好記録連発!本格的なシーズンに向け調整

陸上競技

 暖かい日差しが射すとともに冷たい北風が強く吹くグラウンドで、今季2回目の早稲田大学競技会(早大競技会)が行われた。実業団や他大学も参加し、より緊張感のある雰囲気の中で、各々がレース感覚を確かめた。

 長距離では、他の選手に先立って石塚陽士(教1=東京・早実)が1500メートルに出場。序盤から他大学の選手と並走し、4着でフィニッシュ。日本学生個人選手権の標準記録を上回る3分47秒70のタイムを出し、好調でシーズンインを迎えた。レースを終え、「ぎりぎり切れてほっとした」と一言。去年、1年生ながら出雲全日本大学選抜駅伝での区間賞獲得や東京箱根間往復大学駅伝出場などの実績をあげ、大きな存在感を残してきた石塚に今年も期待が高まる。

1500メートルを走る石塚

 短距離陣最初の個人レースは男子200メートル。追い風参考記録ではあるが、三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)が20秒74、西祐大(教2=埼玉・栄東)が21秒00の好記録をたたきだし、その日のレースに勢いをつけた。2週間前の早大競技会で記録を残せなかった池田海(スポ1=愛媛・松山北)は110メートル障害で14秒29をマーク。強い追い風があったが、うまくインターバルの走りを調整し、レース感覚を確かめた。

200メートルのレースを走る澤大地(スポ3=滋賀・草津東)(左)、三浦(中央)、西

 また、今季初レースの男子400メートル障害では、新井公貴(スポ2=神奈川・逗子開成)と田中天智龍(スポ2=鹿児島南)が出場。前半、バックストレートの向かい風に苦しんだと思われたが、後半はしっかり走りをまとめてフィニッシュした。筒井航佑(スポ1=愛知・時習館)は男子800メートルで1分53秒48を記録し、自己ベストを更新。チームメイトの久しぶりの記録更新に周囲の選手は盛り上がりを見せた。続く男子400メートルは藤好俊太(スポ2=福岡・修猷館)が1着でフィニッシュ。男子の最終種目となった100メートルでは、出場選手6人中5人が10秒台でゴール。1着でゴールした三浦は2週間前の記録会に引き続き、出場した全てのレースで組トップと、強さを見せた。また、2着の島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東)は自己ベストに近い記録を出し、次回レースでの記録更新へ期待が高まった。

400メートルを走る藤好

 女子は約1年ぶりに津川瑠衣(スポ2=東京・八王子)が女子400メートル障害に出場し、レース感覚を取り戻す初戦を63秒98で終えた。100メートルでは早大記録を持つ鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東)が出場し、12秒07でフィニッシュ。前回に引き続き本格的なトラックシーズンに向け、調子を確認した。

100メートルを走る鷺

 今年は去年よりも開放的な状況に改善され、多くの大会が開催されることが期待できる。各選手たちはこの早大競技会で得た感覚や、課題を今後につなげ、春以降に行われる大きな大会に向け調整していく。

(記事 川上璃々、写真 及川知世、遠藤香生、加藤志保)

結果

▽男子

▽100メートル

三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)  10秒43(+1・5)(1着)

島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東)  10秒55(+1・5)(2着)

大竹春樹(商1=東京・早実)  10秒68(+1・5)(3着)

澤大地(スポ3=滋賀・草津東)  10秒68(+1・5)(4着)自己新

池淵秀(法2=京都・洛南)  10秒79(+1・5)(5着)

池田海(スポ1=愛媛・松山北)  11秒01(+1・5)(6着)自己新

▽200メートル

新上健太(人2=東京・早実)  21秒49(+2・5)(1組1着)

池淵秀(法2=京都・洛南)  21秒89(+2・5)(1組2着)

村木渉真(スポM1=愛知・千種)  DNF

島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東)  DNS

三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)  20秒74(+2・5)(2組1着)

西裕大(教2=埼玉・栄東)  21秒00(+2・5)(2組2着)

澤大地(スポ3=滋賀・草津東)  21秒34(+2・5)(2組3着)

▽400メートル

藤好駿太(スポ2=福岡・修猷館)  47秒72(1着)

竹内彰基(スポ2=愛知・瑞陵)  48秒01(2着)

新上健太(人2=東京・早実)  48秒12(3着)

村木渉真(スポM1=愛知・千種)  48秒54(4着)

眞々田洸大(スポ1=千葉・成田)  48秒80(5着)

秀島来(スポ2=千葉・東海大浦安)  49秒10(6着)

佐藤カルタ(スポ1=神奈川・厚木)  49秒51(7着)

▽800メートル

筒井航佑(スポ1=愛知・時習館)  1分53秒48(1着)自己新

坂本達哉(教育2=東京・淑徳巣鴨)  2分00秒15(2着)

▽1500メートル

石塚陽士(教1=東京・早実)  3分47秒70(4着)

▽110メートル障害

池田海(スポ1=愛媛・松山北)  14秒29(+3・7)(1着)

▽400メートル障害

田中天智龍(スポ2=鹿児島南)  51秒30(2着)

新井公貴(スポ2=神奈川・逗子開成)  52秒98(4着)

▽棒高跳

平川巧(スポ3=静岡・磐田南)  4メートル80(1位)

▽三段跳

坂本大晟(スポ3=岡山・倉敷東)  13メートル40(1位)

▽走高跳

八木颯太(スポ3=福岡)  1メートル95(1位)

▽4×100メートルリレー

早大  DNF

▽女子

▽100メートル

鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東)  12秒07(+1・9)(1着)

中村真由(政経1=東京・早実)  12秒33(+1・9)(2着)

▽200メートル

中村真由(政経1=東京・早実)  25秒52(+2・7)(1着)

▽400メートル

生田桃子(人1=愛知・時習館)  62秒70(1着)

▽800メートル

髙田真菜(商3=東京・早実)  2分15秒99(1着)

▽400メートル障害

津川瑠衣(スポ2=東京・八王子)  63秒98(1着)

▽走高跳

大坂美乃(文構3=愛知・明和)  1メートル65(1位)

コメント

石塚陽士(教1=東京・早実)

――今日のレースの位置付けは

学生個人(日本学生個人選手権)の標準を切るのが明日までだったので、標準を切ることを目標に走りました。

――レースを終えてみての感想をお願いします

ギリギリ切れてホッとしたというのが正直な所です。

――東京箱根間往復大学駅伝を終えてからトラックや距離への切り替えなどで意識してきたことはありますか

2月まで強化期間で走りこみをしていました。なのでそんなにスピードで切り替えきったというかはまだ途中という感じで、今日はなんとか間に合わせることができたかなと思います。

――4月頭を目指して切り替えている過程ということですか

そうですね。

――今シーズンの意気込みをお願いします

ユニバーシアード(ワールド・ユニバーシティゲームズ)に出たいと思っているので、1500メートル学生個人で3番以内を目標に目指していきたいと思っています。