大盛況の早慶戦で連勝記録を更新!4年生は笑顔で引退へ

女子ハンドボール

早慶定期戦 11月24日 神奈川・慶應大学日吉記念館

 今年度集大成となる早慶定期戦が慶應大学日吉記念館にて開催。引退する4年生にとってはラストゲーム、負けられない決戦となった。試合は、早大が序盤から点数を次々と重ね、大量リードを見せる。4年生ペアがスカイプレーで点を決めるなど会場は熱気で溢れた。目標としていた全員得点は惜しくも達成できなかったものの、最後までチーム全員が一丸となり29ー12で試合終了。2024年の戦いを全て終え、選手たちはさまざまな表情を見せた。


盛り上がりを見せるベンチ

 この日は、長い期間けがで苦しんだ木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)と鶴田文乃副将(スポ4=山梨・日川)が共にスタメンで出場。開始50秒、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)のゴールで幕を開けると木村や大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)もそれに続き早大が5連続得点を決める。しかし慶大ももちろん黙ってはいない。粘り強いセットオフェンスからのシュートやGKの固い守りで早大の攻撃を阻止。それでも、「他の人のためにという感じでゲームを作っていけたら」と語っていた井橋の的確な指示により、終始早大は安定感のあるオフェンスを見せた。山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)の強烈なミドルシュートや石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)の速攻などで点数を稼ぐと、さらに山野が獲得した7メートルスローでは春季リーグ(関東学生春季リーグ)からリハビリに専念していた山田梨央副将(スポ3=千葉・昭和学院)が登場。集中した表情でゴールネットを揺らすとメンバー全員の笑顔が弾けた。前半終了間際には、後藤明香里(スポ3=東学大付)と小原彩理(スポ3=東京・成蹊)もそれぞれサイドシュートを決め、目標としていた全員得点に向けて好発進を切った。


サイドシュートを決める小原

 大量リードの中迎えた後半、堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)も俊敏な動きでシュートを何度も止め慶大に得点を与えなかった。木村が速攻で点数を量産する中、ボールはサイドの鶴田の元へ。右サイドから大きなパスを木村へ回すと木村はそのまま華麗なスカイプレーを決める。同期ながら、今までほとんど共にコートに立つことが叶わなかった2人の息の合ったプレーに会場全体が歓喜に包まれた。後半16分には山野がレッドカードを受け退場という悔しい事態もあったが、木村を中心に最後まで全員が声を出し続けた。早慶戦でしか見ることのできない華やかかつ迫力のあるプレーを余すことなく発揮し試合は終了。17点差という大差で早慶戦連勝記録を20に伸ばした。


終始的確な指示を出し続けた井橋

 試合終了後には達成感や喜び、悔しさなど様々な感情がコートに残った。伝統の一戦を圧巻の勝利で終えた早大。これまでのハンドボール人生の集大成となる4年生の熱い思い、4年生のためにという下級生の思いが集結し、普段の試合とは違う特別な空気が漂ったゲームとなった。今年度は、リーグ戦での3位以内やインカレ(全日本学生選手権)でのメダル獲得など成し遂げられなかった目標もあった。ただ、創部以来の快挙、強豪校からの白星など多くの輝かしい結果を残したのも確かだ。木村主将率いるチームはこれで幕を下ろすが、さらなる高みを目指し早大女子ハンドボール部はこれからも走り続ける。


大会MVPを獲得した木村

 (記事 大村谷芳 写真 三浦佑亮、林朋亜)

結果
早大29ー12慶大

前半 
早大17-5慶大

後半
早大12-7慶大

スタメン
GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)

LW木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)

LB山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)

PV石坂美紀(スポ2=千葉・昭和学院)

CB井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)

RB杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)

RW鶴田文乃副将(スポ4=山梨・日川)

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