菖蒲、伊藤大志が出場 悔しさを残しつつも、両選手大幅自己新!

陸上競技

 香川丸亀国際ハーフマラソン(丸亀ハーフ)が、3年ぶりに開催された。前回大会では、男子ハーフマラソンの日本記録が樹立されるなど、日本有数の高速レースとして知られる、この大会。今年も好記録がうまれ、日本人トップとなった太田智樹(令2スポ卒=現トヨタ自動車)は、日本歴代3位の60分8秒をたたきだした。早大からは、菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)、伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)の2人が出場。「早稲田記録を狙っていた」伊藤大志は、61分50秒と惜しくも3秒届かず。それでも、62分0秒を記録した菖蒲とともに大幅な自己新をたたき出した。

実業団選手とともに、先頭集団でレースをすすめた伊藤大志

 2月にしては少し暑いコンディションで行われた、この日のレース。実業団選手を中心に形成された先頭集団は、5キロを14分08秒で通過するハイペースの展開に。伊藤大志も、序盤はその先頭集団につくも、じわじわと離されてしまう。それでも15キロまで早稲田記録が十分に狙えるペースだった。しかし、「もったいなかった」と語るように、足が残っていなかったという後半に1キロ3分を超えるペースまで落ちてしまい記録更新はならなかった。しかし、「疲労が抜けず、70、80%の状態」で、これだけのタイムが出せるのは地力が上がった証拠とも言えるだろう。

 菖蒲はスタート位置の関係から、「ちょうど良かった」という第2集団で冷静にレースを展開。後半もペースをそこまで落とすことなく堅実にレースを進めた。持ち前のラストスパートを遺憾(いかん)なく発揮した20キロ以降のタイムは、上位100人の中では日本人トップ。苦しいときでも、最後はしっかりペースを上げることができるのが彼の強さだ。

終盤、得意のラストスパートで追い上げを見せた菖蒲

 一定の結果を残した一方で、日本人2位の篠原倖太朗(駒大)、3位の吉田礼志(中学大)などの学生トップクラスとの実力の差を思い知らされた今大会。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の3区でごぼう抜きをした井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)のような誰もが認める、エースは早大にはもういない。さらなる上位進出を狙う上で他大と渡り合えるエースの育成は急務だ。今日出場した選手の他にも、力がある選手は揃(そろ)っている。来たるトラックシーズンに向けて、新たなチームの顔が出てくることを期待したい。

(記事 飯田諒、写真 和田悟志氏、戸祭華子)

結果

▽ハーフマラソン登録男女A

伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)  1時間1分50秒(17位)自己新

菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)  1時間2分00秒(20位)自己新

コメント

菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)

――今日の調子はいかがでしたか

 箱根が終わってからしっかり練習も積めていたので、ある程度いい状態ではあったと思います。

――気候などはいかがでしたか

 予想していたよりは暑かったです。

――レースプランはどのように考えていましたか

 とにかくハイペースで行くというのが分かっていたので、何も考えることなく集団につくだけだと考えていました。

――レース全体を振り返っていかがでしたか

 スタート位置が後ろになってしまったので、なかなか前に出られなくて、スタートした時点で第2集団みたいなところになってしまいました。前の集団がかなり速いペースで突っ込んでいたので、僕にとっては第2集団がちょうど良かったです。折り返ししてからもある程度のペースでは押し切れたので、そこにハマれて良かったのかなと思います。

――タイムや順位についてはいかがですか

 悪くても(1時間)2分台、良くて(1時間)1分40秒の早稲田記録かなと思っていたので、80点ぐらいはあげられるかなと思います。

――これから、駅伝主将としてどのような走りをしていきたいですか

 まず今大会が主将として迎える初の大会で、とにかく結果で示さないとと思っていたので、そこは一安心しています。ですが、トラックが今まで僕の中ですごく頑張ってきた部分ではあるので、昨年以上、今まで以上の結果を追い求めていかないとと思っています。

伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)

――今日の調子はいかがでしたか

 箱根(東京箱根間往復大学駅伝)、都道府県(全国都道府県対抗男子駅伝)と連戦でどうしても疲労が抜けないなかで、調子が上がってはいたのですが、100%ではなくて。70、80%くらいでした。

――気候やコンディションはいかがでしたか

 気候や、外的なコンディションはかなり良かったかな思っています。気温もそうですし、風もそんなに強いという感じではなかったので、ある程度走りやすい気候ではあったと思います。

――レースプランはどのように考えていましたか

 前半からかなり全体の集団がハイペースで行くのではないかと思っていたので、集団の後ろの方でうまく(1キロ)2分55秒くらいのペースで行き、後半に足を残していけたらと思っていました。ですが、あまりうまくはいきませんでした。

――レース全体を振り返っていかがでしたか

 前半折り返しまでは、第2集団ぐらいでトヨタ自動車の大石さんと西山和弥さんと残り数人で集団をうまく作っていました。特にトヨタの選手二人とはうまくコミュニケーションをとりながら、集団を引っ張り合ったりしていました。そのおかげで前半はかなりハイペースで行けて、リズムも良かったのでそこはありがたかったです。ですが、逆に後半、15キロ過ぎぐらいからかなりペースを落としてしまって、トータルのタイム的にも厳しくなってしまう、(1キロ)3分かかってしまうことが何回かあって。そこは他校のエースや社会人、実業団の選手との差と思います。

――もう少しで早稲田記録でしたが、タイムや結果についてはいかがですか

 やはり早稲田記録を狙いたかったので、ギリギリまで踏ん張りはしたのですが、後半のたれが大きく影響してしまって、(早稲田記録まで)残り3秒、4秒くらいだったので、そこはもったいなかった感じがします。

――今年は上級生になりますが、チームでどのような役割を担っていきたいですか

 一番は菖蒲さんのチームなので。菖蒲さんが中心になっていくところの外側の補強をしたいです。ある程度層の厚みが出てきたので、自分たちの学年が中心となって下級生を引っ張っていくのもそうですし、最上級生を刺激していく立場でもあると思います。3年生だからこそできることがあると思うので、そこはしっかり菖蒲さんを中心としたチームのなかで、チーム運営の手伝いができたらと思います。