強豪との差を痛感する結果に

ラグビー男子

 東京セブンズ2015の大会最終日、初日に引き続き藤田慶和副将(スポ4=東福岡)が日本代表の一員として世界の強豪との戦いに挑んだ。4日の結果により15年ぶりに1~8位を決めるカップトーナメントへと駒を進めた日本代表。しかし実力、経験ともに勝る強豪国のプレッシャーの前に思い描いたようなプレーができない。2連敗を喫した日本代表は、最終的に16チーム中7位という結果で幕を閉じた。

 この日最初に戦ったのは、今季ワールドシリーズで6大会中3大会を制しているフィジー。強敵の前にどれだけ日本代表が戦えるか注目が集まったが、現実は甘くなかった。開始わずか17秒でインゴールを割られると、なすすべなく攻め込まれる。藤田も体を張った懸命なカバーディフェンスを見せるも、フィジーの勢いは止められず。キャプテンを務める坂井克行(平23スポ卒=現豊田自動織機)のトライ1本に抑え込まれた日本代表は5‐41の大敗に終わった。続いて対戦した相手はスコットランド。ラインブレイクからチャンスメークを果たすなど藤田は随所に見せ場を作った。しかし、「勝てそうな試合を落とした」と語ったように、藤田も含めチーム全体でアタックのミスが生じたためにトライを取り切れなかった日本代表。終了間際にはダメ押しのトライを献上し5-14で敗戦、7位で大会を終えた。

試合後、悔しさで顔を覆う藤田

 この日は勝ち星を挙げられなかったとはいえ、大会前から目標としていたベスト8入りを果たした日本代表。だが、藤田が「これからはベスト8が標準となるようにならないといけない」と口にしたように、これで満足しているわけにはいかない。ワールドシリーズ全大会への出場が認められるコアチーム残留のためには、依然厳しい状況が続いている。今大会の課題として挙がったアタックの精度を高め、残り2戦となったワールドシリーズに臨みたいところだ。

スピード感には手応えを得ている

 セブンズ日本代表が佳境を迎える一方、藤田は7人制ラグビーにひとまず区切りをつけ、6日から15人制ラグビー日本代表の合宿に参加する。「スピード感というものを忘れずに取り入れていきたい」(藤田)と言うように、セブンズで磨きをかけたスピードを武器に、9月に開催されるワールドカップ(W杯)のメンバー入りへアピールするつもりだ。セブンズとの両立やクルセーダーズ(ニュージーランド)留学など、オフシーズンも精力的にラグビーと向き合ってきた藤田。W杯という大舞台に立つためのサバイバルレースが間もなく始まる。

(記事 菅原拓人、写真 副島美沙子)

結果



●日本5-41フィジー



●日本5-14スコットランド

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コメント

藤田慶和副将(スポ4=東福岡)

――連敗という結果となりましたがいかがですか

勝てそうな試合を落としたことはもったいないですし、悔しいです。ですがこの大会を通して目標であるベスト8をクリアできたので、これからはベスト8が標準となるようにならないといけないと思いました。

――どのあたりを強くしていくべきだと思いますか

本当にちょっとしたところだと思います。パスミスなど精度を上げるだけで変わってくると思います。ディフェンスの部分はチームとして成長していると思うので、アタックでのミスをなくして精度を高めていきたいです。

――フィジー戦の後にはどのようなことを確認しましたか

瀬川智広ヘッドコーチから「代表のジャージーを着るプライドをもって試合をしているのか」と言われて、次はしっかりプライドをもって戦おうと思いました。

――7人制から15人制へとどのように切り替えていきたいですか

切り替えはできると思います。パスのもらい方も違ってきょねんは切り替えられなくてエディー・ジョーンズ15人制日本代表ヘッドコーチに怒られたので、そういうことがないように1日目から集中していきたいと思います。

――15人制で生かせることはありますか

世界一速いレベルでラグビーができたことは自分の中では大きいですし、スピード感というものを忘れずに取り入れていきたいと思います。体力もハードワークが求められるので、7人制で培った体力を生かしていきたいと思います。