★新上自己新! 複数種目出場の山越も存在感/短距離種目
強い日差しが照りつけた7月9日の午前中、第5回早稲田大学競技会の短距離種目が行われた。ブロック問わず多くの選手が出場し、新上健太(人3=東京・早実)や山越理子(人1=東京・富士)などが自己記録を更新した。
女子400メートルで躍動したのは、普段100、200メートルを専門としている山越だった。このレースには、津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)、800メートルで自己記録を更新した生田桃子(人2=愛知・時習館)、清水奈々子(文構1=北海道・札幌南)、そして山越が出場。前半は、スタート後すぐに清水が飛び出し積極的にレースを進める。後半は、「前半は楽に走れたので、後半は出し切るだけだった」山越が、猛烈な追い上げと伸びを見せ、1着でゴール。自己新記録で、全カレ(日本学生対校選手権)B標準記録を突破。シーズンベストを更新した200メートルに続いて好調ぶりをうかがわせた。
女子400メートルのレースを走る山越
男子400メートルには、村木渉真(スポM2=愛知・千種)と新上が出場。スタートから積極的に飛び出した新上が、200メートルを23秒で通過。後半も、ここ1カ月で向上したというスピードを遺憾(いかん)無く発揮し、47秒05の自己新記録をマーク。見事、この日の目標であったという全カレA標準記録を突破した。「前半からスピードに乗って後半も耐えるという戦い方が出来た」新上にとって内容、タイムともに収穫の多いレースとなった。
男子400メートルのレースでゴールする新上
その他にも、男子400メートルハードルでは、昨週の早大競技会で自己記録を更新した金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘)が再び登場。52秒25の好記録をマークした。全カレに向けて熾烈(しれつ)なメンバー争いが予想される男子400メートル障害。それを経て挑む全カレで、ヨンパーブロック全体で感じた関東学生対校選手権の悔しさを晴らし、昨年のような結果を残すことができるか、注目だ。
男子400メートル障害のレースを走る金本
★諸冨復帰!その他多くの選手が出場/長距離種目
同日の夕方、長距離種目の第5回早大競技会も開催された。早大勢は多くの選手が5000メートルに出場。久々のレースとなった諸冨湧(文3=京都・洛南)が1組目のトップでゴールした。
男子5000メートル1組を走る諸冨
5000メートル1組に、鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)や諸冨など、多くの選手が出場。諸冨は、辻文哉(政経3=東京・早実)とともに最初の1キロを2分49秒で通過した先頭集団の中盤に位置取り、好機をうかがう。その後は花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)の指示通り落ち着いてレースを進め、力を貯める。後続では鈴木がこの日早大デビュー戦の須山向陽(スポ1=鹿児島城西)に声をかけながらレースを展開。3000メートル過ぎ、辻が先頭集団からこぼれると、諸冨が先頭を率いる場面も。残り2周で「中間疾走がジョグのような感覚でいけた」諸冨がスパートをかけると後続はついて行けず。その後独走し、ラスト1周も63秒で駆け抜けると、見事復帰戦を組トップでフィニッシュした。
トラックシーズンが終わる前に、貴重な東京箱根間往復大学駅伝経験者である諸冨と鈴木駅伝主将が戦線復帰したことは、チームにとって間違いなく明るい材料だ。花田体制初の来る駅伝シーズンへ。夏合宿で力を蓄える期間に入る。
男子5000メートル1組で集団を引っ張る鈴木主将(写真右から2人目)
(記事 戸祭華子、写真 湯口賢人、川上璃々、加藤志保、及川知世)
結果
▽男子200メートル
村木渉真(スポM2=愛知・千種) 棄権
▽男子400メートル
新上健太(人3=東京・早実)47秒05(1着)自己新
村木 48秒63 (2着)
▽男子800メートル
山西修矢(人3=香川・高松一)1分58秒33 (1着)
眞々田洸大(スポ2=千葉・成田) 途中棄権
▽男子5000メートル1組
諸冨湧(文3=京都・洛南)14分24秒91(1組1着)
辻文哉(政経3=東京・早実)14分50秒29(1組10着)
鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体)14分54秒61(1組13着)
須山向陽(スポ1=鹿児島城西)15分05秒99(1組14着)
伊福陽太(政経2=京都・洛南) 15分20秒21 (1組18着)
中山遥稀(スポ2=千葉・専大松戸)15分20秒46(1組19着)
小玉瑞葵(文2=福島・安積)15分20秒83(1組20着)自己新
和田悠都(先理2=東京・早実)15分23秒91(1組22着)
佐藤航希(スポ3=宮崎日大) 15分32秒18(1組24着)
中田歩夢(人2=埼玉・所沢北)15分36秒54(1組25着)自己新
増永峰土(商1=神奈川・逗子開成)15分43秒14(1組26着)自己新
伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部)15分46秒93(1組28着)
白井航平(文構4=愛知・豊橋東)16分12秒42(1組29着)
杵鞭源(人1=愛知・旭野)16分18秒64(1組30着)
尾座本赳至(スポ2=福岡・筑紫丘)16分33秒56(1組31着)
▽男子5000メートル2組
菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)14分23秒90 (2組8着)
草野洸正(商2=埼玉・浦和)14分53秒04(2組24着)自己新
宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園)14分58秒97(2組25着)
井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)棄権
▽男子400メートル障害
金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘) 52秒25 (1着)
▽女子100メートル
(ー1・5)
山越理子(人1=東京・富士) 12秒62 (1着)
清水奈々子(文構1=北海道・札幌南) 12秒98 (2着)
▽女子200メートル
(ー0・6)
山越 24秒74 (1着)
大川寿美香(スポ1=東京・三田国際学園) 25秒85 (2着)
新田望(スポ1=神奈川・法政二) 棄権
▽女子400メートル
山越 55秒97 (1着)自己新
津川瑠衣(スポ3=東京・八王子) 56秒55 (2着)
清水 57秒69 (3着)自己新
生田桃子(人2=愛知・時習館) 59秒70 (4着)
髙田真菜(商4=東京・早実) 棄権
新田 棄権
大川 棄権
▽女子800メートル
生田 2分17秒36 (1着)自己新
髙田 棄権
▽女子100メートル障害
(ー1・6)
後藤紗衣(スポ2=福岡・西南学院) 15秒64 (1着)
▽女子三段跳
(ー0・4)
伊藤凜(スポ1=福岡・明善) 11メートル17 (1着)
コメント
▽男子400メートル
新上健太(人3=東京・早実)
――本日のコンディション、体の感覚はいかがでしたか
試合が3週連続であったので、だいぶ疲労がありました。ですが、感覚的には自分の動きはできるかなという感じでした。
――レースを振り返ってどのように感じていますか
ここ1か月くらいでスピード自体は大分上がっていたので、それを生かしたレース展開を想定していました。今日は、そういった前半からスピードに乗って後半も耐えるという戦い方が出来たと思います。
――タイムはどのように捉えられていますか
今日のタイム的な目標は全カレ(日本学生対校選手権) A標準記録の47秒20だったので、それも切れたので良かったです 。
――最後に、次の目標をお願いします。
次の大きな試合は全カレになります。それに向けてあと何本かレースに出て、本番で1番いい状態で走れるように整えていくというのが次の目標です。
▽女子100、200、400メートル
山越理子(人1=東京・富士)
――今日のコンディションを教えてください
すごく良いという感じではなかったのですが、100と200を走って、ちょっと疲労もあったのですが、今日は走り切ろうという気持ちで頑張ったという感じです。
――400メートルに出場された意図を教えてください
400は、100と200最初にある程度タイムをちゃんと出したいなと思っていたので、最後に400を設定してもらって、400は走り切って、練習の一環として今後につながればいいかなと思って走りました。
――400メートルのタイムについてはいかがですか
自己ベストで、インカレ(日本学生対校選手権)のA標準はギリギリ届かなかったのですがB標準は届いて、全カレ出るかは分からないんですけど、(標準を)切れたというのは良かったかなと思います。
――200メートル、400メートルともに後半伸びていたと思うのですが、その点についてはいかがですか
200は自分では後半足があまり回らなくて、落ちちゃったなという感じはあったのですが、400は前半楽に走って、後半はもう全力で出し切るだけだなと思っていたので、それで上がったのかなと思います。
――最初から計画はしていましたか
なんとなくイメージはしていました。
▽男子5000メートル
諸冨湧(文3=京都・洛南)
――久しぶりのレースとなりました。最近のコンディションはいかがでしたか
復帰してちょうど1カ月くらいなのですが、仕上がりが結構良くて、いける感じはありました。今日の自己採点としては75点くらいです。目標は14分35秒くらいで低めに設定していたのですが、正直もう少し行けるかなという思いもあります。中盤とかに相楽さん(相楽豊前駅伝監督、平15人卒=福島・安積)と花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)から「落ち着いて」という指示があったので、上げたかったですが3400(メートル)とか3600くらいまでは結構我慢して、最後気持ち上げられたのでよかったと思います。
――レースプランはどのようなものを考えていましたか
3000(メートル)まで様子を見て、上げられたらラスト2000上げるというイメージでした。最初は思ったより動きが固くて、少し不安な感じもありましたが、1600(メートル)くらいからはもう余裕で、逆に我慢するという感じになりました。当初の予定通り後半上げられたので良かったです。
――ラスト2周でスパートをかけられました。タイミングは決めていたのですか
最後、(ペースを)上げられたら上げようと思っていました。中間疾走がジョグのような感覚でいけて、ラスト1周いけそうで先頭も見えていたということもあり、出来れば組1着取りたいと思い、上げました。
――復帰戦として、今日走ってみての感覚を教えてください
復帰して1カ月ですが、休んでいた時間が結構長かったんです。去年の暮れくらいからはあまり走れていなかったので、感覚を戻すという点では、レース自体が久しぶりで、レース前の緊張感とかは結構楽しかったので、感覚的には悪くないかなと思います。
――次の目標を教えてください
今シーズンのトラックレースがおそらくこれが最初で最後です。全カレ(日本学生対校選手権)は、出れるか分からないですが、地元なので出れたらいいなと思っています。出られるのであれば3000メートル障害です。まだ今年1本も走っていないので、障害をまだ飛んでいないということで感覚はまだ分からないですが、距離を踏みながら合わせられたらぜひ出たいと考えています。でも意識的には(チームとしても)夏合宿や駅伝という風に変わってきます。復帰してまだ日が浅く距離をまだ踏めていないので、距離なども意識しつつやって行けたらなと思います。