青学大を下し堂々の2部優勝! 勝負の入れ替え戦へ弾み

男子バスケットボール

第100回関東大学リーグ戦 11月3日 千葉・順天堂大学さくらキャンパス

 8月末に開幕した関東大学リーグ戦(リーグ戦)もついに最終戦を迎え、早大は1巡目で敗れた青学大と対戦した。2部リーグ優勝をかけた戦いは序盤から両者譲らない接戦に。第2Q終盤で青学大にリードを許し、8点のビハインドで前半を終えた。その後オフェンスが停滞し点差を広げられるが、粘り強さを見せ第3Q終了間際で逆転に成功する。第4Q後半では相手を寄せ付けない圧巻のプレーを披露し、77-60で勝利。18勝4敗で2部リーグ優勝を果たした。

 早大はG岩屋頼(スポ3=京都・洛南)、F三浦健一(スポ2=京都・洛南)らの連続スリーポイントで先行する。対する青学大もスリーポイントを確率良く決め、第1Qから競り合う時間が続いた。第2Qも拮抗(きっこう)した展開となる。G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)が積極的に仕掛け得点を重ねるが、力強いオフェンスで食い下がる相手を前にペースをつかみ切れない。G飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)が体を張ったプレーでチームを鼓舞するも、第2Q終盤に青学大のオフェンスが波に乗り0-9のランを浴びる。そのまま悪い流れを断ち切ることはできず、33-41で前半を終えた。

スリーポイントを放つ岩屋。個人賞でもスリーポイント王を受賞した

 後半も相手の激しいディフェンスに阻まれ得点を伸ばせない時間が続く。要所でリバウンドを取り切れず、点差を2桁にまで広げられた。2度目の敗北がちらつくが、この日のBIG BERASはこのまま黙って終わらない。F堀陽稀(スポ3=京都・東山)のバスケットカウントでオフェンスに活気が戻ると、勢いそのままに連続得点に成功。残り12秒で試合をひっくり返し、51-50で第3Qを終えた。1点差で迎えた最終第4Q、三浦のレイアップシュートを皮切りに早大オフェンスが爆発。激しいディフェンスから相手のターンオーバーを誘うと、三浦がリバウンドからバスケットカウントをもぎ取り流れは完全に早大ペースに。試合終了までの4分間、相手に一切得点を与えることなく点差を広げ、77-60で勝利した。これにより最終成績を18勝4敗とし、見事2部リーグ優勝。2か月以上にわたる戦いを笑顔ともに締めくくった。

レイアップする堀。得点ランキングでは岩屋に次いで3位にランクインした

 「全員で最後まで粘り強く戦えた」。声とプレーでチームをけん引した飯島主将は、最終節を振り返り1巡目からの成長を噛みしめた。この日中心となって指揮を執った吉祥啓汰学生コーチ(政経3=東京・早実)も「いつも通り選手を信じてやれた」と安堵の表情を浮かべた。2部リーグ1位の称号を手にしたBIG BEARSは、休む間もなく運命の入れ替え戦に挑む。22試合の旅路でつかんだ「優勝」の2文字は、必ずや選手・スタッフたちに自信と勇気を与えてくれるはずだ。「ここまで来た、あとは勝つだけ」と見据えるは山梨学院大との大一番。今シーズンの全てを出し切り、いざ1部の舞台へ。

(記事 三浦佑亮 写真 権藤彩乃)

第100回関東大学リーグ戦 11月3日(VS青学大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大1815182677
青学大162591060

◇早大スターティングメンバー◇

#0 G下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)

#3 G高田和幸(商3=京都・洛南)

#6 F三浦健一(スポ2=京都・洛南)

#18 G岩屋頼(スポ3=京都・洛南)

#77 C石坂悠月(スポ4=東京・国学院久我山) 

コメント

飯島慶記主将(人4=茨城・下妻一)

ーー2部リーグ優勝を決めました。今の率直なお気持ちは
 試合終了直後は喜びが結構出ていたんですけど、終わってからは入れ替え戦のことが頭によぎって。ここから切り替えて、入れ替え戦に向けて頑張ろうという感じです。

ーー後半で逆転に成功しました。意識したことや選手たちにかけた言葉はありますか
 1本の気が抜けたリバウンドとかをやられて、崩れていくのが早稲田で。そういう気が抜けたプレーをせずに「リバウンドしっかり取り切ろうよ」というところと、「全員で粘って1本ずつやっていくしかないよ」という声をかけました。1巡目と本当に違うところは、全員でしっかり粘って最後まで粘り強く戦えたところだったので、ああいう良い流れにできたと思います。

ーー入れ替え戦へに向けての意気込みをお願いします
 絶対、1部に上がります!

三浦健一(スポ2=京都・洛南)

ーー2部リーグ優勝を決めました。今の率直なお気持ちは
 長かったリーグ戦で、最後優勝して終われたのは良かったです。リーグ戦が始まる前から、長い戦いになるからどこかで崩れてしまっても絶対に立ち直って、最後は優勝、1部復帰という目標を掲げていました。1巡目の最後に法大と青学大に負けて、チームとしてもうまくいかなかった時にいろいろと話し合ったし、結果として1巡目に負けた相手にもちゃんと勝って終われたことがチームとしても良かったと思います。

ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか
 自分の課題でもあるファウルのところがかさんでしまって、出場時間に制限をかけられたのが後悔としてありますが、4ピリは仲間がつないでくれたので、そこは自信を持ってやれたのがよかったと思います。

ーー入れ替え戦に向けての意気込みをお願いします
 ここまで来たのであとは勝つだけだし、相手も決まっているので、勝って絶対に1部昇格します。

吉祥啓汰学生コーチ(政経3=東京・早実)

ーー2部リーグ優勝を決めました。今の率直なお気持ちは
 今年は自動昇格がなくて、順位が1位だからといって昇格が決まるわけではないので・・・。でも、やっぱりチームとしていい形で入れ替え戦に臨むためにも、勝って終わることが大事で、それが結果的に優勝という形で終わったので、優勝できたことっていうよりも、この一戦で勝てたことがすごく大きかったかなと思います。

ーー今試合では三原学ヘッドコーチ(平15スポ卒=東京・安田学園)に代わってチームを指揮しました
 三原さんがヘッドコーチになることが決まった段階でこういうことがあるっていうのは聞いていて、先週の順大戦もそうだったんですけど、三原さんがいらっしゃらないっていうのは聞いてたいたので、気持ちの準備はある程度していました。でもあまり気負いすぎずに。三原さんはボトムアップを掲げていて、極論を言えば三原さんがいらっしゃらなくても学生たちで試合ができるような状態を理想としているので、僕はその中の一部に過ぎません。三原さんがいないからといって特別なことをするというより、いつも通り選手を信じてやれたかなと思います。あとは、三原さんとは違って僕も学生なので、選手たちがものを言いやすかったと思います。そこをしっかり聞くことを大事にしました。本音のところ、「疲れた」とか「ちょっとあいつキツいんじゃない」みたいなところは素直に聞いたうえで色々解釈して、選手がいい方向を向けるように少しは導けたかなと思います。

ーー入れ替え戦に向けての意気込みをお願いします
 多分結果を重視しすぎると、相手も強いですし、どうしてもうまくいかない時に余計に苦しくなることが多いと思うので、自分たちがこの22試合ないしは春から積み上げてたものをしっかり出して、自分たちがやってきたバスケットやチームで大事にしているところをしっかり発揮できる試合にできればいいかなと思います。