常に攻撃の起点となり、チームを勝利に導くSHとSO。第5回はそんなハーフ団からSH平野航輝(スポ4=長崎南山)とSO小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)を迎え、これまでの関東大学対抗戦(対抗戦)の振り返りや、早慶戦、早明戦について語っていただいた。
※この取材は11月12日に行われたものです。
「盛り上げる人が必要」(平野)
今季を振り返る平野
――これまでのシーズンの振り返りをお願いします
小倉 僕は役職に就いて何か特別に変わったわけではありませんが、フォーメーションのようにチームとしてやろうとしていることがどんどん変わっていっている印象があります。
平野 僕は特にそういうのはなく、自分ができることを一つずつ増やしていこうと思ってここまできました。
――対抗戦での新しいフォーメーションの出来はどうですか
小倉 6、70%くらいですね。相手が強くなったり、後半になるとできないというのが現状で、そこをしっかりやれないと勝てないと思います。結局、帝京大戦では全くできなかったので。
――先日の帝京大戦を振り返っていかがですか
小倉 いつも前半はそんなに離れすぎずに折り返すのですが、僕は最終的に前半を勝って折り返さないと勝てないと思っています。後半にこっちが落ちるのはおととしから同じで直そうとしても直せていない状況なので、そうなると考えた時に前半勝って折り返すというのは大前提になるのかなというのは前の試合で感じました。
平野 後半のラスト30分くらいから出ていたのですが、その時には順平がシンビンで外に出ていて、一番痛感したのが順平がいなくなった時に誰が中心になってやるのかという点でした。結局誰もできないまま、あの10分を消化してしまったかたちだったので、順平がいなくても引っ張れるような人がいなくてはいけないなと思いました。
――夏の帝京大戦より点差は開きましたが夏と比べて力量の差はどの程度感じましたか
小倉 印象的には夏の方がやられたなという感じはあります。最後負けている時点でこっちはキックも使えなくて攻めるしかないですけど、その分トライを取られたというのはあるので、とにかくずっと勝っていないと駄目というのはあります。
――後半に一気に落ちてしまう原因は何だと思いますか
小倉 体力がないんじゃないですかね。それか前半で、流れができるまで相手がFWでくるのでこっちのFWの足が止まって、そうするとBKが開けなくなって近寄ってしまって余るという負の連鎖があるのかなと思います。
平野 昨年に比べてフィットネスの部分が落ちているかなとは試合を見ていて思います。
――チームの成長は感じますか
小倉 あまり感じないです(笑)。少しずつ成長はしているとは思いますが、昨年ほど実感として分かるかといったらそうではないので、それをもう少し実感できるようにならないと駄目なのかなとは思います。
平野 Bチームで試合することが多いのですが、雰囲気的にも声を出してくれる人たちがいなくなったというのはすごく大きくて、4年生が盛り上げようとしても響いてないことがあります。池田(池田良、法4=東京・早大学院)が一生懸命盛り上げていてもそれに響かない4年生が案外多かったりして、できないこともそのままできないままにして入れ替え戦までいってしまったと思います。
――昨年ははっきり成長している実感があったのですか
小倉 ありましたね。早慶戦くらいからかなり良くなってきたのかなというのを感じる時期があって、最後までずっと伸びていったので、今度の早慶戦と早明戦がかなり重要になると思います。
――ペナルティーの多さに関してはどう考えていますか
小倉 昨年ほど練習で厳しく言う人がことしは少ない気がします。金くん(フランカー金正奎前副将、平26教卒=現NTTコミュニケーションズ)がしつこく言って、それにキャプテンの真之介(プロップ垣永真之介前主将、平26スポ卒=現サントリー)が加わって二人で結構言っていましたが、ことしは練習で厳しい人が少ないのかなと。それを誰かがやらないといけないというのはあると思います。
平野 Bチームも同じで、ミスをそのまま許すというか「ごめん」で解決させる空気ができていると思います。
――対抗戦は5試合中3試合を無失点で抑えていますがディフェンスに関してはいかがですか
小倉 ディフェンスは最初に比べたら良くなっているとは思いますが、波があります。練習もそうですが、一日おきに変わる傾向があって常に同じディフェンスができないというか、みんなの気分次第でどうにでもなってしまう感じなので、それを常にできるようにしないと最後まで持たないと思います。
平野 やることを決めた時はすごくできるのですが、セットだとかノミネートとか複雑な部分が加わってしまうと目一杯になってしまう選手が多いです。それを簡単にもっと説明できるといいんですけどそれができなくて、うまくいっていない部分があると思います。
――今季のオフェンスの強みはありますか
小倉 強みっていう強みは…。
平野 そこ俺じゃないの?
小倉 言いたいけどね(笑)。出てこなかったね。
一同 (笑)。
小倉 最終的に言えば外で取りたいというのはあります。いかんせんそこまでボールが回っていないんですよね、空いていても。ビデオとか見ていると分かるんですけど、一試合に5、6回外に行くべきなのに内側に突っ込んでしまうことがあるので、そういうのを見逃さないでできるようになればもう少しいいのかなと思います。
平野 僕も同じで外に良い選手がそろっているので、もっといいかたちで渡せたらなと思います。
――印象に残っているプレーはありますか
小倉 基本的に流れを変えているのは布(フランカー布巻峻介副将、スポ4=東福岡)ですかね。タックルだったりアタックだったり、みんなより3ランクくらい上のプレーを一人だけしているので。
平野 3でいいの?800くらい?(笑)
小倉 だいぶ違うな(笑)。
平野 布巻のボールを取ってくるまでの仕事というのが、誰がどう見ても流れを変えてくれていると思います。
――個人的にもっとやれたなと思う点はありますか
小倉 BKからしたら外に振るタイミングを、僕がもう少し判断して声掛けできればと思います。
平野 昨年に比べてディフェンスの意識というのが上がってきたので、最後に当て切って倒すという部分までできればなと思います。
――見えてきた課題というのはありますか
小倉 個人としては、一番ボールに近いところにいる分、ハーフ団の一つのミスが致命的なミスになってしまうことがあります。前の帝京大戦で言えば、僕の一番最初のペナルティーのタッチが蹴れなかった上に、結局トライになってしまったので。結果論ですが、そういうところの一つ一つをしっかりとやるのが大事なのかなと思いました。チームの課題は多いです。ディフェンスだったら抜かれる人が大体決まっていて、そういう人たち個人の意識も大事だし、そいつが近くにいたら周りが気遣うことも大事だと思います。
平野 個人としてはまず試合に出たいですね。出ないとどうにもならないので。秋はまだ試合数が絶対的に少ないので、ここからもっと試合を重ねて見ていきたいです。チームは精神面の話になってしまいますが、暗いというのがあります。一回ミスが起きてトライを取られたら、ダラダラとその雰囲気を引きずってしまったり。盛り上げる人がいなくて、そういう人が一人でも多く必要なのかなと思います。
理想は勝たせるハーフ団
笑いのツボが合うという二人
――お二人とも4年生ですが、4年間過ごして発見したお互いの新たな一面はありますか
小倉 中学の時から知ってるんですよ。選抜で一緒だったので。
平野 僕、中学は東京で、高校から長崎に行ったんです。大学で一緒になって、太りやすいとかそういった体質が逆になったことを発見したくらいです(笑)。
――寮では誰と同室ですか
小倉 僕は横山(SO横山陽介、スポ1=神奈川・桐蔭学園)と石倉(プロップ石倉庸平、人3=山梨・日川)です。
平野 僕は宗詩(WTB本田宗詩、スポ2=福岡)と加藤(フランカー加藤広人、スポ1=秋田工)です。
――同部屋の人と行動することは多いのですか
小倉 この前部屋会しました。寿司を食べに行きました。みんなチームが違うので時間がなかなか合わないんですけど、合った時は9時半から11時半くらいまで3人でラグビーの話しますね。
平野 僕は加藤とかはしゃべるんですけど、宗詩が部屋にいないので…(笑)。いろいろな部屋に行ってるんでしょうけど。加藤が秋田に帰る度にお土産を持ってきてくれるので、みんなで食べてます。
――気になる下級生はいますか
小倉 2年生に高橋駿(CTB、文構2=東京・早実)っていう子がいるんですけど、僕は最終的にめちゃめちゃ伸びると思っています。いまケガとかでやっていないのですが、一回復帰した時に良いプレーをしていて、最終的に伸びると思います。あまりしゃべったことはないですが、見せられるというか良いプレーヤーだなと感じた覚えがあります。
平野 僕は久富悠介(CTB、文構3=福岡・小倉)と鈴木伶輔(CTB、政経3=東京・早大学院)が絶対に今後も上がってくるだろうなというのは思います。伶輔はケガがちなので、ケガさえなければシニアぐらいにはいただろうなと。たらればですけど。あと、どっちもパス取ってくれるので好きです。
小倉 自主練の話ですよ(笑)。遅くまでやってるからみんなパス取ってくれないんだよね。
平野 そうなんですよ。頼んだら露骨に嫌な顔されます。「何分ですか」って時間まで決めてくるんです。その二人は嫌な顔せず付き合ってくれるので(笑)。もちろんそれだけじゃなくて、悠介とか全然見せないですけど、二人とも気持ちがすごく強くて良いプレーヤーです。
――それぞれSHとSOになられた経緯を教えてください
小倉 小学生くらいからずっとSOです。でも何でなったかは覚えてないです。
平野 俺はあれだ、ボール持ったら離さないから、強制的に離されるポジションにさせられたのが始まりだった(笑)。
小倉 それがSHの役目だもんね。持ったら放らなきゃいけないから(笑)。
――プレーヤーとしてのお互いの他己紹介をしてください
小倉 いまの部のSHの中で、間違いなく一番パスがうまいです。岡田(SH岡田一平、スポ3=大阪・常翔学園)にいまあれだけパスの文句を言っていて、その後に平野のを取ると明らかにパスの質が違うというのはいつも感じています。
平野 声が高いのでどこにいるかすぐ分かります。
小倉 でも最近岡田が文句言ってる。「小倉聞こえない!」って。
平野 ぜいたくなやつだな(笑)。試合の時、そこも注目して聞いてみてください。
――どういうSHとSOがやりやすいですか
小倉 僕は平野みたいな方がやりやすいですね。自分で持つ人、例えば杉本(SH杉本頼亮、スポ1=京都・桂)は自分で結構持ってから放すじゃないですか。そういう人よりはパスが遠くまで飛んで、すぐ自分のいる位置に放ってくれる人というのが、僕は一番やりやすいです。
平野 やりやすさで言うと、さっきの場所が分かるか分からないかというのがすごく重要です。パスを放る前にどの辺にいるか把握しているのが大切なので。ラックの中に入っている時に探していたら遅くなってしまうので、甲高い声で場所をアピールしてもらえるとすごく助かります。
小倉 相思相愛だな(笑)。
平野 ニコイチ。
一同 (笑)。
――プレーしていて自分がかっこいいと思う瞬間はありますか
小倉 ドヤる瞬間はたくさんありますけどね(笑)。
平野 こう言っておきながら、ドヤらないんですよ。端っこからゴール決めた時とかボール見ないで猫背のまま帰ってくるんですよ。
小倉 個人的には試合中に笑ってるのダサいと思ってて。だから自然と試合中は笑いが出てこないです。試合中に僕が笑っていたらおかしいなと思ってください(笑)。かっこいいはないです。
平野 僕にいたってはかっこいいタイミングがないですからね。ずっと同じ作業ですから(笑)。
――お互いのかっこいいなと思う瞬間はありますか
小倉 インゴール入ってトライする時に、平野は一回歯を見せるんですよ。ニヤって。その時に、かっこいいというよりアホ面だなって思います(笑)。
平野 やっぱりゴール決めた後の猫背でボール見ないで帰るところです(笑)。
――性格的な相性はいかがですか
小倉 笑いのツボが合います。4人か5人で一緒にご飯に行った時に、平野が言ったことに対して僕しか笑ってないことがあります。僕と平野だけ笑ってるみたいなことが結構あって。ツボが浅いのかズレているのか…。
平野 ふとそうした瞬間があるんだよね(笑)。
――理想のハーフバックス団像はありますか
小倉 試合に勝つことですね、僕は。試合に勝てばいいし、負ければ駄目ですね。
平野 そうだね。じゃあそれで(笑)。
――その姿に近づけているという実感はありますか
小倉 まあ負けているんでね。帝京大に負けて、次は慶大と明大でどうなるかわからない試合なのでそれ次第です。
平野 試合に出ようと思います(笑)。とりあえず練習からガンガンいって、という感じですね。
――それぞれのポジションで今季、特徴的なポイントはありますか
小倉 夏の一カ月ちょっとくらいしか下のグレードの子たちと一緒に練習ができていないんですけど、最近SO全体がスキル不足だなというのは感じます。
平野 SHのポジション練習は基本的にはチームアタックでできなくて、反省を各自でしてみんなにシェアしようという感じなので、特に夏の一カ月で感じたことはないですね。
――目標にしている選手はいますか
小倉 目標はいないですけど、すごいなと思うのは外人に何人かいますね。
平野 サッカー選手?
小倉 サッカー好きだね(笑)。絶対にだれも知らないと思いますけど、リーグラグビーってわかりますか?ラグビーボールを使う競技って3つぐらい種類があるんですよ。いまみんなが見ているラグビーがユニオンラグビーっていう競技なんですよ。で、リーグラグビーっていうのが13人でやるスクラムとかラックがなくてタックルだけの競技なんです。だから普通のラグビーより見ているとえげつないです。タックルももっと激しいし。もうひとつはラグビー場じゃないめちゃくちゃ広いコートでやるんですけど、ボールを蹴ってゴールに入れるだけの競技があって。そのうちのリーグラグビーっていう競技をやっている選手にすごく良い選手がいるんですよね。
――具体的にどのようなところがすごいのですか
小倉 その人は完全に個人技系なんですけど、相手が4人とか5人いても一人で抜けるような選手ですね。そういう選手になろうと思っても、外人なので無理なんですけどね、実際(笑)。だからたまに見よう見まねでやっています。
――平野選手はいかがですか
小倉 サッカー選手でもいいよ。
平野 まじ?
小倉 本田圭佑でも柿谷でもいいし。
平野 じゃあ柴崎岳で(笑)。アギーレジャパンの7番の、同い年なんですけど、青森山田から鹿島アントラーズに入った、っていうのは冗談で(笑)。前までサントリーにいたデュプレア(フーリー・デュプレア)ですね。あの人は持ち出してどうこう、っていうよりは正確なパスとキックで相手陣に寄っていくという印象があったので、僕は岡田みたいにはゴリゴリいけないので、パスとかキックでうまくやっていきたいというのがあって、その理想のかたちがその人ではないかと思っています。で、まあ柴崎岳もパスの精度が高くて…
小倉 はい、次どうぞ!(笑)
――ポジションの職業病やあるあるネタはありますか
平野 携帯を回しちゃいますね。たまにこうやって、手の中でクルクルと。ない?
小倉 ない!ラグビーのあるあるなら、すれ違いざまに体を当てるっていう。わかるでしょ?(笑)
平野 俺それ嫌だ(笑)。飛ばされるから嫌だ。
小倉 学校とかでウェーイと言いながら体を当てるんですよ(笑)。周りから見たら結構変態ですけど、やってる人多いです。
平野 それがスポーツ科学部ってこと?
小倉 そうっす(笑)。ハイタッチとかじゃなくて肩を当てるっていう。
平野 結構痛いですからね(笑)。
――小倉選手はSOとして盤石の地位を築かれていますが、そのことに対してどう考えていますか
小倉 いまは出場することが当たり前になってしまっているんですけど、1年生のときはずっと競る先輩がいて、その人に勝つために自分がその人とは違う何ができるのかということを考えていたし、例えば帝京大は層が厚くて1回のミスでメンバーが入れ替わったりするんですけどいまのワセダにはそういうことがなくて、層が薄いために上のチームは固定になっているので、層の厚さは重要だと思っています。
――スタメンとしての自覚は芽生えましたか
小倉 そうですね。ずっとそうなので。結局は勝つか負けるかだとはずっと言ってるんですけど。勝つために何ができるかを常に考えていきたいです。
――平野選手は岡田選手とのスタメン争いについてどう考えていらっしゃいますか
平野 彼は自分にないものを持っているので、それは認めつつ、練習でも試合でも常に自分が得意なことはなんだろうということを考えながらやっています。
――ご自身が考える強みはどこですか
平野 パスの部分では部員の中で誰よりもこだわっている自信があるので、パスだとか寄りの部分は強みだと思います。
――他のポジションをするならどこがいいですか
小倉 最近、CTBが楽しそうだなと思いますね。ディフェンスの練習を相手がしているときはCTBに入ってチャラチャラやっていますね(笑)。
平野 WTBってずるくないですか?(笑)こっちは苦労して球出してるのに。
小倉 それがチームだから(笑)。
平野 やっぱりWTBがかっこいいなと思いますね。
――ワセダの選手に生まれ変わるなら誰がいいですか
平野 それはもう、小倉さんで(笑)。ゴール決めた後に猫背で帰るやつやりたいですね。
小倉 猫背ね(笑)。ラグビー選手じゃないならありますけどね。鳥になりたいっす。
平野 ジャンルの枠超えすぎでしょ(笑)。
小倉 空飛びたいんですよね。
平野 いつまでも子供の心を忘れてないんで(笑)。
小倉 言ってはみたものの、いまめっちゃ恥ずかしいよ(笑)。
「早慶戦、早明戦はあくまで通過点」(小倉)
今後に向けて抱負を語る小倉
――早慶戦に向けて、どんなことを意識して練習に取り組んでいますか
小倉 毎試合相手が変わる中で、BKは相手のディフェンスとかアタックによってこちらのアタックが変わるので、それをしっかりとBKの中で話し合って、どこに運んだら一番良いラグビーができるのかを共有して試合に臨むということが大事かなと思います。
平野 まずは練習のときからもうちょっと明るく、雰囲気良くやっていきたいですね。良いプレーをしたときにもう少し盛り上がれればなと。
――ことしの慶大の印象を教えてください
小倉 印象はいつもと変わらないですね。大事なアタックはCTBとかFWが一番に来て、そのあとの展開に関しても特にないです。
平野 僕も同じで、CTBでどーんと来るイメージなので、まずはそこですよね。
小倉 あれが面倒なんですよね。SOからしたら(笑)。いまどの学校もSHから直接CTBがSOに突っ込むっていうプレーをしてくるので。ディフェンスをする回数が増えてくると思います。そこで食い込まれたらFWがきついので、引くわけにはいかないんですけどね。
――慶大の要注意人物を挙げるとしたら誰ですか
平野 石橋(CTB石橋拓也)?
小倉 そうだね。CTBの石橋ですね。春は石橋だけにやられているので、あれを止めるかどうかですね。
平野 FBの中村敬介がすごかったイメージがありますね。
小倉 昨年の(関東大学)ジュニア選手権で3トライぐらい取られたんですよね。いまは出てないですけど、すごい選手ですね。
――早明戦についてお聞きします。会場が変更になったことについてどう思っていますか
小倉 みんなそっちのほうが緊張しないんじゃないですかね。国立に立ちたくて頑張ってきた人もいたので、そういう人が立てずに終わってしまってしまうことに関しては残念ですけど、国立の雰囲気は圧倒的なので。緊張という面からいえば、まだ秩父宮のほうが平常心でやれると思います。
平野 いまの4年生で国立に立ちたかった人は何人もいて、早明戦に出ることを目標に立てている選手も多いので、すごく残念だと思います。
――早明戦に対して特別な思い入れはありますか
小倉 早慶戦と早明戦は確かに伝統の一戦ですけど、正直僕からしてみれば優勝するまでの通過点に過ぎないです。
平野 いまそれ言ってる自分かっこいいと思ってたでしょ(笑)。
小倉 盛り上がるけど、優勝するための通過点に過ぎない、ってことです(笑)。
平野 学生は早慶戦と早明戦ぐらいしか見に来ないもんね。
小倉 そうだね。いま電光掲示板の下の席を埋めようと計画してますね。部員が目標を立ててチケットを売っています。
――早明戦の勝敗を分けるポイントはどこになってくると思いますか
小倉 僕はFW次第だと思っています。帝京大戦でもそうだったんですけど、明大も相当FWが強いので、FWがバテずに1試合持つかというのが大事かなと思います。
平野 BKがもうちょっとリードしてあげられたらと思います。つらい状況の時にBKがリードしたり声掛けをしてあげて、さらにメンタル面でFWの背中を押すようなかたちにしてあげられたらと思います。
――明大の要注意人物はいますか
小倉 キーマンは田村くん(SO田村煕)だと思いますね。田村くんが仕切っていると思うので、彼にプレッシャーをかけることが大事だなと思います。
平野 個人的になんですけど、佐野亮太(CTB)のことはちょっと意識しますね。中学校のときに選抜が一緒で。あの代すごかったよね?
小倉 あと明大のWTBの堀米航平がCTBをやっていて、いまみんな大学ラグビーで活躍していますね。
平野 その中で一人だけ大学のラクロス部で日本一になったプレーヤーがいるんですよ。やっぱり『ラ』がつくスポーツがしたかったんでしょうね(笑)。
――早慶戦、早明戦への意気込みをお願いします
小倉 早慶戦も早明戦も通過点というふうに言ったんですけど、優勝するためにこの2戦がチームに及ぼす影響はすごいものだと思っているので、その2戦でチームが良い方向にいければなと思います。
平野 (全国)大学選手権前の2試合ということで、さらに伝統があってお客さんが一番熱くなるような試合なので、その2試合をどのぐらいの出来で終えられるかというのが大学選手権のカギとなると思います。大学選手権で優勝するために、この2試合をいつも以上に努力して取り組まないといけないと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 加藤千暁、巖千咲)
見返り美男のHB団でした!
◆小倉順平(おぐら・じゅんぺい)(※写真左)
1992(平4)年7月11日生まれ。172センチ、81キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはSO。『ラグビーあるある』は「すれ違いざまに体を当てること」と答えた小倉選手。わざわざ平野選手と実演してくださりました。所沢キャンパスに行けばあちこちでその光景が見られるかも!?
◆平野航輝(ひらの・こうき)(※写真右)
1992(平4)年12月11日生まれ。169センチ、70キロ。長崎南山高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはSH。先日のオフの日に、大学の友人の誕生日パーティーを開いたという平野選手。友人の変顔をプリントしたTシャツを着てお祝いした様子を、楽しそうに話してくださいました