第21回田島直人記念競技大会 10月21日 山口・維新みらいふスタジアム
グランプリシリーズ第15戦となる田島直人記念が山口の地で開催された。本大会は、短距離種目が開催される今季最後のグランプリシリーズとなる。そんな今年を締めくくる大会に、早大からは男子400メートルに石原慎也(法3=京都・洛南)、男子400メートル障害に渕上翔太(スポ1=東福岡)の2名が出場。石原は全体11位、渕上は全体4位に終わり、どちらも自己記録の更新とはならなかった。
最初に登場したのは男子400メートル1組にエントリーされた石原。レースは、内側のレーンの選手に早々と抜かれる難しい展開でスタートした。それでも粘りの走りを見せ、バックストレートでは石原を含む4人が横並びの3位争いに。しかし、フィニッシュ直前で離され、組5着の全体11位、タイムは48秒12に終わった。そんな石原は、今シーズンを、自己記録を更新できず、さらに目標としていたインカレでの活躍を果たすことができなかったと、悔やむように振り返る。それでも、「今年は練習でやってきたことができないことが多かった。今日はやりたいことに少し近づけられたのかな」と、復活、そして覚醒の予感を抱かせる本レースとなった。
ゴールする石原
男子400メートル障害3組には、世界陸上(世陸)の標準記録、48秒50切りを目指す渕上が出場した。この大会に向けて、コーナーのハードリングを意識して練習していたという渕上。その練習通り、第3コーナーで順位を上げたものの、力を使ってしまい、強みとするラスト100メートルが伸び悩んでしまった。フィニッシュタイムは、49秒97で世陸の標準記録に大きく及ばず、全体4位で大学生にも敗北。日本学生対校選手権(全カレ)での優勝から、実力を発揮しきれない試合が続くことになったが、「来年は世界陸上を狙っていく」と力強く言い切った。
10台目を越える渕上(写真中央)
本レースをもって、短距離の主要大会は終了した。来年は全カレが6月に開催される過密日程のため、シーズンが始まると練習を積む期間が少ない。つまり、冬季練習でどれだけ成長できるかが、来年の活躍の鍵になるのだ。今シーズンで掴んだ課題と収穫を胸に、辛く苦しい冬を越え、さらに強くなった111代目を見ることを心待ちにしている。
(記事、写真 飯田諒)
結果
▽男子400メートル
石原慎也(法3=京都・洛南) 48秒12 (1組5着)全体11 位
▽男子400メートル障害
渕上翔太(スポ1=東福岡) 49秒97 (3組3着)全体4位
コメント
石原慎也(法3=京都・洛南)
――今日の目標を教えてください
今年は練習でやってきた動きが、レースでできないことが多かったです。今シーズン最終戦だったので、練習でやってきたことを発揮して、自分らしいレースをしようと思っていました。その上で、タイムがついて来たらいいなと思っていました。
――今日のレースを振り返っていかがですか
今日は全体的にまとまった走りをすることができました。やりたいことに少し近づけられたかなと思います。ただベースが落ちているので、タイムは出なかったですけど、最終戦で少しまとめるレースをできたのは良かったです。
――今シーズンを振り返っていかがですか
昨年はタイムが伸びたので、今年はインカレで活躍することを目標にシーズンに入りました。ですが、試合でなかなかタイムを出せなくて、関東インカレ(関東学生対校選手権)は出るだけで終わってしまいました。全カレ(日本学生対校選手権)も出ることができず、タイムも最後まで自己ベストを更新できなかったので悔しいシーズンになりました。
――具体的に悔しいシーズンになった要因をどのように捉えていますか
精神的な部分が大きいと思っています。後半動かなかったらどうしようと思い、前半上手くスピードに乗ることができないとか、逆に前半にタイムを出そうという気持ちが先行しすぎて、前半突っ込んで、後半動かなかったりとか。試合によって(課題は)まちまちだったのですけど、ちょうどいいところを見つけることができなかったのが今シーズンでした。
――最後に、最高学年として迎える来年の意気込みを教えてください
今年は結果がでなくて、後輩の方が結果を出していますが、最上級生として早大の400チームを清水(清水友彬、スポ3=三重・伊勢)、竹(竹一虎、スポ3=滋賀・草津東)と共に引っ張りたいです。個人に関しても悔いを残したくないので、自己ベストを更新したりインカレでは決勝進出を果たしたりしたいです。マイル(4×400メートルリレー)では先輩たちが達成できなかった優勝を目標にしていきます。
渕上翔太(スポ1=東福岡)
――今日の目標を教えてください
世界陸上の標準突破が目標でした。
――標準突破とはなりませんでした
かなり集中できてていたのですが、実際に走ってみるとタイムも順位もまだまだ戦えないなと思います。全カレ(日本学生対校選手権)以降、悪い流れを引きずっているという感じです。
――悪い流れというのは、本レースでは具体的にどういった場面で出ましたか
前回のレースでは後半のコーナーが課題だったので、そこを意識していたのですが、力感を出し過ぎてしまいました。(それによって)ラスト100メートルの自分の強みにつながらなかったです。
――全カレからどのような練習をしてきましたか
連戦だったので、基本は試合の調整をしてきました。今回の試合の前には、ハードルのコーナリングを重点的に意識していました。
――今シーズンを振り返っていかがですか
対談でもお話しさせていただきましたが、上手くいった試合といかなかった試合が二極化したと感じています。全カレでは優勝にタイムもついてきましたが、それ以降のレースは自分のしたいことを全く表現できませんでした。
――来シーズンに向けて意気込みをお願いします
世界陸上を狙っていきます。まずはそこに向けて自分の課題と向き合って、改善していきたいなと思います。来シーズンは1試合、1試合が短期間で重なるので、その中で自分の走りをしっかり再現できたらと思います。