時折激しい雨が叩きつける中、TOKOROZAWAゲームズSpring 20232日目が開催された。この日は、短距離ブロックの選手、総勢27人が出場。決していいとは言えないコンディションだったが、ホームグラウンドで行われた競技会でおのおのが状態を確認した。
最初に行われた男子100メートルには、井上直紀(スポ1=群馬・高崎)や、秀島来(スポ3=千葉・東海大浦安)ら4人が出場。今試合がシーズン初戦である井上が10秒56の好タイムをマークし、組1着でフィニッシュした。
悪天候のなか、好タイムをマークした井上
男女の400メートルには、普段400メートル障害を主戦場とする選手が多く出場した。先に行われた男子400メートルは、田中天智龍(スポ3=鹿児島南)や金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘)をはじめ、4選手が出場した。1組目に出走した金本が、48秒80、2組目の田中が48秒38をマーク。47秒台を狙っていた田中は、約0・4秒目標タイムに届かず、反省点を口にした。女子400メートルでは、2組目で川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘)が55秒94をマークし、1着でフィニッシュ。新田望(スポ1=神奈川・法政二)、大川寿美香(スポ1=東京・三田国際学園)、津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)がそれに続いた。
男子200メートルには、5組目と6組目に計8人の選手が出場した。5組では、眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)が早大勢トップとなる21秒81の2着でゴール。最終6組では、島田が21秒55で組1着、池淵が21秒66のタイムで組2着だった。「ある程度目的を果たせた」(池淵)と実りあるレースとなった。先週行われた関東学連春季オープン競技会(春季オープン)から、記録を縮めた選手も複数おり、今後に向け好材料となった。また、中村真由(政経2=東京・早実)と清水奈々子(文構1=北海道・札幌南)は100メートルと200メートルに出場し、それぞれ現状を確認した。フィールド種目は、女子棒高跳に宮﨑瑛子(商1=静岡・浜松市立)、女子三段跳に伊藤凜(スポ1=福岡・明善)、男子やり投に梅澤祥吾(スポ1=神奈川・金沢)が出場した。3選手とも自己記録には及ばなかったが、手応えと課題を得る結果となった。
池淵は、反省点とともに明確な収穫を得た
来週末には、東京六大学対校が控える早大の選手たち。春季オープンと今大会の2試合を通して、それぞれの収穫と課題も明確になっているだろう。新体制になって初めて迎える対校戦へ、「全員で勝ちに行く」(田中)と、個々の力を集約し、チーム一丸となって突き進む。
エトキ
(記事 加藤志保、写真 戸祭華子、加藤志保)
結果
▽男子
▽100メートル
井上直紀(スポ1=群馬・高崎) 10秒56(+1・0)(8組1着)
秀島来(スポ3=千葉・東海大浦安) 10秒90(+1・0)(8組2着)
西徹朗(スポ1=愛知・名古屋) 11秒29(+0・5)(7組7着)
千田杜真寿(スポ2=茨城キリスト教学園) 11秒44(+1・0)(8組4着)
池淵秀(法3=京都・洛南) 棄権
池田海(スポ2=愛媛・松山北) 棄権
島田開伸(スポ2=静岡・浜松湖東) 棄権
平野智也(文構2=京都・洛南) 棄権
▽200メートル
島田開伸(スポ2=静岡・浜松湖東) 21秒55(+1・2)(6組1着)
池淵秀(法3=京都・洛南) 21秒66(+1・2)(6組2着)
新上健太(人3=東京・早実) 21秒68(+1・2)(6組3着)
眞々田洸大(スポ2=千葉・成田) 21秒81(+0・6)(5組2着)
秀島来(スポ3=千葉・東海大浦安) 21秒84(+1・2)(6組4着)
大竹春樹(商2=東京・早実) 21秒99(+0・6)(5組3着)
清水友彬(スポ1=三重・伊勢) 22秒49(+0・6)(5組6着)
西徹朗(スポ1=愛知・名古屋) 26秒00(+0・6)(5組8着)
竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵) 棄権
藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館) 棄権
寺澤大地(スポ1=京都・洛南) 棄権
▽400メートル
田中天智龍(スポ3=鹿児島南) 48秒38(4組2着)
金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘) 48秒80(3組2着)
石原慎也(法1=京都・洛南) 48秒80(4組3着)
山西修矢(人3=香川・高松一) 50秒32(4組5着)
佐藤カルタ(スポ2=神奈川・厚木) 棄権
筒井航佑(スポ2=愛知・時習館) 棄権
竹一虎(スポ1=滋賀・草津東) 棄権
盛岡優喜(スポ1=千葉・八千代松陰) 棄権
▽800メートル
坂本達哉(教3=東京・淑徳巣鴨) 1分56秒30(2組1着)
佐藤カルタ(スポ2=神奈川・厚木) 2分02秒27(2組3着)
▽110メートル障害
池田海(スポ2=愛媛・松山北) 棄権
▽400メートル障害
田中天智龍(スポ3=鹿児島南) 棄権
新井公貴(スポ3=神奈川・逗子開成) ★棄権
▽三段跳
棚井将輝(スポ1=埼玉・大宮北) 棄権
古川知征(スポ1=宮城・仙台二華) 棄権
▽やり投
梅澤祥吾(スポ1=神奈川・金沢) 55メートル05(2等)
鶴澤元基(スポ1=東京・富士森) 棄権
▽女子
▽100メートル
中村真由(政経2=東京・早実) 12秒72(+0・6)(3組1着)
清水奈々子(文構1=北海道・札幌南) 13秒04(+0・6)(3組4着)
▽200メートル
中村真由(政経2=東京・早実) 25秒92(+1・5)(3組1着)
清水奈々子(文構1=北海道・札幌南) 26秒10(+1・5)(3組2着)
▽400メートル
川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘) 55秒94(2組1着)
新田望(スポ1=神奈川・法政二) 56秒93(2組2着)
大川寿美香(スポ1=東京・三田国際学園) 57秒74(2組3着)
津川瑠衣(スポ3=東京・八王子) 58秒31(2組4着)
清水羽菜(スポ3=東京・白梅学園) 59秒22(1組1着)
生田桃子(人2=愛知・時習館) 棄権
清水奈々子(文構1=北海道・札幌南) 棄権
▽800メートル
生田桃子(人2=愛知・時習館) 2分24秒23(2組2着)
▽100メートル障害
大川寿美香(スポ1=東京・三田国際学園) 棄権
▽三段跳
伊藤凜(スポ1=福岡・明善) 10メートル96(0・0)(3位)
▽棒高跳
宮崎瑛子(商1=静岡・浜松市立) 3メートル10(1等)
コメント
田中天智龍主将(スポ3=鹿児島南)
――今日の調子はいかがでしたか
調子としては上がってきてはいませんでした。
――今日のレースはどのような位置付けでしたか
ポイント練習の一環でした。正直に言うと、タイムをもう少し出したかったというのが本音です。
――目標タイムは具体的にどのくらいでしたか
目標は47秒台でした。
――レースを振り返っていかがですか
結構ヨンパー(400メートル障害)と同じで、前半楽に行けて、後半勝負というのが僕のレース展開ですし、強みでもあります。ですが、春季オープンもそうだったのですが、前半楽に行けて、後半の僕の強みを出す上で大事な切り替えができていませんでした。そこが今日目標を達成できなかった一番の要因かなと思います。切り替えをもっとレースの流れでしっかりできれば、もっと行けると思います。今はレース曲線的に、楽に行って、少し下がったところを無理矢理上げようとしていて。その動作がすごく力を使うので、それをもっと緩やかにしたいというのが反省点です。
――400メートルは久しぶりでしたが、楽しみでしたか
高3の春以来で、正直ヨンパーより緊張していました。
――雨の影響などはありましたか
もちろん悪天候ではありましたが、言い訳にはしたくないと言うか、僕は高い目標を立ててそこに向かってアプローチしているので、天候がどうっていうのは言いたくないですね。
――来週の六大学に向けた意気込みをお願いします
チーム全体としては、(新)チーム初めての対校戦なので、そこは出る人出ない人関係なく、全員で勝ちに行きます。個人としてはマイルにエントリーしていて、力がある大学がいるので、そこにしっかり食らいついていきたいです。僕自身大学に入って初めてのマイルになるので、自分の強みをうまく出せたらなと思います。また僕は、マイルの早稲田だと思っているので、そこで勝つことで、チームを盛り上げられたらなと思います。ヨンパーは、今日と春季オープンで失敗したところを修正して、49秒5台中盤を目安に置いて走ります。
池淵秀(法3=京都・洛南)
――位置付け
天候が悪くベストを狙える調子でもなかったので、試合という位置付けよりも、試合形式のポイント練習という感覚で臨みました。レース直前の鴨川合宿でも試合のことは考えず、それなりの練習量を積んだ状態で走りました。
――目標タイム
初戦ではベストから1秒以上遅く走ってしまったので、まずは欲張らず21秒中盤を目標に設定しました。
――レースプランはどのように考えていましたか
大まかにレースを150メートルだと仮定して、前半からビビらずに突っ込み、ラスト50メートルはそれをキープするイメージで臨みました。
――実際のレースの振り返りをお願いします
初戦(関東学連春季オープン競技会)では、前半から大きく遅れてしまい、その後のレースの流れも悪くなりました。今回はそこを改善するため、最初の50メートルをビビらずに入ることを意識して臨みました。今日は、前半の流れがしっかり作れたのでコーナー抜けから150メートル地点までのレース展開は良かったと思います。しかし、後半50mについては身体が浮いてしまい、失速に繋がりました。
――結果についてはどのように捉えていますか
ある程度、目的を果たせたレースだったのではないかと思います。今試合はタイムよりレースの中身を重視した試合でした。課題も今後やるべきことも、ハッキリ見えたかなと思います。
――今後に向けて
やるべきことは多いですし、時間はいくらあっても足りないなと考えています。今後のレースや練習で一つ一つの課題を丁寧に潰していき、着実にタイムを伸ばしていこうと思います。
――最後に一言お願いします
雨の中、1日中大会を運営してくれた部員や学連の方々に本当に感謝しています。この場を借りて「ありがとうございました」と伝えたいです。