木南道孝記念(木南記念)に早大からは10名の選手が出場した。多くの選手が早大記録更新や日本選手権参加標準記録突破などの目標を掲げていたが、トラック種目ではバックストレートでの強い向かい風や寒さに阻まれ、記録を伸ばすことができず。来季に向けそれぞれが課題を認識した大会になった。
大学で競技を引退する小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)と、漁野理子(政経4=和歌山・新宮)にとってはこれが最後の試合。女子走幅跳に出場した漁野は、最終6回目の試技でビッグジャンプを見せ、早大記録を更新して優勝。400メートル障害で2位に入った小山と抱き合って、互いの健闘を称えた。
(記事 町田華子)
★三浦、表彰台に届かず 来年こそは日本選手権参加標準記録切りを(男子100メートル)
予選で2着でゴールする三浦
「日本選手権参加標準記録の10秒40を切りたい」と、三浦励央奈(スポ2=神奈川・法政二)は今季何度もインタビューで答えていた。今大会は予選で10秒45(+0.3)、決勝で10秒43(ー0.5)と2本とも10秒4台でまとめたが、10秒40切りのタイムを出すことはできなかった。
予選では三浦よりも資格記録の速い選手が多かったが、三浦が動じることはなかった。スタートが2回やり直しになり、続く3回目のスタートはやや出遅れたが、「射程圏内だなと感じていた」という通り、後半は持ち味の追い上げを見せた。多田修平(住友電工)に先着を許したが、2着で決勝進出を決めた。レース前半の走りを改善して臨んだ決勝。関東学生対校選手権の予選で見せた理想の走りを体現することはできなかったが、力強い走りを披露。しかし驚異的な追い上げを見せた桑田成仁(法政大)に最後は交わされ、4位でフィニッシュした。「3番と4番では結構大きな差があると思います」と語るように、タイムの面だけでなく着順の面でも悔しさの残るレースとなった。
今シーズンのレースを通した収穫として、三浦は「ベースが強くなってきているように感じます」と口にした。今回の木南道孝記念大会だけに限らず、日本学生対校選手権、関東学生対校選手権とハイレベルな大会でも入賞を続けてきたことは大きな自信になっているはずだ。さらに上のステージで戦っていくために、まずは目標に掲げ続けてきた日本選手権参加標準記録を、来季の早い段階で超えていきたい。
(記事、写真 大島悠希)
★伊東、村木は目標達成ならず 前半に課題が残るレースに(男子400メートル)
3組1着でフィニッシュする伊東
男子400メートルには伊東利来也(スポ4=千葉・成田)と、村木渉真(スポ4=愛知・千種)が出場。伊東は早大記録更新、久々の実戦となった村木は47秒台を目指してレースに挑んだが、いずれも前半の走りがかみ合わず目標達成はならなかった。
タイムレース決勝の1組には村木が登場。今季はここまで学内競技会中心に出場してきたが、いずれも自己記録から程遠い48秒台にとどまっていた。最低でも47秒台を出して不振脱却の糸口をつかみたいところであったが、前半で内側のレーンの選手から大きく追い上げられてしまう。「200メートルから300メートルで詰められてしまった」と振り返る通り、最後の直線で上位争いに加わるには、そこまでの走りにあまりに課題が多かった。
3組に登場した伊東は、早大記録(45秒71)更新に向けて手ごたえを感じながらレースに臨んだという。しかし、強い向かい風の影響か、持ち味である前半でスピードに乗り切ることができない。200メートルから300メートルで先頭に立ち、終盤は独走ながら減速することなく駆け抜けたが、フィニッシュタイムは46秒52。前半の流れの悪さを断ち切ることができず、ゴール後には苦笑いを見せた。
伊東、村木は大学卒業後も競技を続行する予定だ。好記録でシーズンを締めくくることはできなかったが、インタビューでは悔しさをあらわにすることなく、冷静に今後に向けての課題を口にした二人。「来年の目標は44秒90の五輪参加標準記録」(伊東)、「46秒台を安定して出せるように」(村木)というそれぞれの目標に向け、今大会の結果を踏み台にしていきたい。
(記事 町田華子、写真 大島悠希)
★勝田、森戸は日本選手権参加標準記録の突破ならず(男子110メートル障害)
勝田は日本選手権参加標準記録を狙ったが、達成ならず
日本学生対校選手権(全カレ)で、自身初の13秒台となる13秒93をマークした勝田築(スポ3=島根・開星)と、春先の故障の影響で今季13秒台を出せていない森戸信陽(スポ3=千葉・市船橋)。共に来季に向け、日本選手権参加標準記録(13秒92)の突破を目指して大会に臨んだ。
予選2組。1レーンに勝田、6レーンに森戸が入った。森戸は号砲の合図とともに勢いよく飛び出したが、「1台目の着地から次の動作へうまく繋げることができなかった」といい、序盤で出遅れてしまう。一方の勝田は「ふわふわ体が浮くような感覚があった」といい、中盤に後退。終盤も高く飛び上がるような動きが出てしまい、走りをまとめることができなかった。勝田が5着、森戸が8着でフィニッシュし、決勝進出はならず。共に14秒3台のタイムで、目標には遠く及ばなかった。
今季最終戦の成績は振るわなかったが、13秒台ハードラー二人の視線の先には、来季の対校戦、そしてシニアの試合での活躍という目標がある。シーズン序盤に日本選手権参加標準記録を突破し、自信を持って対校戦に挑むことができれば理想的だ。昨年の全カレ覇者である森戸と、3年前の総体覇者の勝田。他大学にも強力なライバルが多いが、来季は二人による頂上決戦が見られることを期待したい。
(記事、写真 町田華子)
★小山の引退試合で、早大勢が見ごたえのあるレースを披露(女子400メートル障害)
10台目のハードルを越える小山(中央)。右は優勝した関本
女子400メートル障害タイムレース決勝の最終3組。2位でゴールした小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)に、先にゴールしていた関本萌香(スポ3=秋田・大館鳳鳴)が歩み寄り、感極まった表情で抱きついた。「小山さんという頼れる存在がいたからこそ早稲田の女子が強くなり、皆で決勝に残れるように戦えた」(関本)と後輩が語るように、早大女子の躍進をけん引してきた小山の、引退レースにふさわしい光景だった。
小山、関本、津川瑠衣(スポ1=東京・八王子)と、早大勢が並んだ3組。足底筋膜炎の痛みが出てしまった津川は序盤から大きく後れを取ったが、小山と関本は積極的に飛ばす。6台目付近で内側のレーンの関本が前に立ち、それを小山が追う展開に。後半の伸びを強みとする小山が10台目を越えてから詰め寄ったが、関本が逃げ切って優勝を果たした。小山が「5台目あたりで風の影響を受けて大股になってしまい、ハードルが遠くなってしまった」と振り返った通り、強い向かい風に苦しみタイムは伸びなかったが、見ごたえのあるレースを披露した。
小山はこれで競技を離れるが、彼女が築いたともいえる強力な女子障害ブロックは無論来季も残る。関本、津川や、1組を走った村上夏美(スポ3=千葉・成田)など、粒ぞろいの早大では対校戦のメンバー争いから熾烈だが、小山は「切磋琢磨しながらいいチームを作っていってほしい」と期待を寄せている。昨年の関東学生対校選手権(関カレ)で成し遂げた表彰台独占を、関本、村上が最終学年を迎える来季、再びやってのけてほしい。
(記事 町田華子、写真 大島悠希)
★漁野が現役最後の跳躍で自己ベスト!『有終の美』を飾る
漁野の6本目の跳躍
競技人生最後となる、6本目の試技。漁野理子(スポ4=和歌山・新宮)が跳んだ瞬間、客席は大きな歓声に包まれた。追い風に乗ったジャンプは高さのある美しい跳躍に。そして6メートル21(+0.5)の記録が表示されると、漁野の目には涙がうっすらと浮かんだ。
「今シーズンは始まった時から早大記録、自己記録の更新を狙えると思って一試合一試合に臨んできました」。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた大学ラストイヤーは出場できる大会が限られていた。その中でも地道にトレーニングを重ね、いつでも自己記録を塗り替えることができるように準備をしてきた。この日は2回目の跳躍でセカンドベストの6メートル06(+0.3)を跳び、3回目以降の試技にむけて記録を狙っていくだけの状況に。すると4回目の跳躍で自己記録にあと1センチと迫る6メートル11(ー0.5)を記録。残り2本の跳躍に向けて、期待は高まっていった。しかし5回目の跳躍は、本人も「唯一失敗したジャンプ」と振り返るものに。ここで終わらなかったのがこの日の漁野であった。最終跳躍は応援してくれた人たちのために、そしてこれまで頑張ってきた自分自身のためにも。どうしても後悔だけはしたくなかった。跳躍前の笑顔からはついに最後の1本を迎えた漁野の万感の思いを感じることができた。
最後に大ジャンプを見せた漁野の勇姿は、まさに『有終の美』という言葉が相応しいものであった。自身の持つ早大記録を塗り替え、競技生活にピリオドを打った彼女を見て、多くの人が感動を覚えたに違いない。
(記事 大島悠希、写真 町田華子)
結果
▼男子
▽100メートル
予選(3組2着+2)
三浦励央奈(スポ2=神奈川・法政二)10秒45+0.3(1組2着)決勝進出
決勝
三浦10秒42-0.5(4位)
▽400メートル
タイムレース決勝
伊東利来也(スポ4=千葉・成田)46秒52(3組1着)(3位)
村木渉真(スポ4=愛知・千種)48秒19(1組5着)
▽110メートル障害
予選(3組2着+2)
勝田築(スポ3=島根・開星)14秒32-0.5(2組5着)
森戸信陽(スポ3=千葉・市船橋)14秒39(2組8着)
▽400メートル障害
タイムレース決勝
山内大夢 欠場
▼女子
▽400メートル障害
タイムレース決勝
関本萌香(スポ3=秋田・大館鳳鳴)58秒09(3組1着)(優勝)
小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)58秒65(3組2着)(2位)
津川瑠衣(スポ1=東京・八王子)61秒04(3組4着)
村上夏美(スポ3=千葉・成田)61秒96(1組5着)
川村優佳(スポ1=東京・日大桜丘)欠場
清水羽菜(スポ1=東京・白梅学園)欠場
▽走幅跳
決勝
漁野理子(政経4=和歌山・新宮)6メートル21+0.5(優勝)自己新記録
コメント
伊東利来也主将(スポ4=千葉・成田)
――早大記録更新を目標に掲げていましたが、自信はありましたか
日本選手権リレーでは負けてしまったのですがまずまずの調子だったので、それをどう今回まで持っていくかというところでした。実際に自分の中で手ごたえはありました。
――実際には46秒台のタイムでしたが、その要因をどう考えていますか
一つには、僕の持ち味である前半をうまく構成できなかったというのがあります。グラウンドコンディションなどいろいろな要素があると思うのですが、総じて前半200メートルのリズムが悪かったというのが一番の要因だと思います。
――後半の走りについて振り返って
ラップを見るといまいちだったので、前半の流れの悪さが後半に繋がったのだと思います。
――主将として部を引っ張ってきましたが、大学での陸上生活を振り返って
4年間過ごしてきて競技力の向上はできたと思うのですが、それ以上に得たものが、主将を経験して得た周りを見る力など、人としての成長なのかなと思います。
――今後に向けて修正点や課題は
来年の目標は44秒90の五輪参加標準記録なので、それに向けて何が足りないかというとやはりスピードだと思います。最高スピードを上げないことには話にならないと思うので、そこを上げつつ400メートルを走り切れるような体力やフォームを身に付けていく必要があると思っていて、スピードをベースにどうそれらを身に付けていくかというのが来年の課題です。
村木渉真(スポ4=愛知・千種)
――今大会の目標はどのようなものでしたか
今年は48秒台しか出ていなかったので少なくとも47秒を出そうと思っていました。自分の中で突然何かが狂ってしまって、それを取り返したいなと思って臨みました。目標としてはそのように立てたのですが、結果が伴わず…。来年は大学院で競技を続けるので、そこに向けてまた練習していきたいです。
――久しぶりの実戦でしたが、緊張などはありましたか
緊張はなかったですね。ただ1年生の頃から試合では緊張していたので、その点に関してはトレーニングしてきました。昨年の秋から試合で緊張することがなくなってきたので、今大会でも自分の実力を出せたかなと思います。
――ご自身の調子はいかがでしたか
動きが悪くはなかったのですが、体重が最近落ちてきている部分があって、体が弱ってきているのかなというのが正直なところです。
――レース全体を振り返えると
やはり最初200メートルの入りが遅いので、そこは第一に改善すべき点だと思います。自分のレースを見返すと、200メートルから300メートルで詰められています。そこの2点が大きな課題かなと思います。
――来年以降への目標はありますか
46秒台を安定して出せるようになりたいです。関東学生対校選手権(関東インカレ)と日本学生対校選手権(全カレ)では、入賞できていないので。関カレでは参考になってしまいますが、全カレでは同じ舞台で戦えるので、入賞・優勝を目指して戦っていければなと思います。
小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)
――最後のレースを終えた今の心境は
ゴールした時、やりきったなと思いました。走る前は最後なんだなという実感はあまりなかったのですが、ゴールしたら漁野がちょうど優勝した後でインタビューを受けていて、その顔を見てすこしうるっと来てしまいました。寂しいですけど、十数年間やってきた長いようで短い陸上競技生活が終わったことを実感しました。
――目標としていた自己ベスト更新の自信は
自己ベストを狙いたかったのですが風が強くてコンディションがいいわけではなかったので、その中で自分の動きができればいいなと思っていました。歩数も結構はまって持ち味である後半の伸びも出せたのでレースとしては良かったのですが、それがタイムに繋がらなかったのは少し心残りです。
――前半の走りについては振り返っていかがですか
(風が)向かっているなと思ったのですが1台目もしっかり入れたので、前半も攻めたレースができたかなと思います。
――タイムに結び付かなかった要因をどう考えていますか
いつもは16歩でいく5台目あたりでスムーズに進むことができるのですが、今回は風の影響を受けて大股になってしまって、そこでハードルが遠くなってしまったのでそこの部分かなと思います。
――後輩にどんなことを期待しますか
今回400メートル障害を走ったメンバー以外にもブロックのメンバーはいるので、今後もリレーでも個人でもどんどんタイムを伸ばして、切磋琢磨しながらいいチームを作っていってほしいなと思います。4×400メートルリレーに関しても、早大記録更新を目指して頑張ってほしいなと思います。
――陸上競技生活を振り返って
人間的な部分でも成長できたのは競技のおかげなので、陸上競技というスポーツに出会えて良かったと思います。陸上競技を通して出会えた方々にも、会えたことが嬉しかったですし、自分の成長に繋がったと思っています。
漁野理子(政経4=和歌山・新宮)
――今の率直な気持ちについて
絶対に自己記録と早稲田新記録を出す気持ちで試合に臨んだので、その目標を達成することができてうれしいです。
――この大会に向けて、調子は上がってきていましたか
まあまあって感じでした(笑)。ここまできたらやりきるしかないので、調子のことはあまり考えないようにしました。
――まず2回目に6メートル超えのジャンプを跳びましたが、ジャンプの感触はどうでしたか
2本目は自分の中でも感触が良くて、跳んだ瞬間に「跳んだかな」というのがありました。記録が出たということで、今日は自己ベストを狙えるかなと思いました。
――3回目以降の跳躍に向けてどのようなことを考えていましたか
3回目までの試技を終え、記録を狙えるのではないかという思いがありました。自分のやりたい動きや理想の動きをあとは体現していくだけだと。冷静にその後は跳ぶことができたと思います。
――その中で4回目に自己記録にあと1センチに迫る跳躍を見せましたが
あまり跳んだ感触はなくて、6メートルを超えた感じはしなかったです。そこまでの記録が出たということで、もう少しいけば自己ベストを狙えると思っていました。
――その中で5回目の跳躍はどうでしたか
5回目は自分の中で唯一失敗したジャンプでした。助走の流れもうまくいかずに、最後の踏み切りでも失敗してしまったので、その失敗だけはしないようにと決めて6本目に臨みました。
――最終跳躍はどのような気持ちで臨まれましたか
多くの仲間が応援してくれていたので、下では走り終えた伊東(利来也主将、スポ4=千葉・成田)や村木(渉真、スポ4=愛知・千種)も来てくれて背中を押してくれたので。自分のためにも応援してくれる人のためにもという気持ちで、最後の1本を跳びました。
――跳んだ瞬間、大歓声でしたが。歓声は聞こえましたか
歓声は結構聞こえて。自分の中では正直あまり跳んだ感触がなくて、駄目だったかなと思っていたのですが、歓声が聞こえたので跳べたのかなと。その瞬間に安心したというか(笑)
――1年半ぶりに早大記録を塗り替えましたが
今シーズンは始まった時から早大記録、自己記録の更新を狙えると思って一試合一試合に臨んできました。それがなかなか記録には結びついていなかったのですが、最後に自己記録を出すことができて良かったです。
――伊東選手が待ち構えていましたが、その時かなり感極まっていましたが
4年間一緒に頑張ってきた同期だったので、本当に感謝の気持ちです。
――優勝インタビューは、競技を終えたばかりの400メートル障害の選手が見守っている中でしたが
小山(佳奈、スポ4=神奈川・橘) も最後で最後を見守れたのは良かったですし、お互い感極まってしまったのでしたが、いい最後になったかなと思います(笑)
――競走部での4年間はどのような4年間でしたか
自分にとっては競技もですが、人間的にも成長できた4年間だったと思います。自分がここまで成長できたのも、競走部があったから。一番は磯(繁雄監督、昭58教卒=栃木・大田原)先生のおかげだと思っているので、大学4年間を早稲田で過ごすことができて幸せだと思います。
勝田築(スポ3=島根・開星)
――今大会の目標は
日本選手権の参加標準記録を切れていなかったので、13秒92を目標にしてやっていました。でもアップの段階から体があまり動かないなと思っていて、シーズン最後なのでまとめて終わりたいなとは思っていたのですが、スタートで出た瞬間からふわふわ体が浮くような感覚があってまとめきれずに終わってしまいました。
――全カレでは13秒台に突入して感覚がつかめたと口にしていましたが、その点については
あの時は新しい感覚があったのですが、今回は体の状態が良くなかったことと、自分の気持ちが入り切っていなかったことで、同じようには走れませんでした。
――今後に向けて修正点は
自分の持ち味はハードリングというよりもスピードだと思うので、そこを磨いていきたいです。
――来季の目標は
13秒69が前から掲げている目標で、来年どんどん更新していければいいなと思っています。シーズン最初の方で言うと、織田記念(織田幹夫記念陸上)と関東学生対校選手権(関カレ)で決勝に残って勝負したいと思います。
森戸信陽(スポ3=千葉・市船橋)
――今大会の目標は
今季記録を出せていなかったので、来季に繋げるために日本選手権やグランプリ大会の標準記録を突破することを目標に臨みました。
――目標達成がならなかった要因は
根本的に体のベースができていなかったので、そこは全カレが終わってからどんどん露呈してしまったかなと思います。
――ご自身の走りについて振り返っていかがですか
1台目の時点で、入りというよりは着地から次の動作へというところがうまく繋がらなくて遅れてしまいました。入りもまだまだですが、日本選手権や日本学生対校選手権(全カレ)で課題だった、かばってしまうような動きは徐々に修正出来てきてはいると思います。
――来季の目標は
対校戦でしっかり勝負して、昨年勝った全カレで優勝できるようにしたいです。シニアのレースでもここまで全く戦えていないので、しっかり勝負できるようにしたいです。
――主将としての意気込みは
今季個人の結果が振るわないまま主将就任になってしまったので、来季は個人の結果でもしっかりチームを引っ張りつつ、主に同期と協力しながら組織づくりをきちんとしていきたいです。
関本萌香(スポ3=秋田・大館鳳鳴)
――今大会ではどのような目標を立てていましたか
56秒台を出して優勝することを目標にしていました。
――大会に向けて、調子はどうでしたか
先週の日本選手権リレーで、走りの部分を上げることができていました。調子も戻ってきてはいたので、今回はスピードに乗ったまま前半から積極的にいこうとレースプランを考えていました。
――前半からスピードを上げていく部分について、今回のレースではどの程度できましたか
自分が考えていた通りにはいかなかったのですが。少し風も感じてしまい、押し切れなかったところはありました。前回の400メートル障害のレースの日本選手権よりは、前半からスムーズにスピードを出せました。後半までしっかりつなげられたかなと思います。ただ後半の10台目を終えてから今回はスピードを落としてしまったので、まだ体力の部分で課題が残りそうです。
――日本選手権から改善できた部分は
日本選手権の時はハードリンクやレースパターンよりも、そもそもの自分の走りの調子が悪く。今回は関東学生対校選手権、日本選手権リレーを通して自分の調子を戻すことができていたので、400メートルハードルに向かう際の不安はかなりなくなってきていました。56秒台や優勝を狙おうと気持ちを持っていけていたので、そこはまず良かったかなと思います。
――今大会の結果をどのように受け止めていますか
目標としていた56秒台は出せず、58秒台でとどまってしまったことについては悔しいです。今シーズンを締めくくる試合で、優勝できたことはとても良かったかなと思います。
――今大会は小山さんと走る最後の試合でしたが
高校生の頃からずっと佳奈さん(小山、スポ4=神奈川・橘)の背中を見て、追い続けてきた存在でした。今日も私が3レーン、佳奈さんが4レーンと並んでいて。最初から佳奈さんが見えていたので、「佳奈さん最後だな」と思いつつ、しっかり付いていきました。自分の走りはできていたのですが、走りながらも佳奈さん最後だなということは考えてしまいました(笑)。レースが終わった後も、もう本当に終わっちゃうんだなと寂しい気持ちでいっぱいになっていました。
――レース後は小山選手に歩み寄っていきましたが
もう4年以上お世話になっている先輩なので。早稲田に入ろうと思ったのも、最終的には小山さんがいるのが強く。私以外の皆もそうですが、小山さんという頼れる存在がいたからこそ早稲田の女子が強くなり、皆で決勝に残れるように戦えたので。もう感謝の気持ちでいっぱいで感情が溢れてしまいました。
――ラストイヤーへの意気込みを最後にお願いします
今シーズン1回だけ56秒台を出して自己記録を更新できたのですが、その後は記録が伸び悩んでいるので。来年こそは56秒台を早めに出して、安定させていきたいです。どんなレースでも勝ち続けられる強い選手になりたいと思います。
村上夏美(スポ3=千葉・成田)
――このレースの目標は
日本選手権参加標準記録の58秒80を切りたくて挑んだのですが、風の調子などコンディションを見て結構厳しいなという風に思っていたので、まずは前半攻めた走りをしようと思いました。でも、実際にレースを走ると、前半で向かい風にやられてしまって歩数とリズムが崩れてしまったので、悔しいなと思います。
――後半の走りについては振り返っていかがですか
後半は前半の勢いに乗せてそのまま走るのが理想だったのですが、前半の崩れたリズムのまま走ってしまったので、後半伸びなかったです。
――今後の課題は
スタートから1台目のところをもっと思い切り入って、ラップタイムも6秒5くらいで走れるようにしたいです。
――来季の目標は
来季は今年より早い時期から試合があると思うので、しっかり1戦目から日本選手権標準を切ることを目標に冬季練習を頑張りたいなと思います。
――最上級生として臨むシーズンになりますが
練習中からリーダーシップを発揮してみんなを引っ張っていきながら、競技成績でも4年生として日本学生対校選手権(全カレ)など対校戦で率先して戦える選手になれたらいいなと思います。
三浦励央奈(スポ2=神奈川・法政二)
――今大会の目標について
自分の目標は日本選手権標準記録の10秒40を切ることでした。
――その中で今回は標準記録を切ることができなかったですが
結構動きは良かったのですが。スターティングブロックから出る、自分の苦手なところからスタートしないといけないということで、そこの修正がうまくできなくてタイムにつながらなかったです。
――予選の走りを振り返ると
周りは自分より資格記録の早い人ばかりだったのですが。スタートして少し置いてはいかれたのですが、射程圏内だなと感じていたので徐々に追い掛け、自分の思うような走りをすることができました。
――予選から決勝に向けて修正した部分は
スタートからの一次加速の部分で、予選では姿勢が崩れてしまったので、もっと足を前に引っ張っていくイメージで走れればいいなと思い、意識、調整して、決勝に臨みました。
――決勝は満足のできる走りをできましたか
100メートルはスタートで置いていかれると厳しい部分があるので、その点を考えると満足いくレースではなかったです。今シーズンは10秒4台を結構な本数出すことができているので。あとは天候の条件と自分のコンディションが合えば10秒40はすぐに切れると思います。そうですね…。ある程度一定の成長を感じれる試合になったと思います。
――4位という順位をどのように捉えていますか
3番と4番では結構大きな差があると思います。3番に入れなかったので自分は…。去年も木南道孝記念大会は4番だったので、超えることができなかったですが、強くなることはできました。
――今年、レースを重ねていく中で自身となった部分は
自分の中で感覚が良くなってきているので、ベースが強くなってきているように感じます。関東学生対校選手権(関カレ)予選の走りで新しい感覚を得ることができたので、その感覚をなぞることができるようにしていきたいです。
――冬の期間はどのような部分を磨いていきたいですか
今シーズンはレース自体がそこまでなかったのですが、ここまでのレースで見つかった課題を監督と相談してから、何が必要かを考えて取り組んでいきたいです。
――来年に向けた意気込みをお願いします
今年は全日本学生対校選手権(全カレ)6番、関カレ3番と入賞することができているので、それよりも順位を上げて。タイムに関しても成長を。リレーに関しては関カレ、全カレ、日本選手権リレーの三冠を目指して戦っていきたいと思います。
津川瑠衣(スポ1=東京・八王子)
――このレースの目標は
できれば3位以内には入りたかったのですが、バックストレートでもともと痛めていて気になった足底筋膜炎の痛みが出てしまって、そこからスピードに乗れずに減速してしまったのでこのようなタイムになってしまいました。
――来季の目標は
今のレース展開では戦えないことはわかっていて、歩数など変えるべき点がたくさんあるので、冬季に歩数改善や体力の向上に取り組みたいです。その上で、対校戦などの出場メンバーに入るのも早大ではなかなか難しいので、来年もしっかりメンバーに入って全カレ、日本選手権で上位入賞したいです。
――ルーキーイヤーを振り返って
1年生で新しい環境に入って不安なことも多かったのですが、先輩たちの存在がすごく心強くて、いろいろ教えてくださったりアドバイスを下さったりして不安を取り除いてくれたので、早大に入れたからここまで頑張れたのかなと思います。精神的にもきつくて折れそうな時期もあったのですが、先輩方が後押ししてくれたり、同期の清水(羽菜・スポ1=東京・白梅学園)と川村(優佳・スポ1=東京・日大桜丘)が一緒に頑張ろうと言ってくれたりしたので、すごく感謝しています。