石塚が5000メートルでもチーム内トップに! 関カレ覇者・坂本も自己新/士別大会

陸上競技

 今年も、ホクレン・ディスタンスチャレンジのシーズンが開幕した。7月1日に行われた士別大会に、坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨)、石塚陽士(教3=東京・早実)、工藤慎作(スポ1=千葉・八千代松陰)が出場。男子800メートルAでは関東学生対校選手権(関カレ)覇者の坂本が勢いそのままに自己新記録をマークし、日本学生対校選手権(全カレ)A標準記録を突破した。また、男子5000メートルでは、B組の工藤が14分11秒31。A組では、石塚が戦況を見極めながら先頭にでる冷静なレース運びを展開し、13分33秒86でフィニッシュ。現チーム内5000メートルの持ちタイムトップに躍り出た。

 800メートルAに出場したのは坂本。集団中盤でオープンレーンに突入すると、そこからポジションを上げ、200メートルを約27秒で通過する。400メートル通過では、第2集団のトップに。そこからの、熾烈(しれつ)なスパート合戦が繰り広げられる。一時は2人に抜かれたものの、ラストの直線で一人を抜き返し、4着でフィニッシュ。優勝した関カレ決勝でマークした自己記録をさらに縮め、1分50秒06をマーク。全カレのA標準記録も突破し、視界は良好だ。

関東学生対校選手権の決勝を走る坂本

 5000メートルAに出場した石塚。ペースメーカーの選手に加えて、ウェーブライト(電子ペーサー)が初めて導入された今大会。13分30秒(1周約64秒)と40秒の、2種類のライトがランナーのペースをコントロールした。これには、石塚も「気づかないうちに起こる中盤の中だるみを抑えられる」と走りやすさを感じたという。石塚は、最初の400メートルは中盤からのスタート。その後は、スルスルとポジションを上げる。1000メートルを2分42秒で通過すると、石塚はさらにポジションをあげ、一気に3番手に。2000メートルを、5分24秒で通過すると、先頭集団は6人に絞られる。その後、さらに集団が分かれ、先頭争いは3人に絞られる。8分07秒で通過した3000メートルすぎにペースメーカーの選手が13分30秒ペースのライトから遅れ始めると、「余裕を持って前半は走れた」という石塚はペースをあげ、先頭へ。そのまま後ろの実業団選手たちに影を踏ませず、13分33秒86のタイムでフィニッシュ。1キロ2分42秒〜44秒のペースで刻み続けた石塚は、自己記録を約10秒更新し、「13分35秒をひとまずの目標にしていたのでホッとはしました」。

関東学生対校選手権の表彰式で笑顔を見せる石塚

 入学当初から目標にしていたという伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)のタイムを超え、現役チームトップに躍り出た石塚。しかし、「(13分)30秒切りが見えた中でそこまでいけなかったのは、まだ切り替え能力が足りない証」、「現状に満足せず、あと10秒は縮めたい」と、あくまでも貪欲だ。夏合宿で力を蓄え、さらにパワーアップした石塚に注目だ。

(記事 戸祭華子、写真 堀内まさみ、戸祭華子)

結果

▽男子800メートルA

坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨)  1分50秒06(4着) 自己新、日本学生対校選手権A標準記録突破

▽男子5000メートルB

工藤慎作(スポ1=千葉・八千代松陰)  14分11秒31(18着)

▽男子5000メートルA

石塚陽士(教3=東京・早実)  13分33秒86(1着) 自己新、早大歴代6位

コメント

石塚陽士(教3=東京・早実)

――今日の調子はいかがでしたか

 4月〜5月の連戦の疲れも抜け、6月は良い練習を積めたので、比較的良い状態でレースを迎えられました。

――気候面のコンディションはいかがでしたか

 一時は雨も心配されましたが、いざ当日を迎えると全くそんなことはなく、気温も湿度も低い良いコンディションでした。

――前半はキロ2分42秒で刻んでいましたが、感覚としてはいかがでしたか

 2週間前のレペテーション練習で、それよりも速いペースで3000メートルを走っていたこともあって、余裕を持って前半は走れました。

――4000メートル手前で前に出た場面はどのように振り返りますか

 ペースメーカーのペースが明らかに落ちてきた印象があり、記録や順位を狙うにはあまり良くない流れだと思ったので前に出ました。そこから苦しい走りになってしまったのは事実ですが、悪くない判断だったと今振り返っても思います。

――13分33秒というタイムについてはどのように感じていますか

 13分35秒をひとまずの目標にしていたのでホッとはしました。入学当初から、まずは大志(伊藤、スポ3=長野・佐久長聖)の5000メートルのタイムに追いつくことを目指していたので、やっと肩を並べられたなと思います。しかし、30秒切りが見えた中でそこまでいけなかったのは、まだ切り替え能力が足りない証拠なのかなと思います。大志も次の千歳(ホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会)で30秒を切ってくると思いますし、他を見渡せばまだまだ自分より速い人はいっぱいいるので、現状に満足せず、あと10秒は縮めたいと感じています。

――電子ペーサーはいかがでしたか

 GGN(ゴールデンゲームズinのべおか)の時も電子ペーサーを用いて走る機会がありましたが、やはりあると走りやすいです。気づかないうちに起こる中盤の中弛みを抑えられるのが、特に大きいと思います。予算が許す限りで色々な大会で導入していってほしいです。

――今後の目標や意気込みをお願いします

 次の試合は9月まで空くので、夏合宿でしっかり実力を高めて、10000メートルを27分30〜40秒前後で走れるようになって、駅伝シーズンでは、エース区間でも区間賞争いを演じられるようにしていきたいです。