練習試合も三試合目となったきょう、早大Bは日大Bと対戦した。前半はトライを取られては取り返すという、競った展開に。しかし、後半にディフェンスが崩れ、連続失点。33-45と後半に逆転され、黒星を喫した。
前半、早大Bは早々にインゴールを明け渡してしまう。試合開始からわずか1分、ノーホイッスルトライだった。このまま相手の勢いに押されるかと思われたが、ラインアウトから素早くボールを受けたCTB野口祐樹(人3=群馬・太田)が抜け出してトライ。続けて、キックで敵陣まで攻め込むと、次はSO船越明義(社2=東京・早大学院)がラインアウトを起点にトライを決める。その後さらに7点を追加し、21-5とリードを広げた。しかし、今度は日大Bが反撃。自陣10m付近のスクラムから押し込まれてインゴールをこじ開けられると、その直後にもパスをつながれたことで生まれてしまったディフェンスの隙を突かれて、あっという間に得点を追加される。点差は2点に。それでも前半終了間際にフランカー板垣悠太(基理2=東京・玉川学園)のトライで取り返し、26-19でハーフタイムを迎えた。
前半終了間際にトライを追加する板垣
「チームディフェンスが機能していなくて、後半は受けにまわってしまった」と船越が振り返るように、前半の終盤にほころび始めたディフェンスは、後半になるとその穴がさらに大きくなった。抜かれて大きくゲインされたり、連続攻撃をされたりするとディフェンスラインが崩壊。後半だけで4トライを献上した。対するアタックも思うようにいかない。たびたび敵陣10m付近までは攻め込むが、要所でラインアウトのミスやノックオンを犯す。チャンスの場面に自らのミスで攻撃権を相手に渡し、なかなか得点に結びつけることができない。試合終了直前に佐藤健(商2=東京・早大学院)が意地のトライを見せたが、33-45で敗北した。
自ら突破するシーンも見られた船越
一度ディフェンスラインが崩れると、立ち直ることができずにあっという間にトライを許してしまう。そんなディフェンスのもろさが、前回の練習試合と同様に後半に露呈してしまった。いかに強固で、1試合を通してちぎれることのない『鎖』を作り上げるか。勝利のカギはそこにあるに違いない。
(記事 本田理奈、写真 高橋団)
練習試合 | ||||
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早大B | スコア | 日大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
4 | 1 | T | 3 | 4 |
3 | 1 | G | 2 | 3 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
26 | 7 | 計 | 19 | 26 |
33 | 合計 | 45 | ||
【得点】▽トライ 野口、船越、入谷、板垣、佐藤健 ▽ゴール 船越(4G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 佐田 涼祐 | 社4 | 東京・早実 |
2 | 三隅 寛己 | 法2 | 東京・早実 |
3 | 尾澤 祐仁 | 法2 | 東京・早大学院 |
4 | 三輪 達哉 | 文2 | 三重・桑名 |
5 | 入谷 怜 | スポ2 | 愛知・南山 |
6 | 板垣 悠太 | 基理2 | 東京・玉川学園 |
7 | 西田 強平 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
8 | ◎堤 悠 | 政経4 | 東京・攻玉社 |
後半21分交代→16佐藤健 | |||
9 | 杉本 頼亮 | スポ3 | 京都・桂 |
後半25分交代→19栗原 | |||
10 | 船越 明義 | 社2 | 東京・早大学院 |
11 | 佐々木 尚 | 社2 | 神奈川・桐蔭学園 |
12 | 野口 祐樹 | 人3 | 群馬・太田 |
後半21分交代→22中野 | |||
13 | 高橋 吾郎 | スポ3 | 福岡・修猷館 |
14 | 作田 蓮太郎 | 教3 | 東京・早実 |
後半15分交代→24郷地 | 15 | 伊藤 大貴 | スポ2 | 愛知・春日丘 |
リザーブ | |||
16 | 佐藤 健 | 商2 | 東京・早大学院 |
17 | 近田 和 | 法2 | 東京・早実 |
18 | 小柴 大和 | 法2 | 北海道・函館ラ・サール |
19 | 栗原 慶 | 文構2 | 埼玉・早大本庄 |
20 | 辺津 勘太 | 法2 | 東京・早実 |
21 | 佐藤 史也 | 教3 | 東京・本郷 |
22 | 中野 厳 | 社3 | 東京・早大学院 |
23 | 高橋 駿 | 文構4 | 東京・早実 |
24 | 郷地 裕貴 | 人3 | 神奈川・桐蔭学園 |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
NO・8堤悠ゲームキャプテン(政経4=東京・攻玉社)
――きょうの試合のコンセプトはなんでしたか
コンセプトとしては、ことしの三つの強みであるチームディフェンス、スクラム、ブレイクダウンにフォーカスしてやっていましたが、どれもいいかたちで出せませんでした。
――後半になってディフェンスが崩れた印象を受けましたが、原因はなんでしたか
FWがシンプルにタテを突いてくるのに対して、ダブルタックルのヒットが弱くて相手にコンタクトで負けてしまう場面が見られました。あとは単純にフォワードがバテてちゃんとセットができなくて、ディフェンスが崩れました。
――後半のオフェンスは1トライに終わりましたが、原因はなんでしたか
ラインアウトでボールを確保できなかったこと、あとは僕とか他の選手が単純なハンドリングエラーで攻撃権を相手に渡してしまっていたので、この単純なミスがアタックがうまくいかなかった理由です。
――スクラムで押されていましたが、反省はありますか
相手の1番がアングルで内に向かって組んでくるのに対して、(早大の)3番が対応できなかったです。あとは後ろの5番と7番が相手の3番を下げてしまったいたのでそこでカベを作れていなかったです。
――いつもとは違うポジションでの出場はいかがでしたか
課題がいっぱい出ました。NO・8は初めてだったんですけど、スクラムでボールをさばけなかったというのと、後ろでハイパントや相手のキックを取るのが、ポジショニングが悪くてうまく取れなかったので、そこが課題です。
――春はまだ多くの試合がありますが、意気込みをお願いします
僕自身はバックローなので、タックルで一番目立たなければいけないですし、ことしはチームディフェンスに一番重きを置いてやっています。そこでいいタックルを、ひとつでも多くのターンオーバーにつながるタックルを練習からやっていきたいです。あとはフィットネスも僕の課題なので、そこも克服していきたいです。
船越明義(社2=東京・早大学院)
――きょうのゲームプランはどのようなものだったのですか
積極的にエリアを取って、なるべく敵陣でプレーするというゲームプランでした。それから、ずっとディフェンスの練習をしてきたので、しっかりチームディフェンスをしてボールを取ろうと意識していました。
――きょうの試合を振り返って、ディフェンスはいかがでしたか
敵陣でのディフェンスで、日大のフォワードアタックに対して若干ワセダが引いてしまって、そこに食い込まれて失点につながってしまったと思います。
――後半大量得点を許してしまいましたが、どのように受け止めていますか
チームディフェンスが機能していなくて、後半は受けにまわってしまったので、そこでどんどん日大にゲインされて突破されてしまいましたし、自陣でプレーする時間も長かったです。エリアがうまく取れなかったこと、セットプレーでのミスが、ディフェンスが良くなかったことに重なって、失点につながってしまいました。
――ご自身のキックを振り返っていかがですか
いいキックもあったのですが、まだ精度が低くく、うまくエリアを取ることができなかったです。
――オフェンスをしているのに陣地を下げられる場面もありましたが、原因は何だったと考えていますか
個々のスキルが足りていなくて自分たちのいい形でアタックできなかったり、単純にいいかたちでアタックするためのコミュニケーションが少なくなって、連携が取れていなかったのが原因だと思います。
――次の試合への意気込みを聞かせてください
チームでやろうとしていることがいくつかあるので、それがしっかりできるように修正して、それができた上で勝利を目指していきたいと思います。