トラックシーズンは不調に終わるが、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)では1年生ながらアンカーを務め区間6位と役割を果たした長屋匡起(スポ1=長野・佐久長聖)。”ロードに強い”期待のルーキーが東京箱根間往復大学駅伝(箱根)を目前に控えた今、思うこととはーー。
※この取材は12月13日に行われたものです。
貧血に苦しんだトラックシーズン
写真撮影に応じる長屋
――大学に入学してからこれまでを振り返っていかがですか
春シーズンは、貧血でうまく走ることができなかったのですが、夏合宿では練習をほぼ100%こなすことができ、その流れで出雲といい流れが続いていました。ただここ最近はごたついているので、修正して箱根に向けて頑張りたいと思います。
――春先の不調時はどのようなことを考えて練習していましたか
高校時代からケガが多く、貧血もよく起こしていて、シーズンを棒に振ることがあったので、また起きてしまったなという気持ちでした。同期は活躍していましたし、ストレスを感じることもありましたが、今は根を張る時期なんだと捉えて練習していました。
――調子が戻ってきたタイミングはいつですか
7月にあった士別ハーフですね。ここで長い距離を走れるようになったんだなと実感しましたし、貧血も良くなっているなと。そこからまた盛り返すことができました。
――復調のきっかけはどこにありましたか
一番は貧血の薬を飲んだことだと思いますが、徐々に上げていく練習メニューにしたことも良かったと思います。
――今年のトラックシーズンに点数をつけるとしたら何点ですか
60点くらいですかね。練習をこなせただけ良かったなと。いつも貧血に加えて故障をしてしまいシーズンを棒に振っていたので、それが貧血だけになったのは成長した方かなと思います。
――夏合宿についてお伺いします。山口(智規、スポ2=福島・学法石川)選手の部員日記に、長屋選手は「チーム1を争うほどの消化率」とのお言葉がありました。振り返っていかがですか
山口さんの言葉通りで、ほとんどの練習を消化することができました。自分自身にとって大きな成長になりましたし、合宿の後に高校1年生の時から塗り替えられていなかった自己ベストも更新することができたので、充実した合宿シーズンだったと思います。
――自己新を記録した9月の早大競技会でのご自身の走りを評価してください
合宿明けということで、ある程度疲労がある中ではあったのですが、ベストを更新することができて、成長したなと感じました。
「実力通りの結果が出せた」大学駅伝デビュー
出雲駅伝の6区を走る長屋
――駅伝シーズンの話に移ります。初めての大学駅伝となった出雲駅伝はどのような場でしたか
距離が(高校駅伝の)倍になるというわけでもなかったので、高校駅伝の延長線だと自分に言い聞かせて走った大会でした。花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)からも、「1年生だから思い切ってやれ」と後押しされたので、緊張することなく前向きに走ることができたと思います。
――6区を任されると分かったのはいつですか
5日前くらいだと思います。
――その時の率直な気持ちを教えてください
1週間前くらいにアンカーか5区だと言われていて、5区かなと思っていたのですが、6区だと言っていただいてとても驚きました。ただ、長い距離は比較的得意な方なので、他大のエース級が集まる区間ではありますが、自分の出せる力を出すしかないと思って入りました。
――ご自身の走りを振り返っていかがですか
実力通りの結果が出せたと思います。
――出雲から大会の出場がありませんでしたが、その間のコンディションはいかがでしたか
練習自体はうまくいっていたのですが、足をぶつけてしまったり、ひねったりしてしまったりで、今はあまりよくないですね。
――それはいつ頃ですか
全日本大学駅伝の1週間前くらいですかね。元々は全日本に出る予定だったのですが、それで出られなくなってしまいました。
――チームのシード落ちという結果はどうご覧になっていましたか
自分が走っていたらどうだったかは分かりませんが、出られたのにケガで出られなくなって、さらにシード落ちというのはかなり悔しい結果でした。
「強いなと思われる走りをしたい」
――箱根駅伝のお話に移ります。高校時代に抱かれていた箱根駅伝のイメージはどのようなものでしたか
一番は注目度の高い駅伝だなという印象です。
――今現在の調子はいかがですか
正直に言うとぼちぼちという感じなのですが、まだ時間はあるので、ここから上げていって、チームとしてもいい形で箱根駅伝を迎えられたらと思います。
――チームの雰囲気はいかがですか
出雲、全日本、箱根と段階を踏むごとに、全体として確実にレベルは上がってきているので、全日本でシード落ちした分、箱根で挽回できるような状態にはあるのかなと思います。
――走りたい区間とその理由を教えてください
現状としては、走るとしたら7区かなと思っています。距離があまり長くないのもありますし、起伏や気候条件も自分に合っているのかなと思うので、走るとしたらそこかなという感じですね。
――東農大の前田(和摩)選手をはじめとした他大ルーキーの活躍も目立ちますが、ライバル意識はありますか
同学年の選手には負けたくないです。ただ、まずは自分がいい練習を積んで、自信を持って走れるようになることが大切だと感じています。その上で、ライバルを意識しながら練習に取り組んでいきたいです。
――箱根に向けて特に取り組んでいることはありますか
これといって箱根に向けて取り組んでいることはないです。花田さんの練習メニューを1つずつこなしていくことが箱根のためになると思います。
――箱根におけるご自身のアピールポイントはありますか
安定感ですかね。単独走が得意なので、そこが自分の強みかなと思います。
――出雲での快走で、期待値が高まっていると思いますが、プレッシャーは感じますか
プレッシャーと捉えるのは自分にとってマイナスかなと思うので、あまり人の目を気にすることなく、自分自身に集中しながらやっていきたいと思います。
――どのような走りを見せたいですか
チームとしても個人としても、強いなと思われるような走りをしたいです。
――最後に、意気込みをお願いします
個人として箱根に向けて調子を上げていくのはもちろん、チームとしても、前回大会の6位の順位を上回れるようにがんばります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 長屋咲希)
◆長屋 匡起(ながや・まさき)
2004(平16)年8月19日生まれ。172センチ。長野・佐久長聖高出身。スポーツ科学部1年。好きな芸能人は江頭2:50。YouTubeチャンネルをよくご覧になるそうです!