『東の横綱』として、その名を全国にとどろかせる桐蔭学園高。ことし1月の花園決勝では惜しくも敗れ、涙をのんだ姿が記憶に新しい。そんな強豪校でSOとして活躍した3人の選手がいる。SO小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、SO浅見晋吾(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、SO横山陽介(スポ1=神奈川・桐蔭学園)。「ラグビーは将棋」(浅見)という監督の方針のもと、的確なプレーと判断力を磨き上げた3人に、高校時代の思い出や、それぞれの春、これから始まる挑戦の夏についてお話頂いた。
※この取材は7月12日に行われたものです。
「とにかく学校生活が楽しかった」(浅見)
母校について力説する浅見
――なぜ桐蔭学園高に入学したのですか
浅見 中学校に東京都選抜というものがあってそこから僕の先輩が2人ほど行って、それで桐蔭っていいなって思っていました。それで小倉順平もいる、松島幸太郎(サントリー)、竹中祥(筑波大)もみんないるから絶対に強いなと思って、先輩たちと一緒にやりたいという気持ちで決めたと思います。
横山 僕は中学時代に全国優勝したのですがそのまま中学校のチームメートと高校で一緒になるのは違うなと思って他の学校に行こうかなと悩んでいて、桐蔭のラグビーがいいなと思っていたときに縁があって入りました。
小倉 入った理由は本当に覚えていないです(笑)。たぶん、通っていた八王子ラグビースクールが桐蔭とつながっている部分があって、それでだと思います。
――ラグビーはいつから始めましたか
小倉 小2。
横山 僕は小1です。
浅見 小4の終わりぐらいですね。
――なぜラグビーにしようと思ったのですか
浅見 僕は父ちゃんです。
小倉 俺はダチ。
横山 友達がみんなやっていたのでやりました。
小倉 お菓子もらえるって聞いたので(笑)。
浅見 それ聞いたことある。練習終わった後にお菓子もらえるから始めたって。
小倉 違う違う。合宿でお菓子食べ放題だったから。日頃は家でそんなにお菓子食べられないけど、合宿は3泊4日分のお菓子を全部買って行って好きなときに食べられるんです。それがしたくてラグビー始めました。これ事実です(笑)。
――高校時代のお互いの印象はどうでしたか
小倉 晋吾は真面目でしたね。高校の時は。いい子だったよね。いまは崩れちゃったけど(笑)。横山の第一印象は、僕が高3の時に桐蔭に練習に来ていたりして、とりあえずキックがすごく飛ぶっていう感じです。コーチにも「お前よりうまいわ」って言われたりしたので。インパクトありましたね。
浅見 順平さんは、高校のときはいまほど喋ってなかったです。ライバルだからどうとかではなくて、普通の先輩と後輩という感じでした。横山は入ってきたときに、監督からもコーチからも「日本一のSOが来る」と言われていました。一番覚えているのは、監督に「俺は6月までに決着をつけるから。6月までお前を使って駄目だと思ったら代えるから」と言われたことですね。実際に日本一のSOが来て、順平さんと同じように「うわキックすげー」って思っていました。
横山 僕は順平さんをテレビで見ていて、話しも聞いていてすごいと思っていました。初めて話したときは優しいなと思いました。僕と晋吾さんは1年と3年というのもあったし、学校生活でもあまり会わなかったのであまり絡んでいなかったです。
――浅見さんと横山さんの決着はどうなったのですか
横山 引き分けみたいな感じですよね。
浅見 いやお前だよ(笑)。花園予選のときは最初横山が出ていたのですが、「お前調子いいな」って言われて、途中から僕が出ていました。花園では1回戦は僕がスタメンで、途中交代で横山が入って競った試合を勝った後に、2回戦で「横山でいく」と言われました。でもその時はキック戦術的に横山の方がいいと言われたので自分の中でも納得できましたけど。
小倉 結構苦い思い出ですね(笑)。
――監督の話が出てきましたが、藤原秀之監督はどういう方でしたか
浅見 大好きです。これ載せておいてください(笑)。
横山 僕、監督が最初クラスの副担任でした。びっくりしました。副担任が2人いて、あまり監督は来なかったですけど。
小倉 卒業してから本当にすごいと感じます。それまで知っているのって中学のコーチだけですけど、どんどん進んで代表のコーチとかに教わると分かってくるというか、いま振り返ると高校の監督はすごかったですね。
――具体的にここがすごかったという点はありますか
小倉 僕の代だと、FWの平均体重が決勝で当たった東福岡は95キロとかで、それより12、3キロ下でも同じくらいの実力まで持っていってくれたところです。練習とチームのカラーを分かってやっているのかなと卒業してからすごく感じます。
浅見 ラグビー偏差値がすごいです。2手、3手、4手先まで分かっているというか。ラグビーは将棋だということを僕らはSOなので徹底的に教え込まれました。それがいま大学で生かされていますね。藤原先生のおかげで。
――それぞれの代のカラーはどうでしたか
小倉 我が強いという意味で、小さいけんかはいろいろありました。個性が強かったので。
浅見 僕らの代は仲良すぎたくらいです。
小倉 逆に僕たちからすると仲良すぎで仲良し集団になっちゃうんじゃないかっていう心配はありました。
横山 僕たちの代は仲良いけどすごく言い合いました。
小倉 それ完成形だぞ(笑)。
横山 監督とかコーチにもいままでで一番良い代だって言われました。
――どういう高校生でしたか
小倉 俺普通でした。部活やって帰ってました。
浅見 授業、ラグビー、寝る。という感じでしたね。
横山 でも授業楽しかったですよね。
浅見 学校楽しかったよね。寝て、授業でもちょっと寝て(笑)。
――勉強はみなさん得意でしたか
小倉 はいもちろんです。
浅見 まあまあですね。
横山 まあまあまあ。
小倉 桐蔭ってテストで赤点3つ取ったら親を呼ばれるんですよ。僕は常に全部2個で終わってましたけど(笑)。常に親がヒヤヒヤしてました。
横山 僕赤点取ったことないですよ。
浅見 俺もないよ(笑)。
小倉 じゃあ俺もないです。
一同 (笑)。
――得意科目は何ですか
小倉 体育です!もちろん!(笑)
――学校生活の思い出はありますか
浅見 『トランプ事件』ですね(笑)。当時トランプの大富豪が流行っていて授業の自習時間にみんなでやるぞやるぞって言ってやっていたんですけど、自習時間監督の先生が厳しい人だったみたいでそれを知らなくて。机の下でやっていたのを見つかってめちゃくちゃ怒られました。部活の監督にも怒鳴られました。その日すぐ頭を丸めて、すみません!ってやりました(笑)。
小倉 いまでは笑い話ですね。
――高校の良かったところ、嫌だったところはありますか
浅見 良かったところはとにかく学校生活が楽しかったことですね。他のスポーツをやっていた人もたくさんいたので。嫌だったというかキツかったのはやっぱり部活です。練習はキツくないんですけど、藤原先生がSOというポジションにすごくこだわりがあって「負けたらお前のせいだぞ」ぐらい言われていたので。試合終わった後に毎回ボロクソに言われました。僕はそれが嫌でしたね。
小倉 ガチじゃん(笑)。
横山 僕も学校生活が楽しいのと、寮が学校に近くて楽だったことです。つらかったのは晋吾さんと同じで、SOでいろいろ言われたことです。1年生の時に全く怒られたことなくて、2年生の時に初めて怒られて、ラグビーやめて秋田に帰ろうと思いました。
小倉 僕たちみんな共通して経験しているんですけど、SOというポジションをやるに当たって監督がそのポジションの人を意図的にいじめるんですよ。でもそこが終わるとめちゃくちゃ伸びるんです。それがすごいなと思っています。
――横山さんがラグビーをやめなかった理由は何ですか
横山 僕は寮にいまは帝京大でラグビーやっている堀越(康介)がいて話しました。堀越も夏合宿でタックルミスして上のチームでやっていた1年生みんなが下のチームに落とされた経験があって、「やめたい気持ちはわかるから」と言われた時とき、やめちゃいけないなと思いました。
三者三様の強み
横山の思い出の品であるメッセージボードとの一枚
――次に大学についてお聞きします。みなさんはなぜ早大に入られたのですか
小倉 僕は早大以外の希望はなかったです。小学生くらいからずっと。早大がいいと思っていたのは、僕が小学校から中学校くらいまで早大がほぼ負けなしの黄金世代で強かったからです。高校くらいで少し落ちてきちゃいましたけど、そういうのは関係なく入りたかったです。
浅見 小倉がいたからですね(笑)。でもそれも一つの本当の理由でもあります。僕自己推薦でスポ科しか受けられなくて、早大一本で奇跡の合格を見せました。
横山 僕は晋吾さんと順平さんを敵にしてやってみたいと思っていた時期があって、初めは違うところに行こうと思っていました。でもいろいろ事情があって自己推薦で早大を受けて、奇跡の合格をしました(笑)。
――全員ポジションがSOですがお互いから見たそれぞれのプレーヤーとしての強みは何ですか
小倉 晋吾はパス下手じゃん、タックル下手じゃん(笑)。
横山 僕は晋吾さんは安定感あると思います。
小倉 それ俺も言おうと思ってた。僕は結構波があるんですけど、晋吾は全試合通してあまり波がないですね。自分の中ではキックが当たった当たってないとかはあるみたいですけど。
横山 順平さんのイメージって天才しか思い浮かばないです。
浅見 俺も。天才。それだけ。
横山 僕代表とかでいろいろな人とラグビーしてますけど、順平さんみたいな人は初めて見ました。
――どういう部分に天才を感じますか
浅見 練習嫌いなところ(笑)。僕は高校から同じで、(小倉選手を)研究してみたところ、練習とか一人でやる人じゃないし、みんなでやる練習中の時の集中力が半端じゃないんじゃないかと。僕らの集中力が足し算なら掛け算レベルだと思います。
小倉 うまい(笑)。
――SOとして、ここだけは他の2人に負けないぞ、という部分はありますか
浅見 …顔ですかね。
一同 (笑)。
小倉 なんなの(笑)。ラグビーで負けないところは、ディフェンスですね。
浅見 2人が言ってくれた安定感ですかね。
横山 キック力ですね。
小倉 コントロール力ないもんな!(笑)
横山 ここからつけていきます(笑)。
浅見 (横山選手のキックは)すごく飛ぶんですよ。
小倉 でもどこに飛ぶかが分からない(笑)。
横山 ペナルティーをもらってタッチライン際を狙って蹴るのはあんまり好きじゃないんですよ。自陣脱出の時のキックはとりあえず飛ばせることができればいいと思うので、それは得意ですね。
――大学に入ってから成長したところはどこですか
小倉 体が大きくなった。知識はあまり変わってないよね、正直。
浅見 僕はメンタルですね。
横山 まだ大学でやってないですけど、僕も体だけは大きくなりました。
――体づくりの面では高校と大学でやはり違いますか
浅見 桐蔭ってウエイト時間は各自なんですよ。立派なトレーニングセンターみたいなのがあるんですけど、各自だからあまりやらないんです(笑)。じゃあ何で強いかというと、結局あのグラウンドがいいんじゃないかって思います。ボコボコでそれがいいんじゃないかという。
小倉 普通の練習をするだけで下半身が相当強くなりますね。
――小倉選手は高校時代に主将をされていましたが浅見選手から見てどうでしたか
浅見 いまの先輩とか僕の同期に聞くと、「小倉さんがキャプテンとか信じられない」とか言うんですけど、全然できちゃいます。
小倉 僕、高校から大学でキャラ変わったんですよ。ばかを出しすぎて。ニュートラルにばかからキャプテンまでできます。いろいろな顔があります(笑)。
――浅見選手は小倉選手が目標とお聞きしましたがその点に関してはいかがですか
浅見 僕の理想としては小倉出しても浅見出しても一緒ぐらいだぞと言われるぐらいになることです。小倉がもしチームに2人いるとなると、大変なチームになるんじゃないかと思うので。追い付きたいというか並びたいです。
――横山選手はお二人のどういう部分を尊敬していますか
横山 僕がこの2人の好きなところは、普段はふざけたりしているんですけど、練習になるとめちゃくちゃ集中していてオンオフの切り替えがすごいところです。プレー面でも学ぶところが多いので本当に尊敬しています。
――少し際どい質問ですが、どちらをより尊敬していますか
横山 …どっちもですね。大好きです!(笑)
「いまは50点」(小倉)
副将としてBKをまとめる小倉
――春の振り返りをお願いします
横山 ケガを予定より早く治せています。復帰は9月にできたらと思っていて、夏合宿ではコンタクトなど基礎的な部分をやる予定です。
浅見 春シーズンは自分の課題であるディフェンス面を克服しようという気持ちで練習に挑んでいて、練習からその部分を意識してはいたのですが、結果が駄目でしたね、全然(笑)。タックルなどが数値的には上がっているのですが、自分の手応えとしては、2年生のときの方が良かったかなという気がします。自分の目指すタックル像に全然近づけていないですね。
小倉 強い相手になった時にチームが機能しなくなるという部分があって、個人のことはもういいので、そこをどうにかして機能し続けられるように、チームが勝てるように、そこをみんなで考えていかなければならないと思います。機能しないというのは、細かい部分なんですけど、連続攻撃の時にゲインできずにどんどん下がってきてしまって、最終的に相手にボールを取られてしまう場面がありました。6月の帝京大戦では、トライも荻野(岳志、先理4=神奈川・柏陽)の個人技だけだったので、それを連続攻撃で2本3本取らないと帝京大には勝てないので、そういう部分を考える時期なのかなと思いますね。
――帝京大戦について、地力の差が埋まってきているように感じましたが、そのあたりについてはいかがですか
小倉 いつも春はそうなんですよね。いけるかな、というところで負けてしまうというのが3年間くらい続いています。そして夏に1回離れて、秋に入って縮まって、シーズン終わりに間に合わない。夏合宿か秋の関東大学対抗戦で勝っておかないと、僕は決勝で勝てないと思っています。
浅見 僕が1年生だった頃と比べたら、フィジカル面、スキル面で差が縮まってきていると思います。
――チーム全体の印象はいかがですか
浅見 僕は結構Bチームにいて、春先に比べたらかなり良くなったかなと。Aのリザーブの人が帝京大B戦でチームに入ってきたので、それが抜けていたらどういう試合になってきたかはちょっと分からないですが。
――帝京大B戦を除いても、春先から調子が上がったように思いますが、その原因として思い当たるものは何かありますか
小倉 チームで集まってやっていることが多いなとは思った。
浅見 4年生を中心にして練習が終わったあとに、ここを改善していこうと話し合ったりしたのですが、もしかしたらそこが良かったのかもしれないですね。
――小倉さんはチームに対してどんな印象を持っていますか
小倉 難しいですね。Aチームだったら、弱い相手に点数は取れるけど、強い相手には勝てないチームです。強い相手にも勝てるようにするために、フィジカル強化の部分だけじゃなくて、細かいスキルの部分を、菅平に行ってからやっていきたいですね。フィジカルの差を埋めつつ、スキルでも勝たないと帝京大には勝てないと思っています。下のチームに関しては、いまはポジションごとに練習する機会がありますが、普段はチームで分かれて練習することが多いので、それをなるべく一緒に練習できる環境にして、下のチームの子たちを動かしていくことも大事だと思います。
――横山選手はチームを外から見ていていかがですか
横山 早大だけではないかもしれないですが、やっぱり大学はフィジカルが強いなと思いました。コンタクトも激しいし、それで負けないようにしなきゃいけないなと思いました。高校の時はあまりやってなかったのですが、大学に入ってからやろうと思って鍛えて、高校から10キロ太りました。
――すごいですね
横山 全然すごくないですよ、ポッチャリ系男子です(笑)。
――春のチームに対して点数をつけてください
小倉 1000点満点でつけますか?100点満点の方がいいですかね(笑)。何点だろう。今後伸びることを期待して、50点ですかね。上のチームだけで評価することもできますが、全部のチームが伸びることを考えればこの点です。下のチームがしっかり勝って、ケガ人をあまり出さず、帝京大にAからEまで勝つためには、いまは50点ですね。
浅見 僕は60点だと思います。やっぱり僕らBが強くなればAが強くなるし、Cが強くなればBが強くなって、下が頑張れば上が強くなって、僕らも上に上がれるので。
春、そして帝京大を超えるための夏
春はリハビリ期間だった横山
――春のご自身に対する評価を教えてください
浅見 めっちゃ頑張ってるからな~(笑)。
小倉 晋吾は50点ですね!(笑)難しいな~。自分は60点ですね。
浅見 ずるいところ突いてきたな(笑)。
小倉 晋吾は95点にしといてください。そしたら「は?」みたいになるので(笑)。
浅見 この春シーズンはケガもせず、がんばったと思います(笑)。でも結果が出なかったから結局駄目ですかね。
小倉 個人スポーツは自分ががんばれば結果が出るけど、集団スポーツは自分がうまくなってもチームがよくなるわけじゃないからね。
――横山さんは点数をつけるとしたら何点でしょうか
横山 真面目にリハビリしていたので…。
浅見 100でいいんじゃん?
横山 50で!(笑)これから復帰してプレーをして100になるということで。これからのシーズンに向けてぼちぼちというところですね。
小倉 真面目にやってなかったからな(笑)。
横山 真面目にやってましたよ(笑)。
――ご自身の課題や改善したい点はありますか
小倉 昨年ここからケガが増えたので、ケガをしないというのが第一ですね。あとは個人というよりは、チームで変えていくべき部分をしっかり話し合って変えていきたいですね。
浅見 僕は課題がいっぱいあって、その中でも絞るとしたら、フィジカル面がやっぱり弱いので、体を大きくすることですね。その部分がディフェンス面につながっているのかなと思って、いま結構頑張っています。意気込みは十分あるんだけどね(笑)。
小倉 達成するのが難しいよね。
――SOはキックも重要になってくると思いますが、そこに関してはいかがですか
小倉 昨年よりはことしの春の方が良かったと思いますが、まだまだですね。飛距離自体は結構伸びてきていますが、自陣のゴール内から脱出するためのキックがすごく重要だなと感じています。あのキックを自陣10メートルラインあたりまでもっていければ、だいぶ楽になるのですが、22メートルラインより内側に蹴ってしまうと結局モールからトライにつながってしまうので、そのあたりをことしの春、より強く意識するようになりました。
浅見 僕もそれが重要だと思っていて。
小倉 かぶせ?(笑)
浅見 練習していたので、キックは結構良かったと思います。2人にさっき安定していると言ってもらいましたが、春はキックが安定していました。ただ最後の最後の帝京大B戦だけ…。ここに懸けていたのですが、崩れてしまいましたね。
――春のお互いの活躍に対してどういう印象を持っていますか
浅見 (小倉選手は)よくケガしなかったなと(笑)。
小倉 それな(笑)。1回やられたんですけどね、わざと足ひっかけてガーンと。
浅見 ちょっと!「え?」ってなってるじゃん!(笑)
小倉 冗談です!(笑)練習でアタックディフェンスをしていて、ぴったり(浅見選手が)乗ってしまって。
浅見 やっちゃったー、と(笑)。
――小倉選手から見た浅見選手の印象はどのようなものですか
小倉 ラグビーの印象は…ずっと僕の裏にいてほしいですね。
浅見 本音出たよ(笑)。
小倉 悪い意味ではなくて、昨年の早明戦で僕は開始20分くらいで足を捻挫して(浅見選手と)交代したのですが、こいつは試合中僕よりひどいケガをしたんですよ。でもこいつは自分がケガしたらSOはもういないからという気持ちで、痛くても最後まで出ていたので、信頼できるという意味で裏にいてほしいですね。昨年のシーズン中から思っていました。あー言わなきゃよかった(笑)。
――横山選手はお2人の活躍を見ていていかがでしたか
横山 うわー(笑)。
小倉 こういうの苦手だよな(笑)。
横山 復帰したらスタメンを狙ってこの人たちと勝負しなければならないので、負けてられないなと思いました。晋吾さんや順平さんと一緒に練習をしたいので、まずそこまで上がれるようにしていきたいですね。
――春を通して見つけた自分の役割などありますか
小倉 チームが常に勝てるように考える側の人間なので、それを考えることですかね。試合のビデオを見て委員で話し合うとき、みんなは結構ざっくりした部分を見るのですが、僕にしか気付けない細かい部分を見るようにしています。
浅見 チームに対してというよりかは、自分がしっかり強くなりたいという思いがあります。
横山 僕はチームを引っ張ることができるくらいスキルを上げるために、コツコツやっていきたいです。
――最後に、夏の帝京大戦に向けて、意気込みなどお願いいたします
小倉 帝京大をターゲットにしているのですが、毎回大差で負けてしまいます。それをことしは変えるというか、いつも夏合宿は何もできずに負けてしまうので、春から一歩前進したなと思える試合にしたいと思います。
浅見 春の帝京大B戦は僕のキックが入っていれば勝った試合で、僕のせいで負けてしまって結構悔しかったです。今度こそ勝ちます!
横山 僕は…帝京大戦…帝京大戦?(笑)
小倉 言うことないよな(笑)。
浅見 何を言うんだろうって思った(笑)。
横山 応援がんばります!(笑)
――ありがとうございました!
(取材・編集 加藤千暁、田中みずき)
とても仲良しな3人で大盛り上がりの対談でした!
◆小倉順平(おぐら・じゅんぺい)(※写真下)
1992(平4)年7月11日生まれ。172センチ、81キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはSO。後輩と同期のように接したいという小倉選手。浅見選手に敬語禁止令を出したそう。学年を超えた仲の良さがうかがえますね!
◆浅見晋吾(あさみ・しんご)(※写真中央)
1993(平5)年4月2日生まれ。170センチ、75キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはSO。小倉選手の身長と体重を暗記していた浅見選手。目標とする小倉選手のことなら、ひょっとしたらなんでも知っているのかも?!
◆横山陽介(よこやま・ようすけ)(※写真上)
1995(平7)年4月15日生まれ。181センチ、83キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部1年。ポジションはSO。思い出の品として持ってきてくださったのは、ケガで入院中にチームメイトがプレゼントしてくれたメッセージボード。リハビリも順調だそうで、秋からの活躍に期待大です!