開幕戦、好スタートを切る

ラグビー男子

 ついにBチームの春シーズンの戦いも幕を開けた。初戦の相手は大東大B。早大Bは序盤こそ押され気味の展開だったが、終始安定したプレーを見せる。「練習でやってきたことは部分的にはできている」とSO浅見晋吾(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がチームを評価するように、最終的に6トライを挙げ、今シーズン開幕戦を勝利で飾った。

 大東大Bのキックオフで始まった前半は、開始早々ペナルティーを犯してしまい、嫌な立ち上がりとなる。そのまま相手に流れを持っていかれ、7分には先制点を許してしまった。その後、素早いパス交換から鮮やかに抜けたCTB秋吉孝一(文構4=埼玉・早大本庄)がインゴールを陥れ同点に追いつくも、しばらく一進一退の攻防が続く。試合が再び動いたのは前半32分のことだった。インゴール手前で浅見が華麗なキックパスを放つと、うまく反応したのはWTB山川慶祐(社2=東京・早実)。左中間に飛び込みチームに勝ち越し点をもたらした。ここから流れをつかんだか、ピンチの場面が目立った序盤とは一転、キレのあるプレーで積極的にチャンスをつくる。終盤にさらに12点を追加し、24-7で前半を折り返した。

ゲームキャプテンの丹野は何度もラインブレイクを果たした

 迎えた後半。大きくメンバーチェンジした影響か、大東大Bの力強いアタックに攻め込まれてしまう。それでも息の合ったディフェンスでなんとか耐えしのぎ、10分にはターンオーバーからキックで一気に敵陣に近づいた。しかし、「ミスやペナルティーが多くて、そのせいで自滅みたいな展開になってしまった」とゲームキャプテンのCTB丹野怜央(教4=北海道・札幌山の手)が語るように、大事なところでミスを連発。なかなか得点につなげることができない。31分には自らのミスをキッカケに失点を喫してしまった。とはいえ、このまま終われない早大Bは3分後、敵陣22メートル付近のラックからスピードのあるパス回しでディフェンス網を突破。最後はロック寺川賢太(スポ3=福岡)がとどめのトライを決めた。

的確なゲームメークで攻守の起点となった浅見

 最終スコアは38-12。課題を残したものの、大事な初戦を白星で終えた。次週の相手は強力なFWを擁する明大B。後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)も「現時点での実力が来週測れると思います」と語るように、早大Bにとってはヤマ場となる戦いである。春シーズンは始まったばかり。今後どのように課題を改善していくのか、Bチームの底上げに期待したい。

(記事 田々楽智咲、写真 藤巻晴帆)

◆藤田がハットトリックの活躍

 日本代表は2015年のワールドカップ出場権を懸けて争う、アジア五カ国対抗2014に参戦中。その初戦であるフィリピン戦にWTB藤田慶和(スポ3=東福岡)が先発フル出場を果たした。高温多湿のコンディションの中行われた試合だったが、藤田はその影響を感じさせずに躍動。前半20、39分と後半16分にトライを奪い、ハットトリックを達成。99-10での勝利に貢献した。代表で3トライ以上をマークしたのは自身の日本代表初試合である、アジア五カ国対抗2012のUAE戦以来の2度目。また、この試合ではOBのCTB村田大志(平23教卒=現サントリー)が代表としての公式戦でデビューを飾った。

練習試合
早大B スコア 大東大B
前半 後半 得点 前半 後半
24 14
38 合計 12
【得点】▽トライ 佐田、河野、山岡、山川、秋吉、寺川 ▽ゴール 浅見(3G)、広瀬(1G)
※得点者は早大Bのみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
佐田 涼祐 社2 東京・早実
周藤 直也 社2 東京・早大学院
  後半0分交代→16貝塚    
渡瀬 完太 商3 東京・早大学院
  後半32分交代→17庄村    
河野 秀明 創理3 東京・早実
桑野 詠真 スポ2 福岡・筑紫
  後半0分交代→19寺川    
吉田 有輝 人4 大分舞鶴
仲元寺 宏行 社3 広島・尾道
  後半32分交代→18千葉巧    
五十嵐 隆介 教3 埼玉・早大本庄
山岡 篤樹 教3 東京・本郷
  後半0分交代→20吉岡    
10 浅見 晋吾 スポ3 神奈川・桐蔭学園
  後半32分交代→21広瀬    
11 山川 慶祐 社2 東京・早実
  前半32分交代→22今岡    
12 秋吉 孝一 文構4 埼玉・早大本庄
  後半0分交代→23盛田    
13 ◎丹野 怜央 教4 北海道・札幌山の手
  後半0分交代→24高橋    
14 山本 龍平 商4 東京・都武蔵
  後半20分交代→11山川    
15 門田 成朗 法3 埼玉・早大本庄
リザーブ
16 貝塚 隼一郎 政経3 埼玉・早大本庄
17 庄村 光史 スポ4 大阪・早稲田摂陵
18 千葉 巧也 スポ4 宮城・仙台三
19 寺川 賢太 スポ3 福岡
20 吉岡 航太郎 スポ1 国学院栃木
21 広瀬 泰斗 政経2 東京・早大学院
22 今岡 晃大 商3 東京・早大学院
23 盛田 志 スポ3 広島・尾道
24 高橋 駿 文構2 東京・早実
※◎はゲームキャプテン、監督は後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――試合を振り返って総括をお願いします

言い訳するわけではないのですが、年々層が薄くなってきているという中で、現時点ではあれぐらいなのかなと思いました。メンバーが大きく変わった後半に得点力が伸び悩んだのは変わったメンバーに要因があると言わざるをえないです。そこについては出たメンバーが反省してほしいです。

――前半についてはうまくいったと思いますがいかがですか

基本的にはAチームと一緒だと思います。強くて大きい相手にBチームも引きずられたり、走られたりはしているので。いまの時期だからしょうがないですけど、もう少しチームとして隙がないレベルに持っていきたいです。

――評価できる点はありましたか

吉岡(SH航太郎、スポ1=国学院栃木)じゃないですかね。良かったと思います。

――明大B戦について一言お願いします

明大のBは相当強いと思っています。ここでBとCチームがどの程度できるかというところでBチームの試合には注目します。現時点での実力が来週に測れると思います。

CTB丹野怜央ゲームキャプテン(教4=北海道・札幌山の手)

――試合を振り返って一言お願いします

ミスやペナルティーが多くて、そのせいで自滅みたいな展開になってしまったので、そこが良くなかったなと思います。

――ペナルティーを多発してしまったのはどのようなことが原因だと思いますか

オフサイドの反則が多くて、我慢しきれなかったので、規律の部分に問題があったのかなと思います。

――ゲームキャプテンとして心掛けたことがあったら教えてください

練習でやってきたことを出そうということ、あとはみんなでコールしていこうということです。

――この試合のBチームの雰囲気はいかがでしたか

すごくいい時とあまりよくない時の調子の波があって、トライできた時は非常にいい波が来ていたと思うのですが、悪い時間帯は悪い練習の流れが出てしまったなと思います。

――ディフェンスの出足が鋭かったように見えましたが試合前から狙っていたのでしょうか

そうですね。以前から意識しようと話していたように、FWが前で止めてくれました。ただもう少しダブルタックルに入ってターンオーバーをしたかったので、そこはもう一段階上までやりたいなと思います。

――タックルの精度に関して手応えを教えてください

連携が取れていなくて抜かれた部分はあったのですが、精度自体はそこまで悪くないと思います。

――自身のアタック面を振り返ってみていかがですか

接点で前に出ることができたのでよかったのですが、その後にミスが出たことがもったいないので、もう少しダウンボールまでできればなと思います。

――途中から出場したAチームの試合の感想を教えてください

やはりAチームのスタメンで出て帝京大を倒すことが目標なので、ちょっとしか出られなかったとはいえ、一つステップアップできたのかなと思います。Bチームの試合が良くなかったので何とも言えないですが、楽しめました。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

メンバーがどうなるか分からないのですが、明大も高麗大もFWが強いチームなので、そこで引かずにしっかり勝って、上に行けるよう頑張ります。

SO浅見晋吾(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

――この試合を振り返って一言お願いします

風もあって、エリアを取ろうという意識はあったのですが、エリアがあまり取れなかったのでみんなを苦しめてしまったかなと思います。

――チーム全体ではいかがでしたか

練習でやってきたことは部分的にはできているので、そこは良いと思います。

――前半32分のWTB山川慶祐選手(社2=東京・早実)へのキックパスについてはいかがでしたか

たまたまです。

――後半からSHが吉岡航太郎選手(スポ1=国学院栃木)に代わりましたが、コミュニケーションなどはどうでしたか

そこはまだできていない部分があって、僕が引っ張っていかないとだめなので、もっともっと呼んで引っ張っていきたいと思います。

――Aチーム昇格へ向けて、アピールしていきたいところを教えてください

僕の課題であるディフェンスだけに絞って頑張ります。