昨年度は4×400メートルリレー(マイル)で四連覇を達成した一方、4×100メートルリレー(4継)では予選落ちという屈辱を味わった早大。ことしこそは両種目での優勝を果たすべく、ことしで100回を数える日本選手権リレーへと挑んだ。4継は決勝でアクシデントがあったものの、地力を見せつけ見事シーズンベストをマークし表彰台へ上った。マイル決勝では序盤から主導権を握り、盤石の優勝。王者の風格さえ漂うレースを展開し、連覇の数を5へと伸ばした。
(記事 平野紘揮)
★アクシデントをはねのけ、3位で表彰台へ!
2走須田から3走橋元へのバトンパス。2人の4年生エースが順位を押し上げた
ことしは主軸の選手に故障が相次ぎ、関東学生対校選手権、日本学生対校選手権(全カレ)と4継でベストメンバーを組むことができなかった早大。しかし「今シーズン初めてこの年代の早大競走部で走るべきメンバーをそろえられた試合だった」と橋元晃志(スポ4=鹿児島・川薩清修館)が語る通り、この大会でついに主力陣がチームに復帰した。予選は序盤から上位に立つと、そのまま余裕を持って組1着でフィニッシュ。39秒67のシーズンベストをマークする。この記録は全カレ覇者の中大に次ぐ予選全体2位のタイムだ。1走を務めた竹吉大記(スポ4=千葉・市船橋)は「やっと勝負できるチームになったなという感じで、ほっとした」と予選を振り返った。しかし迎えた決勝、1走竹吉がスタート直後に肉離れを起こしてしまうというアクシンデントに見舞われる。「僕がチームの足を引っ張ってしまった」と唇をかんだ竹吉だったが、2走須田隼人(スポ4=神奈川・市橘)へのバトンパスをミスなくこなし、3走橋元がじわじわと前との差を詰めていく。アンカー徳山黎(スポ3=神奈川・相洋)が驚異的な追い上げを見せ3位を走る中大をかわし、そのままゴール。見事銅メダルを獲得した。決勝の記録は予選のタイムを大幅に上回る39秒26。「目標には届きませんでしたが、価値のある3位だったと思います」(橋元)、「優勝はしたかったですがタイムとしては全然悪くはない、チーム記録としては(今季)一番のタイムを出せて戦うことができたというのはすごく良かった」(須田)とレースを振り返った4年生エースの2人。最上級生の3選手にとってはこれがワセダでの最後のリレーとなる。優勝を狙っていただけに、悔しくないと言えば嘘になるかもしれない。しかしチームの力を出し切れた今大会の結果に、後悔はない様子だ。
(記事 平野紘揮、写真 大庭開)
★マイル五連覇達成!愛敬主将のラストレースを飾る
レース後喜びを分かち合うマイルメンバー
日本選手権リレー五連覇を目指して臨んだ男子のマイル。早大は予選からいきなり苦戦を強いられる。エースである加藤修也(スポ3=静岡・浜名)を温存するとともに、来季を見据えてルーキーの西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)を起用したが、結果はまさかの組3着に。タイム順で拾われての決勝進出となり、九死に一生を得るかたちとなった。迎えた決勝、1走を務めたのは今大会がエンジを着ての最後の試合となった愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)だ。これまで早大のマイルを支えてきた愛敬が気迫あふれる好走を見せ、上位でレースを進める。予選とはメンバーが変わり、2走に入った徳山黎(スポ3=神奈川・相洋)は序盤から積極的な走りを展開し、バックストレートで好位置を奪取。最終コーナーを抜けて1位に躍り出ると、最後まで粘りきって次走者へとつないだ。3走の石田裕介(スポ3=千葉・市船橋)は一時、大東大に抜かれるも相手の真後ろに位置取り機会をうかがう。そしてホームストレートに入ると一気にギアチェンジ。4走を務めた予選では最後の競り合いに勝ちきれなかった石田裕だが、決勝ではしっかりと抜き返し、バトンはトップで4走へと渡る。アンカーを託されたのは早大の絶対的エース、加藤。後続をまったく寄せ付けない圧巻の走りを見せ、1位でフィニッシュラインを駆け抜けた。この結果早大は見事にマイル五連覇を達成。全カレで7位に終わった雪辱を果たした。
愛敬主将の引退レースに花を添え、今シーズンを笑顔で締めくくったマイルメンバー。決勝に出場した選手の内、愛敬主将を除く3人は来季もチームに残る。若いチームは鍛練の冬を経て、来春さらに成長した姿を見せてくれることだろう。
(記事 大庭開、写真 鎌田理沙)
結果
▽男子4×100メートルリレー
予選
早大(竹吉-須田-橋元-徳山) 39秒67(3組1着)
決勝
早大(竹吉-須田-橋元-徳山) 39秒26(3位)
▽男子4×400メートルリレー
予選
早大(愛敬-中野-西久保-石田裕) 3分08秒99(3組3着)
決勝
早大(愛敬-徳山-石田裕-加藤) 3分08秒00(1位)
▽女子4×400メートルリレー
早大 DNS
コメント
愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)
――4×400メートルリレー(マイル)の決勝レースを振り返って
関カレ(関東学生対校選手権)で優勝することができてチームとしては良い流れを作れたと思っていたのですが、全カレ(日本学生対校選手権)で各選手の持ち味がなかなか発揮できず7位に終わってしまい非常に悔しい思いをしました。その後、次の日本選手権リレーでは絶対に勝つぞということを目標に、チーム一丸となってやってきたことが今回の優勝というかたちになったことを本当にうれしく思います。
――予選・決勝ではオーダーが変わっていましたが
このレースの前の関東学生新人で、来シーズンに向けてということで徳山(黎、スポ3=神奈川・相洋)や西久保(達也、スポ1=埼玉・聖望学園)が出場していて良いレースをしていましたし、来年のワセダは僕と中野(直哉、スポ4=長野吉田)という400メートルの軸の2人が抜けるということもあってチームに影響があると思っていた中で、徳山や西久保は(来年以降)マイルを走り引っ張らなければならない存在ですし、それらを含めて『試し』というかたちで、来シーズンのワセダを見据えつつの今回のレースでした。
――予選は着順での通過はかなわず、きわどい部分もあったと思います。振り返ってみていかがですか
レース前から監督と話はしていたのですが、800メートルが専門の西久保と不調であった僕と中野を使うというところでかなり博打の部分はありましたし、決勝に残れるかギリギリかなという予想でした。その中で最後に石田が粘ってくれて予選を通過できたのですが、タイム的にも力通りだったと思います。もともと余裕を持っていけるメンバーではありませんでしたが、来年のことも考えてやはり西久保、それから石田の4走が確認できたという意味で良い一本だったのかなと思います。
――愛敬選手自身の走りを振り返ってみていかがですか
やはりことし一年間ケガ続きで思うように練習も積めていなくて、一本走って精一杯という部分がありました。今回も予選を走ってやはりすごく体にダメージはありましたし、決勝でもうまく動かない部分はあったのですが、最後だったので。あまり一生懸命という言葉は好きではないんですが、必死に走った結果良い位置でバトンを渡せたので良かったなと思います。ですがまだまだ自分の持ち味も出せていませんし課題というのも克服できていませんので、今後につながる一本だったかなと思います。
――主将としての一年間を振り返っていかがですか
ことし一年はほとんどまともなレースはできていません。去年全カレで自己ベストを出した時は練習がしっかり積めていてこれならベストが出て当然だというように思って走れたレースでしたが、ことしは本当に付け焼き刃で走り切らなければならない、ケガがあってもケガと言わずに、苦しいシーズンの中一本一本やっていくという感じで。それで精一杯な部分はあったのですが、いろいろなことも含め本当に勉強になりましたし、競技面では成功しなくても主将という立場を頂いて、チーム・組織をまとめるということについて学べることも多く、人間として一枚も二枚も皮がむけたと思います。人間性という面で成長できたことが僕の財産になったと思いますので、監督やコーチのみなさん、OBのみなさん方には感謝の気持ちでいっぱいです。
――今回は早大での引退レースとなったと思います。早大競走部での四年間を振り返っていかがですか
やり残したことはたくさんあるのですが、それを言っても仕方がありません。しっかりと得たものを今後に生かすことが大事かなと思いますし、今後会社に勤めて仕事をしながらいま以上に結果を出さなくてはならないということは、やはりいま以上に厳しい環境になり、自分の状況も厳しくなってくると思います。ワセダに入って環境に頼っていた部分やワセダにいるだけで強くなれると勘違いしていた部分があったので、そこをもう一度、次は会社の看板を背負うわけですから、責任を自覚し直してしっかり努力していけたらと思います。
須田隼人(スポ4=神奈川・市橘)
――四年間の締めくくりとなるレースを終えて、いまのお気持ちを教えて下さい
僕個人としては来週試合があって最後ではないのですが本気でリレーができる試合というのは今回が最後で、この一年間通してきてまだ一度もちゃんとした4継(4×100メートルリレー)というものを見せられていなかったかなと思っていた中で今回やっとフルメンバーで出場することができて、優勝はしたかったんですけれどもタイムとしては全然悪くはない、チーム記録としては(今季)一番のタイムを出せて戦うことができたというのはすごく良かったかなと思っています。
――ご自身のレース内容はいかがでしたか
直前まで全然調子が上がらなくて結構不安な部分がありましたが、実際に当日を迎えて、場の雰囲気というのもあったと思うんですけれども、直前までOBの先輩や先生が見て下さってぎりぎりまで修正することができたので、今回はしっかり走れたかなと思っています。
――最上級生として臨んだ今年はどのようなシーズンでしたか
またシーズンインをケガで迎えて前半はふがいない走りしかしてこれなかったのでそれを踏まえた上での今回のリレーだったんですけれども、そこはまず置いておいて、まずリレーで勝つのが早大だということを思ってこれまでの四年間やってきたので、最上級生としてというよりはワセダの競走部員として勝たなければいけない試合だったと思います。
――競走部で過ごした四年間を振り返っていかがですか
大学でここに入ると決めた時から考えてみると貴重な経験をたくさんさせてもらったなと思っています。やっぱり想像ができないレベルまで自分が行けたというのと周りの仲間や先生方にいろいろと教えてもらって、貴重な経験ができたと思っていて、すごく感謝しています。
――四年間を共に過ごした同期の選手たちはどのような存在でしたか
普段は冗談言ったりていう感じなんですけど、とにかく頼りになるような存在でしたね。
――後輩の皆さんにはどのようなことを期待していますか
やっぱり僕と橋元(晃志、スポ4=鹿児島・川薩清修館)が抜けると100メートルのタイムが他大学と比べて速い選手がいなくなってしまうので、この冬を通して1人でもエースになれるような存在が出てきてくれるとまたその下も伸びてくるので、そういうふうになってほしいと思います。
――卒業後、競技は続けるのでしょうか
本気でやる競技生活というのはこれで終わりで、一応地元の神奈川の陸協に登録してどこかで続けられたらなとは思っています。
――社会人として、競走部での経験をどのように生かしていきたいと考えていますか
競走部での四年間は部ではなく社会だと先生がよくおっしゃっていて、この四年間過ごしてきたものがそのまま使えるかは分からないですがほとんどがそのまま使えるのではないかなと思っているので、不安はなくやっていけるんじゃないかなと思います。
竹吉大記(スポ4=千葉・市船橋)
――予選は組1着、全体2位のタイムで通過しました。振り返ってみていかがですか
なかなか春から通してここまで4継というものがうまくできていなくて、不安はあったのですが、最近の流れからして絶対に結果を出せる自信はありましたし、そこは自信を持って予選前にみんなで話し合って臨めたので、組1着で通った時にはやっと勝負できるチームになったなという感じで、少しほっとした部分はありました。
――今回は久し振りにベストメンバーで臨むことができた4継でした
僕はずっと走っていたのですが、主力の選手がケガで出られなかったことがありました。やはり主力が抜けるとチームとしても結果が出づらい部分があると思うので、走るべき選手が走ってくれたというのは大きなことだったなと思います。
――決勝の3位という結果については
実際に優勝を意識して臨んでいたので、結果的に僕がチームの足を引っ張ってしまったというかたちになってしまったんですが、その後の3人がなんとか順位を上げて3位で表彰台に上がれたということで、チームメイトやそれ以外のみんなにもすごく感謝をしたいですね。
――今回で実質早大での引退レースとなった思います。この四年間を振り返ってみていかがですか
最後いろいろ振り返った時には様々な思いがあるのですが、終わり良ければ全て良しではありませんが、良い感じで終われればというふうには思っていました。それが最後こういうかたちになってしまったので多少悔いは残るのですが、この先まだまだ、後輩もたくさんいますので、僕の培ってきたものや経験を少しでも伝えられたらなと思います。
橋元晃志(スポ4=鹿児島・川薩清修館)
――今回は橋元選手が早大として挑む最後のリレーとなったと思います。意気込みはどのようなものでしたか
最後のリレーということで、もちろん目標としては優勝を目指して臨みました。
――今回は久々にベストメンバーがそろえられての4継となりました
ことしこのチームが始まってから、春に僕と4走の徳山もケガをして、短短(短距離のうちでも100、200メートルを専門にするブロック)の選手の二人が抜けたという中で、他の障害ブロックの古谷(拓夢、スポ2=神奈川・相洋)や跳躍の根岸勇太(スポ2=千葉・成田)を出さざるを得ない状況を作ってしまいました。この状況を作ってしまったのは僕の責任が一番大きいと思うのですが、その中で終わったことは仕方がないと切り替えて秋に全カレに挑み、この日本選手権リレーが最後の試合とはなったのですが、今シーズン初めてこの年代の早大競走部で走るべきメンバーがそろえられた試合だったなと思います。
――予選は組1着、全体2位のタイムで決勝へ進出しましたが振り返っていかがですか
予選は決勝にいくことが一番大事なところだったので、バトンに気を配ったり、あとは気温が低かったので抑えめにいこうというところで、安全バトンというかたちでした。その中で目標通りのタイム、ことしのシーズンベストが出せましたし、それは一つの自信にもなって良いかたちで決勝に臨めたかなと思います。
――決勝での3位という結果については
優勝を狙っていた分悔しい部分はありますが、1走の竹吉がケガをしてしまうというトラブルがあった中でもバトンをしっかりつないでくれて。そのままそのバトンを2、3、4走と受け取っていき、最後4走の徳山が4位と3位の表彰台に乗れるか乗れないかという争いに勝ってくれて、僕たち4年生にとっても最後の大会で表彰台に上れたというのは大きいことだと思いますし、来年競走部のリレーメンバーを引っ張っていく4走の徳山が最後に良い走りをしてくれたというのは、ことしのチームの区切りとしても良かったなと思います。僕らが引退してからの新しいチームに向けて、良い試合になったのかなと。目標には届きませんでしたが、価値のある3位だったと思います。
――ことし一年間はブロック長として過ごしてきたと思います。振り返ってみていかがですか
ブロック長として僕が引っ張らなくてはいけない中で、自分自身のケガがあって自分のことに手いっぱいになってしまい、短距離ブロック長としてたるべきことをやりきれたかというと全然そんなことはなくて。本当にふがいないことばかりでしたが、周りの同期や後輩のみんなにも支えられていました。ことしうまくいかない中でこうやって最後の試合で表彰台に立たせていただけたのも同期や後輩の力だと思いますし、チームのみんなには短距離ブロック長として支えてもらった一年だったと思います。
――早大での四年間を振り返ってみていかがですか
この四年間ケガが多くて、うまくいかない部分がすごくありもどかしいこともあったのですが、それでも腐らずにこうして最後の試合を迎えられたのは本当に多くの方々のサポートや支えがあったからです。そういうものがケガが多い中でも復調できた要因でもありますし、ことし一年は特にそういった方々に感謝を返そうと思っていました。ですがまたシーズン初めにケガをしてしまって…。本当にふがいない中ではありましたが、多くの方に応援してもらえていたなと思います。はたから見ればケガが多くてあいつはうまくいってない四年間だったと言われるかもしれません。ですが僕にとってはそんなことは全然なくて、苦しい中でも陸上競技の新たな価値や周りの方々の存在などたくさんのことに気付かせてくれた四年間だったと思います。まだ人生始まって20年少しですが(笑)、本当に濃い四年間を送らせていただいた競走部には感謝をしたいですし、振り返ってみると本当に良い陸上人生を送れたんじゃないかなと思います。
石田裕介(スポ3=千葉・市船橋)
――マイル五連覇という結果を受けて、率直な思いをお聞かせください。
素直にうれしいというのと、予選の走りを受けて、決勝では最後にしっかり(周りの選手を)抜いてこれたというのが大きかったです。決勝では加藤(修也、スポ3=静岡・浜名)にしっかりと先頭で渡せて、そこは任せることができましたし、予選を生かしたレースができたというのは僕としてもプラスになりました。
――今回のマイル決勝では3人が3年生以下の選手でした。来季につながる点となりますか
そうですね。いまのところきょう走ったメンバーを来年度うまく使っていきながら、来年の新入生を混じえてどう戦っていくかというのがチームの方向性だと思います。そこは4継にしろマイルにしろ一緒のところだと思いますが、僕らも冬季練習を積んで今回のメンバーが走るのはもちろんですし、そこに新入生を加えて良いレースができたらなという思いがあります。
――予選ではアンカーを務められていましたが、アンカーの経験は
関東学生新人の時に一度走らせて頂いたのと、あとは高校でも走っていました。場所が場所でというか、ワセダの4走というプレッシャーもあって予選では最後に抜ききれないというところがあったので、本当にそこは悔しい部分でした。最初は(各組着順通過以下タイム順の)プラスという考えも浮かばないくらい悔しくて、決勝ではタイミングをしっかり合わせて後半どう抜いていけばいいかということを考えながら走りました。4走は今後も走る機会があると思うので、今回は抜かれてしまいましたが冬季練習をしっかり積んで、後半伸びる選手として活躍できたらなというのが目標としてあります。
――今回は4年生の引退レースとなったと思います。それに対する思いは
このシーズンは主将である愛敬さんを含めた4年生の皆さんに本当にお世話になりましたし、頼りになる方ばかりで、今回は僕らがこれからそれを受け継ぐという意味もあったレースだったと思います。ワセダというチームとして、いままでの恩返しを含めて、今後僕らでしっかりやっていきますということを伝えるためのレースだったのかなと思いますね。
――来シーズン以降の目標を教えてください
僕個人として、来年度はチームの中心になりたいと思っています。そのためにはもちろん歴史あるチームを引っ張っていくとともに僕自身が強くならなければならないですし、監督やスタッフ陣だけでなく、来年4年生になるいまの3年生がどう強くなっていくかを自分自身で考えていかなくてはならないと思います。ことしは多少なりとも不安定な部分があったので、来年の目標としてはしっかりシーズン前半から勢いに乗っていけるようなチームを作りたいなと思います。
加藤修也(スポ3=静岡・浜名)
――マイルで優勝しての感想はいかがですか
とりあえずうれしいというのが一番です。ずっと1位を取ってきた大会だったので、負けられないという気持ちがありました。今季全カレで(このチームが)負けてしまったので、愛敬さん、中野さんが最後という事もあり勝たせたいという気持ちが強かったです。
――走り自体を振り返っていかがですか
足が動いていましたが、アップの段階で上半身と下半身の動きが少しずれているかなというところがありました。(走っている最中は)周りが見えなかったこともあって自分が動けていたか分からないこともあるのですが、結果的に最後まであまり落ちずに走れたので、レースとしては良かったかなと思います。
――4走に起用されたという点はいかがですか
当初の予定ではアンカーではなかったので、単純な驚きはありました。でも僕が競技力で引っ張っていかなきゃいけない、むしろ最後勝てばいいと思ったので、そういう意味では割り切って走ることができたかなと思います。
――1位でバトンをもらったときは、勝てるとは思いましたか
トップで渡してくれたので、「勝たないわけにはいかないな」とは思いました。さすがにここで抜かれて負けたら、もう大学帰れないですね(笑)。
――今シーズンの大きな大会はこれで一区切りだと思いますが、来シーズンの目標、イメージはありますか
まだ冬季のメニューも決まっていませんし、大学のチームの幹部の交代もまだなので、細かいところはそこで決まると思います。一番の目標は東京オリンピックだと思うので、そのために来シーズンどうするかは監督と話し合おうと思います。
――具体的にいうと、来年の世界選手権などは
そうですね、世界選手権は頭に置いています。あと去年ユニバーシアードで、ケガということもあって悔しい思いというか迷惑をかけたのがあったので、それに一つ思い入れを持って取り組みたいなと思います。
――ことし一年を振り返ってみて
ことしは悔しい一年でした。1つ下の二人の存在が、嫌じゃないですけど、頼もしいと思う部分もありましたが、単純に僕より強かったなと思います。あとことしは勝ち癖がついていなかったと思います。そういう意味では今回1位でゴールしてシーズンを終えられるのは良かったかなと思います。いい気分で冬季練習にいきたいと思います。
――加藤選手は後半型ですが、前半も工夫して速く走る走りを目指していたと思います。それに向けての完成度は、ことしは全然という事ですか
それは見てもらったら分かると思うのですが、全然でした。『前半いく』という感覚を持っていなくても前半出れるというのが理想なので。そこの境地にはまだ達していなかったです。今回は後半に勝つレースをしました。
――マイルの予選に出られなかった意図とは
それは監督の采配というのが一番です。春先チームをずっと引っ張ってくれていた中野さんの調子があまりよくなかったり、愛敬さんもいままでケガで苦しんでいたりしましたし、僕以外がどういう状況かはっきり分かっていなかったのもあって。その中で石田裕が良かったり、西久保も国体で勝ちましたし、他の人を試したかったというのがあるのかもしれないです。かもしれない、ここは強調したいです(笑)。
徳山黎(スポ3=神奈川・相洋)
――マイルのレースの感想をお願いします
僕は400メートルの選手ではなくて、100、200メートルを専門にしていて、前々から準備はしておけと言われていたのですが、きょうは急きょ出ることになりました。完全に出ると決まったのはきのうの予選が終わってからです。(僕が)代わりになる選手というのが4年生の方で、僕は中野さんの代わりとしてでした。(今大会は)引退レースだったのですが、(4年生の)代わりという事もあり、いろいろなプレッシャーが積み重なっていく中で、この優勝という結果はすごいうれしいのと、あと4年生の代わりで出て優勝できてほっとしています。4年生の方も悔いなく終われたのではないかなと思います
――マイルを走るのは久しぶりでしょうか
いや、この前の関東学生新人が大学に入って初めてのマイルです。そこからマイルもいける、となりました。
――マイルの決勝の走りを振り返って
4継もきのう出場して、スピード感はあって。あとは前半楽にいって後半どれだけ持ちこたえるかというのが自分の課題でした。2走で前に良いペースでいっていってくれた犬塚君(渉、順大)がいて、それについていくかたちで、ラスト150メートルで切り替えができたので、良いレース展開ではあったかなとは思います。
――4年生の選手が抜けるということで、来年マイルメンバーに起用されたらどのようにしていきたいですか
今回3人が3年生で来年はまだ残っており、来年は(今大会の)予選で使った西久保がいますし、ことし以上の力が出せるチームではあると思います。『リレーが強いワセダ』がワセダのチームだと思うので、マイルでも強いワセダでいたいと思います。