2022年を締めくくるレースとして、毎年大みそか恒例の『漢祭り』が早大所沢キャンパスで開催された。2日後に迫った東京箱根間往復駅伝(箱根)のメンバー登録から外れた選手が、5000メートル、1万メートルにそれぞれ出走。1万メートルでは、藤本進次郎(教1=大阪・清風)が30分15秒41のタイムで、見事に2022年の『漢』に輝いた。
5000メートルには早大から6人が出場。レースはスタートから、他大学の選手が集団を引っ張るかたちとなった。3周目で早くも集団はばらけ始め、杵鞭源(人1=愛知・旭野)、日野斗馬(商2=愛媛・松山東)、伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部)は集団の中で食らいつくが、中田歩夢(人2=埼玉・所沢北)、小玉瑞葵(文2=福島・安積)、増永峰土(商1=神奈川・逗子開成)は集団から遅れてしまう。中盤にかけて日野、杵鞭、伊藤幸も次第に先頭集団からこぼれて、それぞれ単独走でレースを進めることになった。箱根のエントリーメンバーがエールを送る中、伊藤幸はラストスパートで順位を上げ、早大勢トップとなる8位でフィニッシュ。また、今レースが選手としてのラストレースとなる中田は15分42秒74のタイムでレースを終えた。
5000メートルのレースを走る中田
1万メートル1組には早大から4人が出走。このレースの早大勢トップには『漢』の称号が与えられる。序盤、他大学の選手が集団を引っ張る中、早大勢は集団の中程でレースを進めた。すると、4000メートル過ぎに藤本が先頭に立ち、集団を引っ張るなど積極的な姿勢を見せる。6000メートルを過ぎたあたりで、草野洸正(商2=埼玉・浦和)、門馬海成(政経1=福島・会津)が集団から遅れ、『漢』争いは藤本と濱本寛人(スポ3=熊本・宇土)の一騎討ちに。先頭集団で粘る藤本だったが「(ペースを)上げたところで、(力を)使ってしまった」と8000メートル過ぎに集団から遅れ、その後は他大学の選手と6位争いへ。すると後方でレースを進めていた濱本が、前の集団から溢れた選手をかわしながら順位を上げていき、早大勢トップを走る藤本に迫った。それでも藤本は「今年1番気を使って、ラストもがいた」と濱本の猛追を振り払い、早大勢トップの5位でフィニッシュ。早大勢2位の濱本とはわずか2秒差で、『漢』の称号を手にした。
1万メートルのレースを走る藤本
『漢祭り』の主役は箱根にエントリーされなかった選手であり、来年度の飛躍につなげるためのレースである。年が明ければ、主役は箱根のエントリーメンバーへと変わる。しかし『漢祭り』が大舞台へ挑むチーム全体に、勢いをもたらすことは間違いない。『漢祭り』から箱根1区へタスキは渡された。
(記事 廣野一眞、写真 戸祭華子、川上璃々)
結果
▽5000メートル
伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部) 14分49秒95 (8着)
日野斗馬(商2=愛媛・松山東) 14分58秒94(13着)自己新
小玉瑞葵(文2=福島・安積) 15分11秒11(19着)
杵鞭源(人1=愛知・旭野) 15分25秒11 (23着)
中田歩夢(人2=埼玉・所沢北) 15分42秒74(25着)
増永峰土(商1=神奈川・逗子開成) 途中棄権
▽1万メートル2組
藤本進次郎(教1=大阪・清風) 30分15秒41(5着)
濱本寛人(スポ3=熊本・宇土) 30分17秒78(6着)自己新
門馬海成(政1=福島・会津) 30分46秒17(16着)
草野洸正(商2=埼玉・浦和) 30分52秒44(17着)自己新
コメント
藤本進次郎(教1=大阪・清風)
――漢祭りを制した今の気分はいかがですか
とりあえず勝つことを目標にしていたので、そこはよかったと思います。
――漢祭りへの意気込みやレースプランはありましたか
今日は、攻めるということを意識して走りました。途中5000メートルあたりで出て、先頭に立って、そのまま押し切るくらいの強い気持ちで行ったのですが、体力不足で引っ張り切れませんでした。
――4キロ過ぎで出るのは元々考えていたのですか
そうですね、どこかで出るというのはすごく意識していました。
――8キロ過ぎに集団から離れてしまったのは、自分の変化ですか、それとも集団の変化ですか
(ペースを)上げたところで少し(力を)使ってしまったので、どうしても付き切れなかったのがすごく悔しいです。
――ラストスパートはどのような気持ちで走っていましたか
今年一番気を使って、ラストもがいたのですが、最後振り絞って勝てたので良かったと思います。
――春に入学してから今日まではどのような日々でしたか
頑張ってきたと思います。
――最後に来年への意気込みをお聞かせください
夏に合宿があるのですが、そこで上の層にしっかりついて、そのまま上がっていけたらなと思います。