鍛錬の夏へ 各々が現状を確認

陸上競技

 6月28日、埼玉・早稲田大学織田幹雄記念陸上競技場にて第5回早稲田大学競技会が行われた。17時時点の気温は30度、雨が降る前の蒸し暑いコンディションの中、2種目に選手が出場。1500メートルでは日野斗馬(商3=愛媛・松山東)が2戦連続の自己ベスト更新、5000メートルでは各々が設定ペースを守り、現状を確認した。

ゴールする日野

 まず行われたのは、1500メートル。菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京)や、全カレのB標準記録3分50秒00突破を目標とする日野らが出場した。城西大の選手が作るペースに乗って1周60秒前後のペースで推移。「とにかく集中して無心で前についていくだけ」だったという日野がラスト2周で前に出る。ラスト300メートルすぎで菖蒲が前に出ると、日野に声をかけ鼓舞する場面も。日野は「『きついな』という気持ちの方が大きくて」ついて行けなかったが、日体大記録会に続いて自己記録を更新した。下級生の時はケガに泣かされ、満足に試合に出ることができなかった日野。「まずは1500メートルである程度の結果を残すことができた」という充実感を伺わせる結果となった。

レースを走る辻

 続いて、5000メートルが全3組行われた。1組には、早大から3人が出場し、増永峰土(商2=神奈川・逗子開成)が早大勢トップでフィニッシュした。続く2組には、辻文哉(政経4=東京・早実)や諸冨湧(文3=京都・洛南)など最多 人が出場した。序盤、レースは城西大の選手を先頭に進み、早大の選手らは、菖蒲、辻や諸冨を中心とする8人は第2集団に位置する。1000メートルを2分55秒前後で通過した後も展開は大きく変わらず。3000メートルを8分44秒で通過し、菖蒲が予定通りレースを終えると、第2集団は辻、諸冨、草野洸正(商3=埼玉・浦和)の3人に絞られる。最後は、残り3周でペースを上げた辻が早大勢トップの14分29秒29でフィニッシュした。

 最終第3組には、伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)、山口智規(スポ2=福島・学法石川)らが出場。スタートから、「練習の一環として設定ペース通りに押し、(レース後の)+αの練習につなげる」伊藤大志と山口が先頭に出てレースを作る。二人を先頭に、3000メートルは8分30秒で通過。その後、「多少ペースが不安定な部分もあった」(伊藤大志)が、2人で先頭を交代しながらレースを進め、ほぼ当初の予定どおり14分12秒でフィニッシュ。夏のホクレンディスタンスチャレンジにつながるレースとなった。二人の後には、入学後安定した走りを見せている山﨑一吹(スポ1=福島・学法石川)、伊藤大志の声を受け猛烈なスパートを見せた長屋匡起(スポ1=長野・佐久長聖)が続いた。

レースを走る伊藤大志

 いよいよ、前半シーズンが終盤に差し掛かる。各々が確認した自分の現状を、今後のトラックレース、そして鍛錬の夏合宿にいかしたい。

(記事 戸祭華子、写真 加藤志保、松平将太朗)

結果

▽1500メートル

菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京)  3分51秒04(7着)

日野斗馬(商3=愛媛・松山東)  3分52秒40(8着)

自己新

宮本優希(人1=智弁和歌山)  4分06秒84(14着)

▽5000メートル第1組

増永峰土(商2=神奈川・逗子開成)  15分55秒05(10着)

門馬海成(政経2=福島・会津)  16分00秒24(11着)

安江悠登(法1=埼玉・西武学園文理)  16分02秒66(12着)

小玉瑞葵(文3=福島・安積)  16分07秒08(14着)

伊藤大河(教2=福島・会津)  棄権

栗原周平(創理1=栃木・真岡)  棄権

髙尾啓太朗(商1=千葉・佐倉)  棄権

▽5000メートル第2組

辻文哉(政経4=東京・早実)  14分29秒29(3着)

諸冨湧(文3=京都・洛南)  14分36秒78(5着)

草野洸正(商3=埼玉・浦和)  14分43秒18(6着)

和田悠都(先理3=東京・早実)  14分49秒59(8着)

武田知典(法1=東京・早実)  14分54秒18(10着)

濱本寛人(スポ4=熊本・宇土)  14分55秒58(11着)

宮岡凜太(商2=神奈川・鎌倉学園)  14分58秒20(12着)

小平敦之(政経1=東京・早実)  15分08秒91(15着)

菖蒲  途中棄権

伊藤幸太郎(スポ2=埼玉・春日部)  棄権

▽5000メートル第3組

伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)  14分12秒08(1着)

山口智規(スポ2=福島・学法石川)  14分12秒14(2着)

山﨑一吹(スポ1=福島・学法石川)  14分14秒55(4着)

長屋匡起(スポ1=長野・佐久長聖)  14分20秒00(5着)

須山向陽(スポ2=鹿児島城西)  14分27秒63(8着)

栁本匡哉(スポ4=愛知・豊川)  14分37秒26(9着)

藤本進次郎(教2=大阪・清風)  14分39秒84(12着)

コメント

日野斗馬(商3=愛媛・松山東)

――自己ベストとなりましたが、今の心境をお聞かせください

 全カレのB標準が3分50秒00だったので、そこを目標にしていて、ラスト1周までは良かったのですが、最後は疲れてしまってラスト200メートルで動かなかったのが課題だなと思います。でも最低限ベストは出せたのは良かったと思います。

――コンディションはいかがでしたか

 コンディションは良い感じできていて、前回の日体大記録会で自己ベストを出した時よりも状態は良かったです。城西大学さんがペースメーカーを用意してくれるとのことで、良いレースで進めるだろうなとは分かっていたので、そこは集中するだけの良い状態でした。

――どのようなレースプランでしたか

 城西大学さんが3分48秒のペースメーカーをつけると言っていたので、無心で前についていくだけでした。

――レース中、一緒に出走した菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京)からの声掛けなどもありましたが、そこについてはどのように感じていましたか

 ラストのしんどいところで前に出てもらって、つければなと思ったのですが、正直「きついな」という気持ちの方が大きくて、「すみません」と思いながらついていけずという感じでした。

――実際にレースを振り返ってみての手応えはいかがでしたか

 今日は良いペースで進んでこういう感じの結果だったので、今の実力で出せる限界は出せたかなという感じでした。これから上にいくために、またけがをせずにしっかり練習を積んで、夏に向けてやっていきたいなと思います。

――これからのシーズンに向けての意気込みをお願いします

 元々1、2年生の間はけがが多くてずっとレースに出れなかった中、まずは1500メートルである程度の結果を残すことができたので、次は5000メートルとか10000メートルとかハーフマラソンとかゆくゆくは駅伝に向けて一歩ずつやっていけたらなと思います。

伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)

――今日の調子はいかがでしたか

 すこぶる悪いわけではありませんでしたが、仕上がりとしてはまだまだでした。

――今日のレースはどのような位置付けでしたか

 練習の一環として設定ペース通りに押し、+αの練習につなげるという位置付けでした。

――レースプランはどのように考えていましたか

 山口(智規、スポ2=福島・学法石川)と14分10秒前後を狙って、2人でレースを作るというプランでした。

――レース展開はどのように振り返りますか

 多少ペースが不安定な部分もありましたが、全体を通して見ると、及第点の走りだったと思います。気温、湿度が高い中、良い練習になりました。

――山口選手と最初から並走していたのは、お互いに引っ張り合いながらということですか

 山口と途中で交代するプランで、レースではプラン通りの進み方でした。

――タイムや結果については

 練習の一環として、コンディションを鑑(かんが)みると妥当なタイムだったと思います。次の試合に向けては順調に練習が積めました。

――次のレースに向けた意気込みをお願いします

 次はホクレン千歳大会に出場予定で、そこでトラックシーズンは最後になると思います。勝ち切れない試合が続いているので、勝ちにこだわったレースをすると共に、13分20秒台を目指して頑張ります。