長距離の国内トップ選手が集い、ゴールデンゲームズⅰnのべおかが開催された。日中は気温が高かったものの夕方からは気温が下がり、絶好のコンディションとなったため好記録が続出。早大からも太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体)をはじめ、トラック初戦となる永山博基(スポ4=鹿児島実)など四選手が5000メートルに挑戦した。
ゴール間近で必死にスパートする太田
まだ暑い中行われたG組に出場したのは太田智と千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二)。風が強く吹く中、序盤は両選手ともに先頭の選手にピタリと付きレースを進める。中盤から太田智が先頭に出て集団を引っ張ると、徐々に集団が長くなる。4000メートル手前で更に太田智がペースを上げると山口修平(旭化成)との二人旅に。勝負はそのままホームストレートまでもつれこんだ。ここまで山口を先行していた太田智だったが、最後に競り負けてしまい2着でゴール。14分00秒23と13分台にあと一歩届かなかったが、東京六大学対校大会に引き続いての自己記録更新となった。一方、千明は3000メートル付近で集団から遅れ始める。それでもなんとか粘り切り、14分16秒47の8着でフィニッシュした。
苦しい走りとなった永山
気温が下がってから行われたE組には永山が出走した。序盤こそ集団に付いていった永山だったが、中盤に脱落。結果も14分29秒97で組最下位と、苦いトラックシーズン初戦となった。また、B組に出場した新迫志希(スポ3=広島・世羅)も3000メートル付近で集団から離れてしまい、14分34秒25でレースを終えた。
選手によって明暗が分かれた今大会。太田智はまたも自己記録を更新し好調を維持している。また、千明も後半の切り替えを課題としながらも「動きが悪い中でも粘れた」と収穫のあるレースとなった。一方、永山は本調子とは程遠い結果で終わり、「反省することばかり」(永山)とレースを振り返る。関東学生対校選手権まであと3週間。目標としている男子トラック優勝には長距離ブロックの活躍も必要不可欠だ。特に永山は部内随一の自己記録を持っているだけに、復活が待たれる。
(記事、写真 平松史帆)
結果
▽男子5000メートルG
太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体) 14分00秒23(2着)自己新記録
千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二) 14分16秒47(8着)
宍倉健浩(スポ2=東京・早実) DNS
▽男子5000メートルE
永山博基(スポ4=鹿児島実) 14分29秒97(24着)
▽男子5000メートルB
新迫志希(スポ3=広島・世羅) 14分34秒25(28着)
コメント
永山博基(スポ4=鹿児島実)
――試合を振り返っていかがでしょうか
トラック初戦でしたが、インカレ(関東学生対校選手権)まで3週間ということで、インカレを目指している中で仕上がりのチェックという意味で5000(メートル)に挑戦しました。
――今回の結果というのはどのように捉えていますか
反省することばかりです。
――箱根(東京箱根間往復大学駅伝)が終わってからここまではいかがでしたか
厳しい状況が続き、自分にとって色々とパーフェクトに物事が進まない中で、こういう状況を乗り越えていかないといけないと思うので、しっかりと気持ちを切り替えてやっていかないといけないと思います。
――今年は大学ラストシーズンですが、どのような1年にしていきたいですか
最上級生という気持ちもあるんですが、チームの上に立つ存在としてチームを引っ張っていかないといけないと思うので、今は周りに頼ってばかりですが、自分らしい走りを早く取り戻していきたいと思います。去年はケガばかりで悔しい1年を送ったので、もう一度上で戦えるように、頑張りたいと思います。
太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体)
――試合を振り返っていかがでしょうか
13分台を目指していたので、それを切れなかったというのは悔しい部分もあるんですけど、内容自体は悪くないので。もう少し条件が整えば13分台だったので悪くはないかなという感じです。
――気温は暑かったですが、そちらの影響はありましたか
暑さより、風の方が気になりました。
――前半は2番目にいましたが、後半から引っ張る展開でした
3000(メートル)までは余裕を持って、というのは頭にあったんですけど、ペースを落とし過ぎても良くないと思ったので、行けるときはいこうと思っていたので、出ようと思って出ました。それは良かったんですが、最後まで押しきれなかったというのはあります。
――最後は競り負けてしまいました
こないだの兵庫(兵庫リレーカーニバル)といい、GGN(ゴールデンゲームズⅰnのべおか)といい、競り負けているのが目立っているので、関カレ(関東学生対校選手権)では、順位につながってくるので、3週間かけてスパートの部分をしっかりとやっていきたいと思います。
――次は関カレ(関東学生対校選手権)でしょうか
そうですね。ここまでいい調子で来ているので、しっかりと最低限入賞はして、狙えれば表彰台も狙っていきたいと思います。
千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二)
――試合を振り返っていかがでしょうか
これが大学の2戦目なんですが、1戦目は体調の面で万全でなくて、本来のレースができなくて。今回はその点を気を付けながら準備して臨みました。最初の3000メートルできつくなってしまって、その後粘りはしたんですが、高校時代よりも後半の切り替えができないのが現状で。練習を積めたとは言えない状況だったので、高校時代よりも磨きがかけられるようにできればいいなと思います。
――気温は暑かったですが、そちらの影響はありましたか
久々に暑い中でのレースで。少しは暑くてきつかったところもあります。
――途中で、集団から脱落してしまいました
絶好調の時は離れてからも前を追えることができていたんですが、今回はラスト1000(メートル)からの切り替えができなくて。そのまま離されてしまったので、後半動きが悪かったのは、良くない点です。ただ、大学に入って悪い中でも粘れたのは自分のスタイルというのを出せましたし、これからのチェックポイントとしていきたいと思います。
――話は変わってしまうんですけど、先週の織田幹雄記念国際大会は欠場されました
ここでいい結果を出すことが目的でしたが、納得のいく結果とはなりませんでした。課題もある中で収穫もあったので今回出てよかったと思います。