ジャパンオープン2024 3日目 12月1日 東京アクアティクスセンター
ジャパンオープン最終日。社会人選手や外国人選手もいる中で、大学生以下の選手が多く表彰台に立ち、若手の活躍が見られた。この日早大からは8人が決勝・B決勝に登場した。加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)が今大会2個目の銀メダルを獲得。パリ五輪を経験した松本信歩(スポ4=東学大付)はこの日、得意とする200メートル個人メドレーと100メートルバタフライに出場したが、どちらも表彰台には届かず悔しい結果となった。
200メートル個人メドレーB決勝で1位を獲得した松本
★加藤がこの日も銀メダル獲得
1日目の100メートルで銀メダルを獲得した平泳ぎの新星・加藤が、200メートルの決勝に登場。序盤から抜け出すとそのまま前半100メートルはリードを保つ。しかし150メートル手前から楠田夢乃(中央大)が追い上げ、体半分ほどのリードを許す展開に。残り25メートルから加藤もギアを上げその差がほとんど無くなるが、わずかに及ばず2着となった。100メートルとともに今大会で2つの銀メダルを獲得した加藤だが、「優勝が一つもできなかった」と悔しさを滲ませた。
表彰される加藤(写真左)
★松﨑、青木は表彰台を惜しくも逃す
400メートル、800メートルに続いて、1500メートル自由形決勝に松﨑りん(人2=東京・日大二)、青木虹光(スポ1=群馬・明和県央)が出場。1組目に登場した松﨑は前半からテンポよく入り、あっという間に周囲を突き放してトップに。最初の100メートルを過ぎると、その後100メートルごとのラップタイムをおよそ1分7秒で刻み続ける、非常に安定感のある泳ぎで周囲の追い上げを許さなかった。ラスト50メートルで強いキックを入れ、全体4位でフィニッシュ。2組目に登場した青木は速いストロークテンポで、実力者のそろうなか4位につけその位置を保つ。400メートルを過ぎると徐々に先頭から離されるが、それでもテンポを落とすことなく、後続から逃げ切り全体5位で泳ぎ切った。表彰台を惜しくも逃したが、3日間タフなレースをこなした。
テンポを落とすことなく泳ぎ続けた青木
★船越は悔しいB決勝、亀井は表彰台あと一歩逃す
50メートル自由形に出場した船越彩椰(スポ3=東京・淑徳巣鴨)は、予選が8位タイとなったため決勝進出をかけてスイムオフに臨むことに。緊張感のあるスイムオフだが、わずか0.06秒差で及ばず決勝進出を逃し、B決勝に出場することとなった。B決勝はスイムオフからタイムを上げられず、4位でのフィニッシュとなった。亀井涼子(スポ3=東京・淑徳巣鴨)は100、200メートルに続き今大会3種目目の50メートル背泳ぎに登場。「思ったより速かった」と予選からタイムを大きく上げたが、表彰台にはわずかに及ばず4位に終わった。
B決勝のスタート台に立つ船越
全日本学生選手権(インカレ)を終え、オフを挟み強化期間のなか臨んだ今大会。タイムが上がりにくい時期だが、選手たちは世界大会の代表選考を兼ねた3月の日本選手権に向け着々と準備を重ねている。3月にその努力が花開き、さらなる高みで選手たちが輝くことを期待したい。
(記事・写真 神田夏希)
結果
◇予選
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分16秒31【9位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
木崎京香 2分23秒45【41位】
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 29秒11【4位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
水野柚希 29秒50【12位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
柴田菜摘 棄権
女子50メートル自由形
船越彩椰 29秒11【4位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
男子50メートル自由形
山口遼大 22秒99【19位】
女子100メートルバタフライ
松本信歩 59秒97【7位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
男子100メートルバタフライ
新開誠也 53秒64【16位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本選手権突破
女子200メートル平泳ぎ
加藤心冨 2分30秒11【4位】決勝進出、JAPANOPEN突破
男子200メートル平泳ぎ
松田藍青 2分16秒40【29位】
◇B決勝
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分14秒60【1位】
女子50メートル背泳ぎ
水野柚希 29秒79【8位】
女子50メートル自由形
船越彩椰 26秒20【4位】
男子100メートルバタフライ
新開誠也 53秒29【6位】
◇決勝
女子1500メートル自由形
松﨑りん 16分44秒78【4位】自己ベスト
青木虹光 16分49秒54【5位】
男子800メートル自由形
飯田光達 8分13秒94【26位】自己ベスト
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 28秒87【4位】
女子100メートルバタフライ
松本信歩 59秒80【7位】
女子200メートル平泳ぎ
加藤心冨 2分26秒06【2位】
コメント
亀井涼子(スポ3=東京・淑徳巣鴨)
――今日の泳ぎを振り返って良かった点や課題点はありましたか
本大会は結構強化期間の中で、タイムは思ったより速かったんですけど、やっぱちょっと体の重い感じが出ちゃってたかなと思います。
――今大会はどのような目標をもって臨まれましたか
今大会本当のメインは1番最初の100メートルで。100メートルと50メートルが速くなれば、本命も速くなってくると思うという理由で、普段はやらない200メートルも出場したんですけど、この時期にしてはある程度の最低ライン、及第点は与えられるかなと思います。
――今後の意気込み
私の今目指してるところは3月の日本選手権なので、 目指すところはちゃんと自分の及第点ではなくて、 合格点を与えられるようなタイムで泳げたらいいなと思います。
新開誠也(スポ2=鹿児島情報)
――今日の泳ぎを振り返って、良かった点や課題点はありましたか
朝から体がきついって感じされました。B決勝は選挙戦とか動画見て、 後半のラスト2、5を粘れるようにっていうとこで、アップは意識してやりました。
――今大会に向けてどのように調整をしてきましたか
僕自身、インカレ終わってから初の試合ということで、インカレとオフからの復帰戦ということで、ちょっとでもいい結果が出せればなと思って挑んだんですけど、200の方が思ったよりのタイムで、ちょっと悔しい気持ちはあったんですけど。100はちょっと切り替えて頑張れたので良かったなって思うんですけど、今大会はどちらかと言ったらあんまり調整せずっていうか、練習しながらの試合だったので、ちょっと疲労はあったんですけど、その中でいないのではけたかなと思います。
――今後の意気込みをお願いします
これから次の大きな試合は3月の日本選手権の代表選考会になってくるので、そこでしっかりと来年あるユニバーシアードの代表に入れるように、残りの3ヶ月弱、ちゃんと強化して挑めたらなと思います。
加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)
――今大会を振り返って
全体的に見たらベストが出なくて、100と50は自分の泳ぎができなくて優勝も1つもできなかったので悔しいです。
――今大会の課題は
200で言ったら、前半はいい感じに最近は入れてきているんですけど、150メートルがやっぱり苦手なところなのでそこを強化したいです。今大会ではちょっとひとかきひとけりがうまくできなかったので、プールの練習環境が変わって、ひとかきひとけりがうまくできない期間が長かったので、そこで離されてしまったことが課題です。
私の苦手な部分としては、当日に調子が悪いときに調子が悪くても頑張りきるっていうのがあまりうまくできないので、そこを修正していきたいです。楠田さんや小畠さん(小畠優々美、神奈川大)にも今大会では負けてしまっているので、青木さん(青木玲緒樹、ミズノ)や鈴木さん(鈴木聡美、ミキハウス)に勝つこともそうなんですけどやっぱり同い年のライバルに勝ったり負けたりしてしまっているので勝ち続けられるようにしたいです。
――次に目指すところは
3月の選考会で100も200も優勝して、世界水泳の代表に選んでいただけたらと思います。