ここ最近2連勝と勢いに乗る早大Bの次なる相手は、前週に帝京大Bを倒した難敵・慶大B。厳しい戦いが予想されたが序盤から攻めの姿勢を失わず、バックスリーの決定力を生かして5トライを挙げる。一方でディフェンスも粘りを見せ、奪われた得点は1ケタの7点。33-7で快勝し、春季のターゲットとなる帝京大B戦に向け弾みをつけた。
序盤から主導権をつかんだ。開始直後から猛攻を仕掛け、CTB盛田志(スポ3=広島・尾道)らが鋭くタテを突く。すると前半10分にFB山本龍平(商4=東京・都武蔵)のビッグゲインからWTB本田宗詩(スポ2=福岡)につなぎ先制。さらに3分後、ターンオーバーを起点として、またもや本田が相手を抜き去りトライした。その後は慶大Bに攻め込まれゴール前に迫られる場面が増えたものの、粘りのタックルでこれ以上の前進を許さない。前半終盤に相手に外を抜かれ最大のピンチを迎えたがこれも耐えきった。結果的に前半の失トライは0のまま12-0で終えた。
積極的な走りでロングゲインを見せた山本
後半の立ち上がりも再び慶大Bに攻め込まれる。キックオフから前進を許し、ゴールラインに何度も迫られた。しかしここでもディフェンスが機能。相手のミスを誘い、なんとかピンチを脱した。すると13分には見事なキックカウンターを決める。山本から途中出場のWTB鈴木亮(教3=神奈川・桐蔭学園)、同じく途中から入ったCTB勝浦秋(スポ2=愛知・千種)にボールが渡りそのまま勝浦がフィニッシュ。鈴木亮が「練習から勝負しようと決めていたので強気で行こうとした」と語る通りの会心のプレーだった。それから数分もたたずラインアウトから勝浦が連取となる得点で流れは再び早大Bに。そしてこの日好調のBK陣が21分にも爆発する。ターンオーバーから盛田、勝浦と展開して最後は鈴木亮が飛び込み、チーム5トライ目をマークした。31分に初得点を献上したものの、終始試合を優位に進めた早大B。最終的に33-7でノーサイドを迎えた。
2トライを挙げAチーム入りへアピールした本田
バックスリーの決定力とゴール前での粘りのディフェンスが目立ったこのゲーム。その裏にある、盛田が「頑張ってくれた」と感謝を口にしたFWの献身的な働きも見逃せない。15人が一体となったチーム力はますます向上しているといえるだろう。その力を試す絶好の機会が春季最後の試合となる次戦の帝京大B戦だ。最大のターゲットを相手にどこまで戦えるかに注目したい。
(記事 鈴木泰介、写真 高柳龍太郎)
練習試合 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 慶大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
2 | 3 | T | 0 | 1 |
1 | 3 | G | 0 | 1 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
12 | 21 | 計 | 0 | 7 |
33 | 合計 | 7 | ||
【得点】▽トライ 本田2、鈴木、勝浦2 ▽ゴール 浅見(4G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 佐田 涼祐 | 社2 | 東京・早実 |
2 | 菅野 卓磨 | 教4 | 東京・早実 |
3 | 庄村 光史 | スポ4 | 大阪・早稲田摂陵 |
4 | 千葉 巧也 | スポ4 | 宮城・仙台三 |
5 | 河野 秀明 | 創理3 | 東京・早実 |
6 | 寺川 賢太 | スポ3 | 福岡 |
後半0分交代→19中尾 | |||
7 | ◎池田 良 | 法4 | 東京・早大学院 |
8 | 五十嵐 隆介 | 教3 | 埼玉・早大本庄 |
後半21分交代→16大塚 | |||
9 | 山岡 篤樹 | 教3 | 東京・本郷 |
10 | 浅見 晋吾 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
11 | 千年原 旭 | 法4 | 東京・早大学院 |
後半0分交代→21鈴木 | |||
12 | 盛田 志 | スポ3 | 広島・尾道 |
後半21分交代→13秋吉 | |||
13 | 秋吉 孝一 | 文構4 | 埼玉・早大本庄 |
後半0分交代→22勝浦 | |||
14 | 本田 宗詩 | スポ2 | 福岡 |
15 | 山本 龍平 | 商4 | 東京・都武蔵 |
リザーブ | |||
16 | 大塚 拓郎 | 人4 | 埼玉・早大本庄 |
19 | 中尾 康太郎 | スポ4 | 福岡 |
21 | 鈴木 亮 | 教3 | 神奈川・桐蔭学園 |
22 | 勝浦 秋 | スポ2 | 愛知・千種 |
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷) |
コメント
CTB盛田志(スポ3=広島・尾道)
――試合を振り返っていかがでしたか
勝ったという部分ではよかったと思いますが、自身にとっては課題も多かったので納得はしていないです。
――ディフェンス面では1トライに抑えましたがいかがでしたでしょうか
きょうはFWがだいぶ頑張ってくれたと思います。
――アタックの面ではいかがでしょう
うまいこといい形でセットできて、自分たちの形でトライをとれたので、その点についてはよかったと思います。
――ご自身のプレーはいかがでしたか
後半最後にいいプレーができましたが、それまでは悪いプレーが続いていたので、帝京大戦では改善していきたいです。
――いいプレーはどのようなプレーでしょうか
ターンオーバーから自分で行かずにパスして、勝浦(秋、スポ2=愛知・千種)から鈴木亮(教3=神奈川・桐蔭学園)がトライした場面です。
――タテに鋭い突破を見せていたと思うのですが、どうでしょうか
いつもの方がもう少し鋭いですね。
――来週の帝京大戦へ向けての意気込みを教えてください
春の集大成なので、どこのチームでやるか分かりませんが頑張っていきたいと思います。
WTB鈴木亮(教3=神奈川・桐蔭学園)
――この試合を振り返って一言お願いします
僕は後半からの出場だったのですが、前半からいい流れでやっていたので僕が入ってから流れを崩さないように、あとは自分も強気で勝負してアピールしようと思いました。
――途中出場ということで、何か意識したことはありますか
後半から入って僕が一番動けるので、ボールタッチを増やして、もっと仕掛けて(ボールを)つなげようと意識しました。
――キックのカウンターで勝負したシーンもそのような意図からですか
そうですね。練習からカウンターで勝負しようということを決めていたので、強気でいこうとしました。
――この試合でのBKのアタックを振り返ってみていかがですか
CTB陣もうまく前に出ていて、そこを最後WTBで(トライを)取り切ろうと話していて、僕も最後WTBでボールをもらい、トライを取れたのでよかったと思います。
――先週のセブンズから好調に見えますが、手応えはいかがですか
春は自分はケガでトライを1本も取れなくて、苦しい状態が続いていたのですが、先週のセブンズから強気でやろうと決めて、トライも取れてよかったかなと思います。
――来週の帝京大戦へ向けての意気込みを教えてください
(自分は)過去帝京大と戦って一度も勝てていないので、自分がトライを取ってチームの勝利に貢献できるよう頑張りたいと思います。
CTB勝浦秋(スポ2=愛知・千種)
――この試合がケガからの復帰戦となりましたがいかがでしたか
3週間ぶりだったので体が動くか心配だったのですが、40分だけの出場だったので最初から思い切りやりました。思っていたよりは動けたかなと感じました。
――きょうのご自身のプレーについてはいかがでしょうか
とりあえずボールタッチを多くして、ラックを生かすことを意識していたのですが、それは自分の中ではできたかなと思います。
――トライも挙げて、良いアピールにもなったのではないでしょうか
40分で2トライなので、それは本当に頑張れたと思います。
――試合前にチーム内で話し合われたことはありましたか
試合前からいい雰囲気でゲームをしようと言っていました。トライを取った後にみんなと分かち合うなど、すごくいい雰囲気でプレーできたと思います。
――チームも連勝を重ねており、そういった面でも雰囲気は良いのではないでしょうか
そうですね。Bチームは3連勝でずっと勝ちが続いており、特に良い雰囲気ですね。
――翌週には帝京大との一戦が控えていますが、意気込みをお聞かせ下さい
きょうのプレーや雰囲気を発揮できれば戦えると思います。
――もちろんご自身はAチームも狙っていきたいと思うのですがいかがでしょうか
今週が帝京大戦前の最後の試合だったので、もういまからどうこうとはできないのですが、もしきょうのアピールによってAチームに上がれたら頑張りたいと思います。