出雲駅伝の非エントリーメンバーが出走 諸冨が組1着で貫録を見せる/1日目・長距離種目

陸上競技

 出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)から一週間が経ったこの日。所沢の地で、ところざわアスレチックフェスティバルが開催された。初日に行われた5000メートルにはBチームを中心に出雲のメンバー外になった17人が出場。レースは諸冨湧(文4=京都・洛南)が終始、先頭で前を引っ張りながら貫録の組1着でゴール。2週間前に行われた早稲田大学競技会に引き続き、好調をアピールした。

表彰式での選手たち

 レースは序盤から、諸冨が集団を引っ張る展開に。一周約67秒のペースで2400メートルまで先頭でレースをつくる。中盤諸冨のペースが落ちたところで、すかさず栁本匡哉(スポ4=愛知・豊川)が前に出て栁本、諸冨のふたりで抜け出すかたちに。数秒遅れて、藤本進次郎(教2=大阪・清風)と伊藤幸太郎(スポ2=埼玉・春日部)が追いかける。しかし、3200メートル過ぎに栁本のつくるペースが一周70秒になったところで、再び諸冨が先頭に立つ。それに栁本はついていけず、さらに藤本と伊藤幸の集団に吸収されてしまう。このまま一気に諸冨が突き放しにかかると思われたが、後ろの3人も負けずに食らいつき差はそこまで広がらない。しかし、ラスト一週の鐘が鳴るとともに諸冨がロングスパートをかけ、後続をみるみる引き離し1着でゴール。2着には藤本、3着にはラストスパートで追い上げた栁本、そして4着には2レース続けての自己ベストをマークした伊藤幸が入った。

レースを走る藤本

 各々が状態確認として位置付けたこの日のレース。自身のできを「及第点」(諸冨)、「悪くない走り」(藤本)とそれぞれ評価し、一定の成果を示した。しかし、チームとしてさらなる成長を遂げるには彼らが出雲駅伝にエントリーされた主力の壁を越えるまたは、肉薄しなくてはならない。全日本大学駅伝対校選手権(全日本)、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)での目標『3位以内』達成に向けて、今日走った選手たちの底上げは必要不可欠だ。

(記事 飯田諒、写真 草間日陽里、高杉菜々子)

諸冨湧(文3=京都・洛南)

――今日のレースの位置付けをお願いします

 とりあえず全力で。できたら自己ベストを狙いたかったのですが、条件的にも(先頭を)引っ張る人がいなくて自分で作るレース展開ということは分かっていたので、正直自己ベストはきついかなとも思っていました。行けるところまで行こうかなという感じのレースでした。

――中盤に柳本選手(匡哉、スポ4=愛知・豊川)に抜かれたタイミングで辛さはありましたか

 自分の中で、ずっと押すのはしんどいなと思っていたため、少しリズムが悪くなったところで(柳本が)出てくれてペースが戻ったので、ありがたいなと感じました。(柳本が出てくれた)1周でペースが戻ったのですが、そこから少しペースが落ちて、自分が(先頭に)出るのが遅かったかなというままずるずる(後半に)いってしまったので、このあたりが今後の課題かなと思います。

――1着を取られたのは、自分の中では当然という感じでしょうか

 そうですね。

――タイムについてはいかがですか

 及第点くらいです。

藤本進次郎(教2=大阪・清風)

――今日のレースの位置づけを教えて下さい

 11月にハーフマラソンを予定しているのですけど、そこに繋げられるようにトラックでもいい感じに走れたらいいなという思いで走りました。

――タイムの目標はありましたか

 僕のベストタイムが14分18秒なのですが、それを更新できたらいいなと思っていました。結果としてはちょっとだけ届かなかったですけど、悪くないのかなと。

――序盤から諸冨湧(文3=京都・洛南)選手が引っ張られていましたがそこは想定内でしたか

 そうですね。諸冨さんが引っ張ってどこまで着いていけるかという感じでしたけど、途中で少し垂れてしまって。そこは想定外でしたけど、結果的にそこまで(できは)悪くはならなかったです。

――今垂れてしまったというお話がありましたが、その中で諸冨選手との差が離れずにレースを進めていた印象を受けました。そこの粘りは夏合宿の成果でしょうか

 最後まで気持ちを切らさずにつけたことは夏合宿の成果が出たのかなと思います。

――垂れてしまった要因はどのように分析されますか

 僕の前を走っていた選手が失速してしまってそこを詰めることができなかったです。ですが、ペースをできるだけ落とさずに追っていこうという思いで走りました。

――次のハーフマラソンの意気込みをお願いします

 1時間3分台を目指して頑張っていきたいです。