明大に僅差で惜敗 ブロック2位でリーグ戦を終える

女子ラクロス

第36回 関東学生リーグ戦 1部Aブロック

9月29日 大井ホッケー競技場サブピッチ

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 2 0 1 3 6
明治大学 1 1 2 3 7

得点者

1Q

横幕円香、齊藤莉果子

2Q

なし

3Q

水野文萌

4Q

水野文萌、横幕円香、増田明香

 前節の明治学院大戦に勝利し、関東大学リーグ戦(リーグ戦)全勝でFINAL4進出を決めた「柏原組」。リーグ最終戦で対戦したのは、同じくここまで無敗の明大だ。明大にとってはこの試合の勝敗がFINAL4進出を左右する重要な試合であった。試合は開始直後に先制点を奪われるも、すぐに取り返し逆転する。しかし第2Q(クオーター)で同点弾を許すと、膠着(こうちゃく)状態が続いたまま前半を終える。後半は取っては取られの拮抗(きっこう)した展開に。第4Q9分で同点に追いついたが、最後は相手の屈強なライドでボールを奪われ、勝ち越し点を献上。6-7と惜敗に終わった。

ボールを運ぶAT横幕

 日没後の涼しい空気が漂う中、試合はスタートした。最初のドローを制したのは明大。あっという間にゴール裏まで回り込まれると、早大のマンディフェンスもものともせず簡単に先制点をあげた。しかし続くプレーで攻撃権を得ると、AT横幕円香(文構4=神奈川・公文国際学園)が相手ファールを誘い、フリーシュートで同点に追いつく。続けて6分、ゴール正面でボールを受けたMF齊藤莉果子(先理4=東京・小山台)が鮮やかなランニングシュートを決めた。しかし今度は一転してディフェンスの時間が続く。明大は何度も1on1を仕掛け、ディフェンスを崩しにかかるが、その度にDF山田麻由(商3=東京・国立)、DF戸上沙耶佳(スポ4=埼玉・市浦和)を中心とするDF陣が必死にくらいつき、得点を許さない。G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)のセーブもあり、3分以上にわたる相手の攻撃を凌いで第1Qは終了した。2-1で迎えた第2Qは、開始からアタックセットに入り、ゴールの機会をうかがった。しかしボールを落とす痛恨のミスでポゼッションを逃すと、明大は速攻で自陣に攻め込む。長い時間アタックセットに入っていた早大は戻りきれず、ゴーリーと一対一の状態に持ち込まれ、同点に追いつかれた。その後は両チームともDF陣が躍動し、2-2のまま試合を折り返した。

 突き放したい第3Qであったが、開始1分、ゴール前に運ばれ、勝ち越し点を許してしまう。それでも続くプレーでは相手のパスミスからボールを奪い、AT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)のフリーシュートで再び同点に。ここからギアを上げていきたい早大だったが、クリアの最中にボールを奪われると、またもゴール正面からのショットを許し、またも1点ビハインドに。その後の攻撃ではチャンスを生かしきれず、最終第4Qに突入した。開始2分、明大選手の身長を生かした高い打点からのダンクシュートを許し、この試合最大の2点差をつけられると、すかさず早大はタイムアウトをとる。タイムアウト明け、MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がドローを制すると、ボールをもらったAT水野がゴーリーの左横に流し込み、1点を返した。その1分後には、AT横幕がゴール裏から回り込んでショットを決め、試合時間残り10分で同点に追いついた。試合開始からなかなか打開できていなかった明大のディフェンスを2連続で打ち崩し、流れに乗っていきたい早大であったが、直後のドローを逃すと、速攻でまた抜きショットを決められてしまった。しかし柏原組はまだ諦めていない。AT水野のランクリアから敵陣に攻め込むと、チームの得点王であるAT西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)がフリーシュートを獲得。惜しくもここを外してしまうが、ゴール裏にボールがつながると、そこからゴール前のMF増田明香(法3=東京・国学院久我山)にボールがわたる。MF増田は落ち着いてスタンディングシュートを放ち、土壇場で同点に追いついた。チームプレーでつかんだこの1点に、会場も大きな盛り上がりを見せた。試合時間は残り6分。勢いを味方につけ、なんとか勝ち切りたい早大だったが、自陣からクリアに臨むDF山田に明大選手が2人がかりで襲いかかる。必死に逃げるも及ばず、ボールを落とすと、明大は速攻でG柏原主将のもとへ。再び一対一に持ち込まれ、抵抗する間もなく勝ち越しの7点目を許した。その後はポゼッションを逃し、なすすべなく試合終了。リーグ戦初黒星を喫し、約3ヶ月に渡ったリーグ戦を2位で終えた。

シュートを放つAT水野

 明大の意地に根負けし、惜敗に終わった「柏原組」。「早稲田はFINAL4が決まっているので、気持ちをどうもっていくかが難しい」(G柏原主将)というように、気持ちの差が最終的な結果に影響を及ぼしたことは間違いないだろう。しかしここからは負けたら終わりの戦いが始まる。早大女子部が経験したことのない、FINAL4のその先へ。彼女たちの戦いはここからがスタートだ。

(記事 長屋咲希 写真 野崎真由季、三浦佑亮)

試合後インタビュー

G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 相手はFINAL4が懸かっていて、絶対に勢いを持ってやってくるという試合で、早稲田はFINAL4が決まっているので、気持ちをどう持っていくかが難しい試合だったなと感じています。その中でも、負けていいなんていうことは一つもないという気持ちでチームみんなで挑めたのは良かったと思います。

――ディフェンスの戦略を教えてください

 キーマンが多いチームなので、いつも通りのことを質高くやっていこうと話していました。そこが体現できたのは良かったと思います。

――速攻をしなくなった印象ですが、攻撃で意識していたことはありますか

 相手のライドが上手かったので、ミスなく丁寧に運ぶことが大事だと考えていました。

――今日の試合の反省点を教えてください

 相手の気持ちの強さや技術がこちらより一つ上手だったなと感じています。FINAL4からはもう負けられない戦いが続くので、修正して今より一回りも二回りも大きくなっていきたいと思います。

――最後にFINAL4に向けて意気込みをお願いします

 早稲田の女子はFINAL4より上にいったことがないので、その歴史を作るのだという気持ちが強くあります。でもまだまだ課題もあるので、修正していきながら、チームを作り上げていって、必ず勝ちたいと思います。

MF齊藤莉果子(先理4=東京・小山台)

――今日の試合を振り返ってください

前半は早稲田の持ち味である一人ひとりの強気のプレーが目立っていたと思いますが、後半になるにつれてお互いの意思が拮抗して、早稲田の思い通りのプレーが最後の方はあまりできていなかったので、そこが失点につながってしまいました。

――得点シーンを振り返っていかがですか

個人的にこの試合で点を決めたいという思いがあったので、いつもの試合だと後半からギアを入れられるタイプなのですが、前半からギアを入れて挑もうという強い気持ちでショットを打ちました。

――相手ディフェンスに対してどんな対策をとりましたか

相手はディフェンスの型をゾーンとマンツーマンの2つ持っているので、どちらにも対応できるようそれぞれに対しての練習をしていました。

――今日の試合の反省点を教えてください

前半は早稲田の思い通りのプレーができた部分が多かったですが、後半では明治の個々の技術が優る部分が多かったので、個人の技術をそれぞれが磨くことが必要だと思っいました。また、チームでどのように勝利に繋げるかを考えながらプレーしていきたいと思います。

――FINAL4への意気込みをお願いします

FINAL4からは負けたら終わりの試合が続くので、まずは個人個人が自分自身の思い通りのプレーをできるように頑張ります。また、早稲田らしさを出して全力で勝利に繋げていきたいです。