昨年の学生王者はやはり強かった。ブレイクダウンでの差が攻守に響き、守っては後手にまわり、攻めてはターンオーバーされる。1試合を通してコンスタントにトライを献上し、5-48で敗北した。
開始5分、ハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトをターンオーバーされると、個人技で大きくゲインされ、そのまま帝京大Bに先制を許してしまう。しかし、早大Bもすぐさま取り返した。タッチキックで敵陣5mライン付近まで攻め込むと、ラインアウトからモールを押し込みロック三浦駿平(スポ1=秋田中央)がトライ。ここから得点を重ねたいところだったが、逆に3本のトライを立て続けに献上。5-24で前半を終えた。
早大B唯一のトライを挙げた三浦
「むらがあった」とプロップ佐田涼祐ゲームキャプテン(社4=東京・早実)が語るように、たびたび相手を押し込む場面が見受けられていたにも関わらず、後半開始直後に自陣22mライン付近からスクラムトライを奪われてしまう。その後も、ブレイクダウンの際に最小限の人数で相手を倒す隙のないディフェンスを見せる帝京大B。それに対して早大Bはアタックが単調になったり、敵陣まで攻め込んでもペナルティーを犯したりと攻めあぐね、得点することができない。守っても3トライを追加され、5-48でノーサイドとなった。
横山は積極的に声を出し、指示を出した
この試合では、ブレイクダウンでの強さ、個々のフィジカルの強さで地力の差を見せつけられる結果となった。層の厚さという意味で、勝つためにはBチーム以下の実力の底上げも重要になってくる。菅平での練習試合も東海大戦を残すのみとなった。きょうの結果を受け、Aチーム、Bチーム共に東海大戦でどのように修正してくるかに注目したい。
(記事 本田理奈、写真 寺脇知佳、服平周)
ジュニア夏季オープン戦 | ||||
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早大B | スコア | 帝京大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 0 | T | 4 | 4 |
0 | 0 | G | 2 | 2 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
5 | 0 | 計 | 24 | 24 |
5 | 合計 | 48 | ||
【得点】▽トライ 三浦 | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大登録メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | ◎佐田 涼祐 | 社4 | 東京・早実 |
2 | 鷲野 孝成 | 基理2 | 神奈川・桐蔭学園 |
3 | 柴田 雄基 | 文3 | 愛知・千種 |
4 | 三浦 駿平 | スポ1 | 秋田中央 |
5 | 吉満 慎吾 | 人3 | 東京・本郷 |
6 | 西田 強平 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
7 | 柴田 徹 | 社1 | 神奈川・桐蔭学園 |
8 | 中山 匠 | 教1 | 東京・成城学園 |
9 | 吉岡 航太郎 | スポ3 | 國學院栃木 |
10 | 横山 陽介 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
11 | 桐ケ谷 稜介 | スポ2 | 群馬・太田 |
12 | 野口 祐樹 | 人3 | 群馬・太田 |
13 | 宇野 明彦 | スポ1 | 神奈川・県横須賀 |
14 | 緒形 岳 | スポ2 | 新潟・新発田 |
15 | 水谷 彰裕 | 商2 | 埼玉・早大本庄 |
リザーブ | |||
16 | 井上 大二郎 | スポ2 | 愛知・千種 |
17 | 峨家 直也 | 商2 | 兵庫・報徳学園 |
18 | 武田 雄多 | 文1 | 東京・早実 |
19 | 樋口 悦久 | 商4 | 大阪・早稲田摂陵 |
20 | 千野 健人 | 人2 | 東京・成蹊 |
21 | 増原 龍之介 | 教1 | 広島・崇徳 |
22 | 杉本 頼亮 | スポ3 | 京都・桂 |
23 | 船越 明義 | 社2 | 東京・早大学院 |
24 | 中野 厳 | 社3 | 東京・早大学院 |
25 | 作田 蓮太郎 | 教3 | 東京・早実 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
プロップ佐田涼祐ゲームキャプテン(社4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
FWのラインアウトだったり、規律の部分だったり、皆でうまくつくり上げることができませんでした。自分たちからミスして、テンポを崩してしまったと思います。
――スクラムに関してはいかがでしたか
序盤のほうは良かったのですが、グラウンドの状態もあってスリップだったり、後ろが浮いてしまったりだとかで、8人全体の調子が悪くなってしまいました。まだまだむらがあると思います。
――相手の印象はいかがでしたか
山下監督も言っていたんですけど、自分たちのやってはいけないことをやらなかったら、もっと良いゲームだったのかなと思います。でも何もできなかったという試合ではありませんでした。
SO横山陽介(スポ3=神奈川・桐蔭学園)
――きょうのゲームプランはなんでしたか
Aチームと同じで、コーチ陣から言われたプランに沿ったプレーをすることと、体を張るということです。
――試合中は指示の声を多く出していましたが、そこで意識していた点はありますか
若い学年の人が多いので、しっかり声を出して盛り上げてポジティブな雰囲気を作っていこうと決めていました。
――BK陣との連携に関して周りと差を感じましたか
かけなければいけないところに人数をかけ過ぎて、その次で人が減ってしまったりしました。ブレイクダウンで決められた人数を出せなかったところに差があったと思います。
――オフェンスでは攻め手に欠けた印象を受けましたが、原因はなんだと考えますか
敵陣に入ってからのペナルティーが多かったので、それが原因かなと思います。そこで粘ってディフェンスしてキックでマイボールになればもっと点数が取れたと思います。
――ラインブレイク後のディフェンスでのペナルティーなど、フィットネスの点に課題は感じましたか
フィットネスというよりレフリーとのコミュニケーションだったり受けたタックルが多かったです。そこで返すタックルが出来ていれば、あっちにペナルティーがいくこともあったかもしれないので、ディフェンスで受けてしまったのが要因かなと思います。
――合宿も終盤に差し掛かりましたが、個人として伸ばしていくポイントはなんですか
復帰して一ヶ月やってラグビーに慣れてきました。これからチームの戦術などをしっかり覚えて試合に出たときは求められているプレーが出来るように一個一個の精度を高めていきたいと思います。