1ー0の接戦を制し、ファーストリーグのリベンジを果たす/日大戦

アイスホッケー

エイワ杯関東大学リーグ戦 11月17日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ

TEAM 1P 2P 3P
早大
日大
 
▽得点者

 今試合でエイワ杯関東大学リーグ戦(リーグ戦)セカンドリーグの折り返しを迎えた早大。対戦相手の日大はファーストリーグを早大の1つ上の5位という順位で終えており、直接対決では1ー4で敗れている。セカンドリーグでリベンジを果たせるか注目の一戦は、互いに一歩も引かないロースコアのゲーム展開となり、3ピリオドで貴重な1点を先制した早大がそのまま逃げ切るかたちで勝利を収めた。

得点を喜ぶDF棚橋俊太主将(スポ4=愛知・東海)と
FW林幹汰(文4=東京・早実)

 1ピリオドは早大がすぐに先制するかのような勢いのある始まりだった。開始早々から積極的な攻撃姿勢で日大ゴール前まで迫る。スピード感のある力強いパスワークで日大を翻弄(ほんろう)しながら丁寧な攻撃を見せた。しかし4分にペナルティーをもらって以降はその勢いがわずかに落ち着き、逆に日大が隙を狙って早大ゴール前まで攻め入るように。序盤の丁寧な攻撃に比べると勢いに任せたつながりのない攻撃も垣間見えた。それでも1ピリオドを通して早大がパックを支配する時間は長く、前線からパックを奪取して攻撃につなげようという果敢な姿勢を続けた早大。このピリオドは無得点で終わったが、2ピリオドにつながる攻撃を見せた。

 2ピリオドも序盤から早大が好機を作っていた。日大ディフェンスを置き去りにしてゴールキーパー(GK)と1対1で勝負する場面も度々訪れるが、この得点機も決められない。さらに2ピリオド4分にはカウンター攻撃でシュートまでつなげるプレーが、6分には#16が自陣から運んで、日大ディフェンスが整う前に#13にパスをしてシュートするプレーがあったが、ここも得点にはつなげられなかった。何度も好機を逃した早大に対し、逆に何度もピンチを切り抜けた日大は、ディフェンスからチームが盛り上がる。ここまで互いに譲らず、無得点ゲームを続ける両チームの試合は白熱していった。最終的にこのピリオドも0ー0のまま終了し、勝負の行方は3ピリオドに託された。

パックを運ぶFW林

 迎えた最終ピリオド、均衡は意外にも一瞬にして破られた。FW清水朝陽(社3=北海道・武修館)とDF棚橋主将のアシストで、FW林が日大GKの股下を通すシュート。3ピリオド開始から24秒、立ち上がりで動きが鈍っていた日大をついに仕留めた。1点の重みが増していく中、価値ある先制点を挙げた早大の選手たちは、喜びの感情をあらわにした。その後は日大の猛攻をGK大塚斗琶(スポ1=北海道・苫小牧中央)が何度も好セーブし、得点を許さない。9分の日大のタイムアウト後も流れを渡さず、1点のリードを守り続ける。さらに残り1分18秒に早大がペナルティーをもらってからは、日大GKも上がったため、4人で6人の攻撃を防ぎ続けた。GK大塚はこの時間帯を「精神的にきつかった」と振り返り、最後の1秒まで気の抜けない展開だったが、逃げ切った早大が接戦をものにした。

今試合無失点の立役者GK大塚

 1ー0の接戦を制し、「今日の早稲田の目標」(林)としていたファーストリーグのリベンジを果たした早大。セカンドリーグでは初勝利、ファーストリーグも含めて3勝目を挙げた。リーグ戦も残すは2戦。東洋大と法政大は両校ともにファーストリーグで早大の上をいく強豪だが、ただ「目の前の敵に勝つ、ということを意識」(林)し、2週間後の一戦までチームを高めていく。

(記事・写真 濵嶋彩加)

◆試合後コメント◆
DF棚橋俊太主将(スポ4=愛知・東海)
ーー接戦での勝利でしたが、振り返っていかがですか

 そうですね。1次リーグで負けた相手で、自分たちは6位通過で向こうは5位通過。やっぱり早稲田のプライドというか、日大より下にいくわけにはいかないというところで、そこを試合前から意識して、最後気持ちで勝ちきることができたのかなと思います。
ーー具体的に試合前にチーム内で話したことなどはありますか
 毎回同じことになってしまうんですけど、本当に早稲田のやりたいプレーというのを60分間続けて、自己主張の激しいプレーをあまりせずに、チームが勝つためのプレーを60分間続けようという意識を皆で明確にしていました。
ーー自らもアシストされたと思いますが、第3ピリオド開始早々での得点シーンを振り返っていただけますか
 第2ピリオドまで0ー0で、第3ピリオド最初のパワープレーで何としても得点したいということがあったので、ああいう形で得点につながるとは思っていなかったんですけど、結果として最初のパワープレーで得点することができたので流れ的にも良かったのかなと思います。
ーー第3ピリオド前に話(パワープレー)はあったりしたのですか
 そうですね。ここは絶対(点を)取りきろうということで、一人で持っていって決まるとは思っていなかったんですけど結果的に得点できたので良かったです。
ーーセカンドリーグも折り返しになりましたがキャプテンとして見ていて、チームの完成度はいかがですか
 今日は比較的試合前に確認したことが出来たのかなとは思ったのですが、(得点が)1点しか取れていないので、そこは今後の課題でもありますし、あまり時間もないので。技術的にどうこうできることではないかもしれないのですが、スコアの意識といいますか、もっと点を取って勝てるようにしていかないとなとは思います。

FW林幹太(文4=東京・早実)
ーー接戦でしたが、振り返っていかがですか
 1次リーグで日大に負けているので、リベンジすることが今日の早稲田の目標でした。1ー0という僅差ではありましたが、勝ち切れたことは良かったと思います。
ーー具体的に対策してきたことはありますか
 日大相手だからこういう対策をしようというよりは、自分たちのプレースタイルをすることをもう1度チームで再確認して、それをやっていこうとしていました。上手くいくときとかいかない時がありましたが、結果的に点数に繋がった場面もあったので良かったかなと思っています。
ーー3ピリオド開始早々での得点シーンについて振り返っていただけますか
 相手の足が止まっていたのと、自分がスピードに乗っていたので、勝負するとその瞬時に判断して仕掛けました。結果、1対1に勝てて、ゴールキーパーの股下を通すことができたので良かったかなと思っています。
ーー自分のプレーや活躍を振り返って、その完成度はいかがですか
 完成度はまだ良くありません。今日、3点取るという目標が自分の中であったからです。1点しか取れていないということもそうですし、チームとしても1点しか取れていないというのは、今日の試合で出た課題だと思います。もう少し個人的にもチーム的にも得点力の完成度を上げていきたいなと思います。
ーーリーグ戦は残すところ2試合となります。最後に意気込みをお願いします
 自分は4年生で、リーグ戦があと2試合で終わってしまいます。東洋と法政、相手は関係なく残り2試合で強い気持ちを持って、 順位は気にせず、目の前の敵に勝つということを意識して2週間準備していきたいと思います。

GK大塚斗琶(スポ1=北海道・苫小牧中央)
ーー接戦での勝利、最後まで気の抜けない展開だったと思いますが、いかがでしたか
 ディフェンスを中心に最後まで声をかけてくれて、チーム全体で堅い守りができたので良かったと思います。
ーー固い守りで日大を0点に抑えたことが、最後1-0で勝ち切ることにつながっていたと思いますが、自らのプレーを振り返っていかがですか
 試合全体を通して今日は周りも見れていて、落ち着いてプレーできたと思います。そこは評価したいです。
ーー3ピリオドまでを振り返って、一番きつかった時間帯はどこでしたか
 最後に早稲田が反則をして、相手キーパーも上がっている、6対4の場面が精神的にもきつかったかなと思います。
ーーセカンドリーグに入ってチーム内の雰囲気はいかがですか
 ファーストリーグで思うように結果が出ず、そこからチーム全体でのミーティングやコミュニケーションをするようになりました。チームの雰囲気も良いまま試合を重ねていけているので、この調子をインカレまで維持したいです。
ーー残すところ2試合となりました。目標を教えてください
 東洋と法政、どちらも自分たちより順位が上で強い大学ですが、早稲田のホッケーをして勝ちたいです。