『強い早稲田』復活へ、エンジの戦士たちの熱い戦いが始まる/関カレ展望

陸上競技

 ついに関東学生対校選手権(関カレ)が開催される。4日間にわたって行われるこの大会は、例年の日産スタジアムとは異なり相模原ギオンスタジアムで行われる。早大からは院生も含めた、51名がエントリー。女子は総合5位以上を、男子はトラック優勝を目指して戦う。早大は目標達成のために、どのような布陣で挑むのだろうか。

静岡国際大会の小山。関カレでは400メートル障害で連覇を目指す

 女子部のエースは小山佳奈(スポ2=神奈川・市橘)だ。昨年、ルーキーながら関カレで400メートル2位、400メートル障害で優勝を果たした。その後、秋ごろにケガをしたため日本学生対校選手権(全カレ)への出場はかなわなかったが、スピードを強化した冬季練習を経て2年目の今年は着実にパワーアップしている。先日行われた木南道孝記念国際大会(木南記念)では自己ベストを更新。関カレでも力を発揮し、400メートル障害で連覇を果たしたい。また、400メートル障害にはルーキーコンビの関本萌香(スポ1=秋田・大館鳳鳴)、村上夏美(スポ1=千葉・成田)もエントリーしている。三人で対校得点をどこまで積み重ねられるか注目だ。長距離ブロックからは1万メートル競歩に溝口友己歩(スポ3=長野東)が出場する。昨年は関カレ、全カレともに2位と優勝に一歩届かなかっただけに、今年こそは表彰台の一番高いところへ登りたい。また、女子部には今年大学ラストイヤーを迎える選手が多い。七種競技で全カレ2位の南野智美(スポ4=山口・西京)、最終学年こそ花を咲かせたい走幅跳の内之倉由美(スポ4=鹿児島・甲南)、走高跳で昨年の国内大会負け無しの仲野春花(スポ4=福岡・中村学園女)がともに最後の関カレへ挑む。女子1部に出場するのは全部で14名。上位常連校と比べて人数が少ないため、1人1人が力を発揮することが総合5位へのカギとなる。

好調な太田智。二種目で早大に貢献する

 男子長距離ブロックは今大会全員入賞を目指す。特に活躍が期待されるのは、太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体)だ。今季出場した3レースすべてで自己ベストを更新し好調な様子が伺える。今大会はその好調さを買われ、5000メートルと1万メートルの二種目にエントリーされた。自身も「ここまでいい調子できているので、最低限入賞はして、狙えれば表彰台も狙っていきたい」と気合十分だ。また、1万メートル競歩には高橋和生(社4=岩手・花巻北)が4度目の出場となる。昨年は4位と惜しくも表彰台を逃しただけに、最後のチャンスは表彰台に登りたい。他にも3000メートル障害に出場する関カレ入賞の大木皓太(スポ3=千葉・成田)と全カレ入賞の吉田匠(スポ2=京都・洛南)や、5000メートルに出場するルーキーの千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二)と中谷雄飛(スポ1=長野・佐久長聖)もそろった。

 中距離ブロックでは1500メートルと800メートルの飯島陸斗(スポ3=茨城・緑岡)と800メートルの西久保達也(スポ3=埼玉・聖望学園)が、関カレに向けて準備万端である。飯島は高校総体800メートル優勝の実績を引き下げ入学したが、1、2年目はケガなどで思うような結果を残すことができずにいた。しかし、2年の秋から調子を戻しはじめ、今季に入ってからは好調をキープ。飯島は大学3年目にして「今までで一番練習を積めている」と語っている。また西久保は800メートルにおいて1年時の関カレ優勝など1年目から結果を残し続けており、今シーズンに入ってもその力は健在。静岡国際大会では1分48分26のタイムで自己記録を更新した。なお、このタイムは関カレ出場選手の中で1番の資格記録だ。飯島と西久保で早大の得点源となれるか注目だ。

古谷は主将としてなんとしても110メートル障害では優勝したい

 短距離ブロックの対校得点の中心となるのは110メートル障害だろう。古谷拓夢主将(スポ4=神奈川・相洋)を筆頭に13秒62の自己記録を持つ野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)や金井直(スポ3=神奈川・市橘)と学生トップの選手がそろう。特に古谷は先週末のセイコーゴールデングランプリで13秒61の早大記録をたたき出すなど、大学ラストイヤーに向けて着実に力をつけてきた。「関カレでの優勝は大前提」(古谷)。最後の関カレは主将として表彰台の頂点に登り、早大トラック優勝に大きく貢献する。そして、トラック優勝のカギを握るのは伊東利来也(スポ2=千葉・成田)だ。400メートルと4×400メートルリレー(マイル)に出場する伊東だが、木南記念でそれまでの自己記録を1秒更新。46秒09というタイムは早大歴代3位の好記録である。マイルチームのエースである伊東が関カレ3週間前にこの記録を出したことは、自身にとってもチームにとっても良い刺激となったはずだ。急成長中の伊東が関カレでどこまで通用するのか。1、2日目の400メートルから、大会最後のマイルまで目が離せない。

 今年の競走部のスローガンは『自律した個から強い早稲田』。早大は昨年、関カレではトラック5位、全カレではトラック6位と優勝とは程遠い結果で終わり、悔しい1年を過ごしてきた。「今年はワセダとして結果が欲しい」(田村優、スポ4=埼玉・早大本庄)。すべては『強い早稲田』を取り戻すため――。まずはその第一歩として、関カレトラック優勝を果たしたい。

(記事 平松史帆、写真 金澤麻由、岡部稜、佐藤詩織)

コメント

古谷拓夢主将(スポ4=神奈川・相洋)

 『強い早稲田』復活ということで、個人としてはいかに学生のトップに出るかという部分を、チームは強い早稲田の復活として関東インカレで優勝者数に関しても上を目指していきたいと思いますので、ぜひ注目してほしいと思います。男子のトッパー(110メートル障害)に関しては複数人が表彰台に登れるような結果を残したいと思うので、ぜひ注目してもらいたいと思います。

 

田村優主務(スポ4=埼玉・早大本庄)

 1年生から4年生までのチームとしてのワセダの姿を見ていただければと思います。皆様方のご声援に結果という形でお応えできるようチームとして貪欲に勝ちにいきます。

 

 

 

清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)

 長距離種目様々な種目がありますが、全種目で全選手が自分の色や力を出して、全員入賞します。応援よろしくお願いします。

 

 

 

井上翔太マネージャー(スポ4=愛知・千種)

 ここ最近ワセダが弱くなっているというふうにずっと言われているんですけど、まずこの関東インカレを第一歩に、僕たちの代から第一歩として、また強いワセダを復活できるように短距離長距離共に力を合わせて、まずはトラック優勝、他種目優勝を目指して頑張っていきます。応援よろしくお願いします。