※この取材は7月18日にリモートで行ったものです。
ホクレン・ディスタンスチャレンジの第4戦・千歳大会。早大からは5000メートルに中谷雄飛(スポ3=長野・佐久長聖)が出走した。網走大会からの連戦となったが、疲れを見せず終始軽快な走りを披露し、13分39秒21のタイムでゴール。目標に掲げていた自己ベストの更新と、日本選手権参加標準記録Aの突破を達成した。
レースは13分45秒のターゲットタイム通りのペースで展開した。「ウォーミングアップから変な力みもなく、体の調子も前回に比べればいい」という中谷は、序盤から集団前方につけ、積極的にレースを進める。1キロ2分45秒のペースに、先頭集団の人数は徐々に絞られていく。網走大会では3000メートルを通過してからペースダウンするなど後半の走りに課題を見せたが、この日の中谷は4000メートルまで先頭集団でレースを進めた。ラスト1000メートルを切って集団のペースが上がると先頭争いからはやや遅れる形となったが、最後の直線で1人を交わす粘りを見せ、6着でフィニッシュした。
「周りの選手が13分30秒台のタイムを出しているのを見てきたので、僕自身置いていかれている感覚もありました」。昨年のトラックシーズンでは納得のいく結果を残すことができず、今大会ではライバルが好記録を連発する状況に、少なからず焦りも感じていたという。3カ月以上も実戦がなかった中、久しぶりの実戦で今季のトラックシーズンの目標の一つに掲げていた13分30秒台の記録を残した意味は大きい。「まだまだ他の選手に比べると力が及ばない部分が多い」と控えめに語ったが、着実に成長を遂げている早大のエースの今後の走りから目が離せない。
(記事 大島悠希)
結果
▽男子5000メートルB組
中谷雄飛(スポ3=長野・佐久長聖) 13分39秒21(6着)
コメント
中谷雄飛(スポ3=長野・佐久長聖)
――連戦となりましたが、ご自身の状態はいかがでしたか
中2日と厳しい中ではあったのですが、しっかり疲労を取ることを第一優先にして、体を動かしながら調子を上げていきました。
――レースの目標はありましたか
前回の網走は記録を意識しすぎた結果固くなった部分があったので、最低限ベストを狙うことを意識しました。
――タイムの具体的な目標はありましたか
組のターゲットタイムが13分45秒で、自己ベストも13分45秒だったので、しっかりと先頭集団に付いて勝負することを考えていました。先頭集団にいれば、自ずとタイムは付いてくるかなと考えていました。
――序盤から先頭集団でレースを進めていましたが
監督とも先頭でレースを進めて組のトップを取る勢いでレースを進めれば自己ベストを狙えるからと話を頂いていたので、監督の指示と自分の感覚で先頭集団に付くことを意識しました。
――ターゲットタイム通りの展開となりましたが、体の動きはどうでしたか
ウォーミングアップから変な力みもなく、体の調子も前回に比べればいいなと思っていたので、網走よりはいいタイムを出せるなと感じていました。
――前回のレースでペースが遅くなった3000メートルから4000メートルの走りはどうでしたか
3000メートルから4000メートルを2分44秒できていました。比較的ペースが安定していたのもあり、余裕を持ってラスト1000メートルに入れたので、そこは前回よりも良かったと思います。
――4000メートルを過ぎた辺りで、先頭集団のスピードが上がりましたが
記録的にも狙えると思ったので、最後いけるところまでいこうと思ったのですが、4000メートルを超えてから疲労もあり、思ったより先頭集団に付いていけなかったです。
――自己ベストの走りで、日本選手権参加標準記録Aも突破しましたが
大学1年から自己ベストを更新できていなかったですし、周りの選手が13分30秒台のタイムを出しているのを見てきたので、僕自身凄い置いていかれている感覚もありました。気持ちの面で焦りはありました。とにかくいろいろな面で苦しかったですが、今回13分30秒台に入れたのと、日本選手権の参加標準記録を突破できたので、そこは正直ほっとしてると言うか。やっとトップの選手と戦えるスタートラインに立てた気がします。
――次戦以降の目標をお願いします
今回自己ベストを更新することができたので、今後のレースでは13分35秒を狙っていけるように練習していきたいな思います。他の選手に比べるとまだまだ力が及ばない部分が多いので、地道に故障することなくトレーニングをしていけたらなと思います。