女子選手が躍動!関本が400メートル障害V、マイルは早稲田記録更新/全カレ4日目

陸上競技

 学生日本一を決める日本学生対校選手権(全カレ)は4日間に及ぶ熱戦に幕を閉じた。その最終日、早大は4種目で決勝に進出し、中でも女子選手の活躍が光った。女子400メートル障害では関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)が初優勝を遂げたほか、小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)が3位、村上夏美(スポ2=千葉・成田)が4位で続き、トリプル入賞を果たした。また女子4×400メートルリレーでは早稲田記録を10年ぶりに更新する3分38秒69で3位に入った。男子では西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)が800メートルで決勝に進出したが、悔しい4位にとどまった。

 対校得点では、『トラック優勝』を掲げていた男子はトラックの部5位に。また400メートル、110メートル障害に優勝し、多種目優勝の部では2位タイに入った。『1位』という数字こそ目標に届かなかったが、西久保は早大の結果を振り返り、「4日間のチームの流れはよかったと思う」と前向きに捉えた。

4日間を終えた選手、スタッフ陣

(記事、写真 岡部稜)

★西久保主将は悔しい4位に(男子800メートル)

西久保はゴール後にはトラックに顔を伏せ、悔しさをあらわにした

 またしても、表彰台にはあと一歩届かなかった。西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)のこれまでの日本学生対校選手権(全カレ)最高成績は4位。5月の関東学生対校選手権でも悔しさを味わった西久保にとって、『全カレ優勝』は是が非でも獲りたいタイトルだった。

 闘志を燃やして挑んだ最後の対校戦。予選、準決勝とも盤石のレース運びを披露し、1着で決勝に進出する。「いい感じで走れて、優勝が見えていました」。自信を得て迎えた決勝は、今年もスロー展開だった。お互いにけん制し合い、集団は一塊のままラスト1周へ。西久保はスローペースの際、残り300メートルから仕掛けるレースプランを考えていた。しかしレース終盤、周りの選手に囲まれてしまい前に出ることができなくなってしまう。「やりたいレースをさせてもらえず、自分の流れがつくれませんでした」。最後の直線は渾身のスパートで3位に浮上したが、ゴール直前で昨年の全カレ覇者・林貴裕(順大)に差され0.1秒差の4位。悔しさのあまり、立ち上がることができなかった。

 今大会、森戸信陽(スポ2=千葉・市船橋)や伊東利来也(スポ3=千葉・成田)といった下級生の活躍が目立っただけに、試合後は主将としての不甲斐なさを口にした西久保。ラストエンジとなる早慶対抗競技会ではこの悔しさをぶつけ、チームを勢い付ける得点を持ち帰りたい。

(記事 宅森咲子、写真 金澤麻由)

★健闘光る!竹内が集大成で7位入賞(女子800メートル)

ハイペースに食らいついた竹内

 「やれることは全てやり尽くしてきました」。竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)にとって、主戦場とする800メートルでの人生最後の大会。前半シーズンは不調に苦しんだが、この日は自信を持ってスタートラインに立った。

 予選を1着で通過すると、続く準決勝。竹内は終盤に追い上げを許し4着でゴールしたが、2分09秒11を記録する。「勝つことだけを考えて走った結果でした」。自らの持つ早稲田記録を更新し、3着以下でのタイムで決勝への進出を決めた。そして最終日の決勝。残りの150メートルで仕掛けるため、竹内は集団後方で力を温存した。レースは1列の隊列を形成したままハイペースで進み、6番目で残り1周の鐘を迎える。しかし500メートルを過ぎたところで後方の選手に捉えられてしまう。ラストは必死に追い上げたが及ばず、そのまま7位でのゴールとなった。それでも、レベルの高い決勝で自己記録に迫るタイムを叩き出し、見事2年連続で入賞を果たした。

 「今年は勝負しに行けたレースだったので、やりきれたと思っています」。集大成の舞台で、最高の記録と納得のいく結果を残した竹内の表情は晴れやかだった。

(記事 宅森咲子、写真 金澤麻由)

★関本が好タイムで優勝!全員入賞で強さを見せつける(女子400メートル障害)

女子400メートル障害決勝にトップでゴールした関本

 女子400メートル障害には、前年王者の小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)、関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)、村上夏美(スポ2=千葉・成田)の関東学生対校選手権(関カレ)で表彰台を独占した3人が出場。関本が自己ベストにあと0.01秒に迫る57秒74で優勝し、小山が3位、村上が4位と目標の表彰台独占には届かずも上位を席巻した。

 予選・準決勝では3選手とも落ち着いた走りを見せ、全員が着順で決勝に進出。迎えた決勝では、序盤から前半のスピードを強みとする関本とイブラヒム愛紗(札幌国際大)が抜け出し、競り合いながらリードを奪う。連覇がかかる小山は、持ち味の後半の粘りを発揮したいところ。しかし万全でない右脚の影響もあり、前との差をなかなか詰めることができない。関本は課題に挙げていた後半でも後続を突き放し、そのままゴール。昨年決勝進出を逃したリベンジを果たした。小山は3位で表彰台は確保したものの、「自分の持っている力をすべて発揮できた試合ではなかった」と語るように悔しさの残るレースとなった。村上は後半に追い上げを見せ、目標の3位以内には及ばなかったものの4位入賞。レース後には円陣を組んで健闘を讃え合った。

 好結果を収めたが、あくまで目指していたのは表彰台の独占。その目標の達成は来年の宿題となった。学生の大会だけでなく日本選手権にも出場するなど、学生界のトップで活躍してきた3人。これからも学生の枠を超えた活躍に期待したい。

(記事 名倉由夏、写真 斉藤俊幸)

■悲喜こもごも… リレー種目は明暗分かれる

 これまで数々のタイトルや記録を打ち立て、『リレーの早稲田』と称されるまで、リレーは早大のお家芸と言える種目だ。そんな早大のお得意種目だが、今年の全カレでは明暗分かれる結果に。近年厳しい結果が続いた男子4×100メートルリレーは2年ぶりに決勝に進出して6位入賞を果たし、女子4×400メートルリレー(マイル)は3位ながらも10年ぶりに早稲田記録を更新した。その一方で、今大会400メートル入賞者2人を擁した男子マイルではまさかの予選落ちに終わった。

★男子4継、2年ぶりの決勝の舞台で健闘の6位入賞

6位でゴールする、4走を務めた三浦

 1走目から順に南山義輝(スポ3=福岡・小倉東)、高内真壮(スポ4=栃木・作新学院)、澤大地(スポ1=滋賀・草津東)、三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)で4×100メートルリレー(4継)に出場した早大。ルーキーを3、4走に据えた初めてのオーダーで臨んだ。

 予選では各走者が詰まりながらも確実にバトンをつなぐと、4走の三浦へ。城西大との接戦を制し、39秒40の好タイムをマーク。中大に次ぐ組2着となり、2年ぶりとなる決勝の舞台へと駒を進めた。

 メンバー、走順を変更することなく臨んだ翌日の決勝。南山が好スタートを切ると、各区間において予選の失敗から修正したスムーズなバトンパスをつないでいきゴール。各々が「自分たちの今持っている力は出せたと思えるレースだった」と言い切れる充実した走りで6位に食い込んだ。かつては全カレ4連覇を果たしていた4継だが、近年は『リレーの早稲田』とは形容しがたい苦しい結果が続いていた。それだけに価値のある6位入賞である。

 しかし、確かな手応えを感じた一方で「大きな結果が出なかったのは何か原因がある」(南山)と上位校との実力差も痛感したようだ。それでも、これまで対校戦の出場がなかった1年生・澤のメンバー入りや、南山の今季100メートルでの大幅ベストなどで現れているように、チーム内で練習の段階からお互いの成長を促す理想的な土壌ができつつあるという。「一人一人が課題を考え、それをチームで共有し解決することでチームとして強くなれる」。次戦の日本選手権リレーではバトンパスの精度はもちろん、個々の走力をさらに伸ばした状態で格上チームたちと張り合いたい。

(記事 斉藤俊幸、写真 青山隼之介)

★「あってはならないこと」 男子マイル、まさかの予選落ち

駿河台大と競り合った小久保(左)だが、わずかに0.1秒及ばず予選落ちに喫した

 「優勝というものにこだわってやってきたので、予選敗退は正直あってはならないこと」。伊東利来也(スポ3=千葉・成田)は大会後、そう話した。決勝進出が確実視されていた男子4×400メートルリレー(マイル)。しかし、3走以降苦しい展開が続き、0.1秒差で決勝進出を逃した。

 1走の伊東は、上々のスタートを見せ、他校に差をつけてバトンを渡す。勢いそのままに2走・小竹理恩(スポ2=栃木・佐野)も少し差を広げ、後続に託した。しかし、3走の山内大夢(スポ2=福島・会津)が200メートル付近で駿河台大に追い付かれてしまう。それでも山内は何とか抜かされずに走り、バトンはアンカー小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)へ。格上の実力者である駿河台大の若林康太との一騎打ちとなった。小久保は100メートル付近で一度抜かされるが、300メートル付近で再び抜き返し、デットヒートのまま最後の直線へ。抜く、抜かれるの息もつけない攻防が繰り返される中、0.1秒差で最後に前に出たのは駿河台大。2位に終わり、決勝進出も逃したことがわかると、選手たちは悔しい感情をあらわにした。

 夏合宿をしっかりと消化し、万全な状態でインカレへ臨んだ男子マイルチーム。しかし、チームとして走るという気持ちの欠如から、結果を出すことはできなかった。「個人の3位という結果は、マイルで金を取ることができて初めて輝く」(小久保)。この後悔は、個人ではなくチームとしてしか取り返すことができない。次戦では強い早大の復活なるか。

(記事 金澤麻由、写真 名倉由夏)

★女子マイル、悲願の頂点ならずも10年ぶりに早稲田記録を更新し銅メダル獲得!

混戦の中、3位でゴールするアンカー小山

 関東学生対校選手権(関カレ)のチャンピオンとして、決勝進出は確実と見られていた女子4×400メートルリレー(マイル)は予選で思わぬアクシデントに見舞われた。トップで走っていた2走の関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)が250メートル付近のコーナーで転倒。一時は予選突破の条件となる組1着とは約20メートルの差が開いたが、3走の西村緋菜乃(スポ4=神奈川・相洋)と4走の小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)が差を徐々に詰め、最後はホームストレートでトップを走る福岡大をかわし、なんとか決勝進出を決めた。

 決勝は関カレを制した時と同じ、村上夏美(スポ2=千葉・成田)、関本、竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)、小山のオーダーで挑んだ。それぞれ個人種目でも決勝を戦ったばかりのメンバーだが、その疲労を感じさせない走りを見せる。1走の村上がトップとほとんど差がなく2走・関本へバトンパス。スターターとしての役目を果たした。関本がオープンレーンに入ると大阪成蹊大が抜け出し、それを立命大ら5校が追う展開に。3走の竹内には大阪成蹊大を含めた6校の大混戦の状態でバトンが渡った。約1時間半前に800メートルを走ったとは思えない粘りの走りを見せた竹内は2番手でアンカー小山にバトンを託す。先行する大阪成蹊大は200メートル優勝の齋藤愛美、すぐ後ろから追ってくる立命大は800メートル優勝の塩見綾乃という実力者たちとの対決となった。混戦の中、ホームストレートまでもつれ込んだアンカー勝負ではわずかに及ばなかったがメダル圏内の3位を死守しゴール。さらにフィニッシュタイムの3分38秒69は10年前に記録された大学記録(3分39秒17)を大きく更新。目標にしていた優勝にはあと一歩及ばなかったものの、「100メートルのスピードのある選手の追い方や混戦によるバトンの接触という面で考えながらレースができた」(小山)と振り返るように関東地区以外の強豪大学との戦い方に課題が見つかるなど収穫の多い貴重な経験となった。

 今後、現メンバーで臨むことのできるレースは10月の日本選手権リレーのみとなった。これまでの対校戦とは異なりリレー種目のみ開催する大会のため、個々の走力とチームとしての成熟さが結果に直結する大会だ。マイルメンバーの集大成として今回の自信と悔しさを胸に、初の全国制覇を目指す。

(記事 斉藤俊幸、写真 宅森咲子)

結果(15日)

▼男子

▽200メートル

準決勝(3組2着+2)

三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)21秒48(-1.1)(2組6着)

▽800メートル

決勝

西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)1分52秒36(4位)

▼女子

▽800メートル

決勝

竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)2分09秒37(7位)

▽400メートル障害

準決勝(2組3着+2)

小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)59秒00(1組2着)決勝進出

関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)58秒71(2組1着)決勝進出

村上夏美(スポ2=千葉・成田)59秒66(2組3着)決勝進出

決勝

関本 57秒74(1位)

小山 58秒93(3位)

村上 59秒65(4位)

▽4×400メートルリレー

決勝

早大 3分38秒69(3位)早稲田新記録

(村上―関本―竹内―小山)

▼男子対校得点

▽総合の部

1位 順大  64点

2位 日大  60点

3位 筑波大 48点

9位 早大  30点

▽トラックの部

1位 順大  46点

2位 筑波大 45点

3位 中大  35点

5位 早大  30点

▼女子対校得点

▽総合の部

1位  筑波大   88.33点

2位  立命大   73点

3位  大阪成蹊大 52点

11位 早大    27点

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男子コメント

西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)

――800メートルでは4位という結果でした。この結果をどうお考えですか

予選、準決勝といい感じで走れて、優勝が見えていたと思うのですが、そこで勝ちきれなかったのはすごく不甲斐ないと思います。最後主将としてもありますし、2年生、3年生と優勝してきて、そこに4年生が続けなかったのが不甲斐ないと感じています。

――レースは200メートル付近から一気にスローな展開となりました

今回のレースプランとして、もしスローになったら残り300メートルから仕掛けて、ハイペースになったら200メートルから仕掛けると決めていました。実際スローになったときに、周りにすごく囲まれてしまって、300メートルからうまいこと出れなかったりと、レースが下手な部分だったと思いますし、それを読みきれなかったのが痛手だったと思います。

――ラストでは順大の林貴裕選手が大外から差してきました

正直全く見えていませんでした。前二人をなんとか抜くことを考えていたので。あそこでは間から抜いていくのが難しかったのと、無駄な力を使ってしまったので、前を差し切るまでにはいかなかったですね。林に関しては完全に意識の差だと思うので、やられたな、という感じです。

――優勝を目指していた中での4位でしたが、昨年の4位と違うものはありますか

去年もスローなペースからの4位でした。去年に関してはスローでも勝ち切る自信はあった上で力が及ばなかったのに対して、今回は最後の(対校戦の)試合だったのですが、自分のやりたいレースをさせてもらえなかったのが、すごくインカレの難しいところだと思っています。そういったところで、自分の流れを作るのが去年よりもできませんでした。調子自体は去年より良かったと思うんですけど、後輩たちを好きにさせてしまったという印象です。

――次にチームについてお伺いします。関東学生対校選手権(関カレ)からチームをどのようにまとめてきましたか

関カレが終わってからは日本選手権もあって、そこからはグラウンドの改修工事があってバラバラになってしまったり、いつもとは違う流れで夏を迎えたわけですけども、その中で全カレというチームとして一つの目標を掲げている中で、場所や練習内容が例年と違ったとしてもその目標は変わらずに、それを後輩たちにも言ってきました。なかなか難しい部分ではあったんですけど、4年生も協力してくれて、一つの目標に向かっていくという話を常にし続けてきました。

――全カレを迎えるにあたって、チームの雰囲気は良くなって来たというふうに感じましたか

そうですね。伊東(利来也、スポ3=千葉・成田)が世界選手権のリレーメンバーに選ばれたり、南山(義輝、スポ3=福岡・小倉東)が良い記録を出したりと、流れ自体は良かったと思います。初日からの全体としての流れも悪くはなかったと思います。ただ惜しいところで勝ちを引き寄せる部分に関してはまだ何かが足りなかったと感じています。

――今回は男子で多種目優勝2位という結果でしたが、チームの結果についてはいかがでしょうか

終わったばかりで具体的な反省は出せていないのですが、後輩たちがすごく活躍してくれたと感じています。個人個人でうまくいったかどうかは違いますが、全体として4日間の流れはわりと良かったと思っているので、今後後輩たちには、初日から最後までの流れを大事にしてもらいたいと感じています。今回は流れが良かったぶんチャンスや勝てるレースを確実に取っていくのが足りなかったと思います。

――関カレの時には4年生に課題があると話していましたが 今回は4年生の活躍をどう見ていましたか

けがもあったり成績が振るわないというのがあって、得点の面ではやはり4年生として貢献できたかと言うとそうではないんですけど、その反面、けがしたり、出場できなかった4年生がすごく後輩を支えてくれたし、全体を鼓舞してくれたり。そういったところで後輩たちには伝わっているのかなと。それがあって400メートルや110メートル障害では4年生の金井(直、スポ4=神奈川・橘)とか宮川(智安、スポ4=埼玉・早大本庄)とかがすごく結果に関わっていると僕は思っています。チームとして4年生の姿勢は見せられたと思いたいです。後輩にそう思ってもらえていたら、よかったと思います。

――来週には早慶対抗競技会(早慶戦)がありますが、そこに向けてチームをどうまとめていきたいですか

1週間しかない上に、グラウンドの工事もあって全員で集まって練習するのは難しいと思うんですけど、そこで4年生がリーダーシップを取って、最後の大会で4年生が活躍して、いいかたちで次の代に渡せてあげられるように、まずは早慶戦をがんばりたいと思います。

伊東利来也(スポ3=千葉・成田)

――400メートルでは優勝しました。感想をお願いします

優勝ができて良かったです。チームとしてトラック部門優勝を目標に掲げていたので、貢献することができて良かったです。

――今大会の位置付けは

チームとして臨む一番大きな大会なので、そういった意味での位置付けは大きかったと思います。

――予選ではシーズンベストが出ました。今大会、ご自身の調子はいかがでしょう

正直シーズンベストが出たという実感はなく、タイムを見て「これがシーズンベストなんだな」という感じでした。

――決勝では他の選手を引き離し、余裕を持って優勝を決めました。あのレースを振り返っていかがですか

正直タイムからいうと(4)6秒7という物足りないタイムではあります。ですが、しっかり順位を取ることができたことは自分の中で評価できると思います。ですが、前半200メートルで攻めることができなかったという点が、今後課題になってくると思います。

――4×400メートルリレー(マイル)は惜しくも予選敗退となりました。原因は何だと思いますか

こちらも同じように優勝というものにこだわってやってきたので、予選敗退というのは正直あってはならないことだと思います。見直さなければならない点がたくさんあると思います。

――マイルチームとしてはベストな状態で臨むことができたと思いますか

はい、臨めたと思います。インカレに向けて合宿もみんなでしっかり積むことができたと思うので、力という面では準備はできていたと思います。

――世界選手権という大舞台も控えます。どのような走りをしていきたいですか

正直今回のレースを振り返ると、攻めきることができなかったという反省点が浮かび上がってきます。世界陸上になると日本代表として背負うものもありますし、レベルもこれまで感じたことのないような高いレベルになると思います。なので、そういった意味で覚悟を持ってレースに取り組めればいいと思います。

小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)

――男子400メートル競走では3位に入りました。感想をお願いします

自分の本意とした結果ではありませんでした。順位として見ればいいですが、内容としてはあまり良くなくて。これからまだ修正点がたくさんあると思うので、その点を踏まえて次の新潟グランプリ(日本グランプリシリーズ新潟大会)に合わせていきたいです。

――内容というのは、タイムということですか

そうですね。タイム、レース内容です。全く納得いくものではありませんでした。

――得意のラストスパートが光っていたと思いますが

前半を抑えすぎて、結果的に後半出たように見えただけです。結局課題の前半がうまくいっていなく、このレース展開になりました。なので、もう少し前半を楽に力を使わずに走るポイントを抑え、それを後半うまくつなげていく走りの練習をしていきたいです。

――今大会の位置付けは

秋シーズンの一つの大きなフォーカスとして置いていました。ですが、結局マイルは予選落ちに終わってしまいました。個人の結果3位というのは、マイルで金を取ることができて初めて輝くと思っていて。全体を見たときに、チームとしても個人としてもまだうまくいっていない部分があると僕は感じました。

――マイルチームとしては、ベストな状態でレースに臨むことができたと思いますか

一人一人が個人で走るということを意識してしまい、チーム全体で走る気持ちが欠けていました。僕もその一人で、個人として走ってしまいました。結局タイムとしても良くなくて、結果として予選落ちだったのでそこら辺をこれから見直していきたいと思います。

――原因はチームの精神面ということですか

はい、そうですね。

――ラストは実力者である駿河台大の若林康太選手(4年)との競り合いでした。そこを振り返っていかがですか

自身の中で正直格上と思っていた部分がありました。最後0.1秒で負けてしまったのですがこれからはどんな相手が来ても勝てるように準備することがアンカーとしての恒だと思います。

――今後も試合が続きますが、どのような走りをしていきたいですか

全体のレースを見たときに、自分の中でうまく前半と後半のタイム差や、体の力感などを理解して、安定したレースをしていきたいと思います。

南山義輝(スポ3=福岡・小倉東)

――今季は自己ベストを更新するなど好タイムを連発していますが、今大会に臨むにあたっての調子はいかがでしたか

調子自体は2週間前の大会(富士北麓ワールドトライアル)で10秒33で走れていたので悪くないことは確認していたのですが、実際走ってみると思いの外良くなかった印象です。自分の感覚と実際の走りが擦りあっていないような部分はありました。

――まずは100メートルについてです。6月の日本学生個人選手権の際には日本学生対校選手権(全カレ)では表彰台を目標にしていきたいと話されていましたが、夏を経て変化はありませんでしたか

そうですね、もちろん表彰台も狙っていましたし優勝も狙っていました。実力を出せずに終わってしまったという感じです。悔しさだけでなく、やるべきこと、課題を確認できたのでまだまだ伸びると思っています。

――その分リレー種目にかける思いは強かったのでしょうか

そうですね、個人で落ちてしまった分リレーで絶対に良い走りをしてチームで勝とうという思いは強かったです。

――予選の走りはいかがでしたか

タイム的には39秒40ということでまずまず良かったのですが、バトンの部分がかなり悪かったですし、走り的にもまだあと一段階いけるかなという感覚はあったので、決勝ではその部分を修正していこうという話をしていました。

――その課題を決勝で修正することはできましたか

そうですね、走りもバトンも流れの中で修正できて自分たちの実力は出せたと思えるレースはできました。

――今回の走順の意図、役割についてはどのように考えていましたか

僕が1走ということでどれだけリードしてチームのために走れるかというところで、あとはみんなが気持ちよく走ってもらえればという気持ちを持っていました。どちらかといえば作戦的な部分よりも100メートルメインで1走ができるのが僕だけだったので、そこで良い流れを作らなければリレーは勝てないということだったので、1走の重みを感じつつも楽しくやれたと思います。

――3、4走には1年生が入りました

澤(大地、スポ1=滋賀・草津東)とかも元々力はある選手なのですが今年はあまり調子が良くなくて不安もあったとは思いますが今できる走りはしっかりとしてくれたと思いますし、三浦(励央奈、スポ1=神奈川・法政二)もいつも通りしっかり走ってくれたので本当にありがとうという感じですね。

――メンバー争いなどチーム内での競争は高まっていますか

そうですね、もちろんチーム内で競争することもあるし、強いチームになるためにおいて必要なお互いに指導やアドバイスをしあったりできる環境がつくれてきているので、そこが今はすごく良い部分なのかなと思っています。

――6位という結果についてはどのように考えていますか

結果としては持っている100パーセントではなかったですが今できる100パーセントの力は出し切れたように思います。チームとして結果は悔しい部分もありますが、ますまは決勝にいけたというところは楽しかったですしポジティブに捉えています。今回決勝の舞台で戦ってみて、もちろん実力はついてきていると思いますが結果がついてこなかったのは原因があると思うので、そこをそれぞれ考えてチームで共有して解決することでチームとして強くなっていきたいと思います。

――日本選手権リレーが今チーム最後の大会になると思いますが目標や意気込みをお願いします

今年最後の大会になるので、チームとしての目標は38秒台に設定して優勝や表彰台をみんなで狙っています。まずはひとりひとりが課題をどうやって解決していくか、やることをやれば勝てるチームだと思うので、そこは自信を持ってやっていきたいと思います。

女子コメント

竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)

――最近の調子はいかがでしたか

前半シーズンはなかなか自己ベストを更新できず苦しかったのですが、2回の夏合宿を経てかなり調子が上がってきていました。全カレ(日本学生対校選手権)に向けてやれることは全てやり尽くしてきました。

――今大会のレースはどのような思いで挑みましたか

まずは決勝に残らないと意味がないと思っていたので、準決勝を一つ目の勝負のポイントだと考えていました。

――準決勝ではご自身の持つ早稲田記録を更新されました

とにかく着順で決勝に進みたいと考えていたので、タイムのことは気にせずに勝つことだけを考えて走った結果でした。

――決勝のレースプランは決めていたのでしょうか

ハイペースになることが予想されていたので、焦って前に出ずにどれだけ省エネでラスト150メートルまで走れるかということを1つのポイントにしていました。そして残り150メートルで仕掛けようと考えていました。

――それを踏まえて実際のレースはいかがでしたか

予選、準決勝よりは力を使わずに残り150メートルまで走れたのですが、やはり上位の選手に比べてスパートのスピードが足りなかったのであのような結果に終わったのだと思います。

――7位という結果はどのように捉えていますか

去年はレースに参加することができずに6位だったのですが、今年は勝負しにいけたレースだったので、自分の中ではやりきれたのかなと思っています。

――レースを終えて感じたことはありましたか

人生最後の800メートルがこの全カレの決勝だったので、全てに満足しているわけではありませんが、納得のいく結果で終われて良かったかなと思います。

――4×400メートルの結果についてはいかがですか

関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ、日本選手権リレーの三冠を目指していて、この全カレも優勝することだけを考えていたので一つ及ばなかったなという思いがあります。でも早稲田記録を更新することができて、その点についてはみんなが全力を尽くした結果なので良かったかなと思います。

――今後試合に出場される予定はありますか

残りの試合は国体の400メートルと日本選手権リレーの2つなので、気持ちを切らさずにあと少し頑張りたいと思います。

小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)

――400メートル障害は3位という結果でした。どのように分析していますか

目標は56秒台ではありましたが、今自分の持っている力をすべて発揮できた試合ではなかったので、正直悔しい思いもあります。得点の面では関本(萌香、スポ2=秋田・大館鳳鳴)が優勝して2番に入りたかったんですけど、そこも私の練習不足で食い込めませんでした。少し悔しい気持ちがあります。

――400メートル障害は連覇を意識していましたか

特にしてなかったです。関カレ(関東学生対校選手権)の3連覇も気にしていなかったので、今回もそういうイメージで臨もうと思っていました。

――村上夏美選手(スポ2=千葉・成田)も4位に入って、早大が上位を占めました

本当はワンツースリーを早稲田で占めたかったので、私もひとつ順位を落として何も言えないんですけど……、自分が出せる力は一人一人出せたと思います。ただ、自分が2番に入れば村上も3番に入れたんじゃないかなと思うと、1個上としてうまいレースができなかったというふうに思います。

――次は4×400メートルリレーについてお伺いします。まず目標はどう設定していましたか

早稲田記録(3分39秒17)を更新することと優勝でした。早稲田記録が出せたのは、個人個人のタイムを見てわかったのですが、自分が持っている力を最大限に出した結果がそれにつながったというのが、終わった後の率直な感想です。でも優勝できなかったのは、大阪成蹊大はスピードが強い200メートル系の選手で攻めていて、私たちは400、800メートル系で攻めているので後半の粘りはみんなできたのですが、スピードも付けていかなければいけないとすごく感じた決勝でした。

――2番でバトンをもらいましたが、どのように齋藤愛美選手(大阪成蹊大)を追いかけていくことを考えていましたか

齋藤さんは100、200メートルの選手でスピードがあると思っていて、うまく距離を保ちながらも300メートルを過ぎたあたりから詰めていければと思っていました。でも後ろにも立命館大がいて、結構バトンの接触もありました。それをどうやって阻止しようと考えながらレースができました。今後日本選手権リレーがある中で、良い経験になったので、これで一人ひとりタイムを上げていってどういうレースができるのか考えて日本選手権リレーに向けていければと思います。

――今後は国体も控えていますが、そこではどんな走りがしたいですか

400メートル障害と400メートルの2種目に出場します。神奈川県の代表として出るので、国体までに脚を良い状態に戻して、今持っている力を全て出せたらいいと思います。シニアの人たちも出てくると思うので、日本選手権のようなレースになるとも考えられます。それを踏まえて自分がどうやって勝てるかを考えながら国体に臨んでいこうと思います。

関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)

――400メートル障害についてお聞きします。今大会に向けての目標やレースプランはありましたか

レースプランを結構考えていました。今までのレースを通した課題点というのを改善するための練習をやってきたので、そこの部分がしっかりできれば記録と順位はついてくると思っていました。だから記録と順位は狙いつつ、それよりもレース展開を意識することを心がけて臨みました。

――その展開について具体的な想定はされていましたか

はい。前半は落ち着いて、しっかりスピードに乗ってその前半のリズムを使って後半スムーズな足の切り替えを行って、後半につなげるというのを結構意識していました。私は前半はいけるんですけど、後半(踏切足の)切り替えが入ってきたときにちょっと動きが崩れてしまったり、リズムが崩れてしまうというのが結構あるので、そこら辺のポイントはすごく意識しました。

――その後半についてです。決勝では途中まで競り合っていた選手を突き放すなど、前半シーズン課題に挙げていた8台目以降も強かった印象があります。その部分について、ご自身で振り返ってどうですか

9台目以降くらいまでは冷静に判断して切り替えもしっかりできて、スムーズに行けたんですけど、9~10台目でちょっときつくなってきたときに頭が真っ白になって考えられなくなってしまって、少し詰まってロスしてしまいました。後半40メートルもタイム的にはまだという感じです。きょう勝ててはいるんですけどその後半の所の課題はまだ残っていて、やはりタイムとか、タッチダウンタイムが今までと同じになってしまっているので、そこをスムーズにやってしっかり後半も走れるようにというのはこれからも継続して頑張ります。

――予選・準決勝共に、余裕を持っての1位通過となりましたが、今大会の調子はいかがでしたか

8月に2回合宿があって、どんどん調子を上げてきていて練習もすごく積めていました。日本選手権あたりでタメを使い切ってしまった感覚があり7月はあまり走れなかったのですが、そこから基礎からの土台作りということで走り込みをたくさんしました。だから体力とかスピードとかは結構自信があって、走れている印象は自分の中でもあったので、自信を持って臨めたかなという感じです。

――決勝で自己ベストにあと0.01秒と迫るタイムを出せたことについてはどうですか

予選、準決勝と走ってみて、準決勝の時にすごい余裕があったというよりは結構行ったかなと思っていたので、タイムはあまり望めないのかなという不安もあったんですけど、決勝になって走ってみたらしっかり前半から攻められました。タイムを見たときは「結構出た!」とびっくりしましたね。57秒台は2回出たので、1回で終わらなくてよかったです。このまま安定して57秒台を出せる選手になっていきたいなと思います。

――早大で1、3、4位を占めましたが、それについてはどうですか

関カレ(関東学生対校選手権)でワンツースリーできたのがすごくうれしくて、今回もそれは狙っていたんですけど、やはり全カレということもあって厳しかったです。でもしっかり3人で準決勝、決勝とコマを進められたので、仲間が一緒にいると力強かったり自分のやる気につながるというか、3人で決勝に進めたのが良かったと思います。

――続いてマイルリレーについてです。目標などは決めていましたか

早稲田記録で優勝というのを目標にしていました。一番は優勝して、その過程で記録も出せればいいなと考えていたので、勝てなかったところがちょっと悔しいなというのがあります。

――予選では転倒がありましたが、影響はありましたか

初めて転んだのでびっくりしてしまったのですが(笑)、後の先輩たちがしっかり越してきてくれて1着で通過できたので、本当に(決勝に)残れて良かったというのと申し訳なさでいっぱいでした。きょうはせっかくつないできてくれたので、絶対マイルに勝ちたいと思って走りました。負けてしまったんですけど……、走力の部分が私はまだちょっと足りないというのをきょうのマイルで実感しました。

――2走でトップを追う展開でしたが、その時のご自身の走りを振り返ってどうでしたか

前半から怖がらずに行けました。昨日転倒したこともあってその場所は慎重に入ったのですが、それでもちゃんと最後まで走り切れました。ちょっとラストがきつくて、もう少し早く渡したかったです。やはり自分の所で1位で渡したら確実に早稲田は良い位置で行けるなというのがあったので、そこを1番で持っていけなかったというのがすごく悔いが残っています。

――早稲田記録をこの全カレで樹立できたことについてはどう思いますか

自分や小山さん(佳奈、スポ3=神奈川・橘)のラップタイムがベストだったので、それがタイムが上がった要因だと思います。でも皆が全力を出し切ったことで出せた早稲田記録だと思うので、そこはうれしかったです。

――最後に、ここまでの全カレの走りについて総括してください

やはり優勝を取れたことはうれしかったですし、判断力とかもついてきたので、そういう所では去年よりも成長できた自分が見られたのですごくよかったと思う部分もあります。でもやはり走力の部分がまだまだで、マイルも400メートルハードルも勝つには走力が必要なのでもっと走力アップを頑張りたいです。

村上夏美(スポ2=千葉・成田)

――最近の調子はいかがでしたか

関カレ(関東学生対校選手権)が終わってから、合宿をして練習を積むことができたので調子は良かったかなと思います。

――今大会のレースはどのような思いで挑まれましたか

ヨンパー(400メートル障害)は3位以内に入りたいという気持ちが大きくて、あとは自己ベストを出したいという気持ちがありました。

――400メートル障害のレースは振り返っていかがですか

最後の決勝では、レース展開はうまくいってまとまったレースができたのですが記録が付いてこなかったので悔しい気持ちがあります。

――これまで後半を課題としていた印象ですが、決勝では後半追い上げを見せました

後半、逆足にすることがスムーズにできて、前回よりはうまく入れたと思います。合宿で距離も積んだので、そういったことが良かったかなと思います。

――4×400メートルの結果についてはいかがですか

早稲田新記録を出せたことはすごくうれしいのですが、優勝を目指していたので3位という順位は少し悔しいです。個人の走りとしてはタイム的に見ると前半からもう少し力を出せたかなという気持ちがあって。でも後半は予選よりは追い上げることができたので、後半の走りは良かったかなと思います。

――次の試合の予定は決まっていますか

新潟で行われるグランプリシリーズの試合に出場する予定です。今季はまだ59秒を切れていなくて58秒台に届いていないので、その点でもっとスムーズにハードリングができるように練習を積んで頑張っていきたいと思います。