第36回 関東学生リーグ戦 FINAL4
10月20日 東京・大井ホッケー競技場メインピッチ
Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | EX1 | EX2 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
早稲田大学 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 6 |
明治学院大学 | 1 | 1 | 2 | 2 | 0 | 1 | 7 |
得点者
1Q
鶴見雄太、花井コルトンヘイズ
2Q
花井コルトンヘイズ
3Q
森田翔吾、長谷優太郎
4Q
永岡秀斗
延長前半
なし
延長後半
なし
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
関東学生リーグ戦(リーグ戦)1部Bブロックを2位で終えたRED BATSはこの日、2年ぶりにFINAL4の舞台に立った。相手はAブロックを全勝で1位通過した明学大。目標の日本一になるためには勝利のみが求められ、負ければ4年生の引退が決定する厳しい舞台だ。大きなプレッシャーがかかる状況の中、試合は互いに点を取り合いながらも早大ペースで進んでいった。1点リードで最終盤を迎え、逃げ切れば勝利という状況に持ち込む。しかし、試合終了約30秒前に痛恨の同点弾を許すと、延長戦でまたも失点して無念の敗戦。日本一への道は閉ざされ、田中組の戦いは終わりを告げた。
スタンドから声援を送るRED BATS
第1クオーター(Q)のフェイスオフに向かったのはFO今井誠梧(文構4=東京・国分寺)。グラウンドボールを取りきりながらもショットまでは至らず、試合は落ち着いた展開で始まったが、均衡を破ったのは早大だった。G長田謙伸(政経2=埼玉・大宮開成)のセーブからクリアにつなげると、MF鶴見雄太(政経4=埼玉・早大本庄)が冷静にワンバウンドでネットを揺らした。すると、明学大のマンダウンによるチャンスで、AT花井コルトンヘイズ(国教3=アメリカ・マッキントッシュ)が体勢を崩しながらのショットを決め幸先よく2点を先制する。その後は鶴見の転倒からボールを奪われて1点を失うも、さらなる失点は許さず2-1とリードを保った。
しかし第2Qでは、FO鳥海恭平(社4=東京・早大学院)がフェイスオフに敗れると、懸命なディフェンスもかなわず同点のショットを許してしまう。早大も負けじとゴールを狙いにいく中で、花井が再びきわどいコースにボールを突き刺して勝ち越すことに成功。ゴール裏を有効に使った攻撃で再度リードを得ると、そのまま守り切って3-2で前半を終えた。強固な明学大ディフェンスにはばまれながらも、着実に得点を奪っていった。
ショットを放つ花井(中央)
だが、迎えた後半戦は早大にとって我慢の時間となった。第3Qは明学大ボールからスタートすると自陣に攻め込まれ、一度はショットをはじきながらも同点を許してしまう。続いてMF森田翔吾(法4=東京・早大学院)がゴール右脇から勝ち越し弾を放ったが、DF赤平裕亮(社4=千葉・県立船橋)のショットミスから相手ボールとなると、すかさずショットを決められて返り討ちにあう。リードが伸びない苦しい展開だったが、敵陣に攻め込んだAT長谷優太郎(商4=東京・早実)がフェイントを交えてゴーリーとの1on1を制しショットを決め、早大が勝ち越しに成功。点の取り合いとなったこのQは、その後はスコアが動かず5-4で終了した。
得点を決めポーズをする長谷(右から2人目)と選手たち
向かえた勝負の第4Q。ファーストプレーで明学大がポゼッションを得ると、ゴール裏を使って攻め込まれ、早大はまたしても同点のショットを許してしまう。互いに譲らない両校の勝負の行方は、最終盤までもつれることになった。気迫あふれるプレーでボールを奪い合い、互いにミスも目立ち始めた中で、早大がクリアに成功したところでタイムアウトを申請。一呼吸おいてAT永岡秀斗(創理4=東京・早実)がボールを得ると、ゴール裏から回り込んで流し込み、ネットを揺らした。残り約6分での勝ち越し点に、スタンドは大きく沸き上がる。勝利まであと一歩となった早大は、ゴールを狙いつつも失点だけは避けたい場面。試合時間は残り約30秒となり、明学大がボールを得るとタイムアウトを申請した。相手にとってはラストチャンス、早大にとっては守り切れば勝利。緊張感の中プレーが再開し足下にショットが放たれると、ディフェンスもかなわずボールはゴールへと吸い込まれた。土壇場で6-6の同点になり、今度は明学大サイドが大きく沸き上がる。終了間際まで早大はゴールを狙いにいったが、会場の興奮が冷めやらぬまま試合は延長へと突入することになった。
得点を決めた永岡(左)と駆け寄る花井(中央)、MF樫尾拓斗(政経4=アメリカ・テナフライ)
延長戦は、先に1点を取った時点でそのチームの勝利が決まるサドンビクトリー方式で行われた。延長前半は、今井がフェイスオフに競り勝ちMF松田選副将(国教4=埼玉・早大本庄)、森田が果敢にゴールを狙うも枠を捉えきれず。決着がつかずに延長後半へと進んだ。フェイスオフには再び今井が向かったが、今度は明学大ボールに。会場全員が固唾をのんで見守る中、ゴール低めへワンバウンドで放たれたショットが、長田が差し出したクロスをかすめてネットに突き刺さった。早大がこの日初めて許した勝ち越し点が決勝点となり、試合は明学大の勝利で終了。無念の逆転負けに、選手たちはぼう然と立ち尽くした。
敗戦が決まりぼう然とするDF田中進士主将(商4=神奈川・桐蔭学園)(右)ら選手たち
これにてリーグ戦敗退が決まり、早大は5年ぶりの日本一を果たすことはできなかった。今春から始動し、関東春の最強決定戦優勝などを経て着実にステップアップしてきた田中組にも、日本一への壁は高く立ちはだかった。これにて4年生は引退となるが、共に戦った下級生だけでなく、今回はスタンドで声を枯らした下級生が来年度は主力を担うことになるかもしれない。多くの先輩たちが味わった悔しさを一気に晴らすような、RED BATSの躍進にこれからも期待したい。
(記事 西村侑也 写真 廣野一眞、高津文音、林朋亜)