眞々田が全カレ王者に! 男子4継は東洋大の壁に拒まれる/全カレ1、2日目 

陸上競技

 9月14日~17日に、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた日本学生対校選手権(全カレ)。4日間にわたって熊谷の猛暑にも負けない熱い戦いが繰り広げられた。1、2日目では、男子400メートルで眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)が優勝。その一方で、男子100メートルでは出場した3選手全員が準決勝までに敗退するなど、波乱も起こった。

(記事 戸祭華子)

 選手コメントは別記事にてお届けいたします。

 

全国の壁に阻まれ、悔しさの残る結果に(男子100メートル)

レースを走る稲毛

 1日目と2日目に行われた男子100メートルには稲毛碧(スポ4=東京学館新潟)、島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)、井上直紀(スポ2=群馬・高崎)が出場した。関東学生対校選手権(関カレ)では、出場した全員が決勝進出を果たす『3枚残し』を達成した3選手だったが、彼らの前に全国という舞台の大きな壁が立ちはだかり、稲毛、島田は準決勝敗退、井上は予選敗退となった。

 予選2組に出場した稲毛は同組トップのリアクションタイムを記録する好スタートを切ると、そのまま2着でゴール。5組に出場した島田も2着で準決勝進出を決めた。6組に出場した井上はスタートでやや遅れるも後半で伸びを見せたが、5着となり準決勝進出には及ばなかった。迎えた準決勝では1組に島田、2組に稲毛が出場。「この夏のトレーニングを自信を持ってやりきった」という島田は、じっくり時間をかけてスタート準備をし集中力を高めた。スタートの飛び出しは同組で走ったブタベスト世界陸上の日本代表、栁田大輝(東洋大)にも並ぶ勢いだったものの、前半50メートルで左右の選手に大きく離されてしまう。そのまま追い上げることができず7着でのフィニッシュとなった。稲毛も、出場する全ての種目で優勝をねらっていたが、レース後半で他の選手との差を縮めることができず7着でゴールとなった。

 短距離選手にとって今シーズン最後の対校戦となる全カレが幕を降ろした。しかし早稲田が誇る100メートルの3選手の持つ実力はこのまま終わるものではない。ここで得た収穫や課題はバネとなり選手たちを大きく成長させてくれるだろう。悔しさを乗り越え、残りの試合で彼らが更にパワーアップした姿を披露してくれることを心待ちにしている。

(記事 髙杉菜々子、写真 加藤志保)

★強さを見せつけた眞々田が初制覇!(男女400メートル)

表彰式で笑顔を見せる眞々田

 400メートルには、男子からは昨年の大会で6位入賞を果たした竹内彰基(スポ4=愛知・瑞陵)をはじめ、新上健太(人4=東京・早実)、眞々田の3名が出場。女子からは清水奈々子(文構2=北海道・札幌南)と山本真菜(スポ1=三重・伊勢)の2名が出場した。5人が準決勝で敗退する中、個人種目では初出場となった眞々田が早大勢として4年ぶりに同種目で優勝を果たした。

 準決勝では、新上と前回大会6位の竹内が姿を消すなか、登場した眞々田。予選のレースで、「今までやってきたことが形になって綺麗に現れた」(眞々田)と自信をつかむ。準決勝でも46秒08の自己ベストを更新し、決勝の舞台に駒を進めた。決勝のレースではスタート直後から、2023年ブタペスト世界陸上選手権4×400メートルリレー代表の今泉堅貴(筑波大)らに先行を許す。しかしこれも折り込み済みだったという眞々田。「自分の走りやすいテンポをひたすら刻んで後半勝負」(眞々田)することを意識して落ち着いてレースを進める。チームメイトの大応援を背に、コーナーを通過しホームストレートへ。強い向かい風を受けながらも、ここでギアを一気に切り替える。上位3選手を抜き去ると、残りおよそ10メートル地点でトップにおどり出る驚異のスパートを見せそのままフィニッシュ。全カレ初制覇を達成し、笑顔が弾けた。

 女子は、まず予選の3組に清水奈が登場。終始危なげない走りを見せ、着順での突破となった。タイムも、55秒54で自己記録をマークし好調をうかがわせた。5組の山本は序盤から内側のレーンの選手に迫られる難しい展開に。しかし最後の100メートルで粘りを見せ、4着でフィニッシュ。タイムで拾われ、準決勝進出となった。迎えた翌日の準決勝、2組で激走を見せたのが清水だった。力強い走りでスタートから好位置につけると2位争いを展開。惜しくも、決勝には届かずなかったものの、予選で出した自己記録をさらに更新。このタイムは早大歴代7位の好記録となった。3組に出場した山本は7着でゴールし、こちらも準決勝で姿を消した。

 男子では眞々田が見事な優勝、そして女子も清水が早大歴代7位をマークするなど確かな成長を見せた短長陣。充実のさらなる飛躍へ、ますます期待が高まるばかりだ。

(記事 松平将太朗、飯田諒 写真 戸祭華子)

★王座奪還ならず 東洋大にわずかに及ばず2年連続の2位(男子4×100メートルリレー)

バトンパスをする2走の稲毛(写真奥)と3走の島田(写真手前)

 昨年3連覇を逃し、王座奪還を目標に臨んだ男子4×100メートルリレー(4継)。初日に行われた予選を全体の5番目で通過。決勝では100メートルチャンピオンの柳田大輝を擁する東洋大に惜しくも及ばず、2位に終わった。

 オーダーは予選、決勝ともに1走から千田杜真寿(スポ3=茨城キリスト教学園) 、稲毛碧(スポ4=東京学館新潟) 、島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東) 、西裕大(教4=埼玉・栄東)の順。予選は序盤、千田と稲毛のバトンパスが若干詰まったものの、2位で4走の西裕にバトンが渡る。西裕はラスト50メートル付近で先行する東海大をかわし、トップでゴール。組1着の39秒22で決勝進出を決めた。

 決勝は1走の千田が手堅いスタートを決め、4番手につける。本職の100メートルで準決勝敗退に終わり、巻き返しのレースとなった稲毛、島田も懸命な走りを見せ4位のまま4走の西裕へ。バトンを受けた西裕は渾身(こんしん)の追い上げを見せ、ゴール直前で筑波大と明大を抜き去る。しかし100メートル王者の栁田大輝(東洋大)には届かず、2位でゴール。ミスのない、安定したバトンワークと力走を見せたものの、タイムは39秒01で1位の東洋大学に0秒07及ばず2位に終わった。

 実力者のそろうオーダーで臨んだだけに優勝を逃した悔しさは大きい。この悔しさを糧に、日本選手権リレーでのリベンジに期待だ。

(記事 植村皓大、写真 堀内まさみ)

★決勝まであと1歩届かず、(女子100メートル、200メートル)

200メートルのレースを走る鷺

 鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)は女子100メートル、200メートルに出場。100、200ともに予選を突破したが、あと1歩およばず準決勝敗退となった。

 今大会は女子100メートル予選から始まった。早大から唯一の出場となる鷺はスタート直後やや後方からの走りとなるが、終盤から伸びのある走りを見せ組2着の12秒05でゴール。3年連続の準決勝進出を決めた。翌日の準決勝。鷺は組2番手のリアクションタイムでスタート。予選からタイムをあげる懸命な走りだったが、惜しくも組4着でのゴールとなり、準決勝で姿を消した。つづく、大会3日目に行なわれた200メートルにも出場した鷺。予選では、力強い走りを見せ3着でゴール。着順で準決勝進出を決めた。翌日おこなわれた準決勝では、スタート直後からダイナミックな走りを見せるも4着でゴール。全体9番手のタイムで惜しくも決勝進出は叶わなかった。

 今種目ではあと1歩のところで決勝進出を逃したが、100メートルでは3年連続で準決勝進出を果たした鷺の実力は誰もが知る通り。ルーキーイヤーからすばらしい成績を残し続けてきたその輝きが、来年さらに増すことに期待が高まるばかりだ。

(記事 堀内まさみ、写真 加藤志保)

★予選では早大記録を更新! 堂々の4位入賞(女子4×100メートルリレー)

バトンパスをする2走の山越(写真左)と3走の大川(写真右)

 全カレでは、久しぶりの出場となった女子4×100メートルリレー。予選では、早大記録を更新する走りを披露(ひろう)すると、決勝進出を決める。翌日の決勝も同じメンバーで挑むと、4位に入賞する健闘を見せた。

 大会初日に行われた予選には、鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)、山越理子(人2=東京・富士)、大川寿美香(スポ2=東京・三田国際学園)、中村真由(政経3=東京・早実)が出場。1走の鷺が良いスタートを切ると、その後は4走の中村までミスなくバトンを渡す。早大記録を更新する45秒15をマークし、タイム順で決勝に駒を進めた。

 2日目に行われた決勝は3連覇を狙う福岡大や、同日に100メートルで表彰台を独占したメンバーがそろう甲南大など、強豪校がひしめく中でのレースとなった。早大はメンバーを変えずに臨み、1走の鷺は予選と同様0秒1台のリアクションタイムで好スタートを切る。2走の山越に強豪校とわずかな差でバトンを渡すと、山越は先行する甲南大を必死に追った。バトンパスで少し差をつけられたものの、3走の大川が懸命の走りを見せアンカーの中村へとつなぐ。甲南大と福岡大が先行し早大、青学大、日体大の3校が並ぶ展開で、直線勝負へと突入。中村は3位争いを繰り広げ、最終的には日体大にかわされたものの4位でゴール。表彰台にはあと一歩だったが、強豪校を相手に堂々の走りを見せ、入賞を果たした。

 女子としては久しぶりに出場した4継。層の厚さで上回る甲南大や福岡大には及ばなかったものの、予選では早大記録を樹立し、決勝では4位に入賞する躍進を見せた。専門にする種目は違えど、今回の経験がそれぞれにとって飛躍の糧になることを期待したい。

(記事 廣野一眞、写真 堀内まさみ)

結果

▽男子

▽100メートル

予選(7組3着+3)

稲毛碧(スポ4=東京学館新潟)  10秒41(ー1・5)(2組2着)

準決勝進出

島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)  10秒39(ー0・4)(5組2着)

準決勝進出

井上直紀(スポ2=群馬・高崎)  10秒48(ー0・6)(6組5着)

準決勝(3組2着+2)

稲毛  10秒47(+0・1)(2組7着)

島田  10秒48(+1・2)(1組7着)

▽400メートル

予選(6組3着+6)

眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)  46秒50(3組1着)

準決勝進出

新上健太(人4=東京・早実)  47秒25(4組3着)

準決勝進出

竹内彰基(スポ4=愛知・瑞陵) 47秒56(6組3着)

準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

眞々田  46秒08(1組1着)

自己新決勝進出

竹内  46秒97(2組4着)

新上  46秒94(3組4着)

決勝

眞々田  46秒41(1着)

▽110メートル障害

予選(5組4着+4)

池田海(スポ3=愛媛・松山北)  棄権

西徹朗(スポ2=愛知・名古屋)  13秒71(+1・6)(5組1着)

準決勝進出

▽400メートル障害

予選(6組3着+6)

金本昌樹(スポ3=東京・日大桜丘)  51秒11(2組3着)

準決勝進出

田中天智龍主将(スポ4=鹿児島南)  49秒65(3組1着)

準決勝進出

新井公貴(スポ4=神奈川・逗子開成)  50秒45(5組2着)

準決勝進出

▽4×100メートルリレー

予選(5組1着+3)

早大(千田ー稲毛ー島田ー西裕)  39秒22(2組1着)

決勝進出

決勝

早大(千田ー稲毛ー島田ー西裕)  39秒01(2着)

▽女子

▽100メートル

予選(7組3着+3)

鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)  12秒05(ー1・5)(1組2着)

準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

鷺  11秒91(+1・7)(3組4着)

▽400メートル

予選(6組3着+6)

清水奈々子(文構2=北海道・札幌南)  55秒54(3組2着)

自己新準決勝進出

山本真菜(スポ1=三重・伊勢)  57秒19(5組4着)

準決勝進出

山越理子(人2=東京・富士)  棄権

準決勝(3組2着+2)

清水奈  55秒32(2組3着)

自己新

山本  57秒87(3組7着)

▽110メートル障害

予選(6組3着+6)

内藤香乃(スポ1=兵庫・北摂三田)  14秒01(ー1・0)(2組4着)

準決勝進出

大川寿美香(スポ2=東京・三田国際学園)  棄権

▽400メートル障害

予選(6組3着+6)

川村優佳(スポ4=東京・日大桜丘)  58秒45(2組1着)

準決勝進出

大川  58秒39(5組1着)

準決勝進出

津川瑠衣(スポ4=東京・八王子)  60秒51(6組2着)

準決勝進出

▽4×100メートルリレー

予選(4組1着+4)

早大(鷺ー山越ー大川ー中村)  45秒15(4組2着)

早稲田新記録決勝進出

決勝

早大(鷺ー山越ー大川ー中村)  45秒53(4着)