安定した走りで準優勝に輝くも、王座奪還はならず

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前日までの雨が上がり、季節外れの暑さとなった三重・鈴鹿サーキットで全日本学生自動車運転競技選手権(全日本フィギュア)が開催された。早大自動車部からは安達悠人(社4=早稲田渋谷シンガポール)、宮崎巧郎(法4=富山・高岡)、石津周都(商4=東京・早大学院)、平石大智(基幹4=群馬・太田)の4名が出場した。団体は準優勝となり、個人では安達が部門内にて優勝に輝いた。またシーズン優勝となる全日本学生自動車連盟年間総合杯(全日本総合杯)は僅差で慶大に譲った。

 

車両前方を確認する石津

「全日本総合杯奪還」今年度の早大自動車部の取材を通して幾度も聞いた言葉だ。全日本総合杯とは自動車競技3競技の全日本戦の順位をポイント化し、最も多くのポイントを獲得した大学に授与される。早大は一昨年に獲得するも、昨年は慶大に譲る結果となった。そして奪還を目指す今年の早大自動車部の勢いは凄まじい。全3戦の全日本戦を2戦終えた時点で1位。すぐ後ろに慶大が迫るも、優勝に最も近い場所で全日本フィギュアに参戦した。

 

貨物の部に出場する宮崎

乗用の部に出走したのは3回目のフィギュア出場となる安達。これまでの出場では気持ちの面で負けることもあったため、ウォームアップの時間には他の選手よりも多く車を動かして、気持ちを整えた。小さな修正があったものの減点の少ない落ち着いた走りを見せ、優勝タイムを叩き出す。同じく乗用の部で出走した石津は全日本学生自動車連盟にて運営をしており、今大会が選手として最初で最後の公式戦。出走直前に他大選手が良いタイムを出して揺さぶられるも、目標であった「減点のない走り」を貫き準優勝のタイムを出す。

 

貨物の部では今大会に向けて万全の準備をしてきたという宮崎が出走。落ち着いた走りでゴールするも、タイムでは優勝に一歩届かず「実力で負けたため悔いはない」と話し、最後の公式戦を終えた。最後に主将の平石が貨物クラスに出走。練習で行っていた走りを再現でき、選手人生を通しての課題であった「本番で踏めない」走りを覆す好タイムであった。しかし操作のラフな部分で減点があり3位という結果になった。

出走を待つ平石

早大の男子団体順位は準優勝、慶大が優勝に輝いた。そして慶大が総合点でもトップに立ち、早大は全日本総合杯奪還にあと一歩、及ばなかった。この結果について主将の平石は「悔しい」と話すと同時に、「ここまで来れたのも、チームの皆やOBOG、家族の支えがあってのことなので感謝したい」と今年を振り返った。全日本総合杯を惜しくも逃した早大自動車部だったが、来年度の王座奪還を目指して鍛錬を続ける。

今年度を走り抜けた早大自動車部

(記事・写真 大西由雅)

大会結果

▽男子団体の部

準優勝 早大

▽男子乗用の部A

優勝 安達 4分55秒

▽男子乗用の部B

準優勝 石津 5分8秒

▽男子貨物の部A

準優勝 宮崎 5分7秒

▽男子貨物の部B

3位 平石 4分36秒