全日本大学駅伝対校選手権(全日本)から1週間がたったこの日、日本体育大学長距離競技会が行われた。早大からは全日本の出走が叶わなかった選手が、男子5000メートルに計8人出場した。その中でも大学駅伝出走経験のある、諸冨湧(文3=京都・洛南)、栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川)が14分台前半のタイムをマーク、地力の高さを見せつけた。
男子5000メートル25組に登場したのは栁本、菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)、須山向陽(スポ1=鹿児島城西)の3人。序盤から縦長の展開になり、栁本は集団前方、菅野、須山は集団後方でレースを進める。栁本の3000メートルの通過は8分24秒。13分台が狙えるペースだったがここで先頭集団からこぼれてしまった。そこから更に落ちてしまうかと思われたが、先頭が見える位置で粘り続け、5着でフィニッシュした。徐々に集団から離れてしまった菅野、須山はそのまま後方でのレース。最後の1周でギアを切り替えて追い上げた菅野が早大勢では2番手。菅野が14分37秒19の組23着、須山が14分39秒83の組27着でそれぞれゴールした。
5000メートル25組のレースを走る栁本
続く26組には諸冨が出場した。スタート直後から駿河台大の外国人選手が1000メートルを2分40秒で入り、ハイペースをつくる。最初はついていった諸冨だがすぐに離れ、一時は第2集団の後方に。そこから、前の集団から落ちてきた選手を拾い続け、18着でゴール。「全体的にイマイチ」とレースを総括した諸冨は時折、悔しげな表情を見せた。
5000メートル26組のレースを走る諸冨
東京箱根間往復大学駅伝(箱根)のエントリーまで1カ月を切った。花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)体制で迎える初めての箱根駅伝、エンジが躍動するためには、全日本出走メンバー外の選手の台頭が必要不可欠だろう。
(記事 飯田諒、写真 湯口賢人、芦沢拓海)
結果
▽男子5000メートル
伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部) 15分04秒77(12組10着)
小玉瑞葵(文2=福島・安積) 15分40秒85(12組30着)
杵鞭源(人1=愛知・旭野) 16分03秒47(12組33着)
濱本寛人(スポ3=熊本・宇土) 14分58秒56(16組9着)
栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川) 14分17秒25(25組5着)
菅野雄太(教2=埼玉・西武文理) 14分37秒19(25組23着)
須山向陽(スポ1=鹿児島城西) 14分39秒83(25組27着)
諸冨湧(文3=京都・洛南) 14分24秒12(26組18着)
菖蒲敦司(スポ3=山口・西京) 棄権
藤本進次郎(教1=大阪・清風) 棄権
コメント
諸冨湧(文3=京都・洛南)
――今日のレースの位置付けを教えてください
全日本(全日本大学駅伝対校選手権)で外れたので、振替ではないですが、ある程度調整した中で臨んだレースでした。
――全日本のメンバーを外れた原因は
予選会(東京箱根間往復大学駅伝予選会)が終わってから、調子を崩してしまい、メンバーから外れて、この競技会に出ることになりました。
――今日のレースの振り返りをお願いします
最初、(先頭が)ちょっと速かったので、少し間を空けました。調子は良かったのですが、中盤から一旦離れてから、ずるずる落ちてしまったので、あまりレース展開的には良くなかったかなと思います。
――レースの感触はいかがでしたか
動きはそこまで悪くなかったと思いますが、スピードはあまり出ていなかったので、全体的にイマイチかなと思います。
――今はスピードよりもスタミナの練習を多めにしているのですか
ある程度この5000メートルに向けて、自分なりに考えて練習してきて、結果が結果なのであまり良くなかったと思います。
――今後に向けての意気込みをお願いします
あと1カ月半あるので、ここからはスタミナの方に寄っていくと思いますが、この結果に一喜一憂せずに箱根を見据えて、もう一度作り直していきます。
栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川)
――今日のレースに至るまでの調子は
前回10月に平成国際大競技会に出て、そこで悔しい思いをして、ウェイトやジョグの量を増やして、それをきっかけに意識を変えて上り調子でした。
――今回5000メートルに出場された意図は
スピード感覚を戻すというのがあります。夏合宿の途中で疲労骨折してしまって、みんなから離脱してしまったので、5000メートルのキレを戻すというのがありました。
――レースプランはどのようなものでしたか
特に考えていなくて、タイムというよりは組のトップをとることを意識していました。
――レースを振り返っていかがですか
前半は前を見える位置で走れたのですが、集団の後ろに離れてからは第二集団を引っ張ることになって、そこから我慢しきれず、少しずつ集団から離れてしまいました。しかし、最低限の走りはできたと思うので、今までの練習からすると合格点かなと思います。
――箱根への課題は
箱根は20キロを走らなければいけないので、しっかりと距離を踏んで、大学入学後はケガをしたので、そのケガの対策をしつつ、後半も地面を踏めるようにウェイトトレーニングをしたいと思います。
――今後の目標は
前回区間19位でチームに迷惑をかけているので、今年は出走して区間5位以内で走り、チームに貢献したいです。