【連載】『Infinity』第2回 短距離 眞々田洸大

陸上競技

 今年もロングスプリントに期待の新人が加入した。成田高時代に全国高校400メートル6位、4×400メートルリレー2位という実績を残した眞々田洸大(スポ1=千葉・成田)だ。 初めての寮生活、マラソン大会にも出ていた過去、早稲田での競技に対する思いなど、さまざまなお話を伺った。

※この取材は4月25日に行われたものです。

偉大な先輩方を追いかけて

笑顔で質問に答える眞々田

――寮生活は初めてですか

 人生で初めてです。高校は近かったので。(大学の寮には)入ってからようやく1カ月くらい経ったので、何をやるかとかは慣れてきました。

――当番などもあると思いますが、早起きは得意ですか

 早起きは今まで生きてきたなかで本当に苦手だったので、入寮する前から早起きできるのかっていう不安はあったのですが、まだ起きれています(笑)。まだちょっと当番を忘れないかというびくびく感があるので、その心の感じと、あとケータイに頼って、震えた瞬間に起きています(笑)。

――部屋はどなたが一緒ですか

 長距離ブロックの佐藤皓星さん(人4=千葉・幕張総合)と、藤好さん(駿太、スポ2=福岡・修猷館)と一緒です。

――どんな部屋ですか

 結構静かで、あまり物音も立てないような。他の先輩の出入りも少ない方ですが、3日に1回くらい違う先輩が入ってきます(笑)。

――お昼は自炊しているんですか

 自炊したり、近くのお弁当を買ったりしています。

――自炊は得意ですか

 あまりしないのですが、今日もレトルトの麻婆豆腐買ってきて、お豆腐買ってきてそれ調理してという感じでした。それくらいですね。あとトマト買ってきてドレッシングかけて食べたりします。

――授業も始まりましたが、両立は慣れましたか

 実際まだあまり慣れていないです。対面授業でいろんな友達ができてくるんですけど、まだちょっと顔と名前が一致していないというか(笑)。

――スポーツ科学部だと他の体育各部の学生も多いと思います

 結構部活経験者が多くて、アイスホッケーの日本代表経験者とか空手の全国チャンピオンとかがいて、やっぱり早稲田すごいなと。

――オフの日にはどんな息抜きをしていますか

 とりあえず寝るのが好きなので、寝たり、この前は短距離の寮内の島田(開伸、スポ1=静岡・浜松湖東)、千田(杜真寿、スポ1=茨城キリスト教学園)、池田(海、スポ1=愛媛・松山北)の4人で狭山湖にサイクリングに行ったりしました。

――趣味はありますか

 洋服買ったり、カラオケです。あんまり決まった歌手の曲を歌うとかではないんですが、カラオケ番組見るのが好きで。そこでいいなと思った曲を歌ったりします。あとオーディション番組見るのも好きです。Produce101Japanとか、あと虹プロとか、何周もします(笑)。

――推しとかはいるんですか

 推しというよりグループとして見ちゃうんですが、面白いなと思う子は何人かいますね。

――競走部には元々知り合いはいましたか

 佐藤カルタ(スポ1=神奈川・厚木)は関東合宿で同じ部屋で、それ以外はほとんど知らないですね。中山(遥稀、スポ1=千葉・専大松戸)が千葉県が一緒というくらいで、関わりはあんまりなかったですね。

――高校の先輩は、直接の関わりはあまりなかったのですね

 ちょうど入れ替わる代だったので。でも偉大な先輩方なので、村上さん(夏美、スポ4=千葉・成田)とか青柳さん(柾希、スポ4=千葉・成田)とか伊東さん(利来也、令3スポ卒=現三菱マテリアル)もいたので、追いかけてきた感じです。

――競走部で活躍されている先輩を見て、早稲田に行きたくなったと

 そうですね。

――陸上を始めたきっかけは

 陸上を始める前はサッカーをやっていたのですが、サッカーがとりあえず苦手で(笑)。走るのは好きだったので、走るのを極めたいなと思って小学校3年生の秋からコーチのいるクラブチームに入って、陸上を始めました。

――サッカーはどれくらい続けていたのですか

 小1から小3くらいです。けど、ボールが怖いっていう(笑)。

――でも2年間続けたんですね

 何度か「辞めたい」って親ともめることもありましたが、我慢して頑張りました(笑)。

――それ以外はありませんか

 水泳を幼稚園の年長から小5くらいまでやっていました。週4とか練習に行っていたので、結構本気でやっていました。とりあえず泳ぎたいというか水に触れたいという感じで。泳ぐのが好きだったし、結構速く泳げていた方だったので楽しくてやりがいがありました。大会とか出ていたわけじゃないんですが、クラブ内の成績は結構高いところまでいけて。

――得意種目は

 背泳好きでした。呼吸ができるというか(笑)。個人メドレーとかもばんばん泳いでいました。

――水泳で鍛えた肺活量とかは陸上でも生きてきますか

 そうですね、水泳やっていた頃からマラソン大会とかがあって、そこで活躍できていたのもあって、長距離経験してから短距離にきたという感じです。マラソン大会の3カ月前から父親と一緒に毎朝5時半くらいに起きて、練習していました(笑)。

 家族みんながスポーツ好きなので。父親は今もマラソン走っていて、毎朝20キロ走っていたり、市民マラソンにしょっちゅう出ていたり、マスターズの陸上にも出ていたり。学生の頃はサッカーのキーパーをやっていたのですが、町内の駅伝があって、そこで小学生に負けたのが悔しくて始めて、それがもう不健康レベルまでいってます(笑)。母もバドミントンをやっていたり、結構家族全員アクティブです。

――種目の遍歴は

 マラソン大会で優勝していたのが大きかったので、長距離を続けたいのがあって、中2の半ばまでは本格的にやっていました。でもだんだん自分は長い距離を走るのはそこまで求めていないなと思い始めて、3000メートル、1500をやっていたのが800、400と短くなっていって今に至ります。でも400メートルやっていても、駅伝は好きだったので、中学時代は駅伝の大会とかには出ていました。

 

「(今は)ないものを自分のものにしていくことが、強くなるには必要」

5月1日の早大競技会で400メートルに出場した眞々田

――早稲田への進学はどんな経緯で決まりましたか

 先輩方が活躍されているのもあって、高校の監督からも、今後の陸上で眞々田のものを伸ばせるのはやっぱり早稲田の環境がいいのではないかという勧めもありました。

――他大学は検討しましたか

 いや、あまり考えていなかったです。一番はアスリート選抜で入れることがうれしかったのですが、それが無理だったら自己推薦で入ろうと思って少し対策はしていました。

――早稲田にはどんな印象を抱いていましたか

 やっぱり大学生って自由なイメージが正直あったのですが、練習に来た時に一つの組織として成り立っていた早稲田の競走部を見て、さすが早稲田の競走部だなと感じるところがあったので、この場に身を置いたら強くなれるのではないかと感じました。

――高校の部活との違いはどんなところが大きいですか

 高校も結構厳しいほうだったので、練習とかは先生から出されてそれを個人で話しながら決めていく感じでした。ここはさらにそれよりも自主性が求められて、一段階二段階考えた陸上を最近はできているかなと思います。

――2019年の日本選手権リレーでは早稲田と予選で同じ組で走っています

(早稲田を)もちろん見ていて、レースの運び方だったり、エンジのユニホームもすごく好きだったので一際目立っているなと見ていました。

――2020年秋の日本選手権リレーの際も、同日にレースがありました

 マイルメンバーに選ばれるのも簡単なことではないなと。そういう感じもあったので、リレーでエンジを着られるように頑張りたいと思いましたし、先輩方のように強くなりたいという思いで見ていました。表彰の時には時間が被ったので伊東さんから声を掛けていただいて、今日のレース良かったねとか軽くアドバイスも頂きました。

――リレーの強い早稲田ですが、早稲田でのマイルに対する思いはありますか

 高校では高校新記録と日本一を目指してやってきたのですが、全国大会で2番という順位でした。大学では個人ももちろんですが、やっぱりリレーで1位を獲るのが。リレーってやっぱり最後の華だと思うので、そのマイルで勝ちたい思いがあります。

――リレーでは洛南高の平野智也(文1=京都・洛南)選手も同じレースに出場されていましたが、面識は

 全くなかったのですが、100メートルも速かったので一方的に知ってはいました(笑)。練習が被ることが少ないのでまだあまり話せていなくて。

――練習はどう分かれているのですか

 100、200メートルの短短と400の短長で分かれていて、短短のメンバーと一緒に練習する時に、やっぱり彼らの走りを見て得られるものがすごくあって。自分にはここがないんだというのを気づかされるので、短長の先輩方もそうですが、自分にないものをたくさん見せてもらっています。

――早稲田には400メートルで学生トップレベルの先輩方がいらっしゃいます

 やっぱり高校とは世界が違うという感じで。伊東さんは高校の先輩でもあるので、こういう練習をして4年間で強くなっていったんだとか、4年間で強くなった裏側の練習を見られるというのがすごく刺激になります。また小竹さん(理恩、スポ4=栃木・佐野)、藤好さん、新上さん(健太、人2=東京・早実) など自分より自己ベストが上の先輩がいらっしゃるので、自分にないものを見つけて練習の中で動きに移していったり、アドバイスもすごくいただけるので、いい環境です。

――先輩方とのコミュニケーションはどうですか

 結構いろんな先輩が話しかけてくださるので、誰というよりはみなさん優しくしてくださっています。

――入学当初、案内などをしてくれる先輩はどなただったのですか

 藤好さんです。第一印象は怖いイメージだったのですが、すごく優しい先輩です。僕は趣味がない方なのですが、藤好さんは趣味がたくさんあって楽しそうだなと思います。

――仲良くなった同期はいますか

 寮内の短距離4人(池田、島田、千田)は仲良いと思っています。

――六大学対校にも400メートルでオープン出場されていましたが、調子はいかがですか

 環境の慣れとかがまだなかったのでベストより2秒近く遅いのですが、大学1年生の洗礼を受けているなという感じです。

――疲労が溜まっている感じですか

 体の疲労はそこまで感じていないのですが、練習でやった動きが本番に出せないとか、本番走っているときにレースの中身を考えられなくなってしまって、という。調整不足やレースプランの浅さが目立っているなと感じます。

――レース後にはアドバイスはありましたか

 風が強かったのでレースをどう進めていくかということとか、走りが身長のわりには小さくてピッチが多いのですが、礒先生(礒繁雄監督、昭58教卒=栃木・大田原)からは今後戦っていくのであればストライドの大きい走りをしていかないと戦えないとおっしゃっていただいて、陸上をもっとしっかり考えるようにとご指導いただきました。

――高校までは、ピッチが多いのが強みだったのでしょうか

 リズムがあまり崩れないというか、結構前半楽して走れて後半まで持つのが自分の強みだと思っていたので、それが今崩れていってしまっているのだと思います。

――今までのスタイルを変えていく必要があると

 変えて、(今は)ないものを自分のものにしていくことが、強くなるには必要だと思うので、いろんな引き出しを開けている最中です。

――目標にしていたり、憧れる選手はいますか

 やっぱり成田の伊東さんはここ(早稲田)に入ってくるにあたって偉大な先輩ですし、トップの選手なので、伊東さんのように日本選手権などで優勝できるような姿に憧れます。関カレ(関東学生対校選手権)や全カレ(日本学生対校選手権)で個人とリレー両方で優勝できるようになりたいなと思います。

――今季の個人としての目標は

 6月にU20の日本選手権があるので、そこで勝ちたいなと思っています。

――大学4年間で成し遂げたいことは

 関カレ、全カレ、日本選手権で活躍したいです。あとは人間力的にも一流のトップアスリートだなと思えるような人になりたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 及川知世、布村果暖)

書道を習っていた眞々田選手。とても綺麗な字を披露してくださりました。

◆眞々田洸大(スポ1=千葉・成田)(ままだ・こうだい)

2002(平14)年7月26日生まれ。179センチ。千葉・成田高出身。スポーツ科学部1年。雨予報でも対談が始まると晴れ、初のロングインタビューでもとてもさわやかに応じてくださり、既に『輝』いているのでは?と思えました。400メートル、マイルでの活躍が楽しみです!