魅せれて、発言でも魅せれるところに憧れますね。

中野将 誰ってわけじゃないですけど、対戦する相手のCTBには負けたくないっていう意識を持って臨んでいますね。

幸重 天理大学の同級生のフランカー岡山仙治です。今回ジュニア・ジャパンで一緒に遠征して、やっぱりプレーでチームの雰囲気を変えられる選手だと思いました。僕とタイプは違うと思うんですけど、ディフェンスでチームを引っ張ることができるところなどはすごく学ぶことが多いです。

岸岡 東海大学のSO眞野泰地くんで。高校も一緒で、高校の時にキャプテンをやっていたので、日常からよくしていると言いますか。あんなタックルができればいいですね。人間性と言いますか、ラグビーに対する熱意が齋藤くんくらい圧倒的に強いので。こういうキャプテンやこういう人間にはついていこうと思えるキャプテンなので、そういう人格面に憧れています。

勝つことが求められる

今季からはFBにも挑戦している岸岡

――もうすぐ春シーズンが始まります。どのような春シーズンにしていきたいですか

岸岡 去年とかもずっと春はチャレンジだと言ってきたと思うのですが、やっぱり勝負なので。僕は絶対勝ちたいです。去年の春は負ける試合が多かったですが、ことしは勝つってことにこだわっていきたいです。内容がダメだったらそれはいけないと思いますが、勝たないと意味がないので。勝つことに重きを置いて戦っていければなと思っています。

中野将 まずは勝ちにこだわっていくことと、個人としては去年の最後の試合に出た反省点の部分の精度を少しずつ上げていけるように毎試合質を上げていきたいです。

齋藤 勝つことと、毎試合に対して目標を持って試合に臨んでいきたいです。

幸重 この3人のように定着する場所があるわけではないので、まずは自分の結果を出すというのと、その結果がチームにつながればなと思っています。

――早大ラグビー蹴球部はことしで100周年を迎えます。それを踏まえ、ことしをどういう1年にしたいですか

岸岡 メディアの方からそういう話題が出てくるとは思うのですが、あまり気にしないようにしています。そうやって取り上げられるということは応援される機会が少しでも増えるということですし、負けているチームはあんまり応援されないと思うので、応援されるチームになれればと思います。

中野将 100周年だからというわけではないですが、自分たちが入学してここ2年勝てていないので、大学選手権で優勝できるようなチームになるように貢献できればと思います。

齋藤 過去の2年以上に結果が求められる年だと思うので、そのために何ができるか自分で考えてこの1年を過ごしていきたいです。

幸重 齋藤くんが言ったことと重なりますが、この2年間を経験して、やっぱりどんなに頑張っても結果を出さないと色々言われるし、それは注目されたり応援されたりしているからこそだと思うので、節目の年だからというわけではありませんが、結果を残したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 石名遥、小田真史)

最後に思いを込めて色紙を書いて頂きました!

◆幸重天(ゆきしげ・たかし)(※写真左)

1998(平10)年1月29日生まれ。175センチ、95kg。大分舞鶴高校出身。文化構想学部3年。取材日はジュニア・ジャパンの遠征から帰ってきたばかりだった幸重選手。オフはNetflixをよく見ているそうです!

◆中野将伍(なかの・しょうご)(※写真左から2番目)

1997(平9)年6月11日生まれ。186センチ、100キロ。福岡・東筑高出身。スポーツ科学部3年。オフの日もウエイトトレーニングをするというストイックな一面ものぞかせる中野将選手。色紙には迷うことなく『日本一』と書いてくれました!

◆岸岡智樹(きしおか・ともき)(※写真右から2番目)

1997(平9)年9月22日生まれ。173センチ。85キロ。大阪・東海大仰星高出身。教育学部3年。ハキハキと受け答えする姿が印象的でした。色紙の言葉はかなり迷っていましたが、「存在感」と書いてくださいました。昨年よりも存在感の増したプレーに期待しましょう!

◆齋藤直人(さいとう・なおと)(※写真右)

1997(平9)年8月26日生まれ。165センチ、75キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学学部3年。先日NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)沖縄キャンプメンバーに選出されるなど着実に成長を続ける齋藤選手。その活躍から目が離せません!