チャンスを自らつぶし屈辱の3連敗

ラグビー男子

 ここまで関東大学ジュニア選手権2連敗中の早大B。3戦目となる今試合で、東海大Bと対戦した。何としてでも連敗を食い止めたいところだったが、序盤から試合を支配される苦しい展開に。後半に入っても思うようにスコアを伸ばせず、21-26でノーサイド。屈辱の3敗目を喫した。

 開始早々、スクラムからのサインプレーで中央を抜かれ、いきなり先制点を奪われる。そのままペースを握られ、東海大Bの攻撃をしのぐ我慢の時間帯が続く。試合が動いたのは21分のことだった。プロップ光川広之(スポ4=神奈川・公文国際)のターンオーバーを起点として、CTB盛田志(スポ3=広島・尾道)がロングゲイン。ボールを受けたFB作田蓮太郎(教1=東京・早実)が足をつかまれながらもゴールに飛び込み、試合を振り出しに戻す。しかし32分、36分に2連続でトライを献上。前半終了間際に粘り強く攻めて点を返すも追い付けず、14-19で前半を折り返した。

ライン際を走りきりトライを奪った作田

 5点ビハインドで迎えた後半。早大Bは積極的に前へ出るが、自らのミスで攻め切ることができない。それでも14分、SO浅見晋吾(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がパスダミーで突破すると、たまらず東海大Bがペナルティーを犯す。リスタートしてFWがフェーズを重ねると、プロップ千葉太一(教2=東京・早実)がインゴールにたたき込み、ついに逆転に成功した。ところが26分にターンオーバーから一瞬の隙を突かれ、一気に走り抜けられ失点。再逆転を許してしまう。その後も何度も相手ゴールを脅かすが、ここぞという場面でミスを連発。最後まで点差が縮まることはなかった。

浅見は難しい角度からのコンバージョンキックをすべて決めた

 「点差以上に内容も悪く、反省点がかなり多い試合だった」(WTB深津健吾、スポ4=東京・国学院久我山)。この言葉通り、ここ2試合と同様、自らつくったチャンスを自らのミスでつぶす場面が多く見受けられた。次戦の相手はターゲットとしている帝京大B。早大Bが敗戦すれば、カテゴリー1での全敗、さらにはカテゴリー2との入れ替え戦出場が決まってしまう。残り2週間で課題をどこまで修正し、チームとして精度を高めていけるのか。もう負けは許されない。

(記事 加藤千暁、写真 大口穂菜美)

☆PICK UP PLAYER

声でもプレーでもチームを引っ張った池田ゲームキャプテン

 スタメンの約半数を4年生が占めたこの試合。赤黒を経験したことがある実力者もいるなかで、チームを引っ張ったのがフランカー池田良ゲームキャプテン(法4=東京・早大学院)だ。久しぶりにBチームでのプレーであったにもかかわらず任されたゲームキャプテンの役職。秋シーズンは黒星続きのBチームを、「僕から盛り上げていくように」と、誰よりも声を出してけん引した。そんな池田は今季、主務という多忙な役職を担っている。それでも、プレーをする上で「チームのことを考える時間も多いので、主務の仕事がマイナスだと感じたことはない」とキッパリ断言。プレーと主務の仕事を両立させ、悲願の赤黒奪取なるか。戦い続ける池田の活躍に注目だ。

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 東海大B
前半 後半 得点 前半 後半
14 19
21 合計 26
【得点】▽トライ 清水、千葉太、作田 ▽ゴール 浅見(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
光川 広之 スポ4 神奈川・公文国際学園
清水 新也 スポ4 宮城・仙台育英
千葉 太一 教2 東京・早実
千葉 巧也 スポ4 宮城・仙台三
河野 秀明 創理3 東京・早実
◎池田 良 法4 東京・早大学院
仲元寺 宏行 社3 広島・尾道
  後半26分交代→19小谷田    
山口 和慶 スポ2 福岡
平野 航輝 スポ4 長崎南山
  後半0分交代→21杉本頼    
10 浅見 晋吾 スポ3 神奈川・桐蔭学園
11 深津 健吾 スポ4 東京・国学院久我山
12 久富 悠介 文構3 福岡・小倉
13 盛田 志 スポ3 広島・尾道
14 山本 龍平 商4 東京・都武蔵
15 作田 蓮太郎 教1 東京・早実
リザーブ
16 佐田 涼祐 社2 東京・早実
17 貝塚 隼一郎 政経3 埼玉・早大本庄
18 庄村 光史 スポ4 大阪・早稲田摂陵
19 小谷田 祐紀 文構4 東京・早実
20 大塚 拓郎 人4 埼玉・早大本庄
21 杉本 頼亮 スポ1 京都・桂
22 丹野 怜央 教4 北海道・札幌山の手
23 眞柄 厚希 スポ4 神奈川・桐蔭学園
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
コメント

フランカー池田良ゲームキャプテン(法4=東京・早大学院)

――この試合を振り返っていかがでしたか

集中のところですね。ミスが多かったり、敵陣に入ってもすぐに(ボールを)取られたり、自陣では一人一人の責任が果たせなかったりしたところが大きいと思います。

――どのようなゲームプランを描いていましたか

相手の方が大きいのですが、アタックは自信があって、ミスせずにフェーズを重ねられれば(トライを)取れると思ったので、常にボールをキープしようと考えていました。ディフェンスはFWを前で止められれば大丈夫かなと思っていました。

――東海大Bのアタックがタテに何度も攻めてくる印象でしたが、ディフェンスは対応できましたか

一人一人が多少いかれたところはあったのですが、ラインディフェンスに関しては守れていたのかなと思います。ただ、ショートサイドを相手FWにいかれるシーンが目立ったかなと思います。

――アタック全体の反省点としてはミスということでしょうか

そうですね。観客のみなさんも感じたかと思いますが、ミスが多くて、攻めたいのに攻め切れないシーンが多かったですね。

――ゲームキャプテンとして意識されたことがあったら教えてください

(関東大学)ジュニア選手権が崖っぷちで、特に調子が悪いとどんどん沈んでいく傾向にあるので、そこを僕から盛り上げていくようにしました。そこは4年生の千葉(ロック千葉巧也、スポ4=宮城・仙台三)とか清水(フッカー清水新也、スポ4=宮城・仙台育英)も声を出すプレイヤーなので、協力して、4年生が引っ張っていくような意識でやっていました。

――久しぶりにBチームでのプレーとなりましたがどのような思いで臨まれましたか

僕にはもうチャンスが少ないので、個人として懸ける思いもあったのですが、やっぱり4年生ですし、ジュニア選手権は大事な試合なので、チームのためにという思いも強かったです。

――赤黒を着るために必要なのはどのようなことだと考えますか

僕自身、ディフェンスのミスであったりノックオンであったり、Aチームの選手であったら普通しないようなミスをまだまだしてしまうので、そのようなところを集中してプレーすることかと思います。

――主務も務めながらプレーされていますが、大変さなどはありますか

主務をしている分、チームのことを考える時間も多いので、主務の仕事がマイナスだと感じたことはないです。歴代の主務の方でも赤黒を着た方がいるので、そういう先輩に倣って、グラウンドでもグラウンド外でも一番になるということが大切だと思います。

――全カテゴリーともに次は帝京大との対戦です。チームとしてどのようなところに力を入れていきたいですか

1対1でしっかりと勝ち切るところです。ずっと帝京大をテーマにしてやってきたので、自分のいつも以上のプレーが出せるように、言葉は悪いですけれど、狂って前に出続けることが大事だと思います。

NO・8山口和慶(スポ2=福岡)

――どういうことを意識して試合に臨まれましたか

相手のFWが大きかったので、引かずに前へ出てFWを止めていこうと考えていました。

――試合の振り返りをお願いします

自分たちのミスでピンチな場面をつくってしまっていました。もっとミスを減らすことができていればもっと楽に試合ができたと思います。

――相手がタテに攻めてきましたがどういう対応をされましたか

一枚目がしっかり低く下に入って、二枚目がダブルで上にいって二人でしっかり押し返すというイメージでやりました。

――3連敗ですがチームの状況はいかがですか

雰囲気は悪くないのですが、最後の最後で取り切る場面での集中力とかがまだ足りていないのかなと思います。

――修正点は見つかりましたか

僕自身はマイボールスクラムでのボールキープが全然駄目だったので、そこをもっと改善していきたいです。チームとしてはもっとミスをなくして最後まで取り切るというイメージでやっていきたいです。

――次の帝京大B戦に向けて意気込みをお願いします

もう捨てるものは何もないので、しっかり思い切ってぶちあたって絶対に勝ちたいと思います。

WTB深津健吾(スポ4=東京・国学院久我山)

――この試合を振り返っていかがでしたか

全体的にミスにミスを重ねてしまって、自分たちのしたいプレーをする時間帯が少なかったのでそこが課題ですし、そこに尽きます。

――21-26という結果をどう受け止めていますか

負けてはいけない試合だったのですが、点差以上に内容も悪く、反省点がかなり多い試合だったと思います。

――東海大Bの印象はいかがでしたか

東海大Bは外側に良いランナーがそろっていてBKの能力が高く、FWもなかなかタックル一つでは倒れなかったので、早大Bのタックルの甘い部分もあるのですが、全体的に体が強い印象でした。

――早大Bのディフェンス全体を評価していかがでしたか

1人目のタックルを下に入れるというふうにやっていて、1人目はできることにはできているのですが、2人目のタックルが入るのが遅く、そこで相手に行かれてしまっている部分が大きいので、ディフェンスとしては2人目のタックルが遅いことが問題だと思います。

――好機にトライを決め切れなかった要因は何だと思いますか

ラインを深くしていれば良いアタックができる場面も多かったのですが、自分たちの中に余裕もなく、80分間集中し切れなかったことが取り切れなかった原因だと思います。

――ご自身のプレーを評価していかがでしたか

WTBとしてボールを持ったらトライまで運ぶのが仕事です。外で勝負をすると前の試合などでも言っていたので、外で勝負できた点では良かったのですが、それでトライを取り切れないのはWTBとして良くないので、出来は悪いです。

――いまの課題なども含め今後の目標を教えてください

Aチームに上がるためにBチームでラグビーをしていると思うので、しっかりAチームを狙っていきます。まだシーズンは続くので、自分の良いところを全面に出してラグビーを続けたいと思います。