伝統の一戦で完勝!

ラグビー男子

 理屈抜きの決して負けられない戦い、早明戦。ことしは国立競技場の改修工事の影響で、秩父宮に舞台を移して行われた。早大はSOにルーキー横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)を起用。日本代表のFB藤田慶和(スポ3=東福岡)もチームに合流し、BKの顔ぶれを大きく変更された中で今試合を迎えた。早大は前半を18-10で折り返すと、後半も明大の猛攻をしのぎ切り、37-24で完勝。来る全国大学選手権(大学選手権)に向けては弾みをつけた。

 試合開始早々、早大は出鼻をくじかれる。4分にPGで先制点を許すと、5分にはターンオーバーを起点とされ失トライ。ゴールも決められ、0-10となる。11分にPGで3点を返すも、その後はミスで自滅し得点に結び付けられない。試合が動いたのは28分。藤田がカウンターで自陣から一気に敵陣に上がり、左に展開。最後はCTB小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がギャップを突き、インゴールに飛び込んだ。これを皮切りに、37分にPGを決めて勝ち越しに成功。直後の38分、再び抜け出した小倉からWTB荻野岳志(先理4=神奈川・柏陽)がパスを受け、右外をそのまま走り切る。得点を追加し、8点リードでハーフタイムに突入した。

横山のパススピードはチームに勢いをもたらした

 迎えた後半。それぞれが1トライずつ奪い、この時点で6点差に。リードを広げたい早大だが再びミスが増え、思うように攻め入ることができない。逆にその隙を突かれてしまい、5分以上にわたり自陣ゴール前での防戦が続く。しかし、FWの集中力と我慢強さがこの窮地を救った。幾度となく猛攻をしのぐ内に相手の反則を誘発し、早大スクラムに。横山がキックで陣地を大幅に回復し、悪い流れを完全に断ち切った。35分には荻野が本日2つ目のトライを挙げて突き放すと、40分には小倉が密集の内側に切り込み、ダメ押し点をたたき込む。ロスタイムに7点を献上したものの、37-24でノーサイドとなった。

藤田のカウンターからチャンスが幾度となく生まれた

 ペナルティーの多さ、試合の入り、ロスタイムの失点と、依然として課題は多く残る。だがその一方で、「確実に前に進むことができた」とロック大峯功三主将(スポ4=福岡・東筑)が断言する通り、得たものも大きい。前の帝京大戦、慶大戦と自分たちのしたいプレーができなかった早大にとって、この一勝がチームをさらに前進させるだろう。あくまで目指すは大学選手権優勝。早明戦は通過点に過ぎない。残り約1カ月で、どこまでチームの精度を高めることができるか。1試合も無駄にせず、成長し続けることが求められている。

(記事 加藤千暁、写真 近藤廉一郎、大口穂菜美、森健悟)

関東大学対抗戦
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
18 19 10 14
37 合計 24
【得点】▽トライ 加藤、小倉2、荻野2 ▽ゴール 小倉(3G、2PG)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
高橋 俊太郎 社4 東京・早実
  後半41分交代→16光川    
清水 新也 スポ4 宮城・仙台育英
  後半41分交代→17菅野    
佐藤 勇人 スポ4 秋田中央
  後半37分交代→18千葉太    
◎大峯 功三 スポ4 福岡・東筑
桑野 詠真 スポ2 福岡・筑紫
布巻 峻介 スポ4 東福岡
  後半37分交代→20吉田    
加藤 広人 スポ1 秋田工
  後半41分交代→19仲元寺    
佐藤 穣司 スポ3 山梨・日川
岡田 一平 スポ3 大阪・常翔学園
  後半37分交代→21平野    
10 横山 陽介 スポ1 神奈川・桐蔭学園
  後半29分交代→22鶴川    
11 深津 健吾 スポ4 東京・国学院久我山
  後半37分交代→23本田    
12 小倉 順平 スポ4 神奈川・桐蔭学園
13 飯野 恭史 商4 東京・早実
14 荻野 岳志 先理4 神奈川・柏陽
15 藤田 慶和 スポ3 東福岡
リザーブ
16 光川 広之 スポ4 神奈川・公文国際学園
17 菅野 卓磨 教4 東京・早実
18 千葉 太一 教2 東京・早実
19 仲元寺 宏行 社3 広島・尾道
20 吉田 有輝 人4 大分舞鶴
21 平野 航輝 スポ4 長崎南山
22 鶴川 達彦 文構1 神奈川・桐蔭学園中教校
23 本田 宗詩 スポ2 福岡
※◎は主将、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 早大 慶大 筑波大 明大 青学大 立大 明学大
帝京大 ○55-11 ○48-0 ○31-10 ○31-6 ○118-3 ○118-5 ○98-0
早大 ●11-55 △25-25 ○19-15 ○37-24 ○50-0 ○97-0

○104-0
慶大 ●0-48 △25-25

○36-29 ●17-40 ○38-7 ○57-14 ○68-3
筑波大 ●10-31 ●15-19 ●29-36 ●21-41 ○55-0 ○106-7 ○101-8
明大 ●6-31 ●24-37 ○40-17 ○41-21 ○80-0 ○92-0 ○106-0
青学大 ●3-118 ●0-50 ●7-38 ●0-55 ●0-80 ○36-26 ○38-6
立大 ●5-118 ●0-97 ●14-57 ●7-106 ●0-92 ●26-36 ○27-24
明学大 ●0-98 ●0-104 ●3-68 ●8-101 ●0-106 ●6-38 ●24-27
関東大学対抗戦Aグループ順位表
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 499 35 464 78
早大 343 119 224 51
明大 389 106 283 56
慶大 241 166 75 35
筑波大 337 142 195 50
青学大 84 373 -289 11
立大 79 530 -451 11
明学大 41 542 -501
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
コメント

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――試合の振り返りをお願いします

長い歴史の早明戦ということで、明大は明大のプライド、早大は早大のプライドを持って試合に出るメンバーだけでなく、チーム全員で持ってやろうということを話してきました。具体的な戦術としては明大のFW、特にセットプレー、特にスクラムの部分で負けないこと。また、キープレーヤーであるSO田村煕君、CTB梶村祐介君、NO・8松橋周平君を走らせないということを念頭に置いていました。最初から点を取られしまってどうなることかと思いましたが、前半の中盤から落ち着いて敵陣に入って、早大が押しかけることができたのでペースをつかめたかと思います。後半、守戦に回った場面はキックオプションを使って敵陣にいければ、もう少し良くなったのかと思いますが、これが早明戦なのかと思います。いろいろなプレッシャーがある中で、明大の気迫を受けながら最後まで粘って、そこから1つ、2つトライに結び付けられたのは評価しています。

――BKが新しい布陣での試合となりましたが、そこについての評価をお願いします

ある程度期待していた通りになったと思います。もっとSO横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)に期待したキックを前面にシンプルに打ち出す。そこから敵陣でのプレーができたと思いますが、随所に好キックをしていたと思います。FB藤田慶和(スポ3=東福岡)に関してはカウンターアタックでゲインをしていました。あのようなプレーを期待していたので、良かったと思います。また、前半のトライに結び付いた場面はほとんどCTB小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の崩しが機能していたと思います。

――この試合を終えて、今後伸ばしていくべきと感じたところを教えてください

昨年以前より口にしていることですが、もう少し冷静さ、賢さという部分が出ていけばいいと思います。良い意味で余裕を持って局面に臨めればと思います。このビックゲームを乗り切ったことで選手たちが、自信を持って次以降の試合で経験を積んでいって、最後に帝京大とやった時にどうなるかというところに期待しています。

ロック大峯功三主将(スポ4=福岡・東筑)

――試合の振り返りをお願いします

勝つことができて本当に良かったです。そこだけです。早明戦ということで理屈ではない部分で絶対に負けないようにしようということでまとまって試合臨みました。前半の入り、最後の場面、ラインアウトだったりでまだまだ課題があると思いますけど、良いゲームができたと思います。

――国立競技場と秩父宮ラグビー場に舞台が変わりましたが、普段と違うようなことを感じましたか

ロッカーから出てタグアウトに並んだ時に変な感じはしましたし、試合中もいつもとは違う観客の声援を感じました。違和感はあったんですけど楽しめたと思います。

――この試合に勝てたことの意味は大きいでしょうか

勝つことでチームが変わることができると思った試合でした。この試合は確実に前に進むことができたと思います。

――試合の入りは横山選手などを中心にして多くの本数のキックを蹴っていましたが、ゲームプランとしてあったものでしょうか

横山がしっかりとマネジメントしてしっかりやってくれていました。横山自身物おじせずに思いっ切りやってくれる選手だったので、試合の序盤に慣れれば良いプレーをしてくれると考えていました。

――FWが早慶戦までとは違い闘志が溢れていましたね

FWは特に良いプレーができていたと思います。走り勝っていましたところが大きいです。集散がすごく良かったです。二人目の寄りであったり、ブレイクダウンでのプレーが良かったです。

――ハーフタイムで話し合ったことを教えてください

シンプルに、もう一回0対0の戦いが始まるよと声を掛けました。早大のラグビーをしようと話しました。後半は相手も息を吹き返して良いプレーをしていたんですけど、そこを突き放せたのは良かったです。

――キックカウンターが機能しましたね

バックスリーは強みなので、思いっ切りやってくれたと思います。藤田は積極的にボールをもらいにいってくれるので、練習から良い雰囲気でできていたと思います。

――終盤のピンチはどのような点がうまくいって弾き返せたのでしょうか

ペナルティーを繰り返してはいたのですが、いつものチームでしたら僕やフランカー布巻峻介副将(スポ4=東福岡)が発言するんですけど、この試合に関しては全員が取り返してやるんだと言っていました。全員で決めたことを皆でやり切りました。チーム力が上がったと思います。

――FWの寄りがかなり早くできていたと思いますが、そこについては練習から意識してきたことでしょうか

今週の練習では、そのような場面を想定した練習をしていたんですけど、いつもと違って皆恐れずに頭から突っ込んでいっていたので、この試合ではおそらくできるだろうと思っていました。

――最後にトライを奪われる場面がありましたがそこの場面について一言お願いします

この試合は勝ちましたけど、もし逆転のトライであったりした場合、気迫に負けて早大はトライを取られてしまうのかなと思いました。止められないというのは大きな課題だと思いますが、次も試合があるのでしっかり一つずつ課題を直して(全国大学選手権)優勝に向かって頑張りたいと思います。

――関東大学対抗戦も終わりましたが、ここまでの感触はいかがでしょうか

少しずつ少しずつ良い流れになっていったのが大きいですね。これからは短いスパンで試合が行われますが、毎回しっかりとケアをして万全の状態で試合に臨みたいです。その中で、強度が上げにくいとは思いますが、しっかりと準備をしていけば必ず頂点に届くと思っています。

フランカー布巻峻介副将(スポ4=東福岡)

――早明戦勝利という結果を受けて感想をお願いします

もう本当にうれしいですね。単純にうれしいの一言です。

――やりたいプレーが出せたからでしょうか

いや、チームが勝利できたのでその結果が一番ですね。

――課題としてきたセットプレーでのミスやペナルティーの多さは改善できたと感じますか

全然されてないです。いつもよりひどかったくらい。スクラムに関しては良かったんですけど、ラインアウトやペナルティーは全然ですね。めちゃくちゃ多かったです。

――勝因はどこにあったと思いますか

体を張るというプレーがみんなうまくできたからだと思います。

――立ち上がりの場面ではパスミスなどか目立ちましたが、いつもとメンバーが異なることでやりにくい部分もあったのでしょうか

みんなちょっと緊張してたので、浮き足立ってた部分は少なからずあったのかなと思います。

――横山選手と藤田選手が新たにスタメン入りしましたが、連携面などはいかがでしたか

この1週間くらいの練習で結構なじんできたと思います。

――二人の加入でチームとしてプラスになった部分はありますか

横山はキックと早いパスでテンポとエリアというのをチームに与えることができていたし、藤田もランニングはもちろん、何かやってくれるという期待感をチームに与えてくれたのが大きいですね。

――後半自陣でプレーした時間帯も粘り強く守り切りましたが、ディフェンス面の手応えはいかがですか

きょうは我慢強くいつもよりできたと思います。

――布巻選手のターンオーバーも印象的でした

きょうは全然できてないです。60点くらいですかね。

――足りなかった部分というのはどちらでしょうか

もっと走らないと駄目ですね。きついときに。

――コンディションはまだ完全回復とは言い難いですか

状態が良いとは言えないですけど、全然プレーできるレベルにはあると思います。

――全国大学選手権に向けて、どのようなことを心掛けて練習していきたいですか

まだ成長できるということをみんなの頭に植え付けるのと、やっぱりコンディションが鍵になってくると思います。

CTB小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――早明戦前、横山選手に何か声掛けはしましたか

いつも通りやってくれれば大丈夫と言いました。訳分からなくなったら、僕に投げてくれれば勝手にこっちがやるから、自信持ってやれという話だけしました。

――SOからCTBに移動して経験が生きていると感じたことはありますか

SOだとパスがくるのが早くてあまり判断の時間がありませんが、CTBではパスが来るまで長く感じるので、そういう部分では10年以上SOをやっていたことが生きていたと思いました。

――CTBで楽しいなと感じたところはどこですか

好きなだけ走っていいというところです。

――このラインで帝京大に挑むと想定してみていかがですか

僕が入ることでこじ開ける選手が減っています。結局スペースがないと僕は走れないので、そこの役を誰にするかが重要だと思います。深津(WTB深津健吾、スポ4=東京・国学院久我山)もいるので、そういうところをうまく使っていけたらなと思います。

――SOをやりたいという個人的なこだわりはあるのでしょうか

ありましたけど、結果的にチームが勝てればいいと思っています。後藤さんもいろいろ考えてそうしたので、そこを逆らう必要はないというか、自分のできることを全うできればいいと思います。

――CTBを実際にやってみて何を感じましたか

結果的には良かったですが、帝京大が相手になったらどうかなと。正直心配ですね。

――立ち上がりがうまくいかなかったのは何が原因でしょうか

いつもそうなんですよね。この試合はミスというか、かみ合わないという感じです。うまくいかなかったです。

――全国大学選手権までに伸ばしていきたいところはありますか

この試合でぐだついてしまった時間が、前半の最初と後半の途中でキックが多くなってしまった時間にあったので、チームでしっかり話して何をするかというのを固めたいと思います。

プロップ高橋俊太郎(社4=東京・早実)

――本日の試合を振り返っていかがですか

自分が重きを置いていたスクラムで互角以上に渡り合えたという事が最も良かったです。

――どのような意気込みで臨まれましたか

早明戦の週に入ってからはチームもピリピリしてきていて、チームとしても個人としても本当に気合いが入っていました。

――立ち上がりは硬さも見られましたがいかがでしたか

先制は許しましたが、チームとしてもここから行こうという雰囲気があったので、もう一度気を引き締め直してここからだという気持ちでした。

――流れが変わった場面などありましたら教えて下さい

やはりBKがしっかりロングゲインを奪ってくれたので、そこから流れが変わったと思います。

――ハーフタイムはどのような事を話し合われましたか

ここで気を抜かずに0対0のつもりで気を引き締めていこうという事は話しました。

――実際に明大のFW陣と当たってみていかがでしたか

やはり相手がかなり重いという部分はあったのですが、自分らしく低い姿勢を常に心掛けてスクラムを組むようにしていました。スクラムの責務はしっかりと果たせたと思います。

――対抗戦全体の振り返りをお願いします

きょうの試合は良かったのですが、さらにスクラムを突き詰めていくという事と、フィールドプレーでもっと絡んでいけたらと思います。

――全国大学選手権への意気込みをお願いします

一つずつしっかりと戦っていって、その積み重ねで最終的に優勝にたどり着く事が出来ればいいなと思います。一つ一つ全力で勝負していきたいと思います。

フッカー清水新也(スポ4=宮城・仙台育英)

――早明戦に向けてどのように準備をしてきましたか

早明戦は大学のスポーツの中でも特別な試合なので、そこにスタメンで出られることがまずはうれしくて、全てをグラウンドに出し切っていこうと思いました。

――FW勝負では優勢だったように見えました。プレーしていていかがでしたか

スクラムのところが互角以上に戦えていたので、そこがこの試合の一番の収穫というか、今後さらにスクラムを武器にしていけると確信しました。

――後半20分過ぎ、6点差の場面で明大にスクラムトライを狙われましたが、しのぎきりました。あの場面をいま振り返っていかがでしょうか

後藤さんもずっと言っているんですけど、明大はまずスクラムだと思います。そこを跳ね返したのであの場面は本当に良かったですね。

――課題とされているセットプレーに関してはいかがでしょうか

一番やってしまってはいけないノットストレートの反則はなかったのですが、相手に背が高い選手がいる中での精度はもうちょっと突き詰めていかないといけないと思います。この試合はWTBの選手が積極的にクイックで入れていましたが、入れないとなるとラインアウトの本数も増えてくるので、もっと精度を高めていかないといけないですね。獲得率的には低いので。

――この試合ではBKの布陣が変わりました。試合の中でどう感じられましたか

順平でも横山でもどちらでも蹴られます。さらに藤田も加わってスピードが上がっている中で、全体的には後半になってからもフォローに走れていました。フィールドプレーに関しては悪くなかったと思います。

――全国大学選手権に向けて、意気込みをお願いします

まずリーグの3試合をしっかりと戦って、早大はここで1試合1試合成長していかないといけないと思います。そして年明けに準決勝と決勝で絶対に勝って終わりたいと思います。

プロップ佐藤勇人(スポ4=秋田中央)

――スタメンが大幅に変わりましたが、どのような意気込みで臨みましたか

スタメンが変わったからといって、縮こまったプレーをするのではなくて、伸び伸びしたプレーができればなと思っていました。

――試合を振り返っていかがですか

結果的に勝つことができたのは評価できると思います。

――スクラムを組んでみた印象はいかがでしたか

明大の重いスクラムにやられてしまって、押し切れなかった部分もありました。

――FWを抑えることができていましたが、ディフェンス面を振り返ってみていかがですか

明大は接点とFWでくるチームなので、前に出て明大の足を止めようというのを意識していました。

――ペナルティーに関してはどのようにお考えですか

少し際どいペナルティーもあったのですが、レフリーが全てなので。そこを対応できなかったのは反省として残るのかなと思います。

――試合を通して評価できる点はありましたか

みんなの伸び伸びとプレーをしてくれて、ペナルティーの数は多かったのですが、明大の心臓であるセットプレーやスクラムを止めることができたのは良かったと思いますし、BKも敵陣で勝負してくれたので、僕らのアタックの時間も増えて良い試合展開にできたのかなと思います。

――課題や反省点はありますか

ペナルティーで自陣にいてしまったことが多かったので、ペナルティーを少なくして敵陣で勝負していかなければなと思いました。

――途中交代されましたが、どういった思いがありましたか

一つは最後まで立っていたかったというのと、もう一つは交代する千葉太(プロップ千葉太一、教2=東京・早実)に思いを託したという感じでしたね。

――関東大学対抗戦が終わりましたが、成長した点はありましたか

FW8人が動けるようになってきましたし、セットプレーも安定していると思うので、そこは評価していいのかなと思います。

――全国大学選手権(選手権)に向けて、改善するべき点と意気込みをお願いします

ペナルティーだと思います。ペナルティーと日々の練習で集中力を高く持っていって、選手権の決勝に向けて頑張っていくだけだと思います。

ロック桑野詠真(スポ2=福岡・筑紫)

――自身初の早明戦を勝利で飾ることができました。いまの率直な感想をお願いします

正直勝てて良かったなっていうのが一番です。

――早明戦の雰囲気はいかがでしたか

早慶戦も経験したからかそんなに緊張せずに、いつも通りというか、自分のイメージした通りに試合に入れました。

――リラックスして臨めたということですか

そうですね。体はリラックスしていました。気持ち的には高ぶっていたので、ワクワクしていたという感じですね。

――前半に比べて後半はラインアウトが安定していたという印象ですが、いかがですか

そこのセットプレーの安定っていうのが目標だったので、その部分ではまだまだだったのかなと感じています。

――前半は少し迷ってしまうプレーも見られましたが、思い切りという部分ではいかがですか

試合を通してどんどん慣れてきて、後半になるにつれて思い切り良くできたかなと思います。

――後半ピンチをしのぎ切った場面ではガッツポーズも見られましたがお気持ちはいかがでしたか

覚えてないですね(笑)。でも結構気持ちが入っていて、みんなも乗っていました。チームが劣勢のときこそ、1人で流れを変えられるようなプレーができるようになりたいです。

――この試合で関東大学対抗戦も最終戦となりました。振り返っていかがですか

自分が抜かれてゲインされてトライされた試合はいくつもありますし、反省するところも多いんですけど、やっぱりこの早明戦で自分の成長を少しでも感じることができたので、これからももっともっと成長して、全国大学選手権で優勝して『荒ぶる』を獲りたいですね。

――これから修正したい点などがあったら教えてください

セットプレー、ラインアウトの安定ですね。それとブレイクダウンの精度とか、もっともっとひた向きにブレイクダウン走って頑張りたいです。

フランカー加藤広人(スポ1=秋田工)

――早慶戦では緊張があったとおっしゃっていましたが、この試合ではどうでしたか

いつも通り最初の30秒くらい、コンタクトプレーが起きるまではとても緊張しましたが、試合が始まって体を当ててみると緊張はとけました。全然大丈夫でした。

――初めての早明戦でしたが、雰囲気はどのように感じましたか

小さい頃に生で見た試合で早大に憧れていたので、その大舞台で実際にプレーできたのは感動しましたし、最高でした。

――試合内容を振り返っていただいてどうですか

まず勝てたことが一番の収穫だったと思います。あとはまた見つかった課題を修正していけたらと思っています。

――明らかになった課題について具体的にお願いします

タックルやコンタクトの部分ですね。

――ボールタッチした場面も多く見られましたがいかがですか

僕は外に回ることが多かったんですが、そのおかげでパスを多くもらえました。

――明大とのスクラムについてはどのような印象がありますか

特にフロントの3人、俊太郎さん、新也さん、勇人さんが良いかたちでスクラムを組んでくれたので、そのおかげで僕らの流れも良くなったなと感じています。すごいなと思いました。

――個人的には対抗戦初トライもありましたが、振り返っていただいてどうですか

対抗戦の初めてのトライが思い入れのある早明戦だったので、最高でした。

――大学選手権に向けて抱負をお願いします

次も出場機会をいただけたら自分に求められている以上のプレーをして、早大のフランカー7番は加藤だと言われるようなプレーをしたいです。

NO・8佐藤穣司(スポ3=山梨・日川)

――試合を振り返って感想を聞かせてください

勝ち切れたということが一番の収穫ではないかと思います。

――満員の秩父宮での試合でしたが、雰囲気はいかがでしたか

しっかり試合に集中して、自分たちがやるプレーをできました。

――最初の10分は慌てているようにも見えましたがその点についてはいかがでしょうか

慌てていたというよりは、みんな緊張している部分があったのかなと思います。

――それ以降は早大のペースだったと思いますが、流れが変わるきっかけはありましたか

理屈ではない部分があると言われていて、そこで戦えたからではないかと思います。

――スクラムやブレイクダウンなどFWも優勢だったと思いますが、体を当てた感触を聞かせてください

FWが明大の心臓と言われるスクラムなどで止められたのが一番良かったです。

――FWが明大に対して互角以上に渡り合う自信というのはありましたか

理屈ではない部分の勝負になると思っていたので、そこで明大より上に立てたことが大きかったです。

――BKには初出場の選手もいましたが、連携はいかがでしたか

1次攻撃でミスがあったとしても、その後のリアクションはできていました。また、新しい風を吹かせてくれることで刺激も得られますし、良い流れでチームが一つにまとまることができていると思います。

――ここまでミスやペナルティーが課題として挙がっていましたが、早明戦ではいかがでしたか

僕個人として何度もペナルティーをしてしまったので、きつい場面で規律を守りながら厳しいプレーをしていければと思います。

――その他のご自身のプレーについての評価を教えてください

あまりディフェンスでタックルに入ることができなかったのですが、ダブルタックルでボールを奪ったり、サポートができたりしていたので、そこは評価できるかなと思います。これからはもっとファーストタックルの部分を高めていきたいです。

――早慶戦ではハイパントキックの処理が課題として挙げられていましたが、この試合ではいかがでしたか

練習もしてきたので、余裕を持ってできたかなと思います。

――終盤、明大に攻め込まれたシーンを振り返ってみてください

しっかり守れていたので、やられる気はしなかったですし、早大としても切れずに立ち続けられていたので、ペナルティーさえ無ければと思います。

――次の舞台は全国大学選手権です。意気込みを聞かせてください

負けたら終わりになるので、一試合一試合、勝ち切ることだけ意識して過ごしていきたいです。

SH岡田一平(スポ3=大阪・常翔学園)

――試合を振り返っていかがでしたか

チームが相手のFWを前で止めることができました。前半の部分で避けてしまったりとか、自分たちが大切にしている入りで後手を踏んでしまって、そういう部分は反省しなければならないのですが、勝てたのが一番良かったです。個人的には、少しばたばたしてしまってボールが手に付かなかったりとか、相手のブレイクダウンで相手のFWにプレッシャーをかけられて焦ってパスが乱れてしまい、自分の意識しなければならないところが崩されてしまいました。パスに関しては反省点がいっぱいで、チームにいっぱい迷惑をかけてしまったと思っています。

――具体的なパスの反省点はどのようなものですか

やはり相手のプレッシャーにも対応しながら、パスを送るのが大切だと思うので、プレッシャーが大きくてもしっかり対応して良いパスを投げる練習をしなければならないと思いました。

――明大の印象はいかがでしたか

大きさとBK一人一人のスキルがとても高かったです。帝京大や明大などのレベルの高いチームは自分たちよりも大きくてスキルが高いチームなので、もっと食らいついて止めていかないとこれからも全然勝てないと思います。

――今回、小倉選手がCTBになったり、横山選手がSOになるなどの変更がありましたが、連携の不安はありましたか

練習ではあまり不安はなかったです。試合ではアタックの部分で小倉さんが生きた部分があり、新しい視野が広がって、大きくギャップを見ることができたのが、あのような良いアタックにつながったのではないかと思います。

――対抗戦を振り返っていかがでしたか

チーム全体ではベストゲームとか力を出し切れた試合があまりなかったです。帝京大に負けて、慶大に同点とあまり結果が出なかったですが、2位で終われたというのが大学選手権につながる一歩だと思うので、これから大学選手権に向けて切り替えて練習頑張りたいと思います。

――大学選手権までに修正したい点があればお願いします

もちろんパスです。スタミナが切れて冷静じゃなくなってばたばたして、そういう部分でパスが乱れてしまいます。やはりきつい状況、きついプレッシャーを練習の中でもつくって、うまくパスにつなげる練習をしていきたいと思っています。

SO横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――対抗戦初出場となりましたが、試合を振り返っていかがですか

所々で自分が満足できるプレーができたのですが、僕が出ている間それがずっと続けることができたわけではないので、もっと出場している間にずっと満足のできるプレーができるように頑張っていきたいです。

――キックの調子はいかがでしたか

当たり外れが多かったです。そこを全部当たれるようにしないといけないと思います。ちゃんとやっていければと思います。

――納得のいかなかった部分はどのようなところですか

キックとかパスとかですね。そこでぶれが出てきてしまった部分もありますし、全部安定してできなかったことが僕の課題で、直さなければいけないところだと思います。BKのディフェンスは止めたのですが、FWで負けてしまうところがあって、そこでFWにも負けないディフェンス力を付けていければと思います。

――初めての早明戦となりましたが、感想はいかがですか

初めてだったので分からなかったのですが、高校とは違ってプライドを懸けた両校の戦いというのがあったので、それが印象に残っています。

――今後強化していきたいのはどのような部分ですか

僕の強みであるパスとキックを伸ばしていって、弱みを減らして強みを伸ばしていくイメージで練習に取り組んでいきたいです。

――高校のときと比べて成長したとご自身が感じられるのはどのようなところですか

キックの部分です。この試合はずれてしまったのですが、練習ではキックがもっと安定できていました。でも、練習で良くても試合で良くなかったら意味がないので、もっと試合でも出せるようにできればと思います。

――ケガの調子はいかがですか

ゲーム感覚としては戻ってきたのですが、もっと上にいけるかなと思います。

――全国大学選手権に向けて意気込みをお願いします

試合に出られるなら出たいですし、アピールしてスタメンにも入って定着できるようにやっていきたいです。

WTB深津健吾(スポ4=東京・国学院久我山)

――早慶戦を終えてからチームで重点的に取り組んできたことは何かありましたか

規律と精度を高くするという意味で、プレーでノーミス、ノーペナルティーをしっかりやろうと話していました。BKとしてはスタートの1次のオプションを取捨選択してミス無くやろうと言っていて、フェーズ中の1次ではないアタックもミスが少ないようにやることだけを練習していました。

――ではその点を踏まえて試合内容はいかがでしたか

細かいミスは多かったのですが、FWがしっかり仕事をしてくれたので何とか勝てたという感じです。

――明大