【連載】高校特集 第6回 東福岡 フランカー布巻峻介副将×FB藤田慶和

ラグビー男子

 ラグビー激戦区の福岡県でも群を抜いた強さで、全国の高校生ラガーマンを圧倒する強豪・東福岡高(ヒガシ)。冬の花園でも4回の優勝を誇るなど、その実力は折り紙付きだ。歴代早大ラグビー部にも数々のヒガシOBが名を連ね、勝利の歴史を彩ってきた。今季の早大にも『ヒガシ魂』は健在。フランカー布巻峻介副将(スポ4=東福岡)、FB藤田慶和(スポ3=東福岡)の2人が早大勝利のカギを握る。花園連続優勝を飾るなど、東福岡高の黄金期を築き上げた2人に高校時代の思い出から現在の状況まで余すところなくお話いただいた。

※この取材は7月12日に行われたものです。

成長見えた春シーズン

藤田(左)と布巻

――早大の春シーズンを振り返っていかがですか

布巻 勝ち負けで言えば勝ちにこだわっていたので、明大と帝京大に負けてしまったのは悔しいです。中でも接点の部分が敗因としては大きいと感じたので、そこがやはり課題として見えましたね。

――藤田選手も帝京大戦をご覧になっていましたが、どのように感じましたか

藤田 ディフェンス面に関しては昨年に引き続き良くて、成長している部分だと感じました。 帝京大戦に関しては昨年より差はないんじゃないかなと率直に思いましたね。

――春シーズンを通して意識的に取り組んできたことはありますか

布巻 練習中でも試合中でもしっかりとキーワードを決めて、1週間それを意識してやるようにしていました。自分たちのターゲットをみんなでしっかり共有して、そこに向かって必要なことをコーチから教えてもらって、自分たちで理解して取り組むという感じでしたね。本当に一つ一つ基本をつぶしていくというか、今後のシーズンの土台になるようなチームづくりをイメージしてやっていました。

――取り組みの手応えはいかがですか

布巻 手応えはあるんですけど、完全にできるようになったのかと言えばそうではなくて、みんながまだできていないということに気付けたというのが一番良かったのかなと思います。 いままではそこにすら気付けていなかったので、自分たちのレベルを知れたのは大きいですね。

――春シーズンで印象に残っている試合はありますか

布巻 やはり帝京大戦ですかね。帝京大とやるのが一番楽しいですし、いつも負けているのでその分燃えるというか。今回も負けてしまったんですけど、個人としては良い気持ちで挑めましたね。

――帝京大に通用していると感じた部分はどちらですか

布巻 ポジションにもよりますけど、個々で勝てている部分はちらほらあって、あとは早大の方がよく動けているかなというイメージはありますね。ただ毎年そうなのですが、試合の終盤になるにつれてできなくなっているので、そこで差が出るなと。

――現在のチーム状況をどのように感じていますか

布巻 体の面でもスキルの面でも確実にレベルアップしていて成長は感じるんですけど、まだ自信を持って勝てると言い切れるレベルではないです。フィジカルとかも差はなくなってきたと言っているんですけど、試合を見てみるとやはり負けているし、前より良くなっただけで現場を見てみるとそうでもないということだと思うので、歩みを止めずに上を目指していきたいですよね。

――やはりフィジカルもまだまだ伸ばしていきたいということでしょうか

布巻 まだまだ伸びる可能性も伸ばす価値も十分あると思うので、全然止められないですね。

――布巻選手ご自身が成長したと感じる部分はどちらですか

布巻 正直あまり自分では分からないんですけどね(笑)。体はちょっと大きくなったかな。

――副将になられたことで気持ち的に変わった部分はありましたか

布巻 そうですね。やっぱりお手本にならなくちゃいけないというか、キャプテン以上に頑張らなければいけないと思っているし、気持ちとしては昨年と変わらないんですけど、より意識するようにはなりましたね。

――日本代表について伺います。春シーズンを経て日本代表は世界ランクが10位に上がりましたが、やはりチームの力が上がってきていると感じますか

藤田 そうですね。練習していてもすごくレベルが高くて、徐々に強くなってきていると感じますし、そうした一つ一つの積み重ねの成果がトップ10入りにつながったのかなと思います。でもワールドカップ(W杯)で勝てなければ意味がないので、トップ10入りで満足せず、エディーさん(エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ)もW杯で勝てるチームを意識してやっていくと思うので、しっかりそれについていけるように早くケガを治して頑張りたいと思います。

布巻 お前が(ケガで)おらんくなったけん、トップ10入ったな(笑)。

藤田 確かにイタリア戦出てないっすね(笑)。

――藤田選手はトライ数で日本代表歴代単独5位にも輝きましたね

藤田 結構ラッキーなトライばかりだったので、チームメートが頑張ってくれたおかげですね。

――ご自身の活躍をどのように評価していますか

藤田 昨年から考えるとスピードはかなり上がりましたし、調子も良かったので、ケガをしてしまったのがすごく悔しいです。でもスピード力の向上は自分でも認識していますし、とりあえず秋までそのスピードを落とさないようにして、世界で戦えるように自分に足りないスキルを引き続き伸ばしていきたいと思っています。

――具体的にどのスキルを伸ばしたいと考えていますか

藤田 細かいところで言うと、ハイパントキックとロングキックが劣っていると感じますし、大きく言うとディフェンス部分でもっと激しく確実に止められるような選手にならなければいけないと思っています。

――日本代表チームでプレーすることで受ける刺激は大きいですか

藤田 そうですね。やっぱりスーパーラグビーの選手とかもいるので、みんな高い意識を持っていろいろなことをやっていて刺激的ですし、一つ一つのプレーについて細かく考えたりとか、斬新な方法を教えてもらうこともできるので、良い環境でラグビーをさせてもらっているなと感じます。

――早大でプレーするときに生かしていきたいと感じた部分はありますか

藤田 ボールキープのところで日本代表はスクイズボールという股の下から出す方法を採用しているんですけど、ただ単にそれをしていてもボールを取られてしまうというのを聞きました。どうするべきなのかというのをいろいろと教えてもらったので、早大もそれをやってほしいかなというか、もしそれが必要であればみんなに教えたいなと思います。

――布巻選手も日本代表の試合はよくご覧になりますか

布巻 見ますよ。

――早大からもWTB荻野岳志(先理4=神奈川・柏陽)選手やプロップ垣永真之介前主将(平26スポ卒=現サントリー)も育成メンバーに選ばれました。チームがより活気付きますね

布巻 憧れの存在が身近にいることで良い目標として全部員が頑張ってくれるかなと思います。

――お二人は普段監督からどのような指示を受けることが多いですか

布巻 あんまり言われないんですけど、僕自身ディフェンスで期待されているのかなと思うので負けずにやってきたいと思います。

藤田 日本代表では逆にいろいろなことを言われるんですけど、言われたことをプラスに変えて学んでいきたいと思いますし、それが世界に通用するために必要なことだというのは分かっているので、自分が求められていることをやるにはどうすればいいのかということを考えながら練習していきたいと思います。

「楽しんだ結果勝ちがついてくる」(藤田)

高校時代の経験がいまにつながっているという藤田

――東福岡高を進学先に選んだ理由を教えてください

布巻 兄貴が行っていたというのと、家がものすごく近いことの2つですかね。ラグビーも強いですし。

藤田 僕は京都出身なのではるばる進学したんですけど、有田さん(有田隆平、平22スポ卒=現コカ・コーラウエスト)や山下昂大さん(平23スポ卒=現コカ・コーラウエスト)の代の試合とかを見て、自分も全国1位を取りたいと思ったので選びました。

――東福岡高進学を意識し始めたのはいつ頃ですか

布巻 普通に中学生ですかね。

藤田 自分も中1とか中2で山下さんたちの試合をみたのがきっかけなので、同じくらいですかね。

――布巻選手は実家生、藤田選手は寮生ですが、東福岡高はスポーツ強豪校ということで寮生が多いのですか

布巻 ほとんど実家ですよ。いまは少し寮生も増えたかな。

藤田 寮生とか僕の頃は5人くらいでしたね。みんな実家でした。

――藤田選手は弟さんも東福岡高に進学されましたが、藤田選手から勧められたのですか

藤田 どうですかね。弟が自分で行きたいと言い出したのであんまり心境は分からないんですけど、影響はあるかもしれないですね。

――高校時代のお互いの印象を教えてください

布巻 藤田は1年生の頃からメンバーに入ってましたし、後輩の中でも仲が良い方でしたね。まあ良い後輩ですよ(笑)。

藤田 ありがとうございます(笑)。僕は入る前から布巻さんが1年生のときの花園とかを見てすごいというのは知っていて、練習とかも一緒にさせてもらったりしたんですけど、最初の方は本当に力とか全く勝てなくて、ついていくのが精一杯という感じでした。それでも練習には毎回呼んでくれたりして、いろいろなテクニックとかを教えてくれたおかげでここまで成長できたんじゃないかなと感じます。本当に布巻さんとか先輩の支えがなければここまで来られなかったと思いますし、いまインダビューも受けてないんじゃないかなという感じですね。

――いまの印象は変わっていますか

布巻 まあノリとかは全然変わらないですね。同じようなことしてますけど、お互い大人になったというか、ラグビーや大学の話もするようになりましたね。それ以外は同じです。

藤田 本当そんな感じです(笑)。あんま変わらないですね。ずっと良くしていただいています。

――高校時代から仲が良かったということですが、一緒に遊びに行かれたりすることはありますか

布巻・藤田 遊びはないかな(笑)。

藤田 遠征とかではいろいろなところに行きましたね、一緒に。

布巻 実際高校時代はあんまり遊べなかったんですよ。

藤田 寮の門限が19時とかなので、僕は寮から出られなかったです(笑)。

――部活が忙しくてなかなか高校生らしい生活を送れなかったのですか

布巻 僕は遊んでましたけどね(笑)。

藤田 (笑)。

――ちなみにどのような高校生活を送られていたのですか

布巻 言えないです…(笑)。何もしてないです。普通です!(笑)

――部活は朝から晩まで練習漬けだったのですか

布巻 いや、朝とかはないですね。普通に16時スタートっていう感じで。

――東福岡高独特の練習法などはありましたか

布巻 メニュー自体はそんなに特別なことはやっていないです。とにかくアタックとかディフェンスとか、試合形式になったらみんな目の色を変えてやるという感じでしたね。そこにはプライドを持ってやっていました。

――グラウンドが広大ですばらしいということですが、そういった環境も強豪校たるゆえんなのでしょうか

布巻 でもまあ強かったときには人工芝とかなかったですし、僕が入ったときも最初は土だったんですけど、その頃にはすでに強豪としての文化もあったので、そこに環境面がプラスされたことでより一層強くなったのかなと思います。

――お二人ともラグビー留学を経験されていますが、競技と学業との両立は大変でしたか

布巻 担任の先生がすごく理解してくれていて、留学とかも姉妹校だったので単位も共有できましたし、そんなに苦労はしてないですね。

藤田 ヒガシは学校側のサポートがすごいですよね。

布巻 うん。許してくれたこと自体がね。普通はなかなか行けないので、そういう面では学校に感謝しています。

――高校時代のエピソードで思い出に残っていることは何かありますか

藤田 布巻さんで印象に残っているのは僕が1年の時の国体ですかね。新潟かどこかと試合したときに、いつもは追わないのにPGで布巻さんだけブァーっと追って行って、たまたまゴールのバーにポーンと当たってその跳ね返りを取っていて(笑)。やっぱり持ってるなと思いました(笑)。

布巻 あれは気持ちよかったですね。

――やはり狙いに行ったのですか

布巻 いや、何か予感がしていきました(笑)。

藤田 やっぱ感性ですね。

布巻 それ以来ないけどね(笑)。

――藤田選手の印象深いシーンはありますか

藤田 これっていうのはあまりないんですけど、東福岡で試合することが全て楽しかった記憶があります。全て思い出ですかね。

――東福岡高で学んだ経験がいまの人生に生かされていると感じますか

藤田 そうですね。それはあると思います。

――特にどういった部分が思い当たりますか

藤田 結果よりもプロセスを楽しまなければいけないとか、そういうポジティブさっていうんですかね。スポーツって昔から厳しいというか笑顔はいらないみたいな雰囲気あると思うんですけど、ヒガシはどちらかというと笑顔で楽しんで、楽しんだ結果勝ちがついてくるという教えだったので、楽しむというところを特に学んだかなと思います。

――布巻選手はいかがですか

布巻 試合とかは全部楽しかったんですけど、あえて言うなら3年生のときに花園で神奈川の桐蔭学園高と同点優勝した時が記憶に残っています。うれしくもあり、悔しくもあるという感じだったんですけど、90回目の節目となる大会だったので、観客は面白かったんじゃないかなと(笑)。勝ちたかったですけどね。でもいま小倉(SO小倉順平副将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)とも一緒にやっていますし、それはそれで面白いなと思いますね。

――お話にも出たように、桐蔭学園高とはよく対戦していましたが、小倉選手やSO浅見晋吾選手(スポ3=神奈川・桐蔭学園)の当時の印象を覚えていますか

布巻 桐蔭学園出身は早大にもたくさんいますけど、知ってたのは小倉くらいなので(笑)。でも日本代表の松島幸太朗(サントリー)だったり、筑波大の竹中祥だったりは印象に残っていますね。その3人はずば抜けていました。

藤田 FWの寄りとかはめちゃめちゃ早かったですね。

布巻 FWって誰が誰だか分からなんやん(笑)。

藤田 そうですね(笑)。誰だか分からないんですけど、2人目の寄りとかはずば抜けて早かった印象があります。

布巻 体とかは僕らの方が全然大きかったのにね。

藤田 良いチームでしたよ。

――注目していた小倉選手と同じ大学に進学するということで意識はされましたか

布巻 いるな~くらいですね(笑)。

――福岡県はラグビー強豪校が多いということで早大にも福岡県出身の選手がたくさん在籍していますが、旧知の中ということで昔のことを話したりすることはいまでもあるのですか

布巻 大峯(ロック大峯功三主将、スポ4=福岡・東筑)とは中学から一緒ですし、福岡県選抜とかは本当に仲が良かったので、藤田も入ってましたけど、いまでも試合とかで会ったら結構話しますね。

――『福岡→東京会』のようなものも開催しているのですか

布巻 それはないですけど、やりたいですね。本当に仲が良いので。

――東福岡高から早大に進学したメンバーで『東福岡会』をやっているというのは本当ですか

布巻 たまにやりますね。いまは2人なのでアレですけど。

――唐突ですが、『東福岡あるある』があれば教えてください

布巻 素うどん、から揚げ、しょうが焼き

藤田 (笑)。

布巻 食堂には暗黙の了解でラグビー部の席が確保されているんですよ。

藤田 学年ごとに席があるんですよね。

布巻 何列か長机を占領して、3年間その場所はラグビー部専用でした。一般人も立ち寄れない雰囲気で(笑)。知らない人がいたら「えっ」ってなりますね。

――福岡高の対談で「東福岡は怖かった」というコメントが出ていました

布巻・藤田 (笑)。

藤田 ちょっと独特な雰囲気ありましたよね。

布巻 それが怖いんじゃないですかね。

――男子校というのもありますか

布巻 それはあると思いますね。男ばっかなので。

――ファンの方に渡すサインは当時からよく練習されていたと伺いました

布巻 それはお前やろ。

藤田 僕らのクラスでプリントの端っこにみんなのサインを集めて、どれが一番かっこいいかとかやってましたね(笑)。いろいろな人の意見が詰まった思い出のサインなのでこだわりがあります(笑)。

――布巻選手は何かこだわりを持っていたことはありますか

布巻 授業中に寝ていいのは60分だけとかやってましたね。

――60分まではセーフなのですね

布巻 どの授業でも寝ていいよ、でも60分までねっていう感じでした(笑)。 20分、20分、20分とか。受験前でもみんな寝てたので、そういうのはやめようみたいな。

――その取り決めはいまでも続けていますか

布巻 それはどうかな…。でもいまも一番前で聞いてますよ。

――やはり大学の勉強がプレーに生かされていることもあるのですか

布巻 そうですね。スポーツ科学部なので、知っているようで細かくは知らなかったこととかを改めて知ることができたり、勉強になりますね。

――早大を選んだ理由はどこにあったのでしょうか

布巻 やっぱり大学ラグビーといえば早大というのが小さい頃からあって、昔から憧れでしたし、有田さんとかクラブの先輩とかも進学していたので、行きたいという気持ちはずっとありました。他の大学と比べてもプレースタイルが気に入ったので、やっぱり早大という感じでしたね。小6のときのタイムカプセルにも早大に行きたいと書いてあったので、そのくらい思いは強かったんだと思います。

藤田 僕も小さい頃から大学は早大が良いなと思っていて、プレースタイルも自分と一番合うのは早大だと感じたので行きたいなと思っていたら、早大の方も欲しいと言って下さったので、相思相愛という感じで進学を決めました。

――東福岡高と早大のプレースタイルは似ているのですか

布巻 結構逆じゃないですかね。早大は基本的に強制から入るんですけど、ヒガシは任された環境からスタートするので、どちらが良いとかではないんですけど根本的に違う部分はあります。早大はみんなうまい選手が入ってくるわけではないですが、ヒガシは元々能力が高い人が多かったのでそういう面でやり方にも違いが出てくるんだと思います。

「みんなが伸びないと勝てない」(布巻)

最後の夏に向け意気込みを語る布巻

――藤田選手の夏シーズンのプランは決まっていますか

藤田 まだはっきりしていないんですけど、とりあえず肩を治してリハビリを一番に考えて行動していきたいですね。早く治すことによって早大にもプラスになると思うので、治ったときにはしっかり活躍できるようなコンディションにしていきたいです。

――夏を通して伸ばしていきたい部分を教えてください

布巻 チームとしては体を強くすること、精神的に強くなることの2つですね。そこは個人の戦いなのでそれぞれ絶対に勝ってほしいと思います。夏合宿は強い体と心を持って挑んで、チームのやりたいことを共有して一つになれればいいかなというイメージですね。個人としては体もメンタルも強くなって、強みとしているディフェンスでチームに貢献するということで、あとは日本代表とかインターナショナルに考えて上を目指してやっていきたいと思います。

藤田 僕はもっとスピードがほしいので、リハビリの中でスピードトレーニングを取り入れてスピードを強化していきたいと思いますし、あとはディフェンスの部分もいろいろなラグビーのビデオなどを見て、実践で使えるようなスキルを学べたらいいかなと思います。

――夏・秋に向けて強みとしてアピールしていきたい部分はどこですか

布巻 タックルで流れを変えたいとは思っているので、そこを見てほしいですね。あとはトライだったりボールを奪うときに僕が起点となってできればいいかなと思うので、そのために一番体を張りたいなと思います。

藤田 自分はアタックが得意なので、アタックでチームを引っ張れるようにしていきたいです。昨年は全然引っ張れなかったですし、全国大学選手権の決勝でも思うようにプレーできなかったので、苦しい場面でもアタックでチームを引っ張っていけるように頑張ります。

――今季の早大でキーマンになる選手は誰だと思いますか

布巻 僕を含めてみんな伸びないと勝てないんですよね。

藤田 BK的にはCTB陣によって変わってくるかなと思いますね。すごく良いWTBが両サイドにいるので、そこにスペースを与えるためにCTBがどれだけゲインできるかとか、そういう伸びしろに自分は期待していますね。

布巻 そうですね。本当に帝京大戦でも何もできていなかったので、CTBだけじゃないですけど、あそこで流れを打開してくれるCTBがいたら心強いなと思います。

――山下大悟コーチ(平14人卒=現日野自動車)がCTB陣の強化を任されていたと伺いましたが、効果を感じますか

藤田 ずっと見ていたわけではないですが、ディフェンスは相当伸びたと思います。でもアタックは帝京大戦を見たときにBKで抜けるシーンが荻野さん以外あまりなかったので、もっとチーム全体でアタックしていけるようにしていけたらいいと思いますし、FWもそこを買ってもっと優位に前に出られたらいいと思いますね。

――帝京大に勝つために必要なことは何だとお考えですか

布巻 当たり前ですけど、どうやって勝つかというのをみんなでもっと考えたり、勝てるという自信を持たないとどうにもならないので、勝つという前提で日頃の生活から進めてほしいですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大口穂菜美)

最後は仲良くツーショットで締めて頂きました!

◆布巻峻介(ぬのまき・しゅんすけ)(※写真上)

1992(平4)年7月13日生まれ。178センチ、97キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部4年。取材日の翌日が22歳の誕生日だった布巻選手。予定を尋ねると「あしたも練習です!」と一言。誕生日返上で練習に励む姿はラガーマンのかがみです!

◆藤田慶和(ふじた・よしかず)(※写真下)

1993(平5)年9月8日生まれ。185センチ、92キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部3年。「高校時代の思い出の品は」との質問に「セントビーンズ高のキャップ」と答えた藤田選手。留学先の学校で試合出場を重ね、記念にもらった品だそうです。布巻選手ともお揃いという自慢のキャップをかぶったご自身の写真を見せてくださいました。宝物もワールドワイドですね!