明大Bに敗北、基礎的な課題が浮き彫りに

ラグビー男子

 開幕戦を白星で飾った早大B。この日は強力なFW陣を擁する明大Bと対戦した。前半はスクラムで健闘を見せ、4点差で折り返す。しかし後半は相手の堅いディフェンスに苦戦を強いられる。守っても粘りを見せることができずに最終的に8トライを献上。悔しい敗戦となった。

 今試合も立ち上がりはよくなかった。開始早々に先制点を奪われると、明大Bの畳み掛ける攻撃を止めることができず、6分が経過した時点で14点ビハインドに。その後は10分に1トライを挙げ、劣勢と思われたスクラムでは相手の反則を誘う場面もあった。だが、なかなか敵陣に深く踏み込むことができない。攻めあぐねていた早大Bがチャンスを得たのは27分のことだった。相手のキャッチミスからボールを奪うと、一気に攻め上がる。SO浅見晋吾(スポ3=神奈川・桐蔭学園)の個人技から、サポートに走ったCTB田丸暖(法3=埼玉・早大本庄)へパスをつなぎ右中間に飛び込んだ。さらに攻撃の手を緩めることなく、ラストワンプレーで得たゴール正面のペナルティーからショットを選択。これを浅見がしっかりと決め、17—21で前半を折り返した。

明大Bのディフェンスを振り切りトライを決めた吉田

 後半は相手の勢いに押されてしまった。早々と7点を追加され迎えた9分、スクラムからFB門田成朗(法3=埼玉・早大本庄)が相手をかわしラインブレイク。最後はボールをもらったWTB本田宗詩(スポ2=福岡)が締めくくり7点を返す。しかし、ここからは自陣にくぎ付けとなってしまった。スクラムは押され始め、果敢にタックルを繰り返しても攻撃を断ち切れない。マイボールになっても強風の影響でキックの距離は伸びず、攻めてもディフェンスを崩すことができない。21分にはラインアウトからモールを押され、後半4つ目の失トライを喫した。そんな苦しい状況下で意地を見せたのはSH山岡篤樹(教3=東京・本郷)。34分、敵陣40メートル付近からクイックスタートを仕掛け、そのままインゴールへ駆け抜けた。だが必死の追い上げもこれで終了。31-54の大差でノーサイドとなった。

門田はトライをアシストする好ランを見せた

 ロック河野秀明(創理3=東京・早実)は「前半に流れをつかみ切れなかった」と敗因を指摘した。またハンドリングエラー、タックルの甘さなど初歩的なミスも目立った早大B。試合後、すぐに猛練習を始めたことに課題の重さが分かる。シーズンはまだまだ開幕したばかり。基礎からの修正が求められている。

(記事 高畑幸、写真 副島美沙子)

◆OB五郎丸が日本記録更新!

 日本代表は10日、アジア五カ国対抗2014でスリランカ代表と対戦した。試合は日本が絶え間なく得点を重ねていき132-10で勝利。そしてこの大量得点に伴い新記録が誕生した。キッカーを務めるFB五郎丸歩(平20スポ卒=現ヤマハ発動機)がテストマッチ1試合コンバージョンキック成功数を『16』とし、日本記録を更新。学生時代から正確なキックを売りしてきた早大のレジェンドが、日本ラグビー界にその名を刻んだ。またこの試合では五郎丸、CTB村田大志(平23卒=現サントリー)、WTB藤田慶和(スポ3=東福岡)がそれぞれ1トライずつを挙げた。

練習試合
早大B スコア 明大B
前半 後半 得点 前半 後半
17 14 21 33
31 合計 54
【得点】▽トライ 吉田、田丸、本田、山岡 ▽ゴール 浅見(4G・1PG)
※得点者は早大Bのみ記載

早大Bメンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
光川 広之 スポ4 神奈川・公文国際学園
周藤 直也 社2 東京・早大学院
千葉 太一 教2 東京・早実
  後半0分交代→17渡瀬    
山口 和慶 スポ2 福岡
河野 秀明 創理3 東京・早実
◎吉田 有輝 人4 大分舞鶴
  後半0分交代→18寺川    
仲元寺 宏行 社3 広島・尾道
五十嵐 隆介 教3 埼玉・早大本庄
吉岡 航太郎 スポ1 国学院栃木
  後半0分交代→20山岡    
10 浅見 晋吾 スポ3 神奈川・桐蔭学園
11 山本 龍平 商4 東京・都武蔵
  後半0分交代→20眞柄    
12 秋吉 孝一 文構4 埼玉・早大本庄
  後半0分交代→21矢野    
13 田丸 暖 法3 埼玉・早大本庄
  後半0分交代→22久富    
14 本田 宗詩 スポ2 福岡
15 門田 成朗 法3 埼玉・早大本庄
リザーブ
17 渡瀬 完太 商3 東京・早大学院
18 寺川 賢太 スポ3 福岡
19 矢野 健人 商2 東京・早実
20 山岡 篤樹 教3 東京・本郷
21 久富 悠介 文構3 福岡・小倉
22 眞柄 厚希 スポ4 神奈川・桐蔭学園
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
コメント

プロップ千葉太一(教2=東京・早実)

――この試合を振り返って一言お願いします

強い相手に1対1の部分で受けてしまい、ゲインラインを突破されたことが敗因だと思います。

――この試合でFWとして意識していたことがあったら教えてください

明大Bの選手の方が圧倒的に大きいので、低くタックルに入り続けようとしていました。

――その点に関しての評価はいかがですか

結局、高くタックルに入って受けてしまったので、そこは修正していかないといけないと思います。

――スクラムの手応えを教えてください

最初組んでみて全然駄目で、レフリーや相手との駆け引きができずに苦戦したのですが、後半は改善できたのでそれは今後につながると感じました。

――ブレイクダウンについてはいかがでしたか

高く入ると駄目でしたが、低く入れば問題ない相手なので、意識していきたいと思います。

――後半はチームとしてSHにサイドを抜かれる場面が目立ちましたが、原因はどのようなところにあるのでしょうか

SOに意識がいき過ぎていて、SHに意識がいっていなかったからだと思います。

――試合後にチームで話したことがあったら教えてください

この一週間は練習の雰囲気自体も悪かったので、Aチームに上がるためではなく、自分たちが強くなるために練習が必要だということを話しました。

――リザーブに入っている翌日の高麗大戦へ意気込みをお願いします

きょうできなかったことを全て取り返して、スクラムも圧倒したいと思います。

ロック河野秀明(創理3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

自分たちのミスから崩れてしまったという印象がありますね。やはり前半に流れをつかみきれなかったので、そこが敗因かなと思います。

――スクラムを組んでみた感想はいかがでしたか

しっかり自分たちのスクラムを組めたときは、ちゃんとボールも出ていたのですが、こっちが万全の状態じゃなかったときに相手に押し込まれてしまっていたので、そこは改善していかなければならないと思います。

――課題は見つかりましたか

課題はいろいろあるのですが、全体的に雰囲気をにぎやかにというか、勢いを持って攻めることができればと感じています。トライされた後などは少し暗くなってしまっていたので、そこをみんなで盛り上げてプレーして、自分たちから積極的に勢いのある試合ができればいい試合ができるかなと思います。

――激しいポジション争いについてはどうお考えですか

ロックとしての仕事をしっかりやりきれれば、後藤監督(禎和、平2社卒=東京・日比谷)からの評価も上がってくると思います。ですが、まだできていない部分もたくさんあるので、そこは日々の練習からちゃんと身に付けていきたいです。

――今シーズンの意気込みをお願いします

最初はAチームで出場することができていたので、ポジション争いが激しいって言っても、昨季の方がもっと激しかったと思いますし、今季がチャンスだと思っているので頑張っていきたいです。

SH吉岡航太郎(スポ1=国学院栃木)

――試合を振り返って感想をお願いします

前回Bチームで初めて試合に出て、そのときの反省点をもとに頑張ろうと思っていました。反省点であるディフェンスは前回よりよくなったと思うのですが、今回はアタックの方で反省点が出て、自分の球さばきが遅かったところがあって、特にチャンスの場面でミスが目立ったので、次の試合で改善したいと思います。

――反省点をどのように改善していくつもりですか

球さばきが遅いのは、スタミナが無くて中盤ばててしまって、ポイントに寄るのが遅くなってしまうのが原因なので、日頃のフィットネスやランニングメニューを頑張りたいと思います。

――初のスタメンとなりましたが、感想をお願いします

ベンチスタートよりも緊張感が違いますし、1年生ながらワセダのBで出してもらっているので、期待に応えられるように頑張ろうと思いました。

――チームのほかの選手との連携はいかがですか

先輩たちは優しくて、ミスをしても励ましてくれたりするので、プレーしやすい環境でやらせてもらっています。

――後半の試合を見ていてどのようなことを感じましたか

後半は攻める時間が少なくて、ずっと攻められていたので、ずっとボールを持ち続けないと勝てないなと思いました。

――今季の意気込みをお願いします

Bチームに定着して、Bチームで安定感のあるプレーができるようになりたいです。そして、AチームのSHも目指していきたいです。

FB門田成朗(法3=埼玉・早大本庄)

――試合を振り返っていかがでしたか

初めてBチームで明大Bとやったのですが、楽しかったです。

――明大Bが相手ということで、どのようなことを意識して臨みましたか

(明大Bは)FWの体が強いので(早大Bの)FWを前に出してあげようということと、フィールディングをちゃんとしようということでやりました。

――バックスリーとしてのプレーを振り返っていかがでしたか

FBとしては最後で抜かれることが何回もあって、タックルに入れていなかったので修正したいと思います。

――この試合で見えた課題はありますか

タックルですかね。ハンドオフで(相手に振り切られるほど)高かったです全部。

――FBとして後ろから見ていて気になったことはありますか

ブレイクダウンで(ボールが)出なかった部分があったと思います。

――最後に今後の意気込みをお願いします

きょうは早大本庄(の出身者)で4人出ていて、早大本庄出身者は6人、新入生を含めればそれ以上いるので、みんなでAチームに出れるよう頑張りたいと思います。

SH山岡篤樹(教3=東京・本郷)

――試合を振り返って感想をお願いします

ブレイクダウンのところで受けてしまって、ディフェンスも1対1のところで全部受けてしまいました。そこで自分たちのラグビーをさせてもらえなかったという印象です。

――ブレイクダウンの圧力は感じましたか

体は僕たちの方が小さいのでそこを低く強くいかなくてはいけなかったところを受けに回ってしまいました。そこが反省点でしたね。

――前半を外から見ていてどのように感じましたか

前半は自分たちでも圧力をかけられる場面があって、ボールをさばける状況ができていたと思います。後半になったらスイープする人が一人しかいなかったり、二人いても相手を止め切れなかったりすることが増えてターンオーバーされてしまいました。

――後半はタックルをし続ける展開になってしまいましたが、その部分はいかがですか

帝京大とかと同じで強い相手に対しては一人では勝てないところもあるので、ディフェンスだったらダブルタックルで二人で止める意識を持ってやらないといけないのに、全部一人でタックルしなくてはならない状況を自分たちでつくってしまいました。もし一人が相手一人を止めたらボールが出せますが受けてしまったのでターンオーバーにつながったりしてしまいました。

――ご自身のトライシーンを振り返っていただけますか

ペナルティーをもらったらすぐ(クイックスタートで)行くということは試合前から言っていたのでそれを実践しただけですね。僕が取ったのはたまたまというところです。

――SHのポジション争いが激しさを増してきましたね

SHはパスが命だと思うのでそれを究めていかないと一平(岡田、スポ3=大阪・常翔学園)だったり、平野さん(航輝、スポ4=長崎南山)には勝てないと思うのでそこを突き詰めて上を狙っていこうと思っています。