小指復活の兆し チームに勢いをもたらす好走

陸上競技

 雨が降りつける肌寒い天候の中、第8回早稲田大学競技会が行われた。早大勢は5000メートルに出場。小指卓也(スポ4=福島・学法石川)が長く続いた不調から復活の兆しが見える14分16秒62で1着。ルーキーの須山向陽(スポ1=鹿児島城西)、藤本進次郎(教1=大阪・清風)、宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園)も大学ベストの走りを見せた。

5000メートルのレースを走る小指

 レースはスタート直後から和田悠都(先理2=東京・早実)、草野洸正(商2=埼玉・浦和)、宮岡らが前に出て集団を引っ張った。2000メートル過ぎで集団が分かれ、先頭集団は、明大の選手たちに小指が混じるかたちに。3400メートル付近で小指は一瞬苦しげな表情を見せたものの、依然として先頭付近で終盤まで走りを進める。宮岡、須山は先頭集団の少し後ろで安定した走りを見せ、藤本はレース後半にかけて徐々に位置をあげた。

終盤追い上げる藤本。前の明大の集団に混じっているのが宮岡、後ろの集団先頭が須山

 ラスト1周で小指はスパートをかけ、ホームストレートで後続を突き放し全体の1着でゴール。宮岡、藤本、須山は先頭から離れてしまったものの、ラストまで粘りを見せそれぞれ大学ベストの記録をマークし早大勢2着、3着、4着で走り切った。

1着でゴールする小指

 2年次に日本選手権と東京箱根間往復大学駅伝(箱根)に出場したが、3年次はケガと不調に苦しみ、ほとんどレースへの出走が叶わなかった小指。今年も前半シーズンは思うような走りはできなかったが、「今年の夏合宿では今まで4年間で一番距離を踏んできて、3次合宿を全てこなしたのも4年目で初めてだった」という。小指、そして大学ベストで走ったルーキー3人をはじめ、箱根予選会メンバー外の選手たちの今回の走りは、予選会を前に、チームに対して勢いをもたらしたはずだ。

(記事 宇野結子、写真 戸祭華子、近藤翔太、飯田諒)

結果

▽男子5000メートル

小指卓也(スポ4=福島・学法石川)  14分16秒62 (1着)

宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園)  14分32秒28 (8着)

藤本進次郎(教1=大阪・清風)  14分35秒10 (10着)

須山向陽(スポ1=鹿児島城西)  14分38秒66 (13着)

門馬海成(政経1=福島・会津)  14分48秒69 (14着)

草野洸正(商2=埼玉・浦和)  15分00秒31 (20着)

和田悠都(先理2=東京・早実)  15分03秒18 (22着)

小玉瑞葵(文2=福島・安積)  15分03秒92 (23着)自己新

伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部)  15分19秒04 (25着)

杵鞭源(人1=愛知・旭野)  15分52秒48 (29着)

日野斗馬(商2=愛媛・松山東)  棄権

増永峰土(商1=神奈川・逗子開成)  棄権

コメント

小指卓也(スポ4=福島・学法石川)

――今日の目標を教えてください

前回の1万メートルでは30分前後を目指したのですが、合宿の疲労でうまく走れなくて、その後監督(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)と相談して、練習の方向性を変えてスピード練習をやってみるか、ということになりました。今日の設定タイムは14分40秒と言われていたのですが、(監督に)「設定は無くして流れに乗って自分のレースをしていこう」と言われたので、自分の気持ちいい走りをするということを目標に走りました。

――東京箱根間往復大学駅伝予選会(予選会)のエントリーからは外れてしまいましたが最近の調子はどうでしたか

前回の1万メートルは本当に調子が悪くてどうしようもなかったのですが、花田さんが調子を気にしてくださり、練習の相談をして、ここ2週間で立て直し、疲労もいい感じに抜けてキレも出てきました。今年の夏合宿では今まで4年間で一番距離を踏んできて、3次合宿を全てこなしたのも4年目で初めてだったので、練習の方向性を変えれば調子も上がってくるのではないかということで今回5000メートルを走りました。すごく良いタイムとは言えないですけど、ここ最近の調子の中ではパフォーマンスを良く発揮できた方なのではないかなと思います。(予選会の)メンバーに入れなかったのは上級生として申し訳ないですが、ここでしっかり先頭でゴールし、流れに少しでも加わることができたと思います。

――最後まで先頭について行って勝ち切るようなレースは久しぶりだったと思います。感覚としてはいかがでしたか

正直ペースはあまり速くなかったのですが、勝ち切るという一番の目標は達成できました。予選会には出られないので、次は全日本(全日本大学駅伝対校選手権)ですが、メンバーには入れると思うので、どの区間でも競ったときに勝ち切るイメージを付けられたと思います。

――タイムについてはいかがでしたか

タイムは正直ベストからしたら程遠いですが、本当にずっと調子が悪かったので自分の中では結構満足しています。

――今後に向けての意気込みをお願いします

予選会のメンバーからは外れて、残りは全日本と、予選会を通過できれば箱根(東京箱根間往復大学駅伝)の2本です。4年生になった瞬間は、最終学年としてしっかり調子を上げて練習や態度でもチームを引っ張っていこうという意気込みだったのですが、なかなかできなくて周りにも迷惑かけてばかりですが、ここから時間が限られている中でもやるべきことはたくさんあると思います。ここでもう一回自分の存在感を見せつけて、チーム内の競争を勝ち抜くこともそうですし、他大と戦えるようにみんなで頑張っていきたいと思います。