第104回日本選手権リレーが、神奈川・日産スタジアムで開催された。早大は、男子4×100メートルリレー(4継)、男子4×400メートルリレー(マイル)、女子4×400メートルリレーに、それぞれ優勝候補として登場。3種目すべてで2位に入った。女子マイルは現体制最後のレースで早大記録を更新し、歓喜の輪が広がった。
(記事 町田華子)
★法大に力負けも、今季3度目の表彰台に登る(男子4×100メートルリレー)
表彰式で笑顔を見せる4継メンバー
日本学生対校選手権(全カレ)優勝、関東学生対校選手権(関カレ)準優勝の成績を引っ提げ、優勝候補の一角として乗り込んだ4×100メートルリレー(4継)。三浦励央奈(スポ2=神奈川・法政二)―稲毛碧(スポ1=新潟・東京学館新潟)―澤大地(スポ2=滋賀・草津東)―松本朗(スポ3=福岡・戸畑)のオーダーで挑み、法大には届かなかったものの2位で充実のシーズンを締めくくった。
1・2走のバトンパスで詰まりながらも前半で首位に立ち、1着で決勝進出を決めた早大。関カレと同じく冷たい雨の中行われた決勝では、4レーンに入った。すぐ外の5レーンには予選で38秒台の全体トップタイムをマークした法大。「優勝は早大か法大だと思っていた」という三浦は、「なるべく勢いをつくって貯金をつくる」べくスタートを切ったが、リードを奪うことはできず、法大と並ぶかたちで2走へ。稲毛は「少し腰の引けた走りだった」という予選から走りを修正し、他大のエースとそん色ない走りを見せた。続く澤も、悪天候ながら予選を上回るラップタイムを出したが、法大からはわずかに遅れてアンカー松本に繋ぐ。松本は、「抜かしてやろうという気持ちが大きかった分動きが固くなった」といい、全カレ、関カレで見せた持ち味の後半の伸びは不発に終わった。39秒69、2位。ミスなくバトンを繋いだが、法大は一枚上手だった。
優勝はならなかったものの、松本が「関カレ、全カレ、日本選手権リレーと3つの大会で4継の表彰台に乗るということはここ最近ではあまりなかったので、『リレーの早稲田』を取り戻せたかなという思いがある」と振り返った通り、今季の男子4継の充実ぶりには目を見張るものがあった。シーズンを通じて上位に立ち続けることは容易ではない。出場メンバー全員が残る来年は、個々が走力を伸ばし、勝ち切る強さを身に付けて、さらなる好成績を叩き出してくれることを期待したい。
(記事、写真 町田華子)
★全カレの雪辱ならず2位…二枚看板を擁してもタイトルは遠かった(男子4×400メートルリレー)
日大に先着を許し、苦しい表情でゴールする伊東
因縁の相手にまたも土をつけられた。優勝を期して臨んだ男子4×400メートルリレー(マイル)は、全カレ優勝の日大に敗れ2位。日本選手権男子400メートルのファイナリスト2人を擁しながら、最後までタイトルには手が届かなかった。
予選、決勝共に小久保友裕(スポ4=愛知・桜丘)―小竹理恩(スポ3=栃木・佐野)―藤好駿太(スポ1=福岡・修猷館)―伊東利来也主将(スポ4=千葉・成田)のオーダーで挑んだ。予選では、小久保がトップでバトンを渡すと、小竹が独走態勢を築く。藤好がさらにリードを広げると、伊東は終盤流して1着でフィニッシュ。余裕をもって決勝進出を決めた。
決勝のレースは、大学で競技を終える小久保にとって「競技生活最後の1周」。「覚悟を持って走ることができた」といい、前半200メートルを21秒4で入って外側のレーンの選手との差を大きく詰める。終盤も粘り切り、ラップベストを叩き出してトップでバトンを繋いだ。大会前、「4年生と優勝したい」という強い思いを口にしていた小竹は、前半首位を力走。しかし終盤に足が止まってしまい、猛然と追い上げてきた日大にかわされてしまう。3走藤好は4校が僅差で並ぶ混戦の中、終盤に抜け出し、2番手で伊東にバトンを託す。伊東が200メートルまでに前を行く日大・井上大地(3年)との差を詰めて背後に付くが、「第3コーナーで井上選手が大きくスピードを落として溜めた時に、抜かすかついていくか迷いがあった」といい、前に出ないまま直線へ。前半に力を使っていた伊東は、直線に出てから切り替えた井上に食らい付くことができず、そのまま2位でゴールした。大会記録を更新したものの、タイトル獲得ならず――。全カレと同じ幕切れが待っていた。
早大記録を更新しながらも、タイトルにはあと一歩届かなかった今季。伊東、小久保の二枚看板を擁しただけに悔やまれる結果となった。二人が抜ける来季、その穴を埋め、高みを目指すためには底上げが急務だ。レース後「先輩がいなくなっても強いチームをもう一度つくり直す」と決意を口にした小竹や、400メートル障害で49秒台を持つ山内大夢(スポ3=福島・会津)を中心に、チームを再建していきたい。
(記事 町田華子、写真 布村果暖)
★現体制ラストレースで早大記録を更新!(女子4×400メートルリレー)
2走小山(右)から関本へ
1週間前に行われた関カレで女子400メートル障害4連覇を達成したエース・小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)にとって、今大会が最後のリレー。早大記録の更新、そして優勝を目指し、村上夏美(スポ3=千葉・成田)―小山―関本萌香(スポ3=秋田・大館鳳鳴)―津川瑠衣(スポ1=東京・八王子)のオーダーで臨んだ。
予選では、東邦銀行と競り合いながらレースを進め、アンカー津川が勝ち切って1着を確保。悪天候の中、3分40秒を切る好タイムで予選を突破し、決勝での早大記録更新に期待を抱かせた。
「東邦銀行が前に出ると思っていた」という小山の予想通り、決勝は東邦銀行に先行を許し、追いかける展開になった。終盤伸びやかな走りを見せた村上から2番手でバトンを受けた小山は、前半から力強い走りを見せる。53秒1のラップベストを叩き出し、首位に立つことはできなかったものの前との差を大きく詰めてバトンを繋いだ。関本は「津川に絶対1位で渡したい」と、首位を見据えてレースを進める。300メートルまでに先頭と並び、ラスト100メートルで勝負をかけたが、わずかに力及ばず2位でバトンパス。津川は序盤で東邦銀行4走の実力者に突き放されたが、あきらめずに前を追い続ける。「記録まであと少しだったので、最後まで力を出し切って頑張った」(津川)といい、従来の早大記録を1秒以上更新する3分37秒15でゴールラインを駆け抜けた。
昨年出した早大記録を上書きし、「現時点で一人一人が出せる最大限のパフォーマンスをした結果」と、小山は充実感を漂わせた。優勝できなかったことには悔しさも残るが、女子ロングスプリントは下級生も充実の布陣。来季の優勝、そしてさらなる記録短縮も夢ではない。小山を追いかけてきた後輩たちが、きっとその背中を越えていくだろう。
(記事 町田華子、写真 布村果暖)
結果
▼男子
▽4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)(16日)
早大(三浦―稲毛―澤―松本)39秒47(3組1着)決勝進出
決勝(17日)
早大(三浦―稲毛―澤―松本)39秒69(2位)
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)(17日)
早大(小久保―小竹―藤好―伊東)3分10秒54(3組1着)決勝進出
決勝(18日)
早大(小久保―小竹―藤好―伊東)3分05秒00(2位)
▼女子
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)(17日)
早大(村上―小山―関本―津川)3分39秒22(1組1着)決勝進出
決勝(18日)
早大(村上―小山―関本―津川)3分37秒15(2位)
男子4継メンバーコメント
松本朗(スポ3=福岡・戸畑)
――準優勝という結果をどのように受け止めていますか
優勝が1番の目標だったのですが、最低目標は3位以内だったので、それを達成できてチームとしては良かったかなと思います。
――関カレの際にはバトンパスに課題があったと話していましたが、今回はいかがでしたか
今回はテープがしっかり見えて、思い切って出ることができました。
――関カレ以降、バトンパスとご自身の走りで修正した点はありますか
調子があまり良くない状況で、できるだけ全カレ、関カレの動きを再現できるようにアップからイメージを作っていました。
――予選を法大が好タイムで通過していましたが、決勝に向けて自信はありましたか
全カレでは法大がバトンをミスして勝てました。今回も雨でミスが出やすい状況だったので、僕たちが上手く各自走って、法大にミスが出てごたつくことがあればしっかり勝ちに行きたいなと思っていました。
――後半の伸びが強みだと思いますが、今回の終盤の走りについて振り返っていかがですか
法大が前に出てたのを抜かしてやろうという気持ちが大きかった分、固くなったかなと思っています。
――今季残りの試合への意気込みと、最上級生として迎える来季の目標を教えてください
来週の北九州カーニバルでは自己ベストとなる20秒台を出して、来季に繋がるようなタイムを残して終わりたいです。関カレ、全カレ、日本選手権リレーと3つの大会で4継の表彰台に乗るということはここ最近ではあまりなかったので、『リレーの早稲田』を取り戻せたかなという思いがあります。今まで4継だけが結果を残せていなかった部分があるのですが、今年それを払拭できたと思うので、佐野(陽・スポ3=埼玉・立教新座)と僕中心にこのままの勢いで活躍できたらいいかなと思います。
澤大地(スポ2=滋賀・草津東)
――準優勝という結果をどのように受け止めていますか
優勝を狙っていたのですが、しっかりバトンも繋いで4人ともしっかり走れての2位だったので、この結果に悔いはないです。
――ご自身の走りとバトンについて、関カレから修正した点はありますか
関カレは2走が直前に代わって上手く対応できなかったのですが、日本選手権リレーまでの間に話し合って、練習も何度かしたので自信を持って出ることができました。
――ご自身の調子はいかがでしたか
連戦で疲労はあったのですが、調子は良い方だったと思います。
――具体的なタイムの目標はありましたか
39秒台前半から、できたら39秒を切れたらいいなと話していて、各走者のラップのタイムの目標をコーチの方から言われていたのですが、それを達成できなかったことは悔しいです。
――目標タイムで走れなかった要因は
すごく寒かったのでそれも原因だと思うのですが、法大に先行されて力んでしまったかなと思います。
――法大は予選から好タイムで走っていましたが、どのように感じていましたか
法大は4人とも走力が高くて、走力では結構劣っているなと感じていました。
――予選から決勝にかけて修正した点はありましたか
予選はみんなバトンに集中しすぎて、自分の走りをしようという意識が感じられなかったという指摘をコーチの方から受けたので、決勝は自分の走りに集中して、その延長にバトンパスがあるという考えで臨みました。
――ご自身の決勝の走りを振り返っていかがですか
予選から全体的なタイムは落ちたのですが、僕のラップタイムは上がったので、それはうまく走れたかなと思います。バトンも2走の稲毛(碧・スポ1=新潟・東京学館新潟)を信じて自信を持って出ることができたと思います。
――次戦の目標を教えてください
来週の北九州カーニバルでは、連戦なので怪我しないということと、あわよくば自己ベストを出したいのですが、シーズン最後なので気持ち良く走って終われたらなと思います。
三浦励央奈(スポ2=神奈川・法政二)
――今日の結果について率直な感想は
2位になってしまったのは悔しいです。法政大が走力的に一枚上手だなと感じていた部分はありますが、予選のレースを見て(自分たちの)バトンパスがまだまだ修正可能だったので、しっかりそこを修正していけば優勝を全然狙えると思っていたので。
――ご自身の走りを振り返っていかかですか
自分は1走でなるべく勢いをつくって貯金をつくるのを任されていたのですが、前の法政大との距離を大きく詰めることができず、自分の仕事をやり切って2走の稲毛に渡せなかったのは反省するべき点かなと思います。
――決勝のスタートの感触はいかがでしたか
結構良かったと思います。
――外レーンに予選トップの法政大がいましたが意識していましたか
正直(優勝は)自分たちのところか法政大かと思っていたので、なるべく離されずに2走の稲毛に渡してあげることで稲毛も自信を持って走れるかなと、意識はしましたね。
――予選のバトンパスはいかがでしたか
予選は自分の勢いが完全に死んでしまうようなパスだったので、そこを2走の稲毛と修正して、決勝はその通りうまく繋げられたと思います。
――決勝に向けてどう調整したのでしょうか
足長のマークの位置を遠くに下げて渡る位置が奥になるように調整しました。まだ正直気持ちもう少し余裕はあったのですが、予選と比べれば全然自分の勢いを殺さずにつなげたのでバトンパスはいい感じでしたね。
――来季の目標をお聞かせください
自分たちのチームは出走メンバーとしては全員来年も残って走ることができるので、今年達成できなかった関カレ(関東学生対校選手権)、日本インカレ(日本学生対校選手権)、日本選手権リレーの3冠を達成できるように頑張りたいです。
稲毛碧(スポ1=新潟・東京学館新潟)
――今日の2位という結果について率直な感想をお願いします
予選のタイムから見て、自分たちのチームはもう少し順位として上がれるだろうなと思って。優勝を目指して走ったのですが、一歩届かずというところで、うれしさ悔しさ、どちらかというと悔しさの方が大きいです。
――ご自身の走りを振り返っていかがですか
予選の走りがそこまで良くなく、関カレ(関東学生対校選手権)のときも不甲斐ない走りだったのでそこはしっかり修正してバトンをもらおうと思っていて。予選は少し腰の引けた走りだったので、そこを大きな走りにできるよう意識して決勝を走りました。周りの大学のエース区間である2走の方々に比べても大差ない走りができたと思って、一応自分としては走りは及第点だったかなと思います。
――2走の役割はどのようなものだと意識していましたか
1走の三浦さんがうちのチームのエースなので、三浦さんがつくってくれた流れをうまく受け取って3走の澤さんに流れを渡す、というのがうちの大学の2走としての役割かなと思って走りました。
――予選と決勝のバトンパスについてはいかがでしたか
予選が三浦さんとけっこう詰まったのがロスで、決勝は攻めないと勝てないと思ったので、失敗を恐れず思い切って三浦さんとの歩測を伸ばしました。決勝では結果的にかなり改善されたので、そこは攻めた結果というか、勝負して良かったなと思います。2走から3走はいつもうまくいっている区間だったのでそこまで心配なく、いつも通りではありますがいいバトンパスだったなと思います。
――来シーズンに向けての目標は
来シーズンももちろんリレーを走るつもりでいて、とにかくまずは個人の走力をつけないとリレーメンバーとしても走れないし、個人としても結果を残せないと思います。このオフシーズンの間にしっかりした体づくりや自分の苦手な敢えてきつい練習をやることを今年の冬の目標にしてトレーニングしていきたいです。
下平健正(文構4=青森・八戸)
――チームの一員として、2位という結果をどう受け止めていますか
嬉しいです。
――今大会の位置付けは
シーズンの終わりであり、4年生が主体となってエンジを着て出る最後の試合で、出る出ない関わらずしっかり最後にいい締めくくりができるようにという思いで臨みました。
――先日は個人種目最後のレースを走りましたが、振り返っていかがですか
その時の実力は出せたかなと思うのですが、高校の時に出した自己記録を更新できなかったので、複雑な気持ちでした。
――大学の陸上生活での目標はどのようなものでしたか
大きな目標の一つ目は、対校戦で競走部の第一線で活躍すること、二つ目は自己記録を更新することでした。どちらも達成できなかったですが、それ以上に得るものがたくさんあったなと思います。
――4年間で得たことは
終わって間もないのであまり整理できていないのですが、一つだけ言えるのは本当にたくさんの方々に応援してもらって競技ができていることを実感できたなと思います。幸せな競技人生でした。
――後輩に期待することはありますか
これからもずっと強いワセダでいてほしいと思います。
山下和也(スポ4=東京・八王子)
――チームの一員として、2位という結果をどう受け止めていますか
最近4継は全然勝てていなくて、シーズンの頭にはまずは全カレで3位以内に入ろうという目標を掲げていたのですが、全カレ優勝という期待以上の結果を出すことができてからは、関カレと日本選手権リレーも絶対優勝しようと話していたので、悔しい気持ちがあります。でも、全カレ、関カレ、日本選手権リレーと3つの試合で表彰台に登るのはかなり久しぶりのことなので、嬉しい気持ちもあり、半々くらいです。
――今大会にはどういう思いで臨みましたか
高校の時からリレーの強い学校にいたので、個人よりもリレーに対する思い入れが強くて、個人は引退したのですが自分もいつでも走れる準備をしてきましたし、チームとして勝つことにはまた違った喜びがあると思うので、なんとしても勝ちたいと思っていました。自分は走れなくても後輩に力添えをして勝利に繋げようという気持ちでした。
――先日個人種目でもラストレースを終えましたが振り返って
自粛期間中は就職活動でなかなか練習が詰めず、初戦は11秒かかってしまい結構苦しいシーズンではあったのですが、日本選手権リレー前最後の試合でしたし、僕と下平がいい走りをしてチームにいい流れを作るために、たくさん準備をしてきました。結果的に自己ベストタイ記録を出すことができました。
――後輩に期待することがあれば教えてください
僕と下平は引退するのですが、今回のメンバーは全員下級生ですし、補欠のメンバーも速いので、来年は優勝だけを見据えて頑張ってほしいなと思います。
――競技生活引退にあたって一番に何を思いますか
自分を貫くことができた競技生活だったと思います。早大は強い組織で僕は入った時弱かったのですが、速い人が感覚で走れる分を、僕は自分なりに地道に論文を読んで研究したりして、高1から毎年ベストを更新することができたのは僕らしかったかなと思います。
――質問
答え
男子マイルメンバーコメント
伊東利来也主将(スポ4=千葉・成田)
――チームとしての目標は
昨年に続いての優勝を目標に掲げていました。タイムはそこまで求めていなくて、マイルリレーの中ではタイムは周りのレースの流れに依存すると思っていたので、とにかく優勝を目指してやっていました。
――どんな思いでレースに臨みましたか
日本選手権リレーは、僕が入学する2016年までは早大が連覇を続けていたのですが、1年生として出た2017年の試合でそれを途絶えさせてしまい、去年やっと優勝することができたので、どう勝たせるかということを考えていました。1年生の時と同じ競技場でのレースだったので、思い出深いなという気持ちもありました。
――今回の結果についてどう捉えていますか
目指していた優勝を達成できなかったのは、個人としてもチームとしても悔しい結果だというように捉えています。
――レースプランは
1走の小久保が良い順位で持ってきて、小竹、藤好が上手く繋いで、良い位置で私に持ってきてもらって勝負を決めるというプランでした。
――ご自身の走りを振り返っていかがですか
前に井上選手(大地・日大3年)がいて、力がある選手だとは思っていたのですが、私の役割は1位で持ってくることなので臆さずレースをしようと思っていました。200メートル付近で井上選手が大きくスピードを落として溜めた時に、抜かすかついていくか迷いがあったのが敗因かなと思います。
小久保友裕(スポ4=愛知・桜丘)
――レースを終えて率直なお気持ちは
1走が鍵になると先生から言われていて、自分の競技生活最後の1周を覚悟を持って走ることができました。前半から21秒4で攻めて入ることができて、後半に繋げてラップベストを出すことができたので、いい位置で2走に渡すという自分の役割を果たすことができたと思います。
――結果をどう受け止めていますか
去年より一つ順位を落としてしまったのですが、最後本当に楽しんでレースをすることができたので、自分の中で悔いはないと思っています。
――今大会にはどんな思いで臨みましたか
自分にとって最後のレースで、ずっと一緒にバトンを繋いできた伊東とも最後のレースということで、勝ちに行きました。
――陸上人生を振り返って思うことはありますか
高校2年生から陸上部に入って、上手いことインターハイで優勝できて、大学でも1年目は怪我で躓いてしまったのですが最終的には自己ベストを更新することもできましたし、このように大きな大会でも結果を残すことができる選手になれたので、6年間いい陸上人生を送れたと思っています。
――一番印象に残っている試合は
きょうのレースです。きょうこのメンバーで戦えたことが僕の中で一番の思い出だと思っています。
小竹理恩(スポ3=栃木・佐野)
――予選では独走体制を築きましたが、ご自身の走りを振り返っていかがですか
予選は必ず1着で通過する、1位を守るということだけを考えて走りました。
――決勝のご自身の走りについてはいかがですか
やはり前半は攻める気はあったのですが、後半しっかり粘ることができなかったという部分で、一番迷惑をかけてしまったかなという思いがあります。
――今大会にはどんな思いで臨みましたか
4年生と走る最後のマイルリレーだったので、必ず優勝と連覇をしようと臨みました。
――結果については、どう受け止めていますか
やはり自分の役割を達成し切れなかったということで、迷惑をかけたというか、僕の力が足りなかったのが敗因かなと思います。
――今シーズンの残りの試合予定はありますか
木南グランプリの200メートルに出場するので、そこで自己ベストを更新できたらと思います。でも一番の目標は日本選手権で優勝するということだったので、それを達成できなかったのは本当に残念という思いはあります。ですが来年、先輩がいなくなってもしっかりと強いチームをもう一度つくり直す、早稲田を強くしたいなと思います。
藤好駿太(スポ1=福岡・修猷館)
――まず、予選ではリードを広げて伊東選手につないだと思いますが、ご自身の役割についてどう考えていましたか
1位で貰ったので絶対に順位を落とさずにリードを広げて、貯金を残すことを意識して臨みました。
――決勝のご自身の走りについていかがですか
日大が前にいたので絶対に離されないようについて行って、ラスト100メートルで富士通も前にいたので抜かそうと考えて走りました。
――ご自身の走りをどう評価しますか
前半もいい感じでついて行くことができ、後半もラスト100メートルで追い上げられたので、自分的には満足しています。
――次戦の予定は決まっていますか
今週のU20日本選手権です。最近だんだんと自分の走り(の調子)が上がってきていると思うので、そこでも優勝を狙って頑張りたいと思います。
女子マイルメンバーコメント
小山佳奈(スポ4=神奈川・橘)
――レースを終えて今の率直なお気持ちは
早大記録更新を今シーズン一つの目標としていたので、それを達成できてチームとしてはすごく良かったなと思っています。個人としては、ベストタイムで3走に渡せたのですが、トップで渡すことができなかったので、そこは優勝できなかった要因でもあるのかなと思っていて悔しさもあります。
――チームとしては具体的にどのような目標を立てていましたか
関東学生対校選手権(関カレ)、日本学生対校選手権(全カレ)、日本選手権リレーの三冠と、日本選手権リレーまでに早大記録を更新することを目標にここまでやってきました。
――きょうのタイムについてはどのように感じていますか
このタイムは現時点で一人一人が出せる最大限のパフォーマンスをした結果だと思います。
――レースプランは
東邦銀行が前に出ると思っていて、予選で速かった福岡大も前半から来ると思っていたので、予想通りのレース展開になりました。なので、一人一人がリラックスして自分の走りをできたのかなと感じました。
――小山さんが二走を担った意図は
前半から上位を狙うということで私を二走にしました。みんな400メートル障害の選手なのでスピードがあるわけではないのですが、しっかり最後まで走り切ることはどこのチームよりもできると思っていたので、そこの強みと私の4年生の意地でなんとか頑張りました。
――福岡大や東邦銀行について意識していましたか
意識していました。福岡大は短距離メンバーで来ていて、東邦銀行の二走も100メートル障害の紫村さん(紫村仁美)だったので、前半から行くだろうと予想していました。私は持ち前のストライドでうまくリズムを取りながら後半勝負を仕掛けたいと思っていました。
――ご自身の役割についてどのように捉えていて、それを果たすことはできましたか
今大会はエースとしての走りと4年生の意地を見せたいと思っていました。53秒1のラップベストが出て、これ以上を今出せるかと言われたら出せないと思うので、前半から積極的なレースをして関本(萌香・スポ3=秋田・大館鳳鳴)にトップとの差を縮めて渡すことができたのは良かったなと思う部分もあるのですが、もう少しリードして渡したかったなという本音もあります。役目を果たせたかはわからないですけど、やるべきことはしっかりできたので悔いはないです。
――質問レース前に記録更新の自信はありましたか
監督から37秒を狙っていけと言われて、一人一人のラップベストを考えて計算して「37かあ…」と正直思ったのですが(笑)、予選の走りを見て、決勝の方が天候が良いことを踏まえると、いけるかなという期待はしていました。
――関カレから修正した点はありましたか
特にはないのですが、関カレよりは良いコンディションでできるだろうということと、久々に1日1本という試合でフレッシュな状態でレースに臨めることはプラスだなと思っていました。
――木南道孝記念陸上(木南)に向けての意気込みをお願いします
私の陸上人生のラストレースが木南になるので、最後相性のいい競技場で自己ベストを出して、400メートル障害もいい形で終えることができるように後輩たちと頑張りたいと思います。
関本萌香(スポ3=秋田・大館鳳鳴)
――このレースにはどんな思いで臨みましたか
まず、小山さんが最後の4×400メートルリレー(マイル)のレースということでやはりチーム全体としても懸ける思いが大きい試合でした。私も大学入学後初の日本選手権リレーだったのですが、優勝は狙っていて、それと早稲田記録更新というのが目標でした。
――結果についてはどう感じていますか
早稲田記録を更新したのは、一つの目標を達成できてうれしいのですが、やっぱり最後は優勝、佳奈さんに金メダルをかけてもらいたかったなという思いが結構あるので悔しいです。それでも、一人一人の走りを振り返ると今のベストは絶対出せていたので、チームとして、力だなというのはすごく感じています。
――ご自身の調子は
私はけが明けで、日本選手権も走って徐々に調子を上げているところだったのですが、いまいち調子がいいという状態までには持っていけてなくて、不安もありました。それでも予選から関カレより速いラップタイムで走って、決勝でもベストのラップタイム、54秒1で予選から1秒くらい上げることができて。混戦だったことも影響して自分のタイムも上がったかなと思います。
――ご自身の役割についてはどう考えていましたか
3走という位置で小山さんのリードをそのまま広げるか、小山さんが混戦で来たときには津川には1位で渡すというのは、「絶対」と自分の中で思っていて。やはり速い選手も沢山いるので、津川までに1位で渡さないときついのは分かっていたので、「絶対1位で渡したい」と思っていました。でもちょっと負けてしまって、自分個人としてはそういうところで粘って勝てなかったのが力不足かなとは感じています。
――前半の走りはいかがでしたか
最近の中で一番速いタイムで200メートルを通過しているので、怖がらずに突っ込めたと思うのですが後半粘り切れなかったので。小山さんのラップを見ると前半さらに速いスピードで入って、後半もしっかり維持してというのができていて、やはり強い選手はそういうのが絶対的に必要だと思うので、そこをちゃんと私も力をつけていきたいと思います。
――終盤、東邦銀行との距離を詰めましたが
絶対に1番で渡したかったので、最後は何としてでも追い越していきたいと隣には並んだのですが、ちょっと力及ばずという感じでした。
――次戦の木南グランプリではどんな走りを目指しますか
日本選手権以来の400メートル障害で久々なのですが、しっかり自分の走りをできたらいいなと思います。今季最後のレースなので、いいかたちで終われたらなと思います。
村上夏美(スポ3=千葉・成田)
――レースの結果について、感想はいかがですか
優勝を目指していたので2位というのは悔しいですが、早稲田新記録を出せたのはとてもうれしく思っています。
――ご自身の決勝の走りを振り返っていかがですか
まず予選では後半伸びのある走りをしようと思ったのですが、ラスト30メートルほどで失速してしまった感覚がありました。決勝ではそこを課題として臨みましたが、結構自分の中では後半上げられて、うまく加速してバトンをつなげられたかなと思い、ラップタイムもついてきたので良かったなと思います。
――ご自身の調子はいかがでしたか
決勝に上がるにつれて結構体も動いていたので、コンディションは良かったと思います。
――早稲田記録を更新する自信はありましたか
昨日の時点で、37秒台を出そうと話していたのですが、その時点で小山さんは結構いいラップタイムを出していたので、あとは私と関本で頑張ろう、タイムを少しでも縮めようと話をしていました。昨日よりもラップタイムを更新できたので、記録がついてきたのをうれしく思っています。
――今シーズンの残りの試合への意気込みをお願いします
木南グランプリでは、400メートル障害の今シーズンラストのレースになるので、しっかりとこの流れで記録を出せたらなと思います。
津川瑠衣(スポ1=東京・八王子)
――レースを終えて、率直な感想は
予選と同じ走りをしようと思っていたのですが、決勝ではやはり東邦銀行さんが前にいらっしゃったので、追いつこうと思い前半から飛ばしてしまいました。最後までもたなかったのですが、最後まで諦めずに走った結果、早稲田記録を更新できたので良かったかなと思います。
――レースプランはどのように想定していましたか
1位で(バトンを)貰ってそれをキープするプランではあったのですが、東邦銀行さんが、メンバー変更などもあってすごく前半から速かったので、私は少しでも差を広げられないように走りました。
――予選では東邦銀行との競り合いになりましたが、そのときの心境は
東邦銀行の方が私を抜かした後に少しペースが落ちたので、このまま後半勝負にもっていって1着でゴールできればと、冷静に走れました。
――決勝でのご自身の走りを振り返っていかがですか
前に人がいたのもあって少しでも追いつこうと思い、前半すごく飛ばしてしまって後半落ちてしまったので、今後は前半のスピードのまま後半も落ちないようなレースをできればと思います。
――アンカーを任されていることについてはどう考えていますか
やはり先輩たちがすごく速くて心強かったので、後は先輩たちのその思いを貰ったまま、しっかり4走で自分の走りをできればと思って走りました。
――早稲田記録更新の自信はありましたか
はい。最後タイマーを見ながら走っていたのですが、記録まであと少しだったので、最後まで力を出し切って頑張りました。
――次の試合に向けての意気込みをお願いします
木南グランプリでは、レース展開などは今までと変わりませんが、その中でもしっかりとまとめた走りをできるように頑張りたいです。