限られた精鋭しか参加することのできない日本選手権。選手たちは己の持てるすべての力を出し切り、真剣勝負が繰り広げられる。早大では、今季かねてから好調の仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女)がついに日本女王のタイトルを獲得。さらに石田裕介主将(スポ4=千葉・市船橋)が予選から49秒台をたたき出し、決勝で2位に輝いた。一方力及ばず悔しい結果に終わった者もいたが、この大舞台で経験したことは、個人としてもまたチームとしてもプラスになるに違いない。
(記事 鎌田理沙)
★今季好調の仲野。ついに日本一のタイトル獲得!
順位決定戦で1メートル80を成功させた仲野
強い日射しの照りつける中行われた女子走高跳決勝。早大からは仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女)が挑んだ。緊張からか跳ぶのをためらう選手もいたが、仲野は落ち着いて試合を進める。最初の1メートル65をパスし、1メートル77まで余裕を持って記録を伸ばしていく。そして次の1メートル80で残っていたのは仲野、津田シュリアイ(東大阪大)、福本幸(甲南学園AC)の3人。今季1メートル81を成功させていた仲野だったが、風も強くなり思うように跳ぶことができない。結果、3本とも失敗してしまった。しかし津田、福本も共に跳べなかったため、跳んだ回数が同じであった福本との順位決定戦を繰り広げることとなる。引き続き1メートル80での戦いとなったが、先に試技をした福本は惜しくもバーに当たってしまい失敗する。後の仲野はこれを決めれば優勝であった。「高さが1メートル80と少し動揺もしたんですが、しっかり立て直して絶対飛ぶという気持ちで跳んだ」。助走から踏切、ジャンプまで完璧な動きでバーを越えた。ジャッジは白旗。優勝を決めた仲野はガッツポーズで喜びを露わにした。
今シーズン、輝かしいタイトルを総舐めにしていたが、まだ日本選手権での優勝は果たせていなかった。高校3年生から出場し続け、4年越しでの栄冠を掴み取った仲野。これで名実ともに日本一になったわけだが、これからの目標について聞かれると「まだ技術がないので自己ベストを出して1メートル80後半や90が飛べるようになりたいと思います。」とさらに上を向いていた。さらなる高みへ、早大の誇る天才ジャンパーの挑戦は続いていく。
(記事 平松史帆 写真 鎌田理沙)
★早大の主将が魅せた!石田裕が49秒のカベを破り堂々の2位
課題であった後半も勢いを緩めなかった石田
「近いようで遠いカベのようなものだった」。石田裕介(スポ4=千葉・市船橋)の自己ベストは50秒33。そしてこの夏行われるユニバーシアードの参加標準記録は50秒00。世界を目標に掲げていた石田裕は今シーズン『49秒台』と何度も口にして、何度も記録を狙いに行った。しかしユニバーシアード出場のラストチャンスであった日本学生個人選手権でもタイムは出せず、石田裕の挑戦は終わったかのようにみえた。しかし「(日本選手権では)世界選手権の参加標準記録を狙う」と、早大の主将は決して諦めてなどいなかった。
日本選手権、湿度が低く曇りという好コンディションの中での予選。石田裕は前半から飛ばしつつハードリングも着実に成功させ、スピードを緩めない。タイムは49秒46で自己ベストを大幅に更新。安部孝駿(デサントTC)が48秒台を出すハイレベルな組でのチャンスを見事ものにして、決勝へ進むこととなった。
そして迎えた決勝、レーンは3。奇しくもユニバ行きを逃した日本学生個人選手権の決勝も3レーンだった。格上相手にチャレンジ精神を忘れなかったという石田裕はスタートから果敢に攻める。300メートル地点を過ぎてもスピードを緩めずにハードルを越えていく。日本学生個人選手権で引っ掛けてしまった10台目もノーミスで、そのまま2位の49秒79でゴールした。
「潰れそうなときに支えてくれた監督だったり、同期だったり、部員に感謝しています」。なかなか数字を残せなかった時期もあったが、最後は一競技者として、早大競走部の主将として、その背中で語ってみせた石田裕。試合後は周りの人への感謝の気持ちを何度も口にした。殻を破り、自身の新たな可能性を切り開いた主将が導く、これからのチームはもっと輝くことだろう。
(記事 鎌田理沙、写真 朝賀祐菜)
★ここを一つの通過点に。今後の活躍に期待
障害を越える北本
女子3000メートル障害には北本可奈子(早大院1=愛知・千種)が出場。スタートで集団の中盤につけるも、1000メートルを過ぎる頃には最後方から2番目まで後退してしまう。レースプラン通りであったとしながらそこから順位を2つしか上げることができず、最終結果は14位。レースを終えて北本は「今回2カ月ない中で体を戻すということで、全然走れないのも想定内」と冷静に分析した。もともと指導者を目指して早大競走部に入ったため5月まで競技を引退していたが、礒繁雄監督(昭58教卒=栃木・大田原)の「走りながら引っ張る選択肢もある」という言葉で4カ月ぶりに競技の再開を決めたという。この大会を足掛かりに、まずは9月の日本学生対校選手権、そしてらいねんの日本選手権を見据えている。北本の新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。
(記事 石塚ひなの、写真 藤岡小雪)
★越えられなかった高いカベ…両者とも準決勝敗退
準決勝のレース後、電光掲示板を見る古谷。惜しくも準決勝敗退となった
野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)と古谷拓夢(スポ3=神奈川・相洋)の2名が早大から出走した男子110メートル障害。先日の日本学生個人選手権で学生歴代7位の記録を樹立するなど好調が続く野本は、日本選手権初出場。初の大舞台にプレッシャーも感じていたが、予選は順調に着順で通過を決める。迎えた準決勝。「スタートで前に出られてそこから冷静に追うことができず、固くなってしまった」(野本)。必死に先頭を追ったものの、野本がゴールした際には4人が先着していた。一方ことしで4回目の出場となる古谷は、予選で13秒74という自己ベストにあと0秒01まで迫る好タイムを叩き出す。しかし準決勝では、スタートの出遅れを最後まで巻き返すことができず、結果は5着。昨年のファイナリスト古谷の日本選手権は、まさかの準決勝で幕を閉じた。「7歩を8歩に戻したのですが、うまくいかなかった」と古谷も語るように、好記録を出したとはいえ予選では3台ハードルを倒してしまうなど、歩数の調整に課題が残った。大会新記録が誕生するなど、非常にレベルの高い試合が繰り広げられた今大会。今回早大勢は残念ながらそのレベルにあと一歩及ばなかったが、この悔しい経験をバネにした今後のさらなる飛躍を期待したい。
(記事 藤岡小雪、写真 石塚ひなの)
★3選手が出場、小山が悔しい4位に
ラストに王子田と競り合った小山(右)
女子400メートルハードルには南野智美(スポ3=山口・西京)、兒玉彩希(スポ2=大分雄城台)、小山佳奈(スポ1=神奈川・橘)の三選手が出場した。晴天の中行われた予選の1組目には兒玉と小山が共に登場。兒玉は6着で予選で敗退となり、「完全に置いていかれました」とレースを振り返った。しかしレース慣れが出来たことやハードル間の歩数での収穫をプラスに捉えている。一方、小山はスタートから飛ばしていく形で自己ベストとなる57秒87を記録し、2着で決勝に進んだ。一方3組で走った南野は苦しい走りで60秒台でのゴールに。そして小雨の中行われた決勝。ここでも小山は前半から攻めの走りを見せていく。最終コーナーまでは3位でレースを進めたが、ホームストレートで王子田萌(立命大)に抜かれてしまい最後まで抜かせずそのまま4位。58秒58でのゴールとなった。「57秒台と3位以内を達成できなかったことが本当に悔いが残っています」このように小山は悔しさを露わにしたが、今シーズンのトラックの戦いはまだ終わっていない。次にエンジを着るのは日本学生対校選手権。優勝を狙う小山の走りが楽しみだ。
(記事 朝賀祐菜、写真 石塚ひなの)
結果
1日目
▽男子800メートル予選
西久保達也(スポ2=埼玉・聖望学園) 1分50秒18(2組5着)
▽男子400メートル障害
予選
石田裕介(スポ4=千葉・市船橋) 49秒46(2組3着)自己新記録
▽女子走高跳決勝
仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女) 1メートル80(1位)
2日目
▽女子400メートル障害予選
小山佳奈(スポ1=神奈川・橘) 57秒87(1組2着)自己新記録
兒玉彩希(スポ2=大分雄城台) 59分76秒(1組5着)
南野智美(スポ3=山口・西京) 60秒64(3組5着)
▽男子110メートル障害
予選
古谷拓夢(スポ3=神奈川・相洋) 13秒74(+1.3)(1組4着)
野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜) 13秒81(±0.0)(2組3着)
準決勝
野本 13秒70(+0.6)(1組5着)
古谷 13秒81(+0.3)(2組5着)
▽男子400メートル障害決勝
石田裕 49秒79(2位) 自己新記録
▽女子3000メートル障害決勝
北本可奈子(早大院1=愛知・千種) 10分45秒78(14位)
3日目
▽女子400メートル障害決勝
小山 58秒58(4位)
コメント
石田裕介(スポ4=千葉・市船橋)
――2位、おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください
順位としてここまで主将としてとして引っ張ろうとしたのですが結果が出なくて、これで1つこういう舞台で結果を残せたというのは本当にうれしいことです。それも本当に潰れそうなときに支えてくれた監督だったり、同期だったり、部員に感謝しています。毎試合見に来てくれる家族に感謝の気持ちでいっぱいです。
――予選について、念願の49秒台を出されましたがそちらは
49(秒台)というのがいつも近いようで遠いカベみたいなものになってて。ここの競技場がとても良いグラウンド環境だったので、このようなレベルの高い選手の中でしっかりタイムを出せたのは、次につながることじゃないかなと思います。
――予選から決勝にかけて、なにか変えられたことは
特に今回は後半勝負だと思っていました。決勝との違いといえば予選のところで前半乗り切れなかった部分があったので、一本しっかりと出すということで、(決勝は)スタートからしっかり乗っていけたのかなと思います。
――決勝前のお気持ちを教えてください
本当に初めての舞台ですし、僕個人として学年は4年であっても初心なので、上しかいない中でチャレンジという気持ちしかなかったです。
――決勝のレースをご自身で振り返ってみていかがでしょうか
今回決勝が3レーンで、個人選手権(日本学生個人選手権)も3レーンで、最後の1台で引っ掛けてしまったというのがありましたので、それのリベンジができて、なおかつ2位という順位が獲れてしっかり結果を残せたのは良かったなと思います。
――では、今シーズンの反省点を生かせたレースだったのでしょうか
そうですね。今シーズンの半分をまとめ上げるような結果だったと思います。
――ご自身で点数をつけていただくとしたら、何点でしょうか
タイム、順位はあったのですが70点くらいです。残りの30点というのは、これはやはり世界陸上(世界選手権)がかかっている大会でもあるので、そこで派遣標準記録を狙っていかなければならないところで切れなかったので。残りの30点としてはそこなのかなと。順位は獲れてもタイムがついてこなかった、その辺に関しては個人選手権と一緒なので反省していかなければいけない点だと思います。
――日本選手権が終わったばかりで早急かとは思いますが、次の目標は
全カレ(日本学生対校選手権)まで試合はありますが、1つ1つが最後のレースなので。次は7月9日にある南部記念があるので、しっかりとハードルブロックでチーム全体を盛り上げられたらなと思います。
――では最後に、これからの意気込みをお願いします
今回の順位で、自信ではないですが上と戦える力があると感じたので、まだまだ続けられる機会があれば狙っていこうと思います。
野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)
――今の率直な気持ちは
情けないですね。本来なら決勝で勝負できる力はあると思うのですが、それがこの大舞台で出せないというのは僕の弱さだと思います。
――日本学生個人選手権(個人選手権)から2週間で今大会を迎えましたが、調整はどのようにしていましたか
織田記念(織田幹雄記念国際大会)からずっと2週間置きに関カレ(関東学生対校選手権)、個人選手権、日本選手権と続いていたのですが、追い込める時間が少ないのですごく難しいです。今までこんなに試合に出たことがなかったので。1週間走り込み、1週間技術練習と言った感じです。
――日本最高峰の舞台でしたが、プレッシャーは感じていましたか
かなり感じていました。予選では失敗することなど後ろ向きなことばかり考えてしまったのですが、準決勝は開き直って走ることができました。ですが、後半硬くなってしまいました。まだまだだと思います。
――予選では増野元太(ヤマダ電機)選手が13秒40という好記録を出しましたが、走っている際気になりましたか
気にはならなかったですが、同じレースであのタイムで走られたので悔しいですね。
――今回の敗因は、具体的には何ですか
スタートで前に出られてしまってそこから冷静に追うことができず、硬くなってしまったのが敗因です。
――次の大会への抱負をお願いします
次の大会は北海道での南部記念です。毎回次の試合に合わせようとするとピークが上がってこないと思うので、夏の大きな照準はユニバ(ユニバーシアード)としてユニバで優勝できるようにこれから練習していきたいと思います。
古谷拓夢(スポ3=神奈川・相洋)
――日本選手権の感想をお願いします
純粋に悔しいです。実力なのでしっかり受け止めたいです。勝負するつもりでいたのですが、勝負できなかったというのは事実なので、反省して次につなげます。
――現在の状態は
悪くはなかったのですが、もう少しやらなければいけないことがあると思いました。
――ケガはいかがでしょうか
それは言い訳にはならなくて、良い感じできていたので悔しいです。
――どの辺が技術的に今回うまくいかなかったと思いますか
7歩を8歩に戻すなど色々としたのですが、うまくいかなかったです。硬くなってしまう部分がありました。まだまだです。
――このレベルについてはどうですか。自分がいずれいかなければいけない部分だと思うのですが
順調に周りが伸びている中での自分の現状は本当に悔しいです。
仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女) ※囲み取材より抜粋
――優勝されましたが自己ベストを狙っていたというようなことはありましたか
記録もですが、今回の大会では順位を大切にしていたのでよかったと思います。
――順位決定戦になったときの心境を聞かせてください
高さが1メートル80と少し動揺もしたんですが、しっかり立て直して絶対跳ぶという気持ちで飛ぶことができました。
――自分の中で1メートル80というのはどのようにとらえていたんですか
少し踏切を怖がってしまうので、気持ちは飛ぶぞと思っていました。でも跳べなかったのでまだまだだなと思いました。
――順位決定戦でのジャンプを振り返っていかがですか
しっかり跳べたと思います。
――理想の形のジャンプだったのではないですか
そうですね。集中して跳べました。
――日本選手権初優勝ということでいかがですか
日本選手権での優勝をずっと目標にしていて。高校3年生のときにはじめて出場して、4年目で勝つことができたので嬉しいです。
――次回はアジア選手権でしょうか、そちらでの目標はありますか
自己ベストを出すことが目標なので、海外の試合ですが自分のパフォーマンスができるようにしたいと思います
――ことし安定感が感じられますが、どこが良くなったとかはありますか
メンタルの部分です。
――これからの目標を立てづらいと思いますが、目標はありますか
まだ技術がないので自己ベストを出して1メートル80後半や90が跳べるようになりたいと思います。
兒玉彩希(スポ2=大分雄城台)
――最近1週間の練習内容は
女子対談(『華の女子対談』)でも言った通り、南野さん(智美、スポ3=山口・西京)や小山(佳奈、スポ1=神奈川・橘)とは離れて練習していて、スピードメインでやっていました。自分では今シーズンの中ではわりと走れてきたというか、万全まではいかないんですけど感覚としては戻ってきつつあったかなということがありました。正直今シーズン2試合目で不安というか、試合慣れしていない部分は他の選手に比べてあったのですけど、今日のレースの前に「2レース目だから、試合がどのような感覚かを掴めば良いのではないか」と力まずいくように先生から言われていたので、そこは悪くなかったと思います。
――自身として今大会の位置付けは
試合に慣れるという位置付けについては、マイナスな部分だったのかもしれません。でも調整をしない分、練習するということで学生個人を欠場したので、そのことをマイナスにはしたくなくて。その分練習を積んで出来るだけ前に付いて粘れるレースをしたいと思ったんですけど、思った以上にレース展開の速い組だったので、完全に置いていかれました。
――レース内容を振り返っていかがでしょうか
自分がレースパターンに考えていた(ハードル間の)歩数は、最後の10台目で押し切れなかったっていうのが勝負できなかったところかと思うんですけど、それ以外は今シーズンの中では良かった方に入るんじゃないかと思います。
――次の大会の予定と目標は
次のエンジを着る機会が日本学生対校選手権で、2カ月ちょっと期間があるので、今期出来なかったことを補うっていうのもそうなんですけど、それ以上を目指したいです。対談でも言ったんですけど、去年は予選落ちしてしまったので決勝に行くことを最低目標として、タイムも去年は予選が良くても決勝では落ちて勝負出来ないという課題があったので、ラウンドが進むごとにタイムもしっかり出せるように準備していきたいと思います。
小山佳奈(スポ1=神奈川・橘)
――今大会の目標は
この大会に向けては57秒台と3位以内という目標でやってきました。予選でタイムが出たのは良かったんですけど、決勝の出したいところで出せないというのは高校から変わらず、まだまだ自分の弱いところだとレースが終わって感じました。
――予選の走りについて振り返ってみていかがでしょうか
前半から飛ばすというのは学生個人(日本学生個人選手権)と同じように自分の中で決めていて、私はこの大会でそういうレースをしないと勝てないと思っていたので、怖がらずに前と同じ失敗をしないように前半からいくプランを考えていました。
――課題としていたハードリングについては
学生個人から少しの間、ハードルリングの練習を入れたりしていて、練習や予選の前とかにすごく良い感じにハードルリングが出来ていて、結構良いレースが出来るかと思っていました。実際にビデオを見てみると少しは改善できたのかと思うんですけど、まだまだ課題が残るなと感じました。
――決勝のレースプランについては
予選と同じように前半から飛ばして、自分の走りをすることが目標でした。今どこが悪かったかと言われると思い出せなくて出てこないんですけど、先生とも話している課題である7台目以降が今回の決勝ではあまり伸びなかったので、7、8、9台目というのをこれからの課題としてやっていかないといけないと感じました。
――決勝の最後のスタミナについて
スタミナの面については決勝より予選の方が走り終わった時にすごい疲労感があって、初めて400メートルハードルを走ってあんなに辛いと思ったのが予選でした。なので決勝を走り終わった時には足に疲労はきていたんですけど、見ての通り記録は良くないので悔いの方が大きかったです。
――4位はやはり悔しいでしょうか
去年は6位ということがあったので、去年よりは良い順位だったんですけど、やっぱり目標は言っていた57秒台と3位以内を達成できなかったことが本当に悔いが残っています。
――大学に入っていかがでしょうか
今大会の早大の流れが良くて、1日目から仲野さん(春花、スポ3=福岡・中村学園女)が優勝されてすごく刺激を受けて、石田さん(裕介、スポ4=千葉・市船橋)もベストを出されて、400メートルハードルの選手の先輩なので。やっぱり刺激を受けるというのは、高校3年生の頃は他の学校の人から受ける環境だったんですけど、大学に入って身近な先輩から刺激を受けるようになって。それを練習に活かせているというのは、記録を伸ばせている理由の1つだと思います。
――次の大会の予定は
まずはトワイライト(トワイライト・ゲームス)があるんですけど、大きな大会としては全カレ(日本学生対校選手権)だと思うので、しっかりと今の課題を克服できれば良いと思います。
――課題とはハードリングですか
はい。まずはハードリングを。
――具体的な目標は何になりますか
全カレでは400メートルも出場します。400メートルでは54秒台前半から53秒台を狙って3位以内で、400メートルハードルはもちろん優勝と56秒台を視野に入れていきたいです。