早慶戦は慶應に白星 早大悔しくも二連覇ならず

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第43回早慶定期戦 11月9日 神奈川・慶應義塾大学日吉記念館

 第43回早慶定期戦が開催され、個人トーナメント、女子エキシビジョンマッチ、本戦が行われた。3分間3本勝負の今大会、個人トーナメントでは中西崇仁(国教3=清華インターナショナル)寺内優貴(文2=千葉・成田国際)、近藤友樹(商1=神奈川・県立湘南)、大場康生(国教2)が2回戦に進出するも、早大の選手が3回戦に進むことはなかった。女子エキシビジョンマッチでは1勝1敗で引き分けたが、本戦は1勝5敗1分けで幕を下ろした。

 本戦メンバーに入らず出場機会が限られる選手が主に出場する男子個人トーナメント。早大からは6人の選手が出場し、そのうち4人が2回戦に進出するも、3回戦に進出する選手はおらず、思いがけず準決勝、決勝はすべて慶大同士の対決を見守る展開となった。女子は慶大から1人、早大から2人を出してのエキシビジョンマッチが行われた。鎌田琴未(スポ3=東京・日本女子大附属)は敗戦を喫するも、井上晴未(政経3=神奈川・山手学院)は開始14秒で胴突き一本、そのさらに6秒後鋭い面突きで一本。20秒で試合を決着する鮮やかな試合展開を見せた。

面突きを放つ井上

 

 昨年は4勝3敗で勝利した早慶戦本戦であったが、先鋒・藤原圭希(法3=東京・城北)が開始17秒で下されると、その後次鋒・松崎滉生(法4=埼玉・早大学院)が二本を先取し勝利したほかは敗戦、引き分けが続く厳しい展開となった。参鋒・井澤嵩斗(法2=東京・芝)は何度も抑え込まれる場面が続き、幾度かは耐えたもののそのまま二本の面突きを許し敗れる。続く橋口翔平(人4=鹿児島中央)は果敢に攻めるも決定打を打ち出せず、拮抗した展開のまま引き分けた。その後田中芳和(教2=山梨)も井澤と同じく抑え込み面突きで屈し、能藤雅智(文4=東京・朋優学院)は面横蹴りを繰り出すなど慣れない動きをする相手に対し奮闘するも敗れ、ここに早大の敗北が決定した。敗北が決定したなかでの大将戦となった今回の早慶戦。一矢報いるべく大将戦に臨んだ大将・金田空大(教4=大阪明星)であったが、開始19秒で抑え込まれると面突きをくらう。しかしその11秒後、相手の攻撃をかいくぐり放った胴突きで一本を返す。1対1になり勝負の行方はわからなくなったと思われたが、その後は抑え込まれる場面が増え、ついに残り時間1分17秒、2度目の抑え込み面突きを決められ、大将戦は早大の負けで決した。最終的なチームとしての結果は1勝5敗1分で昨年の勝利に続くことはできず、早慶戦は幕を下ろした。

相手に攻め入る橋口

 

 個人トーナメント、本戦ともに大差をつけられ敗れた早大。しかしながら3週間後には全日本学生拳法選手権も迫っていて立ち止まっている時間はない。4年生にとっては自分達が主役であると同時にどんな結果になっても競技人生の集大成となる大舞台である。今大会で見えた課題を糧に個としてもチームとしても磨きをかけ、最後の瞬間まで走り抜けていってほしい。

※掲載が遅れ、申し訳ありません。

(記事・写真 小川ゆりえ)

コメント

金田空大主将(教4=大阪明星)

――早慶戦を振り返ってみていかがでしたか。

一言でいうと最悪です。早稲田と慶應の力量の差はオーダー次第で勝ったり負けたりする程度だと思いますが、今日のオーダーを見ても5対1で負けてしまう試合になるとは想像していませんでした。また、個人的に同じレベル感の相手に負けてしまったことは非常に悔しいです。

――ご自身の大将戦を振り返ってみていかがですか。

勝ちたかったです。勝てた試合だと思いますし、もっと恐れずに攻めていれば結果は違ったのかと思います。

――全日本学生拳法選手権大会が迫っていますが、チームの状態はいかがですか。

僕のイメージとしては、4年生が強くて2,3年生がそれを支えるという形になっていると思います。そのため、4年生が負けたり引き分けになってしまうと全体の調子が崩れていってしまうので、4年生は絶対に負けないように残りの期間で頑張っていきます。

――前回の取材から今回の取材までの夏の期間にはどのような練習を行いましたか。

コンビネーションや基本のウィットを増やすことに重点をおいて取り組んでいました。

――今回の大会で見えた課題などはありますか。

緊張した場面や白熱した試合に弱く、勝ちきれない選手が多いことが課題だと思います。メンタル面において最後の最後に負けてしまうということがあるので、厳しいメニューをこなすなどで鍛えられるのではないかと考えています。

――最後に全日本学生拳法選手権大会への意気込みをお願いします。

今回の早慶戦では自分としても恥ずかしい試合をしてしまったので、全日本選手権では個人的には全勝を目指し、チームとしては少なくとも3位以内に入れるように頑張りたいと思っています。

井上晴未選手(政経3=神奈川・山手学院)

――エキシビジョンマッチで快勝しましたが、今の気持ちを聞かせてください。

勝てる試合ではありました。男子は負けてしまったので複雑な気持ちです。

――全日本学生拳法選手権大会が迫ってきましたが、チームの状態はいかがですか。

(メンバーは練習に)出席してくれているし、バチバチしています。男子は副将も頑張っていて練習メニューなども工夫してくれているので、練習の参加率を上げていけば、行けるんじゃないかと思います。

――女子は夏の期間中、どのような練習をしていましたか。

夏休みは半分ぐらいオフでしたが、女子はその間も自主練として四人で集まったり集まらなくても自分で来ている人が多く、その間に土台を固めて秋シーズンでも東日本で勝てたので、その土台固めが良かったのだと思います。

――今回の戦いで見えた課題などはありましたか。

相手によって戦い方を変えるのが下手だなと思いました。前回の戦いで名古屋の全国で(体格の)でかい相手とやってきたんですけど、その戦い方でやろうと思ったら、最初ショートで一回食らってしまったので、相手の情報を仕入れて対策しなければと思いました。

――最後に全日本学生拳法選手権大会への意気込みをお願いします。

女子は全日本優勝したことないんですけど、今回トーナメント(の組み合わせ)がいいので本気で優勝する気で頑張っていきます。