朝から濃霧が立ち込めた11月20日、上尾シティマラソン(上尾ハーフ)が開催された。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の約1カ月前に位置し、実際に箱根で走る区間に近い距離を走れるということから、メンバー争いや今後の集中練習に向けて大きな意味を持つこの大会。ことしも強豪校の実力者が集い、来る大舞台に向けて火花を散らした。早大からは武田凜太郎(スポ4=東京・早実)が1時間1分59秒という驚異的な記録で1位に輝く。平和真(スポ4=愛知・豊川工)や鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西)なども1時間2分台前半でそれぞれ6、7位に入賞。また下級生も積極的なレースを展開し、自己新記録が連発した。
表彰式で笑顔を見せる武田
前半、早大勢は落ち着いておのおののペースで走る。しかし折り返し地点を過ぎると、ここで差が開き始めた。平、武田、鈴木洋といった上級生は変わらず先頭集団に位置したが、光延誠(スポ3=佐賀・鳥栖工)や藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)などがペースダウンしてしまう。井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)も「最初の5キロで出すぎてしまった」と振り返ったように、それまで足を使いすぎたことがたたり、ここで集団から離されてしまう。一方ここで清水歓太(スポ2=群馬・中央中教校)は自分のペースを守り、自ら第2集団につくことを選択。その後も1キロ3分前後のペースを刻んでいった。
レースの後半戦、先頭集団はお互い駆け引きを繰り広げる展開に。平が揺さぶりをかけると、15キロ地点で10人前後いた先頭集団も、17キロ地点では6人にまで絞られていった。それまで先頭につけていた太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)もここでふるい落とされてしまう。終盤に入ると、先頭集団でレースを進めていた武田が他大学の主力とつばぜり合いを演じる。トラックでは「自分が仕掛けると決めていたのは、ラスト200〜150(メートル)」と語ったように、圧巻のスパートを決め山梨学院大・上田健太をかわし、1時間1分59秒の1位でゴールテープを切った。一方ラスト5キロ地点から粘りの走りを見せた平が1時間2分12秒、残り1キロで平を猛追した鈴木洋が1時間2分16秒でそれぞれ自己ベストを大幅に更新した
初ハーフとなった太田は後半に課題を残したが、1時間2分台の好走
今回の早大の結果について、「上位の3人は当たり前の結果だとは思うんですが、太田が62分40秒台で走ってくれたのが一番うれしい」と平。上級生が高い目標を達成したことへの手ごたえ、また太田をはじめとする下級生も確実に力をつけてきたことに対する喜びを見せた。また今回のレースでは『ラストの競り合いで絶対負けない』ということをテーマに掲げ、言葉通り武田や鈴木洋は力強いスパートを披露した。上尾ハーフが終わると本格的に箱根に向けて、早大の伝統である集中練習が待っている。きょうの結果をおのおの受け止め、平ら4年生を中心に集中練習でどう力を伸ばしていくか。大一番までのカウントダウンはもう始まっている。
(記事 鎌田理沙、写真 平野紘揮、木村綾愛)
結果
▽男子学生ハーフマラソンの部
武田凜太郎(スポ4=東京・早実) 1時間1分59秒(1位)自己新記録
平和真(スポ4=愛知・豊川工) 1時間2分14秒(6位)自己新記録
鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西) 1時間2分16秒(7位)自己新記録
太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体) 1時間2分48秒(11位)自己新記録
佐藤淳(スポ4=愛知・明和) 1時間3分04秒(19位)
清水歓太(スポ2=群馬・中央中教校) 1時間3分08秒(23位)自己新記録
井戸浩貴(商4=兵庫・竜野) 1時間3分25秒(28位)
藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工) 1時間3分38秒(38位)
光延誠(スポ3=佐賀・鳥栖工) 1時間3分44秒(42位)自己新記録
今井開智(スポ4=神奈川・桐光学園) 1時間4分44秒(98位)
河合祐哉(スポ3=愛知・時習館) 1時間4分53秒(108位)自己新記録
箱田幸寛(スポ4=広島・世羅) 1時間5分30秒(146位)自己新記録
浅川倖生(スポ4=兵庫・西脇工) 1時間5分40秒(165位)自己新記録
谷口耕一郎(スポ3=福岡大大濠) 1時間5分51秒(174位)自己新記録
小澤直人(スポ2=滋賀・草津東) 1時間6分56秒(243位)自己新記録
柄本勲明 DNS
川村祐幹 DNS
石田康幸 DNS
安井雄一 DNS
永山博基 DNS
コメント
平和真駅伝主将(スポ4=愛知・豊川工)
――自己ベストおめでとうございます。きょうの結果を振り返っていかがですか
力を出せばそのくらいのタイムは出ると思っていたので、タイムを出したいというよりもラスト5キロどれだけ動かせるかというところだけをテーマにして走りました。結果的にきょうは前半良いペースで進んでいったので、そこからラストまで粘れたのが自己ベストという結果につながったのかなと思います。
――今回早大は武田凜太郎(スポ4=東京・早実)が優勝し、平選手と鈴木洋平選手(スポ4=愛媛・新居浜西)が入賞され、また太田智樹選手(スポ1=静岡・浜松日体)も63分を切る好走を見せました。チームとして収穫になったのではないですか
そうですね。上位の3人は当たり前の結果だとは思うんですが、太田が62分40秒台で走ってくれたのが一番うれしい点で。太田も力がある選手ですしこれから箱根(東京箱根間往復大学駅伝)のメンバー争いに絡んでいってほしい選手ですね。
――全日本大学駅伝対校選手権(全日本)の疲労はありましたか
選手それぞれ度合いは違いますが疲労はあったと思います。ただ全日本と集中練習の間にこの大会が挟まるのは例年のスケジュール通りで仕方がないので、特にケガなどがなければこれが良い弾みになると思います。
――序盤の5キロ、10キロの通過タイムを教えてください
5キロが14分30秒切るか切らないかくらいで、そこから少し落ち着いて(10キロは)29分20秒くらいで通過しました。
――集団が分かれたのは何キロ地点でしたか
僕は10キロまでついていってそこから仕掛けようと思っていたので、基本的に先頭を走っていて10キロ過ぎのところでは集団の後ろに何人いるかまでは把握できていませんでした。15キロのところでは10人ちょっとくらいまで絞られていて、17キロ過ぎくらいにはもう6人くらいまで絞られていたと思います。
――実際に平選手が仕掛けたのは何キロ地点でしたか
10キロ手前くらいです。このレースは集団についていくようなレースではなく、箱根に向けての弾みにするためのレースなので、とにかく他大学の選手を揺さぶったり自分のきついところでペースをあげたりなど、余裕があってもなくても自分のできないことに挑戦しようと思っていました。10キロ過ぎくらいからは3、4回仕掛けて集団を引っ張って先頭に立っていました。
――平選手以外で引っ張っていた選手はいましたか
15キロくらいまでは僕が引っ張っていて、そこからは日体の小松くん(巧弥)がラストまでいっていましたね。
――一つ目標にあげていたラスト5キロの動きについては
15キロからもう少し体が動いてくれると思っていて、17キロくらいまでは集団を揺さぶっていきたかったんですが思ったよりもきつくて。先頭集団はやはりみんな力があったので、一度集団につき直しました。その時の先頭は小松くんで揺さぶりが何回かあり何人か集団から落ちていってしまって。僕も気持ち的にもきついところがありましたが、ここで離れてはいけないと思って気持ちで粘れた部分が何度かありました。なのでラスト5キロは粘れたとは思います。
――集中練習への意気込みを教えてください
あくまで箱根で戦うための練習に過ぎないので、通過点だという気持ちをしっかり持つのと、強度が高い中でも一杯一杯にならずに淡々とこなしていきたいと思います。それと、ことしは力もありますしレベルの高い練習をこなしていく中で当日良い状態をもっていけると思いますが、そこに後輩がどれだけ余裕を持ってついてきてくれるかということも大事だと思います。もちろん自分たちもしっかり自分の練習に集中していきますが、後輩の面倒を見ていけるかというところも意識することがチーム10人が当日戦っていくという点では重要になると思っています。
井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)
――きょうのレース出場の目的、目標を教えてください
全日本でメンバーを外されてしまったので、リベンジというかたちでやらせてもらいました。あとは練習などでなかなかうまくいってない部分が多かったので、どこまで戻っているかという確認の意味で自分がいまどれだけ勝負できるのかを確かめることを目的にしていました。
――どのようなレースプランをお持ちでしたか
希望を言えば先頭で勝負したかったので、15キロまでしっかり我慢して、それ以降いかに勝負できるかというのを考えていました。
――実際はどのようにレースが進みましたか
もっと中盤で力を使わずに走りたかったのですが、思ったより前の方でスタートしてしまい、最初の5キロで出すぎてしまいました。それから余裕がなかったわけではないのですが、10キロまでで力を使いすぎてしまった部分がありました。10キロの折り返し地点で少しうまくいかなくて遅れてしまった部分が最後まで取り戻せなかったのかなと思います。
――折り返し地点での遅れの原因はご自身のペースが落ちてしまったことなのでしょうか
そうですね。僕自身のペースが落ちたという感じですね。
――メンバー入りを逃した全日本から2週間経ちましたが、調子は戻ってきていますか
きょう結局結果としてはあまり残せなかったのですが、感覚はすごく戻ってきている感じはあったので、これをあと集中練習でいかに戻すかが大事だなというのは感じていますね。
――全日本からの2週間で意識的に取り組んだことはありますか
集中練習前にこの上尾シティマラソン(上尾ハーフ)があって、調整しないといけない試合ではあったのですが、もう最後の準備期間というのは変わらないので準備のための2週間としていました。もちろん上尾ハーフも勝つために真剣に臨んではいましたが、それ以前に全日本に入れなかったことをしっかり生かせる2週間にしようということで、いままでやっていなかったのですが、朝に距離走、午後にレペテーションと1日の間に2つ練習を入れてみたりとか、ジョグも70〜80(分)ペースでかなり距離を積むというのをこの試合の4日前くらいまでずっと続けてはいましたね。
――きょうの結果はご自身ではどう受け止めていますか
結局凜太郎(武田)、平、洋平(鈴木)には追いつけなかったですし、淳(佐藤、スポ4=愛知・明和)にも歓太(清水、スポ2=群馬・中央中教校)にも負けてしまったので結果は良くなかったと自分自身でも思いますし、周りからもそう思われると思います。ですが主観的に見ると感覚も戻ってきて10キロまでしっかり勝負できましたし、練習を変えてきた部分が少し実になってきたかなと感じたので9割失敗で1割希望が見えたかなという感じですね。
――集中練習へはどのように臨んでいきたいですか
この2週間、全日本組が休んでいる中自分はしっかり準備できたと思うのであまり構えすぎずに、最初からトップギアのつもりで練習を積むということをとにかく大事にしていきたいと思います。
鈴木洋平(スポ 4=愛媛・新居浜西)
――62分15秒という記録と学生で7位、全体で8位という結果についてどのように評価されていますか
いままで、納得のいくハーフマラソンの記録を持っていなかったので不安の方が大きかったです。結果、無難に走ることができて、正直、ホッとした気持ちが大きいです。
――調子自体はいかがでしたか
全日本が終わってから、しっかりと休んで走ることができたので、調子は良かったです。でも、練習を積むことができていなかったので不安な部分もありました。ハマるかハマらないか、どちらかだろうなと思っていましたね。
――どのようなレースプランで試合に臨まれましたか
前半から先頭集団で力を溜めて、後半の16、17キロ地点から仕掛けようと思っていました。
――ラストの1キロでスパートを掛けられました。それについては
前に人がいたので、抜いてやろうという気持ちはありました。
――自己ベストを大幅に更新しました。長い距離への不安もなくなったのではないでしょうか
今回の結果で、長い距離でも十分対応することができると実感しましたし、これをステップにして箱根ではもっと良い走りをしたいと思います。
――いよいよ初の箱根が見えてきました。走りたい区間は
この区間をどうしても走りたい、という区間はないのですが、往路か山を走ってみたいなという気持ちはあります。
――なぜ5区を
目立つところを走りたいので(笑)。山は注目度も高いですし、走ってみたいなという感じです(笑)。
――武田凛太郎選手や平和真駅伝主将ら、全日本で好走した4年生がまたも結果を残しました。その点に関しては
先頭集団に太田もいましたし、下級生には負けられないなという気持ちはありました。また部内で1着を目指して走ってもいました。今回、3着ということで長い距離となると彼らの方が練習も積めていますし。でも、これからしっかりと練習で走ることができれば、彼らにも勝てる力をつけることができると思いますし、箱根では彼らはチームメイトなので心強いですね。
――他のメンバーの走りに関して何か思われることはありますか
今回が終わりではないので、この結果をステップにしてほしいですね。ホッとする気持ちはあってもいいと思うのですが、これに慢心と言いますか、過信して箱根に臨むことがないようにまた箱根まで厳しい雰囲気でやっていければなと思います。
――最後にこれからの取り組みと意気込みについて教えてください
箱根まであと1カ月ちょっとしかないということで、ここから飛躍的に力がつくということはないので、一番はケガをしないことが最重要かなと思います。それが一番の僕の課題でもあるので。そういった自分自身の体と向き合うということに重点を置いて、箱根まで過ごしていきたいと思います。
武田凜太郎(スポ4=東京・早実)
――優勝おめでとうございます。きょうのレースプランはどのようなものでしたか
全日本の疲労がある中で、ハーフマラソンという距離でどれだけ粘れるかというのと、あとはラストの競り合いで絶対負けないというのをテーマにして走りました。
――設定タイムはありましたか
自己ベストは絶対更新できると思っていたのですが、1分は出るとは思っていなかったので、そこはおまけみたいなものだと思っています。
――では、ご自身はどの地点で仕掛ける予定でしたか
トラックに入ってからが勝負だったので、そこまでは意地でも我慢するというか、そこまでいけば勝てる自信はありました。自分が仕掛けると決めていたのは、ラスト200〜150(メートル)ですね。
――それまでは先頭集団で粘っていたのでしょうか
色々な選手が仕掛けて揺さぶりをかけたりしてきましたが、冷静に対処できました。
――駆け引きの中で、武田選手にとって特に大変だったのは
同じチームの平が、10キロを超えてから何度か仕掛けてきたので、それについていくのはかなりきつかったです。でも、同じ集団の中に平、鈴木、太田と同じチームの選手がいて、他大の選手がいた中でしたが、すごく燃えましたね。
――先頭集団が絞られたタイミングというのは
10キロを過ぎてから一回絞られかけて、また15〜16キロ過ぎで徐々にまた何人か絞れてきた感じでした。
――ラストのスパートはいかがでしたか
前半はかなりきつかったのですが、後半は体がかなり動いてきました。きょうはきょうで出し切ったのですが、1位という初めてのタイトルを取れてうれしいという気持ちが大きいですね。
――4年生が3人入賞を果たしました
僕たちが、結果で後輩に示していこうということはずっと1年間言ってきたことでした。小さな大会ですがこういった結果になったということは、僕たちがやってきたことは間違ってなかったと、改めて実感できた結果だなと思います。
――ではご自身の1分台というタイムはいかがですか
2分台は出るだろうと思っていましたが、1分台は正直頭になかったので、ラストに頑張れたことのおまけだと思っています。
佐藤淳(スポ4=愛知・明和)
――この試合に向けての調子はいかがでしたか
これまであまり調子は良くなかったんですけど、ここ1カ月くらいで上がってきていたので今日は自信を持って臨みました。
――今回のレースの意気込みや目標タイムはいかがでしたか
ずっと下のチームでやっていたので、他大の上の選手やワセダのAチームの選手を何人か食ってやろうという気持ちで臨みました。上級生の上の3人には及びませんでしたが、何人かは勝つことができたので、そこは良かったです。
――実際のレース展開はいかがでしたか
スタートが後ろの方になってしまったんですけど、そこは焦らずに先頭につきました。もともと先頭集団につくと決めていたので、追いついてからは落ち着いてついていくことができました。
――先頭集団から離れてしまったのは、いつ頃ですか
10キロ地点で多分ワセダの誰かがペースを上げたと思うんですけど、そこで離れちゃって、そこでついていけたら、もう少しタイムが良かったのではないかと思います。
――周りに競る相手はいらっしゃいましたか
同じワセダの清水歓太がいたので、やっぱり先輩の意地で絶対負けられないなと思っていました。彼がずっと横にいたので、こいつがついているのだから俺も頑張らないといけないなと思って頑張りました。
――今回のレースの反省点と良かった点を教えてください
良かった点としては今年1年ずっと足のびしていて、全然走れない時期もあってチームに勢いを与えられなかったんですけど、今日初めて4年生になって良い走りができたと思うので、4年生の意地を見せれたと思います。反省点はレースが動いた時に対応できていないので、これからの集中練習できつい中でも揺さぶりに対応できるようにしていきたいと思います。
――箱根に向けての現在の調子はいかがですか
だいぶ上がってきているので、箱根には練習を重ねて良い状態でもっていきたいと思います。
藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)
――今日のレースを振り返っていかがですか
全日本が終わってからけっこう疲労がたまってしまっていて、調整の段階で少しうまくいっていないなという印象がありました。レースに関しては、いけるところまでいって粘るというレースをしようと自分の中で考えていて、結果は良くなかったんですけど自分の中で原因というのは分かっているのでそんなに悲観的にはなっていないです。
――レースではどれくらいまで先頭集団で粘っていましたか
10キロまでは先頭集団にいて、通過も29分20秒と早いタイムでしたが、自分の中ではそこまで早いと思わなかったので、そこは自分が今までやってきたことが現れているというのは感じました。
――今大会は貴重なロードレースの実戦の場でしたが、収穫や課題などはありましたか
今回そんなに調整をせずに走ったレースでしたが、突っ込んでからの粘りというのが自分の課題であるので、そこは集中練習があるのでそこでしっかり克服して、箱根ではしっかりと勝負できるようにしたいと思います。
――タイムなどの結果についてはどのように受け止めていますか
もちろん良くはありませんでしたが、4年生は疲労がある中でもしっかりと結果を残しているので、そこは自分の力不足というのを感じました。集中練習では3年生の自分がしっかりと上がってこなければいけないので、4年生に食ってかかる気持ちでやっていきたいなと思います。
光延誠(スポ3=佐賀・鳥栖工)
――レースを終えての感想を聞かせていただけますか
全日本でメンバーから外れて、この上尾ハーフ(上尾シティマラソン)を箱根前の一番大事な大会と位置付けてしっかりタイムを出すということを目標にやってきました。自己ベストを出せたことは良かったんですけど、自分の目標としていたタイムよりは30~40秒遅かったので、そこが一番の課題だと感じました。
――きょうのレースプランについては
先頭集団で走らないと勝負ができないということと、去年は15キロ過ぎからペースダウンしてしまっていたので今回は15キロ過ぎを一番大事にするということを思って走ったんですけど、その前から(先頭から)離れてしまって。やっぱり先頭で走らないと前で戦えないですし、15キロ以降でペースダウンしなくてもそれ以前で戦えないということは上位で勝負ができないということなので、残り(箱根までの)1カ月くらい、4年生に食らい付いていけるように練習していきたいと思っています。
――どのあたりで先頭との距離が開き始めてしまったのでしょうか
10キロの折り返しのあたりで(先頭と)間を開けてしまい、そこからズルズル自分のペースが落ちていってしまって。ハーフマラソンは10キロからが勝負なので、そこまでをいかに楽に落ち着いて走れるかをもう一度徹底していきたいと思います。
――序盤についてはいかがでしたか
序盤はちょっと慌てた部分がありました。そこをいかに冷静に走れるかが大切だと感じましたね。
――レース終盤については
相楽さん(豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)もチームのみんなも「ラストのトラックでのスパートはみんな上げよう」とスタート前に言っていて、僕もラストくらいは上げて終わりたくて、そこ(ラスト)は良かったんじゃないかと思います。
――きょうは課題と収穫の両方が見つかったレースだったということでしょうか
そうですね。ラストのスパートはどの大会よりも良くて、そこは改善できたと思います。でもまだまだ改善していかなければいけない部分はたくさんあるので、集中練習でそこの部分を少しでも埋められるようにやっていきたいです。
――おっしゃられたように、集中練習など箱根まで追い込みの時期に入っていきます。最後に今後に向けての意気込みを聞かせていただけますか
去年(の箱根)は7区で僕が少しブレーキとなる走りをしてしまったので、まずそこ(箱根)でチームに貢献するということ第一にやっていきたいです。今は全くチームに貢献できていないので、箱根で借りを返して、たくさんお世話になっている今の4年生の姿をしっかり目に焼き付けて、来年は自分が最上級生として引っ張っていけるように頑張っていきたいと思います。
清水歓太(スポ2=群馬・中央中等教育)
――きょうのレースプランはどのようなものでしたか
あまり考えずにとにかく先頭集団が見える位置でレースを進めることを意識していて、それしか考えていなかったです。
――設定タイムはどのくらいでしたか
自分の中では63分台を出すことを目標にしていたので、先頭についていってきつくなってもそこで粘ればそのくらいのタイムは出るかなと思っていました。
――ラップはどのくらいでしたか
だいたい3分を少し切るくらいのペースでずっといっていて、最後の5キロくらいはペースが落ちたんですけどそこまで大幅に下がることがなかったので3分前後でいけたのが良かったと思います。
――実際のレース展開はどのようなものでしたか
9キロ前くらいで先頭集団が2つに割れたんですけど、そこで前の集団に着かずに我慢しました。その集団も3分前後のペースでしっかり押していたので僕にはすごく良いペースでした。
――レースプラン通り、先頭がずっと見える位置で走れたのでしょうか
そうですね。でも後半はちょっとずつ離れていってしまったので先頭とは勝負はできない感じだったんですけど、第2集団の中にずっといられたのでタイムは出せるかなと走りながら思っていました。
――競っていた選手はいましたか
ずっと淳さん(佐藤)と2人でその集団にいて、淳さんがいなかったらその集団からも離れていたかもしれないので淳さんには本当に感謝したいと思います。
――今回のレースでの収穫と課題は
正直自分でもここまでスムーズに走れると思っていなくて、きつくて体が止まってはいたんですけど大幅にラップを落とすことがなかったのでそこは良かったかなと思っています。悪いところは、やっぱりラスト競ったところで淳さんにも負けてしまいましたし、ラスト1キロで競ったら負けないというのをワセダの中で確立していこうと言ってる中で、ちょっとラストで甘えが出てしまった点です。ラスト頑張ることで62分台も見えてたのでラストをもっと頑張れればなと思いました。
――自己記録の更新についてはいかがですか
ハーフマラソンが走りきれず後半に失速することが多く、タイムはすごく遅くてチームでも下から2番目とかだったので、今回大幅に更新できてうれしいですしやっとスタートラインに立てたなと思います。
太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)
――きょうのレース展開について教えてください
初めてのハーフということで何も分からないことばかりで、とりあえずはずっと先頭についていこう、そしてそこでどれだけ我慢できるかがポイントでした。チームの方針としてラスト1キロでしっかり上げてラスト勝負では負けないということでした。個人的には途中までは良い感じで走れたんですけど、ラストは全然上がらなくて、そこが課題かなというのがあります。
――序盤の先頭集団では何番目くらいにいたのでしょうか
気付いたら14、5人くらいの先頭集団になっていて、そこでそのまま様子を見ながら走っていたんですけどラスト5キロできつくなってしまって、そこで離れてからがやはり長かったですね。
――離されたときは先頭からどれくらい離れていたのでしょうか
17キロくらいでちょっと間を空けてしまって、それからは東洋の櫻岡(駿)さんと一緒にいて、ラスト3キロとかで離されてしまって、ラスト2キロではずっと一人で走っていました。
――先頭集団に追いつけなかったのは粘れなかったのが原因でしょうか
そうですね。どれくらいいけるかというところではしっかりいけたんですけど、そこからの粘りというのが足りなかったのかなと思っています。
――今回が初のハーフでしたがそこに向けてどのような調整をされましたか
(初めてのハーフで)全然分からないのと全日本が終わってから疲労が抜けなかったというのがあったので、先輩にどんな感じでいつも(調子を)持っていっていますかという感じで聞いて、疲労を抜きながら今回に向けて気持ちを上げていくとともに体(の調子)も持っていきました。
――ご自身でどのようなタイム設定をされていましたか
63分台が出ればいいかなと思っていたのでタイム的には全然良かったんですけど、やはり3人の4年生に負けてしまったのと、僕の前に(他大の)1年生が3人いて、そこに負けてしまったというところはまだまだだなと思いました。このままでは箱根でもラストで失速してしまうと思うので、ラストの粘りというかそこのスタミナをしっかりつけていかなければと思いました。
――今回の結果を受けて箱根までの追い込みの時期をどのように過ごしたいと思われますか
一つ手応えはつかめたのでこの手応えを忘れずにやっていきたいです。ただ課題もあるので過信しすぎないように、まずは疲労をしっかり抜いて故障をしないように箱根まで走り込んで、後半の5キロ、4キロをしっかり上げられるようにもう一回脚作りからしていきたいと思います。